VD廃人inマブラヴ   作:重カラサワカラサワ8スナCE盾増弾アウト

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 どうも。作者です。
 そういえばで悪いのですが、先に断っておきましょう。
 私は以前、ACとマブラヴのクロスオーバーで通称『まずいシリアル』という作品を書かせていただいておりました。
 本作はその作品の矛盾点や欠点などを修正し、発展させた所謂、後継作という立ち位置にあります。
 まあ、ご新規さんには関係のない話ですが。
 前作の常連さんにとっては何となく懐かしみのあるストーリーだと思います。

 話が長くなりました。
 本編どうぞ。
 
 


BETA さんが入室しました

 

 

 ーーメインシステム 戦闘モードを起動します

 

 

 そんな機械音を区切りに、目の前のディスプレイの色彩、解像度が一気にきめ細かく鮮やかな物へと変貌する。

 日本にいた頃テレビでプレイしてた時より遥かに高い画質だ。

 見れば画面レイアウトはVDの時と変わりない。

 となれば後は操作性だけ。

 

 

「--!! やっぱ中々キツイなくそがよッ!!」

 

 

 EN消費の増大を対価に長期的に自機の速度を底上げする〔グライドブースト〕を使い、〔スキャンモード〕で無限グラブしながら赤波に突撃する。

 先ほどとは段違いの重力負荷を浴びて内蔵が潰れそうだが、こんなものでは終わらない。

 GBHBで突撃する事前提の軽量機はこれ以上の負荷が掛かるのだ。

 VDプレイヤーとして、そっちを使いこなすまでは死ねない。

 この程度の負荷で音を上げてはこの先きのこれないのだ。

 

 

《な、なんだこの機体は!?》

 

 

 突然、コックピット内に若い女性の声が響いた。

 手元を一瞬だけちらりと見て確認する。

 どうやら自機が周囲の機体に対して自動ハッキングを行っていたらしい。

 VDプレイ時にはデータ回収作戦以外全く役に立たなったパラメータだが、まさかこんな使い方があるとは。

 驚きだが、事実なので覆せることは出来ない。

 やろうと思えば此方からコンタクトを取れそうだが、下手にやって追い込まれるのはマズイ。

 彼らは盗聴されている事には気付いて無さそうなのでこのままコソ泥プレイに徹する事にする。

 

 そんな思考をほんの一秒も掛からずに終え、目の前の画面に集中する。

 一瞬の思考判断が重要なVDで鍛えられたため、物事の取捨選択はVDするための最低限は持ち合わせていると自負している。

 その勢いのままお前は相手の赤波の一体をスキャンする。

 ……前に急いでリコンを展開した。

 

 

「やべ。忘れてた」

 

 

 リコンはスキャンを壁越しでも出来るようにしたり、敵の位置を分かりやすくするための索敵兵装だ。

 付近に敵がどれだけいるかも確認できるため、近距離防衛システムとしても使える。

 気を取り直して赤波の一体をスキャンする。

 

 

『NAME Worker03

 CODE Equus pedis

 AP 500

 KE 150

 CE 150

 TE 150

 RA Obsess KE:400

 LA Obsess KE:400

 BD Bite KE:1500  』

 

 

「……は?」

 

 

 あまりの個体性能の低さにお前は少しだけ驚き、直ぐに気を持ち直してスキャンを解除、戦闘モードにてバトルライフルを交互撃ちする。

 バトルライフルの火力は足りてるようだ。いや、あの防御性能ではそれも当たり前か。

 あれではヒートマシンガンやガトリングすら弾けまい。自機と同程度の大きさ故に少しだけ脅威になるかと思っていたが、案外そうでもなかったらしい。

 しかし、思った以上にバトルライフルは効果的だ。

 ダメージ面では勿論の事、化学エネルギーで攻撃、つまり爆発で攻撃するという特性から一撃で何体か同時に撃破出来るのだ。

 弾頭自体も大きめな為拡散具合も大きい。

 連射力も相まって面圧制圧には最適だ。

 

 

「弾持ちと負荷が気になるところ……だがなッ!」

 

 

