ハイスクール・DM   作:龍牙

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18話

 宝玉部分を真っ二つにされ、四季の赤き血(ザ・ヒート)の炎によって焼け爛れた腕を押さえながら蹲る一誠を見下ろしながら四季は問いかける。

 

「改めて聞く、何のつもりだ?」

 

「悪いけど、貴方に彼女を殺させる訳には行かないわ」

 

「チッ! 無能の妹、二人が通したって事は邪魔する意思は無いようだけどな……」

 

 一誠に続いて現れるのは己の眷属を従えたリアス。彼女の姿に『嫌な物を見た』と言う表情を浮べる四季。

 

「この地を管理する者として私の領地で好き勝手してくれた堕天使を貴方に始末されたら、私の面子が立たないの」

 

 管理者としての面子……完全に事件解決までも恋人が攫われたとは言え外部の人間である四季の手で行なわれ、その首謀者の始末まで出来なかったなれば、管理者としての能力を疑われる事だろう。

 既に疑われる状況なのだろうが、少なくとも首謀者であるレイナーレだけでも自分達の手で始末できれば最低限の面子だけは保たれる……そう言う事なのだろう。

 

「チッ! メンドクセェ話しだな。ハートビートヒート」

 

「ギャァァァァァァァア!!!」

 

 四季がそう呟くとレイナーレの残った腕を炎の刃が切断し、その腕を引き寄せると、真上でバラバラに切り裂き、同時に“不要な物”を燃やし尽くす。

 

 後に残ったのは一つの指輪……アーシアからレイナーレが奪った神器。それを受け止めると一誠へと視線を向ける。

 

「変態、あの子の神器だ。……あの子の事も好きにしろ」

 

 ……少なくともアーシアは詩乃と仲良くしてくれていた。……付け加えれば、手持ちの悪魔の駒が減れば自分達を眷属にしよう等と言う考えもなくなるだろう。ならば……。

 

「そいつの始末もお前が勝手に決めろ……。“それ”はもうどうでも良い」

 

 散々嬲り殺しにして冷静になってみれば、多少遣り過ぎたと思う。……さっさと詩乃をーの連れて帰って休ませたいと言う考えもあり、完全にレイナーレへの興味を失っていた。

 

 

『熱いぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃい! なんで焼かれてるの、オレ!?』

 

 

 なお、一誠の 赤龍帝の籠手ブーステッド・ギアの中に居たドライグは、四季の炎で精神世界まで焼かれた挙げ句にカツキングの気配に更に絶叫する破目になった。……一方的にボコボコにされた経験はかなりトラウマになったようだ。

 

「まっ、下の連中は逃がす気はねぇけど……なっ!」

 

 そう叫びクロスファイヤが拳を振り下ろすと地面が砕け瓦礫は地下の空間へと流れ込む。生かしておいても被害の増えるはぐれエクソシスト達など、早急に始末した方が多くの命を救えると言う判断の上での行動だ。

 

「ちょ、ちょっと、危ないわね!」

 

「それで、そいつはどうするんだ兵藤一誠?」

 

 リアスの抗議の声を無視して四季は一誠へと判断を促す。

 

「っ!? イッセー君! 私を助けて!」

 

 両腕を失って片耳を切り落とされ……己の帰る場所を失ってまで、尚生き残ろうと一誠に縋り付く。

 

「……部長、もう限界です。……頼みます」

 

 己の初恋への別れ……初恋は実らない物らしいが……一応、それが実った身の上として最悪の初恋を体験した一誠へと同情の念を持たずにはいられない。

 

「私の可愛い下僕に言い寄るな! 消し飛べ!」

 

 その宣言と共にリアスの滅びの魔力によって文字通り、消し飛んでいった。

 

「……グッバイ、オレの初恋」

 

 これ以上は此処に居る理由は無いと四季は詩乃を背負う。……戦闘中だった為に預けていたが、彼女を背負う役割は心から信頼している兄貴分と言えど譲る事はできない。

 

 

 

 

 

「う、うぅ……」

 

「っ!? 気が付いたのか?」

 

「し、四季……?」

 

「ああ」

 

 覚醒した意識の中で、彼女はゆっくりと何が有ったのかを自覚していく……。

 

「四季、私……」

 

「お前を捕まえた堕天使は全員始末した。付け加えると、一部の独断……取り合えず暫くは安心だろうな」

 

「そう、なんだ……」

 

 声からも悩みがあるのが分かる声……。

 

「四季……ごめん、私のせいで……」

 

「悪いのは堕天使……詩乃は何も悪くないさ」

 

 寧ろ、僅からながら彼女にそんな事を考えさせたのだから、怒りも湧くが、相手は既に消し飛んでいる。

 

「オレは何も強制しない。逃げたいなら目を閉じて耳を塞いで居ればいい……全部オレが焼き尽くす」

 

 そんな物は彼女自身望んでいない選択肢だろう。だが、それを望んでいるのならそうするだけだ。

 

「強くなりたいならオレが幾らでも力になる」

 

 それを望むなら手を引いて行く。彼女が歩きたい場所が己の後ろでも隣でも……それを望んでいるのなら幾らでも力になるだけ。

 

「だから、自分を責めないでくれよ、詩乃」

 

 

 

 

 

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