名探偵コナン〜Small private eye〜 作:桂ヒナギク
黒の組織が開発した毒薬、APTX4869で小さくなった名探偵の
一年B組の教室の黒板の前に立ち、自己紹介をしている。
「
「それじゃあ、黒崎さんはコナンくんの後ろね」
「はい……って、コナンくんって誰?」
「僕だよ」
コナンが手を挙げる。
麗奈はコナンの後ろの席に着いた。
ホームルームが終わり、先生が出て行くと、コナンと
「黒崎さん、少年探偵団に入らない?」
と言うのは
「少年探偵団? 何だか面白そうね。入るわ」
麗奈は少年探偵団の一員になった。
放課後、麗奈は帰路に就いていた。
その後ろには少年探偵団の連中。彼らは麗奈の家へ行くという理由でついて来ているのだ。もちろん、コナンと灰原の姿もある。
一軒の家にパトカーが止まっている。
何だろう、そう思った彼らは覗いてみた。
家の中に警視庁捜査一課の
(殺人か?)
コナンは「お前らここで待っててくれ」と言って現場に入り込んで目暮警部に声をかけた。
「目暮警部、何があったの?」
振り返る目暮警部。
「おお! コナンくんではないか! 学校帰りかい?」
「うん。で、何があったの?」
「実はこの家の住人が首を吊った状態で亡くなっていてね。名前は
「これは他殺ですよ」
コナンの背後から麗奈が姿を現す。
「君は?」
「黒崎 麗奈。よろしくね、警部さん?」
握手を求める麗奈。
あ、これはどうも──と、握手をする目暮警部。
「で、他殺って言うのはどういうことかね?」
「現場をよく見て下さい。遺体が吊るされていたロープの周りには踏み台になるようなものがありません。これは他殺と見て間違いないと思いますよ」
「き、君は一体……?」
「あ、申し遅れました。私は探偵です」
目暮は思った。
(また面倒な奴が現れたか。しかも小学生ときた……)
「目暮警部、黒崎さんの言った通り他殺で捜査した方がいいんじゃない? 僕も他殺だと思うよ」
「コナンくんが言うならそうなんだろうな」
目暮警部が部下の
「はい、何でしょう?」
「佐藤と一緒に被害者の交友関係を洗ってくれ」
「はい、分かりました!」
高木刑事は佐藤刑事と共に家を出て行った。そして四人の容疑者を連れて戻ってきた。
「警部、容疑者と思われる四人を連れてきました」
「うむ、ご苦労」
「篠田が死んだってどういうことだよ? 誰かに殺されたのか?」
と、真っ先に口を開いたのは、篠田の友人である
「貴方、お名前は?」
「小柴 隆だ」
「被害者とはどういう関係だね?」
「警察学校の同期だよ」
「ほう、貴方と被害者は警察官なのかね?」
「埼玉県警さ」
「確認のために警察手帳を見せてもらえますか?」
小柴は懐から警察手帳を取り出した。階級は警部だ。
「因に埼玉県警のどこだね?」
「越谷署だよ」
「そうか。次は貴方」
目暮警部は端正な顔立ちをした女性の方を向いた。
「貴方のお名前は?」
「
「今、司法解剖中ですので、詳しいことはまだ……」
「そう」
「次」
目暮警部は別の女性の方を向いた。お世辞にも美人とは言えない。
「貴方、お名前は?」
「
目暮警部は男の方を向く。
「俺は
「そうですか」
プルルルルル──と、目暮警部の携帯が鳴る。
「ちょっと失礼」
目暮は携帯を取り出して応答した。
「はい、目暮。……分かった」
携帯をしまう目暮。
「警部、何でした?」
そう訊ねるのは高木刑事だ。
「監察医からの連絡で被害者の死亡推定時刻が分かった。昨日の午後十一時から十二時の間だ」
目暮警部は小柴を見る。
「小柴さん、貴方、昨日の午後十一時から十二時の間、どちらに居ましたか?」
「俺はその時間、埼玉で事件があって、張り込みをしていました。越谷署に確認を取ってもらえば分かると思うよ」
「高木、裏を取れ」
目暮は黒田を見る。
「私は寝てました。証明は出来ません」
美代子に向く目暮警部。
「私は友達と居酒屋で飲んでました」
「ではその友達の名前と連絡先を教えて下さい」
美代子はメモ帳に友達の名前と連絡先を書くと、それを切り取って目暮警部に渡した。
「佐藤、裏を取れ」
目暮警部は佐藤刑事にメモを渡し、小宮山の方を向いた。
「小宮山さんは昨日の午後十一時から十二時の間、どこで何を?」
「黙秘してもいいですか?」
「何だと?」
「黙秘権というのがあるんですよね? だったら黙秘します」
「そうですか」
「目暮警部、小柴さんの裏取れました。小柴さんは確かに張り込みをしてました」
目暮警部は振り返り様に「そうか」と言った。
「あとは篠田さんだな」
「目暮警部!」
と、佐藤刑事。
「裏は取れたか?」
「はい。美代子さんは確かに居酒屋にいました」
「そうか」
目暮警部は小宮山に向き直る。
「小宮山さん、答えてくれませんか?」
「黙秘します。それより、帰っていいですか? これから仕事に行かなきゃならないんですよ」
「分かりました。今日のところはこれで終わりにしますが、明日、また話を聞きに伺います。よろしいですね?」
「それでも黙秘しますけどね」
麗奈はリビングを調べ始めた。
「コナンくんだっけ? ちょっと来て」
コナンが麗奈の下に来ると、彼女はソファの下から洋服のボタンをハンカチで掴んで引っ張り出した。
「これ、
「これ、小宮山さんのボタンと一緒だ」
「目暮警部!」
麗奈が目暮警部に駆け寄った。
「どうしたのかな?」
「ソファの下にこんなものがありましたよ。きっと犯人の遺留品でしょう」
それを見た小宮山の顔色が変わった。
「高木、こいつを鑑識に回してくれ!」
目暮警部が高木刑事にボタンを渡した。
「小宮山さん、顔色が変ですぞ?」
「いや、あの、ちょっと気分が悪くなっただけですよ。それじゃあ俺、仕事があるんで」
「ちょっと待って下さい」
と、麗奈。
「何だよ?」
「篠田 勝利さんを殺害したのは貴方ですね?」
「な、何を言ってるんだい、お嬢ちゃん?」
「現場で発見されたボタン、貴方のものですよね?」
目暮警部が小宮山に向き直る。
「小宮山さん、どういうことか説明してもらいましょうか」
「あ……すみません、俺がやりました!」
「殺害の動機は何ですか?」
「実は俺、窃盗を働いたんです。それが篠田にバレて、
「窃盗……ですか。何を盗んだんですか?」
「女性の下着を」
「うわ、最低」
と、麗奈。
「すみませんでした」
高木刑事が小宮山に手錠をかけて外へ連れて行った。
「いやー、お手柄だよ、麗奈ちゃん」
目暮警部は麗奈の頭を撫でた。
「いえ、いつものことですから」
「へ?」
「私、北海道では名の知れた小学生探偵なんです」
「それじゃあ、よく殺人事件に巻き込まれるのかい?」
「ええ」
「何だか毛利くんみたいだな」
「毛利くん?」
「眠りの小五郎だよ。有名な探偵なんだ」
「あ、知ってます。それじゃ」
麗奈は現場を出て行った。
「あ、待ってくれよ」
と、コナンも後を追って出て行った。