 エネルギーが切れた時は逆関節の特性を生かし丁度いいタイミングでブーストジャンプして滞空回避、次いでにスキャンにモードチェンジしてENを回復する。

 ある程度回復したら再度バトルライフルを連射して一本道を制作、GBを掛けて一気に敵陣を突破する。

 それを繰り返した頃にはその団体は全て肉の山へとなり果て、両腕が軽くなった自機と青い人型兵器『戦術機』が数体、残った。

 

 

《う、嘘でしょ……こんな事って……》

 

 

 相手の内の一機、4番機が小さく呟いた。

 よくよく見れば一機が不具合を起こしているようだ。5体の内の一機の左腕が焼失し、黒煙を吐いている。

 コックピットブロックが凹んでいる事と付近で力尽きている要撃級を見るに、どうやら殴られたらしい。

 その状態で戦おうとするとは、見事と言うか、哀れと言うか。

 お前は密に2番機に敬意を示した。

 

 

《unknown……いいかお前ら、奴から距離を取って後退するんだ》

 

《何故です隊長! 奴はもしかしたら東側の新型かも……!》

 

《だからだ! 先ほどの戦闘を見ただろう! コイツはかなり小さいナリのくせに馬鹿みたいな火力を吐きやがる。そんな奴が俺たちに襲い掛かったら、また俺たちとコイツに関係があるような行動を取れば俺たちがどうなるか……分かるだろう》

 

《ですが!》

 

《鹵獲など考えるな。いいか、俺がお前に命令するのはただ一つ。……撤退するぞ》

 

 

 

 反抗の意思を見せた4番機はしぶしぶと言った声質で了解と呟いた。

 なにやら彼らの中でお前は危険な存在だと思われているらしい。

 個人的には弾補給をしたいので合流をしたかったのだが、相手側からNGが出ているのなら仕方ない。

 次の戦場目掛けて飛び立つしかないだろう。

 

 

「バトライは一回の戦闘で25セット消費……面圧攻撃可能回数はあと3回か」

 

 

 後はライフル乱射による地道な削りが、更にそれが切れた場合不毛な蹴りバトルが始まるわけだ。

 しかも、とても負荷のかかる動きの。

 リコンの数はまだまだあるので、十分だろう。

 しぶしぶと言った様子でお前は機体を転換させ、彼らとは別の方向目掛けて無限グラブを掛ける。

 まだ暫くは戦闘地域が広がるだろう。モード切替のタイムラグをなくす意味でもスキャンモードで起動しておくのが吉だろう。

 負荷は相変わらずだが、まだパージをしていない為最速と言う訳ではない。

 

 

 --ENEMY 80

 

 

「あれは……突撃(デストロイヤー)級の群れか」

 

 

 例の目玉模様の甲殻を持った巨大生物の生存体だ。

 高い前面装甲力と突進力に突撃を得意としており、時速170キロにも及ぶ高速で体当たりを仕掛けてくる、と記憶している。

 VACにとっての脅威は自機の2倍強はある図体であり、遠くから見ただけでも恐怖を感じてしまう。

 感覚としては「ヘンなの」だ。

 弾持ちが気になる機体で「ヘンなの」が百体弱いる群れに単騎で突っ込む。

 恐怖以外の何物でもない。

 

 銃声が聞こえた。

 バババというマシンガンの音と、ブースターの噴射音。

 どうやら戦術機の部隊に対して突撃級は向かっているらしい。

 迎撃した方がよさそうだろう。

 突撃級の装甲部と自機との位置関係から、サイドアタックが有効だろう。

 

 

「なら少しだけ角度を付けて斜め後ろからタコ殴り……?」

 

 

 機体を斜め前へとずらし、突撃級の群れに右肩を付けるように旋回しながらGBを吹かす。

 その瞬間画面に映っているのは戦術機の部隊。

 機体構成としては先ほどの青い機体ではなく、少し緑が掛かった別種の機体。

 太ももが太いというのは変わらずだが、頭部パーツ変更や全体的にスリム化されているなどの違い見られる。

 盾と刀を装備している所を見るに近距離戦も想定しているのだろう。

 

