名探偵コナン〜Small private eye〜 作:桂ヒナギク
北海道、某所。
「礼を言うぞ、オマエ達。北海道でも警備の厳しい
「礼には及びません、ボス」
「それで、ボス? 復讐するのでしょう? あの、忌々しい小娘に……」
「フフ……そうだな。では、向かうとするか。黒崎 麗奈の所に」
毛利探偵事務所。
コナンがテレビを見ていると、事務所に麗奈と灰原がやって来た。
「おはよう、コナン君」
「ああ、おはよう2人共」
「江戸川君、何観てたの?」
「ああ、ニュースだよ」
『本日午前1時頃、北海道の帯広刑務所から
「鬼瓦 茂弘!?」
「麗奈ちゃん、知ってるのか?」
「鬼瓦 茂弘……以前私が逮捕に協力した、鬼瓦組の組長よ……」
「そうなのか……鬼瓦組といえば、北海道でも有数の暴力団だな……」
「もしかしたらその人達、黒崎さんを恨んでいるかもしれないわね」
「そうね……」
(確かに私を恨んでいるかもしれない……でも、彼らがいるのは北海道……ここまで来れるとは思えないわ……)
麗奈はそう思い、安堵していた。
北海道、某所。
鬼瓦は、組員達と共にアジトにいた。
「お帰りなさい、ボス!」
「ウム。で? 黒崎麗奈が今どこにいるか調べたのか?」
「はい、今はどうやら東京の米花町にいるようです」
「米花町か……。よし、オマエ達だけでも行って来い」
「ボスは行かないのですか?」
「オレは脱獄中の身だからな。頼んだぞ、瀬波、坪山」
「はい」
それから1週間後。
「瀬波、本当にこの近くの学校に黒崎麗奈がいるのか?」
「ええ、調べたから間違いないわ。ん?」
「どうした?」
「ホラ、あそこ……」
瀬波が指差した先には、帝丹小学校に入って行く麗奈の姿があった。
「本当にいたとはな……」
「で、どうするの?」
「下校時間になるまで待とう。そして、人気のない所で決行だ」
「了解」
下校時刻。
「じゃあ、オレ達こっちだから」
「黒崎さん、また明日ね」
「ええ」
麗奈はコナン、灰原と別れる。
その麗奈を、坪山と瀬波が監視していた。
「良し、もう少ししたら決行するぞ」
「ええ」
麗奈は路地裏を歩いている。
(脱獄のニュースからもう1週間か……)
麗奈はそんな事を考えていた。
そして、交差点に差し掛かった刹那。
ガバッ!!
「うっ!?」
麗奈は後ろから羽交い締めにされ、口をハンカチで塞がれた。
「うう……」
(しまっ……た……)
バタッ!──麗奈は倒れ込む。
坪山はニヤリと笑うと、麗奈を抱えて連れ去って行った。
「ん……」
麗奈はうっすらと目を開ける。
「ん、んんっ!?」
(な、何これ!?)
気がつくと、麗奈は手足と体を縄で縛られていた。
口にはガムテープが貼られている。
「んっ、んん~っ!」
麗奈はジタバタともがいたが、拘束は解けない。
「う……」
(そうだ、アタシあの時後ろから口を塞がれて……)
「目が覚めたようだな」
「!?」
麗奈が声のした方に振り向くと、そこには坪山と瀬波が立っていた。
「んんっ!!」
(あなた達、誰?)
「オレ達か? オレ達はオマエのせいで逮捕された鬼瓦組組長の部下さ」
(な、何ですって!?)
「一週間前に組長が脱獄したニュース知ってるでしょ? アタシ達がボスの脱獄を手助けしたのよ」
「んんっ!?」
「そうだな。とりあえず、オマエの身内にでも電話をかけるか。携帯電話も持ってたみたいだしな」
「お嬢ちゃん、おとなしくしてなさいね」
そう言うと、坪山と瀬波は隣の部屋に行った。
(お兄ちゃん……)
麗奈は俯いた。
阿笠邸。
コナンと灰原が対戦ゲームをしていると、呼び鈴が鳴った。
ピンポーン!
「誰かしら?」
「オレが出る」
コナンが玄関のドアを開ける。
ガチャ!
そこに立っていたのは、浩一だった。
「お兄さん、誰? 」
「オレは黒沢 浩一。麗奈の兄さ」
「じゃあ、浩一さんも探偵なの?」
「まぁ、オレに推理力はないんだけどな。ほとんど麗奈頼りだよ」
「で、浩一さんはどうしてここに?」
「麗奈が誘拐されたんだ」
「麗奈ちゃんが誘拐された!?」
「本当なの、浩一さん?」
「ああ、間違いない。僕の携帯に麗奈からの電話があったんだが、出てみたら知らないヤツだった」
「電話して来た人は何て?」
「電話して来たヤツは鬼瓦組の組員を名乗ってた。麗奈を返して欲しければ、身代金として五千万用意しろって言ってたよ」
「江戸川君、黒崎さんの探偵団バッジを頼りに追跡メガネで探せないかしら?」
「やってみる」
コナンは追跡メガネのスイッチを入れる。
パッ!
「出た! ここは……」
コナンは追跡メガネに記された点を地図に照らし合わせる。
「発信機の反応は、米花中学校の近くにある家みたいだな」
「米花中学校なら近いわね。浩一さん、私達行って来ます」
「気をつけてな」
コナンと灰原は、出かけて行った。
米花中学校近くの家。
麗奈は部屋の中で、おとなしくしていた。
「そろそろ来る頃かしら?」
「瀬波、持って来たヤツも閉じ込めるぞ」
「分かってるわ」
(そ、そんな……お兄ちゃん、来ないで! 来たらお兄ちゃんも捕まっちゃう!)
ピンポーン!
瀬波がインターホンに出る。
「はい、瀬波です」
「麗奈の兄だ。持って来たぞ」
浩一の声がした。
「アタシが出るわ」
瀬波は外に出る。
パシュ!
「うっ!?」
バタッ!
「おい、どうした瀬波!?」
坪山が外に出ようとしたその刹那、
「喰らえええーっ!」
ドォン!
「グァッ!」
坪山はサッカーボールを受け、倒れ込む。
「!?」
麗奈が驚いていると、コナンと灰原が部屋に入って来た。
(コナン君、灰原さん!?)
「麗奈ちゃん、無事か?」
「助けに来たわよ」
コナンと灰原は、麗奈の拘束を解く。
バサッ!
「あ、ありがとう、2人共……」
その後、コナンが警察に連絡し、坪山と瀬波は逮捕された。