問題児達と時の人が異世界から来るそうですよ? 作:ガイドライン
一瞬にして何かが起きて、何が起きたのか分からなかった…
この視界が何を捉えているのか、いや、これは現実なのか…
脳裏を掠めたのは、黄金色の穂波が揺れる草原。
白い地平線を除く丘。森林の湖畔。
記憶にない場所が流転を繰り返し、足元から四人を呑み込んでいく
四人が投げ出されたのは、白い雪原と凍る湖畔
――――そして、水平に太陽が廻る世界だった。
「……なっ…………!?」
「今一度名乗り直し、問おうかの。
私ば白き夜の魔王゙
―――太陽と白夜の精霊・白夜叉。
おんしらが望むのは、試練への゙挑戦゙か? それとも対等の゙決闘゙か?」
魔王・白夜叉。
少女の笑みとは思えぬ凄味に、再度息を呑む四人
十六夜は背中に心地いい冷や汗を感じ取りながら、白夜叉を睨んで笑う
「水平に廻る太陽と……そうか、白夜と夜叉。
あの水平に廻る太陽やこの土地は、オマエを表現しているってことか」
「如何にも。
この白夜の湖畔と雪原。
永遠に世界を薄明に照らす太陽こそ、私がもつゲーム盤の一つだ」
マジかよ…これがただのゲーム盤……
この広大な世界が、これがゲーム盤……
おいおい、おいおい、おいおい、おいおい……
「……あ、ああ、あはは……」
「……大助?」
「ちょっと大丈夫なの??」
「まぁ、当然の反応かもな…」
「そんなこといってる場合ですか!!?
大助さん落ち着いてください!!!!」
「落ち着いて…大助。」
黒ウサギと耀が大助の側に駆け寄り
落ち着かせようと声をかけるが、
「大丈夫だよ春日部さん、黒ウサギ。
ただこの世界に感動してるだけだよ…
……本当にちっぽけだったんだな僕の不安は……
それが分かったよ、心の奥の奥から……」
世界は広いっていうけど
まさかここまで広いなんてな……
「お主、こんな状況で感動できるとな。」
「できるよ、僕の世界は小さかった。
それは世界そのものじゃなくて僕の感じていた世界が
だけど、この世界は僕の世界をどんなものか教えてくれた
だからありがとう、白夜叉。」
「そんなつもりはなかったんだが、面白いのお主は。」
くくくっと笑う白夜叉だが、
次にはその笑いの表情は不気味なものと変わり
「さて、おんしらの返答ば挑戦゙であるならば、
手慰み程度に遊んでやる。
―――だがしかじ決闘゙を望むなら話は別。
魔王として、命と誇りの限り闘おうではないか」
「………………っ」
飛鳥と耀が、即答できずに返事を躊躇った。
白夜叉に勝てないことは一目瞭然だが、
自分たちが売った喧嘩をこのような形で取り下げるには、プライドが邪魔した。
しばしの静寂の後、十六夜が諦めたように笑って見せながら
「参った。降参だ、今回は黙って試されてやるよ 」
苦笑と共に吐き捨てるような物言いをした十六夜を
白夜叉は堪え切れず高らかと笑い飛ばした。
プライドの高い十六夜にしては最大限の譲歩だろう
「ふふ、試されてやるとは、
随分とかわいい意地 張り方じゃないか。
して、ほかの童達も同じか?」
「・・・ええ。私も試されてあげてもいいわ」
「右に同じ」
苦虫を噛み潰した表情で返事をする二人。
その様子を見ていた黒ウサギと大助は安堵の表情を浮かべる
ホッとしていたら彼方に見える山脈から甲高い叫び声が聞こえた。
その鳥とも獣とも思える叫び声に逸早く反応したのは
動物の声を聞くことができる耀だった。
「何、今の鳴き声。初めて聞いた」
「ふむ……あやつか。
おんしら三人を試すには打って付けかもしれんの」
白夜叉が手招きするとそれに応じてソレはやって来る。
鷲の頭と翼にに獅子の身体を持った伝説上の生物、
グリフォンだ。体長はざっと5メートルはある。
「グリフォン……うそ、本物!?」
「フフン、如何にも。
あやつこそ鳥の王にして獣の王。
"力""知恵""勇気"の全てを備えたギフトゲームを代表する獣だ」