ハイスクール・DM   作:龍牙

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12話

「で、あのカラス共の居場所は此処で間違いないか」

 

「まっ、殴りこみに行くのはカラス共のボスが連絡するとか呼び戻すとか言ってたからな……少しくらいは待っても良いけどよ」

 

「ふん、甘い事を言ってるな」

 

 上からクロスファイヤ、カツキング、ブルースの台詞である。四季を含めたアウトレイジの男性陣が一枚の地図を囲んで……物騒な会話を交わしていた。要するに殴りこみの打ち合わせ、詩乃を襲った男の堕天使への報復の為に全盛期の二天龍も倒せそうな戦力で当たろうと言うのだから、哀れだ。

 

 ……先日、許可と言うよりも報復の宣戦布告をグレゴリ本部に乗り込んだ時に言ったのだが、宣言されたアザゼルは呼び戻すから時間をくれと言っていた。まあ、そんな訳で敵の居場所は分かったのだが、さっさと潰すべきだと主張するブルースとクロスファイヤ、一応は相手の言葉を信じて時間を与えるべきと主張するカツキングとジャッキー。他のメンバーは判断を保留と言う事になった。

 

「ったく、喧嘩売ってきたのは向こうなんだぜ、さっさと叩き潰した方が良いんじゃねぇのか?」

 

「だけどな、向こうも謝ってたんだぜ」

 

「それで、四季。お前はどう思う?」

 

 纏まらない話の業を煮やしたのか、カツキングが四季へと話を振る。

 

「まあ、今回はキング達の意見に賛成だな。……オレとしてもさっさと潰してやりたい所だけど……無能の妹が煩いのは鬱陶しい」

 

「ああ、まったくだ」

 

 四季としては本来はクロスファイヤ側の意見だが……リアスにまた呼び出されるのも鬱陶しい。そもそも、カツキングが待つと言う選択をしたのもそれが理由だ。

 

「ふん、あの 無能王サーゼクスの妹か」

 

「また呼び出されて時間を取らされるのも面倒だからね」

 

 四季の言葉に同感だと頷くアウトレイジ一同。……どうもリアス達に呼び出される度に特売を逃しているのだ。…… 生徒会側支取 蒼那に一応簡潔に次に呼び出したら物理的排除に移ると言っておいたが。

 

 流石に特売を理由に物理的対応に移るとは思わなかった蒼那であるが、再起動して直ぐにリアスにあまりしつこくしない様にと言ったらしいが……。

 

 

 

 

 

「チッ!」

 

「人の顔を見て第一声が舌打ちってどうなのよ?」

 

 翌日の放課後……例によってオカルト研究部に呼び出された四季と詩乃の二人。改めて連絡の上で……次は絶対に物理的手段で潰そうと心の誓う四季だった。

 

「スーパーの特売があるって言うのに呼び出されれば不機嫌にもなるだろうが」

 

「あのね、私の話と特売とどっちが大事なのよ」

 

「特売」

 

 一瞬の躊躇も無く言いきられた言葉にフリーズするグレモリー眷属の皆さんでした。

 

「兎に角、今日は大事な話なのよ、貴方達にも聞いてもらうわよ」

 

「イ・ヤ・だ・ね!」

 

 有無を言わせないと言う勢いで言い放たれたリアスの言葉を一瞬で斬り捨てる四季。一歩も譲らないと言う様子の二人の間に物騒な空気が流れ始める。

 

「……直ぐに終るから聞いて頂戴」

 

「……特売の品売り切れてたら原価との差額分……一円につき一発変態を殴るが……これで」

 

「……それの倍額払うから話を聞いてもらえないかしら」

 

「オッケー、話を聞こう」

 

 クロスファイアの神器モードを消す。流石に利益が有るなら時間を取られても損は無いと判断したのだが、

 

「でも、今日は卵がタイムセールよ」

 

「……やっぱり帰るか」

 

「良いわよ、何でも後で好きなだけ買ってあげるから話を聞きなさい!」

 

 詩乃の言葉に再度話を聞かない方向に進みそうだったのを、自棄になって机に両手を叩きつけながらそう宣言する事で話を聞かせる方向に持ってきた。その成果にハイタッチを交わす四季と詩乃の二人。……カオスである……。

 

 リアスが言うには昨夜一誠が契約に向かった先にはぐれエクソシストがいると気づき、慌てて救援に向かった所簡単な遭遇戦になったらしい。

 

「そう言う訳で、貴方達も気をつけて。それから、教会にも近付いちゃダメよ」

 

「なんで?」

 

「そう言う事か」

 

 リアスの言葉に疑問を浮べる詩乃と納得する四季。

 

「要するに、オレ達は人間だけど悪魔に関わりすぎた。……全面的にこいつ等のせいで。それが原因で残り香がついた訳だ」

 

「残り香?」

 

 『残り香』等と言われて自分の服の匂いを嗅いでいる詩乃の姿に四季は『可愛いな』と思っているが、それでもあまり話しが進まないのも困るので説明をしておく。

 

「そう言う意味じゃなくて……気配の残照って所だな。要するに、こいつらに知らず知らずの内に『自分達の仲間です』とマーキングされてた訳だ」

 

 四季の言い草に別の意味で嫌そうな表情をする一同。

 

「まっ、光の槍が飛んできたら……骨も残らない温度の炎を叩き込む事で反撃するけどな……」

 

「お願いだから辞めて、貴方が原因で戦争が再会したらどうするのよ?」

 

「……責任持ってアウトレイジが天界を滅ぼしますが……。それに、嫌いなんでね、神様って奴は」

 

 冗談とは思えない壮絶な笑みを浮かべる四季に一瞬だけ背筋が寒くなるリアス。神が嫌いと言うのは冗談では無く本気だ。アウトレイジにとって最大の敵とは、言ってみれば『オラクルの神』。元々神を敵にして戦い続けてきたのだ、好きになるはずも無い。

 

「要するに、悪魔と関わっているから教会とはぐれエクソシストに気を付けろって事でだろ?」

 

「ええ」

 

「それじゃ、話が終ったなら帰らせて貰うぞ」

 

 流石に四季としては詩乃の前で表に出さないだけであって、リアスに対して……と言うよりも彼女の兄に対する憎悪はしっかりと残っている。長い間彼女と顔を合わせて居たくない。

 

(……まだ呼び戻してないのか、カラスのボスは。……明日あたり襲撃でも仕掛けようかな……)

 

 既に堕天使及びはぐれエクソシストの駆除を決行する事を決めた四季だった。一応は一日の猶予は与えているが、どれほど効果があるかは疑問である。

 

 

 

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