「今回の作戦では、4中隊が出撃し航空大隊を形成する。まずは我々第541混成対艦攻撃中隊、He111爆撃機による第524中隊、さらに直掩、制空隊として第913中隊と第118中隊だ。」
最後に言われた中隊の名前に、周りがざわついた。
「第118中隊って、あの118か!」
「エース部隊を出してくるとは、上もなかなか本気だな。」
「有名なのか‥?」
私が零してしまった発言のにつられ、隊の女性パイロットが急に語り始めた。
「えぇ!?知らないの?‥あ、そういえば貴方は最近配属されたばっかりだったわね。じゃあ教えてあげる。118中隊っていうのは、ギュンター中尉っていう人が率いるエース部隊なの。中尉って結構古参らしいんだけど、被撃墜が1回も無いらしいの。それと、女性人気も高いから一緒に出撃できるなんて本当に嬉しいの!」
「そ、そうなのか‥。」
皆が118隊に沸く中、私はもう片方の中隊が気になっていた。第146中隊には、あの隣人が小隊長として所属しているのだ。
*
準備をひとまず終えた私はその戦闘機隊の場所へ向かった。するとその途中、あちらも同じ事を思ったのかその隣人と鉢合わせる。
「まさか一緒に出撃する事になるとはな。」
「そうだね。お互い頑張ろう!。」
私達は握手を交わし、機のもとへと戻った。
――ドーバー海峡 戦闘海域
「レーダーに反応多数!」
「方位と数、速度は分かるか!?」
ル・ファンタスクの発見に、すかさずコミューナが詳細を求める。
「えぇと‥12時方向から、数は30から40、速度約300キロで突っ込んで来ます!」
「敵機だ!くそっ、もう気づかれたか。総員戦闘配置につけ!対空見張りを厳とせよ、
艦隊の表情が引き締まる。擬似的な艦内が存在する艤装の中でラッパが吹き鳴らされ、乗組員妖精達がせわしなく走り回る。勢い余って酒瓶が割れたりもしたが、練度の高い妖精達は程なくして位置についた。
艦隊の対空砲が空を睨み、主砲に対空榴弾が装填された頃‥
「4時の方向より航空機多数接近!」
「不味い、挟撃かッ!」
ル・トリオンファンの報告に焦るコミューナ。しかしエミールは落ち着いたまま。
「いいえ‥遅いわよ、貴方達。」
彼女はそう言うと、艦隊全てに繋がるよう無線を開く。
『前方に敵機見ゆ!何とか間に合いましたね。姐さん達見えてますかー!』
そこから飛び込んで来たのは、陸上基地から発進したフランス空軍部隊の無線であった。
「えぇ、見えているわよ。貴方達、一番撃墜数の多い小隊には後で私の手料理を振る舞ってあげるわ。頑張って頂戴。」
『『よっしゃあああああ!!』』
『お前ら、行くぞ!全機突撃ッ、我に続け!!』
騒々しい掛け声とともに敵編隊に襲いかかるフランス戦闘機隊。フランス勢はいつもの事なのか気にしていない様子だったが、始めて見るコミューナは閉口していた。
「‥奴ら、いささか動機が不純に過ぎないか?確かに戦争において食事というものは平時以上に大切ではあるが‥。」
「あれが士気高揚に一番効果的なのよね‥。」
あまり知りたくなかった、とコミューナは話題をそらそうとするが、
「ところで、
「ラ・マルセイエーズね。合ってるけどなんだか褒められた気がしないわ。」
「「・・・。」」
一方、冷めた艦娘達とは逆に空では熱い戦いが繰り広げられていた。
お茶がドロップしてくれません..