これからはできれば週2くらいで上げたいと思います
――空軍鎮守府内第1工廠
「ここで飛行機を整備したりするんだよ。ここは主に戦闘機を担当してて、私の”メッサーシュミット”もここで修理してもらったりするんだ。頼めば改造もやってくれるよ。」
「‥成る程。私もここに世話になるのだろうな。」
このとき私は平静を装っていたが、その実大変悩んでいた。何故かと言うと、この工廠で働いているのも妖精だったからである。ならば、ひょっとすると技術者も妖精では?私は技術者のままで良かったのでは?そのような考えが頭の中をぐるぐると回っている。
しかし、もう既に入隊する前提で話が進んでしまっているので今更後戻りは出来ないだろう。
「こういった工廠はこの鎮守府にいくつあるんだ?」
ひとまずその事で悩むのはやめ、見学に意識を向ける。
「えーっと、海軍が5つ、空軍が3つ、陸軍が2つあるよ。でも海軍以外はほとんど整備工場で、作るのはもっと内陸の方にあるんだって。」
「陸軍もあるんだな。」
「そうだけど。あ、後で見に行こうか。」
深海棲艦とやら、名前からして海上戦力かと思いきや、陸にも上がってくるらしい。言われてみれば、車から見えた景色に戦闘の痕らしきものがあったような気がする。
「次に行くよー!」
考え込んでいるうちに、私はいつの間にかまた引きずられていた。
――鎮守府第一飛行場
「ここが飛行場だよ!わたしの飛行機を見せてあげるね。」
まるで自動車化部隊の砲のように鎮守府内を移動させられ、私は飛行場、格納庫へ来ていた。
格納庫の中は薄暗く、所狭しと航空機が並んでいた。彼はその中から一つを指さす。
「これがわたしのだよ!」
示されたのはメッサーシュミットBf109 G型。大火力のマウザー20mm機関砲を持った、ダイムラー・ベンツDB605エンジンの高速を武器に戦う傑作戦闘機である。所々剥がれたペンキは、何度も死線を潜り抜けた証拠だろう。ふと胴体を見ると、並んだ12個の星の印が描き込まれていた。律儀に5つずつで列になっている。
「これは、もしかして‥。」
「あ、それはね、撃墜した数だけ星を描いてるの!」
やはり、話に聞く撃墜マークだったらしい。通常、エースと呼ばれるのは5機撃墜からである。気の抜けたしゃべり方をするが、とんでもない奴だったようだ。
「撃墜12なんて、凄いじゃないか。エースだったんだな。」
驚いた私がそう言うと、彼は首をかしげた。
「そうかな?エーリッヒ少佐とか、凄い人は普通に3桁くらい行ってるよ?」
「そ、そうなのか‥。」
そういえば前世でもそんな名前のトップ・エースが300を越えるスコアを持っていたような気がする。やはり空軍というのは俗に言う”人外”が発生する事がたまにあるのだろうか。‥人ではないが。
「?、何か言った?」
「い、いや。凄い人もいるもんだな、とな。」
声に出てしまっていたか。慌てて取り繕うと、彼はまるで自分が褒められた様にえへへ、と笑った。
やっぱりオールひらがなは読みづらいので一人称が「わたし」なだけに変更します