ハイスクール・DM   作:龍牙

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7話

「え? ちょっと、その子どうしたの?」

 

「それはオレの台詞だ!」

 

 突然の詩乃の発作に戸惑っているリアスに四季がそう叫ぶ。四季に支えられている彼女の様子には覚えが有る。……覚えが有るのだが、

 

(なんでこうなってる!? 此処には銃なんてないはずなのに!?)

 

 そう思わずには居られない。考えられるのは彼女の中にある最後の水のドラグハート・ウェポンの『真理銃エビデンス』だが……将龍剣ガイアールを含めた最初に確認できた他のドラグハート・ウェポンと違い残してきたはずだ。

 

(……いや、まさか……。でも、状況から考えるとそう……)

 

 思い浮かんだ可能性を取り合えず可能性としてあげておく。原因を放置しておいてまた同じ事が起こっては堪らない。……と言うよりも詩乃の負担を考えると放置など出来るはずもない。

 

「おい、無能妹」

 

「って、何よ、その呼び名は!?」

 

「…… 無能な魔王サーゼクスの妹だからだが。流石に赤髪じゃ色々と失礼だと思ったんでな。同じ髪の色の人に」

 

「私に対して一番失礼でしょ、それは!?」

 

「知・る・か! そんな事より、切り落とされたくなきゃさっさとその蝙蝠みたいな翼を仕舞え!」

 

 態々 紅き血ザ・ヒートでは無くクロスファイアの神器モードを展開するあたり、本気の度合いが高い。

 

「わ、分かったから、少し落ち着いて!」

 

 場は完全に大混乱。……考えられる原因を目の前から排除しつつ、詩乃が落ち着くのを待って自分が考えた可能性が正しいか否かを判断する為に問う。

 

「一つ聞きたい無能妹」

 

「……何かしら。それよりその呼び名止めて貰いたいんだけど……」

 

 内心、他の眷属達は何て呼ばれているんだろうと思ってしまうリアスだった。

 

「え? 変態と色男……それから……搭城と先輩」

 

 空いている手で一誠と木場を指差しながら、他の眷属達の呼び名を言っていく。残る女性陣二人だけ片や名前で片や普通に先輩と……随分自分の扱いが杜撰だと思ってしまうリアスだった。

 

「まあ、それよりも無能妹……」

 

「せめて、何でその呼び名なのか教えてもらえないかしら?」

 

「無能魔王の妹だからと言っただろが」

 

 即答だった。現在の魔王の半分を嫌っていて、セラフォルー・レヴィアタンとは普通に友達感覚なのだから……特別サーゼクスが嫌いなのだろうとリアスは思う。

 

「そんな事より……今から言う年月に死んだか行方不明になった上級悪魔……そいつの特徴を知ってたら教えろ」

 

 明らかに居ると言う確信を持って告げられる日付。忘れもしない……四季にとって二度目の……彼女を守れなかった日の事。彼女のドラグハート・ウェポンを狙う上級悪魔に襲われた時だ。

 

「た、確かに居るって聞いたけど……」

 

 死んだ奴の事など同でも良いと思っていたが、リアスの答えで歯車が嵌ってしまった。間違いない、詩乃のドラグハート・ウェポンの力に目を付けた貴族と、それに伴うドラグハート・ウェポンの覚醒と、それを目撃してしまった彼女の母親からの完全な拒絶。

 

(そうなると……原因はあいつか)

 

 殺気全開で不機嫌な目で木場を睨む。髪の色だけだが外見的な特徴が重なるのが、悪魔の証である翼を広げた木場だ。

 

 表面化させずに意図的に画していた彼女の中の水のドラグハートだが、間違いなく彼女の資質に最も適応できるのもそれだ。恐らく、ドラグハート自身の意思で彼女を守る為にその力を使ったのだろう。……ガイアールを手にした時に知った『龍解』の力を。

 

 そう推測した瞬間に四季の脳裏に現れる蒼い巨体ドラゴンがそれを肯定する様に頷く。結果的に新たなトラウマを刻んでしまったわけだが、助けてくれた『龍素王Q.E.D』に対しては感謝するしかない。

 

「取り合えず、色男。今後詩乃の前でその羽を見せるな。もし見せたら……どんな理由があっても……叩き切る」

 

 殺意全開の一言が響くのだった。

 

「で、だ。……リアス・グレモリー。これでまだ此処に所属しろだの、眷属に慣れなどと妄言を吐く気だ?」

 

 必死に首を横に振る一同……彼女が完全に落ち着くまで本気の殺気に曝される事になるグレモリー眷属一同でした。なお、その殺気で本気で怖がっていたのは当然ながら転生悪魔になったばかりの一誠でした。

 

「と、兎も角……改めて自己紹介させてもらって良いかしら」

 

「速く済ましてくれ」

 