 機体数は7機……なのだがどうも様子がおかしい。

 そもそもの前提だが、彼らの元には既にBETAが接近している。要撃(グラップラー)級と戦車級が数体ずつ。

 BETAならば普通戦術機第一に向かっていくと筈なのだが、ある一点に集中して向かっている。

 

 

「なんだ……--!?」

 

 

 お前はそのBETAの行動を奇妙に思い、スキャンを解除して戦闘モードにて画面を見る。

 画面を見るだけならばスキャンよりも戦闘モードの方が色が鮮明で、非常に見やすい。

 スキャンではリコン起動時に相手の姿が白く光り見やすくなるという特徴があるが、今は距離が遠すぎるため使用できない。

 ならば目視で確認するほかないため、戦闘モードに切り替えたのだが。

 お前はその光景に非常に驚き、恐怖し、灼熱の怒りを燃やす。

 

 

「………」

 

 

 無言で進路変更。

 突撃級に寄り添うように加速していたGBは急旋回して真っ直ぐと戦術機中隊の元へ向かう。

 GBだけじゃない。

 GB中だというのにHBも混ぜて使用して、お前は急ぐように現場へ向かう。

 お前は静かに、心の中で願う。

 頼む、間に合ってくれ、と。

 

 

 --ENEMY 13

 

 

 進路上に8体の戦車級と5体の要撃級。その他戦車級の死体。

 その全ては先ほど確認したある一点目指して進んでおり、周りの戦術機達は必死になってそこへは行かせまいとマシンガンを乱射する。

 両者がそんなにもなって集中する、その一点。

 そこには胸部が凹んだ一体の戦術機がいた。

 

 

 

「やっぱりかよ、クソが!!」

 

 

 ハンガーチェンジでライフルを展開、スキャンモードを解除して両手武器をダブルトリガー。

 凄まじい連射速度で肉を切り裂く弾丸と、骨を粉々に粉砕する爆弾を戦車級にばら撒く。

 一撃でも当たれば絶命させる事が出来る豪雨を受け前方に展開していたBETAは全て肉塊へと姿を変えた。

 

 

《--何!? コイツ!?》

 

 

 ハッキングした回線からまたしても女性の困惑の声が聞こえてきた。

 が、それを無視してお前は加速したままブーストを停止。急停止して余った勢いを利用してぐるりと180°ターンして今まで来た道を振り返る。

 目の前には現在進行形で此方に迫ってくる目玉付きの山脈。

 それを見てお前は初めて自分の手が震えているのに気が付いた。

 

 

「はははっ……ビビってるのかよ、俺……でも、仕方ねえよな…ははっ……」

 

 

 二日酔いで寝込み、起きたら謎のコックピットで目覚め、無数の殺人生物と殺し合うデスゲームに強制参加。

 普通に生活して、普通の幸せを手に入れていたはずなのに。

 なのに。

 なぜ自分はこんな悪夢に悩まされているのだ。

 

 

「……知らねえよ」

 

 

 ブースターに火を入れる。

 それと同時にお前は戦術機部隊に無線を飛ばす。

 

 

「聞こえるか? 今すぐソイツを連れて奴らの射線から離れろ」

 

《……!? お、お前もしかしてそのーー!》

 

「ああ、ACのパイロットだ。御託はいい、さっさと離脱しろ」

 

《なっ! お前一体誰に対して口をーー!》

 

 

 なぜかこの状況でも元気な女性の声がコックピットに響く。

 どうやら彼女には何かしらのプライドがあるようだが、お前には関係ない。

 要件だけ喋ってすぐさまGB機動を開始した。

 

 右斜め前方に高速移動し、少し旋回しながら突撃級の横をとりつつ戦術機を確認する。

 彼らは傷ついた戦術機の両手を持って迅速に射線から退避し、後退を開始している。

 中々の連携だ、一部の機体が離れ気味だが、あれならば戦車級の迎撃は容易だろう。

 

 

 --戦闘モード

 

 

 突撃級の横を取り、ぎりぎり生身の部位が見える地点からライフルバトルライフルをダブルトリガー。

 無数の爆発とその間を縫うように突き刺さる弾頭らは一番先頭の奴らの肉体を引き裂き、機能停止へと導く。

 すると面白いことに、後列の突撃野郎は既に息絶えその足を止めた同胞に衝突。

 衝突したモノは強制的に足を止められ、更に後列のモノに柔らかい肉体の部位を甲殻による突進で破壊される。

 まるでドミノ倒しのように起こったそれは自機の弾頭を使わずとも敵を倒せる狡猾な手段で、ニヤリとお前の口元は三日月になった。

 

