ツバメ   作:シロヴィ

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なんとかショックから立ち直りました。


22話

 「今回の作戦では、4中隊が出撃し航空大隊を形成する。まずは我々第541混成対艦攻撃中隊、He111爆撃機による第524中隊、さらに直掩、制空隊として第913中隊と第118中隊だ。」

 

 最後に言われた中隊の名前に、周りがざわついた。

 

 「第118中隊って、あの118か!」

 「エース部隊を出してくるとは、上もなかなか本気だな。」 

 

 「有名なのか‥?」

 

 私が零してしまった発言のにつられ、隊の女性パイロットが急に語り始めた。

 

 「えぇ!?知らないの?‥あ、そういえば貴方は最近配属されたばっかりだったわね。じゃあ教えてあげる。118中隊っていうのは、ギュンター中尉っていう人が率いるエース部隊なの。中尉って結構古参らしいんだけど、被撃墜が1回も無いらしいの。それと、女性人気も高いから一緒に出撃できるなんて本当に嬉しいの!」

 

 「そ、そうなのか‥。」

 

 皆が118隊に沸く中、私はもう片方の中隊が気になっていた。第146中隊には、あの隣人が小隊長として所属しているのだ。

 

 *

 

 準備をひとまず終えた私はその戦闘機隊の場所へ向かった。するとその途中、あちらも同じ事を思ったのかその隣人と鉢合わせる。

 

 「まさか一緒に出撃する事になるとはな。」

 「そうだね。お互い頑張ろう!。」

 

 私達は握手を交わし、機のもとへと戻った。

 

 

 ――ドーバー海峡 戦闘海域

 

 「レーダーに反応多数!」

 「方位と数、速度は分かるか!?」

 

 ル・ファンタスクの発見に、すかさずコミューナが詳細を求める。

 

 「えぇと‥12時方向から、数は30から40、速度約300キロで突っ込んで来ます!」

 「敵機だ!くそっ、もう気づかれたか。総員戦闘配置につけ!対空見張りを厳とせよ、Давай!Давай!(行け、行け)

 

 艦隊の表情が引き締まる。擬似的な艦内が存在する艤装の中でラッパが吹き鳴らされ、乗組員妖精達がせわしなく走り回る。勢い余って酒瓶が割れたりもしたが、練度の高い妖精達は程なくして位置についた。

 

 艦隊の対空砲が空を睨み、主砲に対空榴弾が装填された頃‥

 

 「4時の方向より航空機多数接近!」

 「不味い、挟撃かッ!」

 

 ル・トリオンファンの報告に焦るコミューナ。しかしエミールは落ち着いたまま。

 

 「いいえ‥遅いわよ、貴方達。」

 

 彼女はそう言うと、艦隊全てに繋がるよう無線を開く。

 

 『前方に敵機見ゆ!何とか間に合いましたね。姐さん達見えてますかー!』

 

 そこから飛び込んで来たのは、陸上基地から発進したフランス空軍部隊の無線であった。

 

 「えぇ、見えているわよ。貴方達、一番撃墜数の多い小隊には後で私の手料理を振る舞ってあげるわ。頑張って頂戴。」

 

 『『よっしゃあああああ!!』』

 『お前ら、行くぞ!全機突撃ッ、我に続け!!』

 

 騒々しい掛け声とともに敵編隊に襲いかかるフランス戦闘機隊。フランス勢はいつもの事なのか気にしていない様子だったが、始めて見るコミューナは閉口していた。

 

 「‥奴ら、いささか動機が不純に過ぎないか?確かに戦争において食事というものは平時以上に大切ではあるが‥。」

 「あれが士気高揚に一番効果的なのよね‥。」

 

 あまり知りたくなかった、とコミューナは話題をそらそうとするが、

 

 「ところで、Aux armes, citoyens,Formez vos bataillons(武器を取れ、市民らよ、隊列を組め)だったか?実に革命的で良い歌だ。」

 「ラ・マルセイエーズね。合ってるけどなんだか褒められた気がしないわ。」

 

 「「・・・。」」

 

 一方、冷めた艦娘達とは逆に空では熱い戦いが繰り広げられていた。 




お茶がドロップしてくれません..
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