ツバメ   作:シロヴィ

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ここに書く事がもうほとんどない件


25話

――ドイツ 航空隊

 

 『全隊、攻撃準備。541隊は予定通り雷爆同時攻撃を行え。我々524中隊は敵艦隊左前方より中高度で侵入。913中隊、右前方より突入し攪乱を行え。敵の対空火力をできる限り分散させるのだ、以上。』

 

 「「Ja!」」

 

 『第1、第2小隊(シュタッフェル)、突入!』『第3、第4小隊(シュタッフェル)、雷撃隊形をとれ!』『シュタッフェル、わたしに続け!』『全小隊、爆弾槽を開け!』

 

 次々にかかる命令に、私は緊張のあまりエアブレーキに手をかけていた。息が荒い。私達雷撃隊は、海面すぐ上を滑るように敵艦隊へ接近する。腹に魚雷を抱えて。

 

 ウウウゥゥーーッッ‥!

 

 空を切り裂くような、独特の急降下爆撃音を響かせながら第1、第2小隊が突入する。

 

 『‥あんまり対空砲がこっちに飛んで来ないな。やっこさん中爆に集中してやんの。』

 

 『うわ、マジだ。あれじゃ攻撃は辛いッスかね?あちらには悪いッスけど、俺たちがいただくッスよ!』

 

 僚機達の会話通り、524中隊が激しい対空放火に晒されながら意地でばらまいた爆弾は容易に回避されてしまった。しかし――

 

 『陣形が乱れたぞ!全機、投下用意ーッッ!』

 

 その隙に、我々はこれ以上ない程の良い位置へ接近できていた。

 

 ドォン!ドドォン!!

 

 『必殺、500キロ徹甲爆弾だ!コイツは効いたはずだぜ!』

 

 急降下爆撃隊が数発の命中弾を与えたようだ。‥ならば、こちらも!

 

 『今だっ!』

 

 その言葉を待っていたとばかりに、私の指は投下ボタンを押す。ガコン!とアームが魚雷を投下し、機体が軽くなった。私達はぐっと機を捻り脱出する。

 

 (‥どうだ?)

 

 走る雷跡。私達が狙った一番手前にいた重巡はそれに気付き、回避運動を開始したようだ。なおも雷跡は伸びてゆく。

 

 ドォン!!

 

 くぐもった爆発音とともに、敵重巡の足下から水柱が立ちのぼる。命中がでたか!

 

 『命中1確認!うーむ、ギリギリ一番端っこのが当たったみたいだな。と言うことは‥第4小隊の4番機じゃないか?」

 

 第4小隊の4番‥つまり私!?何と言うことだろう、信じられない。

 

 「‥やった!!」

 

 思わず叫んでいた。重巡1隻を私が、私が撃沈したのだ!

 

 『やったな!』『凄いじゃないか、重巡だぞ!?』

 

 などと、隊の仲間から賞賛の声が聞こえる。

 

 小隊長はそれを見て、

 

 『よし、状況終了。我が隊はこれより基地に帰投――「あひゃあああ!!!?」

 

 突然の悲鳴が無線を遮った。何事だ!?悲鳴の源は私の後部銃座だった。振り返ると、何と敵の戦闘機が私の機のすぐ後ろにくっついているではないか!

 

 (馬鹿な、どこに隠れていた!?)

 

 「あ、あぁ‥。」

 

 こちらの打てる手は後部機銃で反撃するか、避けるのみ。しかし、そうは思っていても私も、後部銃手も手が動かなかった。敵機の機関砲が不気味に光る。

 

 ダダダダダッ!!

 

 そこに、突如機関銃弾が襲いかかり、たちまちに敵機は粉々になった。呆気にとられて横を見ると、何度か見た”彼”のBf109が飛んでいた。

 

 『状況終了!』




”わたし”ちゃんは格好いい
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