 

「今なら行けるか」

 

 

 --スキャンモード

 

 

 お前は機体を弄り機体を高く跳躍させ、HBを吹かせて突撃級の真上まで急接近する。

 戦闘モードを切っている為、武器のトリガーは引けない。

 だがそんな状態でもお前には唯一無二の、超火力必殺技がある。

 

 

 --ガギィィンッ!!

 

 

 何かが激しく衝突した音と、化け物のうめき声が響いた。

 ブーストチャージ。

 プレイヤーの間では『蹴り』と称される攻撃手段によって文字通り、先ほど武器をトリガーして殺処分した個体よりも酷く醜いミンチが出来上がる。

 大きさが倍以上違う相手であっても、ブーチャで沈むほどに身体は脆いらしい。

 個体戦闘能力は「ヘンなの」以下だとお前は認識した。

 

 

「甲殻の方はどうかな?」

 

 

 再び跳躍してバックHBしつつ旋回。未だに呻いてる個体に向けて急降下、そのまま両足を突き出した。

 

 

 --ガギィィンッ!!

 

 

 再び命中。

 全高7m前後の巨体が甲殻に衝突した事で突撃級は機能を停止させる。

 この結果を見てお前は満足気に呟く。

 VACが繰り出す蹴りは高威力のスナイパーキャノンなどを超える威力のものが多く、重量機ならばそれがさらに強化される傾向がある。

 自機は重量機であり、蹴る際に吹くHBは加速型の中で最速。

 この良好な蹴りで果たして、突撃級の装甲を貫通できるのか不安だったが、容易に貫通できたことに一安心。

 ならば次はこれからダメージを少なくしてどこまで耐久出来るかのテストだろう。

 テストをしてみるべきだろう。

 そう言いながらもお前は連続で跳躍蹴りを繰り返し、突撃級を順番に蹴り殺していった。

 一部の個体は蹴り殺す前に再び姿勢を戻して突進を再度行おうとしていたが、そんな奴らに隙を与えるほどお前は甘くない。

 戦闘モードに切り替え、バトライライフルによる激雨を降らせてやった。

 

 

「……まずいな。もう弾数が残り少ない」

 

 

 暫くの間蹴り続けているとだんだんと数が減っていくもので、気付けば、周りには死体の山が出来ていた。

 まるで山の死体だ。

 こんなにも大きな巨体相手に蹴り入れて殺害するなんて、さすがACとしか言えない。

 高火力がウリなVACなら猶更だろう。

 だが。

 その代償としてもはや、手持ち弾薬が残っている気配はない。

 バトルライフルは右手のがあと12発、左手のが36発。ライフルは250発強とまだまだ弾薬があるが、高いリロード性能の事もあり、直ぐに撃ちきってしまいそうな気配がある。

 となると盾展開して蹴り勝負しかない。

 先ほども考えた最終手段だが、かなり精神の方を持ってかれそうだ。

 

 

「そういえばあいつら今大丈夫だろうな」

 

 

 お前は先ほどの戦術機部隊の事を思い出した。

 確かあの中の一機はコックピットブロックが破壊され掛けていたはず。

 部隊全体の弾持ちも気になるし、此方の弾持ちも少ない。

 ここはあの部隊の護衛を最後の戦闘任務とした方がよさげである。

 

 

「それに部隊を手助けしたとなれば悪い待遇は受けんだろう」

 

 

 お前はクスリと笑って方向転換した。

 このままあの部隊に追いつき護衛任務をすれば、あの部隊は自分の基地へとお前を導くだろう。

 そこでなら”護衛を行った”という事実から少なくとも、敵視はされないはず。

 独房に入れられることになるだろうが、BETAが大量の戦場で武器なしで単騎蹴りバトルをするよりはマシだ。

 

 お前はGBを起動した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 
 
 ジャンプでエネ吹き飛ぶお(qwq)
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