問題児達と時の人が異世界から来るそうですよ?   作:ガイドライン

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サウザンドアイズ

話がまとまったところ??で

ジンの提案でコミュニティに帰る話になったのだが、

 

 

 

「あっ、ジン坊っちゃんは先にお帰りください。

ギフトゲームが明日なら゙サウザンドアイズ゙に

皆さんのギフト鑑定をお願いしないと。この水樹の事もありますし」

 

 

「゙サウザンドアイズ゙?コミュニティの名前か?」

 

「YES。

゙サウザンドアイズ゙は特殊な゙瞳゙のギフトを持つ者達の群体コミュニティ。

箱庭の東西南北・上層下層の全て精通する超巨大商業コミュニティです。

幸いこの近くに支店がありますし」

 

 

「ギフト鑑定というのは?」

 

「自分の力の正しい形を把握していた方が、

引き出せる力はより大きくなります。

皆さんも自分の 力の出所は気になるでしょう?」

 

 

同意を求める黒ウサギに

十六夜・飛鳥・耀・大助の四人は複雑な表情で返した

 

 

 

と、いうことで゙サウザンドアイズ゙に向かうことに

日が暮れて月と街灯ランプに照らされている並木道を歩く

そして着いた先は蒼い生地に

互いが向かい合う二人の女神像が記されている

あれが゙サウザンドアイズ゙の旗なのだろう。

 

日が暮れて看板を下げる割烹着の女性店員に、

黒ウサギは滑り込みストップを、

 

 

「まっ」

「待った無しです御客様。うちは時間外営業はやってません」

 

「なんて商売っ気の無い店なのかしら」

 

 

「ま、全くです!

閉店時間五分前に客を閉め出すなんて!」

 

「文句があるならどうぞ余所へ。

あなた方は今後一切の出入りを禁じます。出禁です」

 

「出禁!? これだけで出禁とか御客様を舐めすぎでございますよ!?」

 

 

キャーキャーと喚く黒ウサギに、

店員は冷めたような目と侮蔑を込めた声で対応する。

 

 

「なるほど、“箱庭の貴族”である

ウサギのお客様を無下にするのは失礼ですね。

中で入店許可を伺いますので、

コミュニティの名前をよろしいでしょうか?」

 

「……う」

 

 

一転して言葉に詰まる黒ウサギ。

しかし十六夜は何の躊躇いもなく名乗る。

 

 

「俺たちは“ノーネーム”ってコミュニティなんだが」

 

「ほほう。ではどこの“ノーネーム”様でしょう。

よかったら旗印を確認させていただいてもよろしいでしょうか?」

 

 

全員の視線が黒ウサギに集中する。

彼女は心の底から悔しそうな顔をして、小声で呟いた。

 

 

「その……あの……私たちに、 旗はありま」

「いぃぃぃやほおぉぉぉぉ!

久しぶりだ黒ウサギ イィィィ!」

 

 

黒ウサギが店内から爆走してきた着物風の服を着た

真っ白い髪の少女に抱きつかれ、少女と共に街道の向こうにある

浅い水路まで吹き飛びボ

 

 

「きゃあーーーーー……!」

 

 

ボチャン、と転がり落ちた。

 

それを、十六夜達は目を丸くし、

店員は痛む頭を抱えた。

 

 

「・・・・・・おい店員。

この店にはドッキリサービスがあるのか?

なら俺も別バージョンで是非」

 

「ありません」

 

「なんなら有料でも」

 

「やりません」

 

 

黒ウサギを強襲した白い髪の幼い少女は、

黒ウサギの胸に顔を埋めてなすり付けていた。

 

 

「し、白夜叉様!?どうして貴女がこんな下層に!?」

 

「そろそろ黒ウサギが来る予感がしておったからに決まっておるだろに!

フフ、フホホフホホ!やっぱりウサギは触り心地が違うのう!

ほれ、ここが良いかここが良いか!」

 

「し、白夜叉様!ちょ、ちょっと離れてください!」

 

 

胸に顔を埋めている白夜叉を引き剥がし、

頭を掴んで店に向かって投げつける。

 

クルクルと縦回転した少女を、十六夜が足で受け止めた。

 

 

「てい」

「ゴバァ!お、おんし……

飛んできた初対面の美少女を足で受け止めるとは何様だ!」

 

「十六夜様だぜ。以後よろしく和装ロリ」

 

 

ヤハハと笑いながら自己紹介する十六夜。

 

一連の流れの中で呆気に取られていた飛鳥は、

思い出したように白夜叉と呼ばれていた少女に話しかけた。

 

 

「貴女はこの店の人?」

 

「おお、そうだとも。

この“サウザンドアイ ズ”の幹部様で白夜叉さまだよご令嬢。

仕事の依頼ならおんしのその年齢のわりに発育がいい胸を

ワンタッチ生揉みで引き受けるぞ」

 

「オーナー。

それでは売り上げが伸びません。ボスが怒ります」

 

 

どこまでも冷静な声で女性店員が釘を刺す。

黒ウサギは濡れた服を絞りながら水路から上がってきた。

 

 

「うう……まさか私まで濡れる事になるなんて」

 

「落ちる前に黒ウサギに触れてたら濡れなくて良かったけど…」

 

 

「そんなこと出来るならどうしてしてくれなかったんですか!?」

 

「い、いや…春日部さんに止められて……」

 

「……………。」

 

 

どうしてだろうか、かなりの威圧感が耀から飛んでくる

飛鳥の手に触れた時もなんか黒いオーラが見えたような…

それに気づいたのは黒ウサギだけてはなく飛鳥も気づいたようで

大助と耀から離れて黒ウサギの元へ向かい

 

 

(これ以上の詮索はやめた方がいいわよ)

(は、はい、それにしてもすでにここまで仲良くなっていたんですか?)

 

(私に聞かれても知らないわ。

とにかく春日部さんの前で大助君に触れるのは)

(やめた方がいいみたいですね。)

 

 

なんか気まずい雰囲気の中、空気を読んでくれた白夜叉が

 

 

「まぁ、ともかく話があるのじゃろ。

話があるなら店内で聞こう」

 

「よろしいのですか?

彼らは旗も持たない“ノー ネーム”のはず。規定では」

 

 

「“ノーネーム”だとわかっていながら名を尋ねる、

性悪店員に対する侘びだ。身元は私が保証するし、

ボスに睨まれても私が責任を取る。いいから入れてやれ」

 

 

む、っと拗ねるような顔をする女性店員。

彼女にしてみればルールを守っただけなのだから

気を悪くするのは仕方がない事だろう。

女性店員に睨まれながら五人は暖簾をくぐった。

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