 はっきり言って早く帰って詩乃を休ませたいのだが、間違いなくまた出向いて来るだろう……。また何かの不注意で同じ事が起こっても困るから、今は一刻も早く話を終らせて此処から立ち去りたい。内心、『余計なトラウマまで増やしやがって』と貴族を抑えられていない 内政担当の魔王サーゼクスへの怒りを増やす四季だった。

 『悪魔の滅びを防ぐのに貴族の協力が必要』等と考えているのなら、オレ達の手で致命傷与えてやろうか? とも思うが、流石に友好関係になっているセラフォルーやソーナと敵対したくないので、考えるだけで実行には移してないが……。

 

「流石に物騒すぎるだろうが」

 

 突然響いた四季もよく知る第三者の声と、頭を小突かれた感覚で意識が現実へと戻る。

 

「キング……すみません」

 

「おう」

 

 当然ながら、突然現れたカツキングの姿にリアス達は……一誠の神器の中に居るドライグも含めて一誠以外の全員が驚いている。

 ドラゴンの中に置いて二天龍と先代の四大魔王に聖書の神を相手に勝利して見せた『 真なる赤龍神帝アポカリュプス・ドラゴングレードレッド』、『 無限の龍神ウロボロス・ドラゴンオーフィス』に次ぐと目されているドラゴン……

 

「ア、 無法龍アウトレイジ・ドラゴンカツキング!!!」

 

 アウトレイジと名乗った事が原因で 無法龍アウトレイジ・ドラゴン等と呼ばれているカツキングの姿を見れば驚くのも当然だろう。

 

「ほう、アウトレイジ・ドラゴンか。悪くねぇな」

 

「気にいらねぇな」

 

 当然ながら、カツキングがその名を背負うのは気に入らないクロスファイアまで出てくる始末。

 

(ふ、増えたぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!?)

 

 カツキングとクロスファイア……アウトレイジの中でもトップの実力者二人の睨み合いが始まっている。序でにケンカの勝敗はキングの50勝45敗でクロスが負け越している。まあ、睨み合いだけで結界が破裂しそうな二人であるが、何故か目の前で始まった二人の睨み合いに流石に涙目なリアス。『どうしよう』と言う目で朱乃に助けを求めるが、『私に聞かないで』と言う態度で目を逸らされてしまう。

 

『…………なあ、相棒…………。天龍って称号はあいつ等の方が相応しくないか?』

 

「と、突然言われても何のことかわからねぇよ!!!」

 

 二人の睨み合いを真横で直視する破目になっている一誠とドライグは……自分より強いキングとそれと普通ににらみ合いが出来るクロスに天龍の称号が本当に自分に相応しいのか悩んでいたりする。

 

 

―ガンッ!!!―

 

 

 そんな時、突然響く衝撃音に二人の視線が其方へと向かう。

 

「キング、クロス……悪いけど、後にしてくれ。話が先に進まない」

 

「そうだったな」

 

「ああ、悪かった」

 

 拳をテーブルに叩きつけた四季の言葉に、先程までの険悪な様子もなく大人しく矛を収める二人。

 

「オレは早く話を終わらせて詩乃を休ませたいんだ」

 

 そう言ってリアスへと視線を向けて、

 

「さ、自己紹介を早くしてくれ」

 

「え、ええ」

 

「僕は木場祐斗。一誠君や四季君と同じく、二年生。えーと、僕も悪魔です。宜しく」

 

 二人のケンカを納めて見せた四季に引き攣ったスマイルを浮べながらあいさつする木場。

 

「……一年生……搭城小猫と言います。宜しくお願いします。……悪魔です」

 

 先程のにらみ合いを気にせずにマイペースに羊羹を食べていた小猫が小さく頭を下げる。

 

「私は三年生、姫島朱乃ですわ。一応、研究部の副部長も兼任しておりますの。今後とも宜しくお願いしますね。こう見えても悪魔ですわ。うふふ」

 

 礼儀正しく深々と頭を下げて挨拶する朱乃。……取り合えず、グレモリー眷属では小猫と同じく四季から負の感情を向ける理由のない相手だ。

 

「そして、私が彼等の主であり悪魔でもある、グレモリー家のリアス・グレモリーよ。家の爵位は公爵……。四季は今更だけど、宜しくね、イッセー、詩乃」

 

 最後に髪を揺らしながら赤い髪を揺らしながら堂々と名乗るリアス。

 

「オレ達からも自己紹介しておこう。オレの恩人で兄貴分の……そっちではアウトレイジ・ドラゴンって呼ばれている『武闘将軍 カツキング』と、そのケンカ友達の『 百万超邪ミリオネアクロスファイア』」

 

 四季の紹介でリアス達を一瞥するキングとクロス。

 

「そして、オレ五峰四季と朝田詩乃。オレ達がアウトレイジだ」

 

 そう言うとさっさと詩乃を支えながら立ち上がり、

 

「で、帰って良いか? そろそろ詩乃を休ませたいんだ」

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