俺が通るよ。   作:775

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ウルトラサンの主人公に成り代わってしまった男子高生のお話。若干チートかも。



♦小説初投稿です。弥(あまね)と申します。期末テストを終えて気が付いたら書いてました、どういうことなの。
不可解な点等あると思いますが、笑い飛ばしてやってください


第1話

 

 

 

 

「...ん...」

 

眩しい。暑い。そしてうるさい。

 

ぬにゃあ、にゃあという猫の鳴き声(にしては不細工な)が聞こえる。猫なんかいただろうか。人が気持ちよく寝ているというのに。まあ、どうでもいい。うるさいがどうでもいい、が、とても暑い気がする。少し、寝苦しい。

 

「ぅあ゛ー......ん...?」

 

おかしい。今は冬のはずだ。寝苦しいほど暑いなんて、暖房も効いていないうちであるはずがない。

少しずつ覚醒してきた意識で考える。何か、何かが変だ。

 

「!?」

 

俺は飛び上がった。いや、正確には跳ねた。体が軽すぎて跳ねてしまった。

体が軽いなんてもんじゃない、感覚がおかしい。なんかーーーきもい!

 

一気にとんだ眠気とともにぱっと開けた視界に移りこんだのはーーー

 

「———は...?」

 

見慣れない小さな体、知らない部屋、煌く真夏のような太陽、

 

 

そして、小判を額につけた、不思議な猫だった。

 

 

 

 

 

♦♦♦♦♦

 

 

 

 

 

俺は普通の、極々一般的な日本の男子高校生だ。一般家庭に生まれ育ち、そこそこ友達もいて、お前変だよ!と云われるのは少し女子に興味がないってことで。いや普通に好きだけどね?

普通の男子高生。そう。友達にゲーム進められたり、一緒にやったりもする。そしてゲームも好きだ。というかゲームやってない人だって。

 

「ポケモンは知ってんだろ...」

 

ポケモンを初代からやってる俺なめんな。

 

 

はいはいおっけ、分かったわかった。十秒で状況把握が完了。部屋、おいてあるもの、先ほどの猫、そして自分の姿を見た俺は完全に理解した。

 

此処はこの間始めたばかりのポケモン、ウルトラサン・ウルトラムーンの舞台だ。

 

高校生が11歳まで体が小さくなったんだ。気持ち悪い筈だ。そしてこの服は何がとは言わないが恥ずかしい。

朝だということはウルトラサンの方だろうか。...そして今更だが、これはいわゆる、成り代わり、というやつなのだろうか。

 

「...お前、ニャースなんだよな」

「ぬにゃ?」

 

混乱もしてるが、それよりも浮かれている。だってポケモンが、本物が目の前にいる。

俺の問いに首を傾げたニャース。それより、と階段の方へ行き、俺の方をちらりと振り返る。降りて来いってことか。

 

「...何が始まるんだろうな」

 

 

 

「あら、コウおはよう!」

 

階段を下りてリビングに出ると、おおらかな雰囲気の美人さんが。この人がアローラ好きすぎたあまり地球の反対まで引っ越しちゃった系の母か...。世の中いろんな人がいるな。

 

「コウ?どうしたの?」

「っや、何でもない...」

 

しまった、ぼーっとしてた。美人さんが心配そうに顔を覗き込んだ。仕草完璧すぎるだろ。あれ?

 

「コウ?もしかしてまだねむいの?も~随分ぐっすりだったわよ!」

 

ふふっと笑われた。いやそうじゃない。コウ。コウが気になる。というよりは、俺の名前だろう。コウは光、なのだろうか。それストーリー的にぴったり過ぎるわ。

 

「もうアローラは昼よ!カントーとは逆なのね」

 

笑顔で話しているママさんの後方には、大きなベランダがある。白地の其処が太陽の光を浴びて、きらきらと光っていた。いかにも南国って感じで、広々としてて暖かい。

 

「ねえコウ、アローラのポケモンは楽しみ?」

「...どうだろ」

「もう!」

 

ぷんぷん、と云った感じで怒るママさん。いやアローラのというかポケモン自体楽しみどころの騒ぎじゃないんだけどね、さすがに中身高校生がゲームにあった「うん、ママ!」とか言えないから。

 

「リゾートとしても有名なアローラ地方!暮らしてるポケモンたちもみんなご機嫌にきまってるわよ!」

「...ちょっと、出かけてきてもいい?」

 

俺がそういうときょとん、として目をぱちぱちさせた。しかしすぐ顔を輝かせ、満足そうに云った。

 

「もちろん!やっぱりあなたも楽しみだったんじゃなーい!上にバッグと帽子あるから、準備してきなさい」

「ん」

 

ちょっと素っ気ないだろうか。ママさんはニコニコしてるが、やっぱりへんだよなあ。でも許してくれ。高校生男子とかいう成長の見られない思春期を迎えているから(中身が)。でもポケモン楽しみ過ぎて浮かれてはいるんだよ、多分貴女の百倍は浮ついてると思う。

二階に上がりリュックを肩に引っ掛け、帽子を被る。この年で(中身が)タンクトップはさすがに恥ずかしい。ブティックについたら絶対着替えてやる。

 

再び降りると幸せそうなママさんに褒められた。草むらは危ないから気を付けること、ポケモン飛び出して来たらいいなーみたいなことを云われる。矛盾してるね!どっちだよ。

 

「コウ、行ってらっしゃい!」

 

 

「―――いってきます」

 

ドアを開ける。海の音と、柔らかい風の走る美しい緑。太陽の光、花の香。

あたたかくて優しいものを詰め込んだような、始まりだった。  

 

 

 

 

 

 

 

 

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