――ドーバー海峡上空 イギリス・ドイツ空軍
「こちらサセックス航空隊、敵艦隊見ゆ。ソードフィッシュ、アルバコア各隊は突入。ハリケーン隊はそれを援護せよ。我々スピットファイア隊は敵残存戦闘機と交戦する。」
『『Yes,Sir!』』
イギリス攻撃隊の指揮官が冷静に指示を下す。そこに、我らがドイツ攻撃隊長、ギュンター中尉が喰ってかかる。
「おいちょっと待て紅茶の野郎。それじゃあ俺たちの獲物は何処だ!」
『‥知ったことか。というか本来の役目は対艦攻撃だろう、ポテト?君たちはその護衛に過ぎない。』
「んん‥。だが、相手は同規模のフランス戦闘機隊を撃退してるんだぞ。増援はあっていいはずだ。」
『必要ない。我々はカエル野郎とは違うのだ。それに、我々とそちらでは戦い方が思い切り違う。我々が格闘しているところに突っ込んでくるなど、お互い御免だろう?‥おや、フランス爆撃隊からだ。ポイントC-6付近にて敵の艦爆を発見したらしい。君たちにはそちらを任せる。』
「‥ああ分かったよ。中隊、続け!」
――イギリス航空隊
「ソードフィッシュ隊、ついて来なさい!アルバコア隊、攻撃隊形よ!」
独特の見た目をした複葉機達が、女性のアルバコア隊隊長の号令で突入していく。が、敵の対空防御力はいぜん衰えていなかった。
『うお危ねえ!』『ひゃあ!』『翼があああ!?』『エンジンに被弾!あちち!』
早くも数機脱落しているようだ。先頭を飛ぶ彼女にも容赦なく高角砲が襲いかかる。
「なんの!」
急ロールで回避しようとするも――
スパンッ!
「当たった!?‥やっぱ重いわこれ。何が新型機よ。」
そう文句を言いつつも、低空にて接近を続ける。その時、
ガガガガガッ!スパン!バキン!
「
これ以上の接近は危険と判断し、投下命令を出す。しかし、敵へ向かい始めた魚雷はわずかに4本。
撃墜、被弾、不発、投下場所が遠いなどの理由でほとんどが攻撃不可か、明後日の方向に流れていったのであった。
「総員離脱!」
機を翻し、エンジン全開で離脱。振り返って見てみるも、やはり回避されているようだ。やはり駄目だったか‥と思った瞬間。
ドォン!!
「水柱一つっ!って、嘘だろおい、輪形陣の反対側に当たってんぞ!?」
「‥ひょっとして、変な方向に行ってたやつの1つかしら?こんな事もあるのね。」
と、驚く反面呆れたような顔で言った。しかし見たところ速力が落ちた様子はないので、バイタルパートは外しているだろう。
彼女はそれを確認すると、無線をドイツにも聞こえるオープンチャンネルに設定する。
「後は任せたわよ。輪形陣左の重巡リ級がウィーク。お手並み拝見と行こうかしら?――それにしてもこのアルバコアは酷いわね。後で空技廠に怒鳴り込んでやるわ。」
最後の愚痴までオープンチャンネルで言ってしまったため、ドイツ陣に「英空技廠さん、ドンマイ‥」という空気が流れる事となった。
アルバコアさんの今後の登場予定については未定です。