問題児達と時の人が異世界から来るそうですよ?   作:ガイドライン

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弱点と逆転

「……う、う……うん……」

 

 

なんだか瞼が重い、体が重い

動かそうとするがうまく動かせない

それでもなんとか瞼を開くと

つい最近見た天井が見えた

 

 

「僕の…部屋……」

 

 

これで一つ分かった。

どうやら僕は寝ていたようで

僕はこの部屋で寝た記憶はない

 

ということは、と、思い出そうとしたら

 

 

「ずいぶん遅かったね。」

 

 

その声のする方へ見てみると椅子に座った耀がいた

足元には三毛猫がぐっすりと寝ている

 

 

「えーと、ごめんなさい?」

 

「別に怒ってないけどまだお昼ご飯食べてない」

 

 

いや怒ってるよね、それに対して怒ってるよね!

それについては踏み込まない方がいいと言わずに

現在の状況を把握しないといけない

 

 

「レティシアはどうなったのかな??」

 

「まだ売りには出されてないけど大変な状況

ちょっといざこざがあってただいま黒ウサギは謹慎処分中」

 

 

「…何してるんだよ黒ウサギは……」

 

 

頭を抱える大助

レティシアを助けるときに謹慎処分って

……人のことは言えないけど……

 

 

「でも黒ウサギの気持ちは分かる

レティシアがギフトを失ってまで私達のところに来たの

それを知った黒ウサギ、かなり落ち込んで

そこに黒ウサギを引き渡す代わりにレティシアをって…」

 

「あぁ、読めたよ。

それの条件を受けようとして、

さしずめ十六夜辺りに止められたんだろ

なるほどね…ペルセウスっていうコミュニティが

どれほどかよく分かったよ。」

 

 

「でも、十六夜はもう帰ってこないかも…」

 

「はぁ!?

ちょっとまだなにかやったの黒ウサギ奴!!!!」

 

 

しかしそこで春日部の頭がゆっくり下がった

まるで凹んでいるかのように……

 

 

「実は…黒ウサギを説得しようとしてみんな熱くなって

十六夜以外全員謹慎を受けたの。

で、「ちょっくら箱庭で遊んでくる」っていったきり

三日帰ってきてない。」

 

「十六夜のやつ…

とにかく黒ウサギと話さないとな」

 

 

 

そういってベットから降りようとしたが

何故か耀がその手で止めた

その表情は真剣であり、なにか聞きたそうな感じだった

 

 

「どうしたの春日部さん?」

 

「別に怒ってないけど、心配した。

顔色はいいのにまるで人形のように動かなかった

それって大助のギフトと関係あるんだよね」

 

 

………これはいうしかないか……

 

 

「分かったよ。

それも黒ウサギ達と一緒に話したいから」

 

「うん、分かった。」

 

 

そういって手をどかしてくれた耀は

先に部屋を出ようとしたところで

 

 

「春日部さん。」

 

「なに?」

 

 

「看病、ありがとう。」

 

「うん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

……………………

 

 

 

 

 

「もう大丈夫なのですか??」

 

「僕より黒ウサギの方がまいっている感じだね」

 

 

 

部屋にやって来ると凹んでいる黒ウサギ

レティシアや仲間での言い争い

そんなことが立て続けにあれば精神的にくるだろう

 

そしてそれは耀や先に来ていた飛鳥も同じようで

この部屋にきてからまだ口を開いていない

だけどそれを変えてくれるきっかけを飛鳥が持っていた

 

 

「久遠さん、その手にあるってなに?」

 

「これはコミュニティの子供達から貰ったの

これを持って『お願いですから、黒ウサギのお姉ちゃんと

仲直りしてください!』――って狐耳の女の子や他の年長組の子が」

 

 

「こういうの敏感だからな子供って…」

 

「本当に子供って卑怯だわ。

あんな泣きそうな目でお願いされたら、断れるのは鬼か悪魔ぐらいよ」

 

「ダメだよ飛鳥。きっかけをくれたんだからちゃんと仲直りしないと」

 

 

フン、と、顔を背ける飛鳥となだめる耀

それを見た黒ウサギも、困ったように笑った

 

 

「そうですね……

黒ウサギ達がしっかりしないと、コミュニティのみんなが困りますよね」

 

「そういうこと。

だから貴女には悪いけど、他所にいかせるわけにはいかないわ。

このコミュニティの中心はジン君でもなければ私達でもない。

私達を招き入れ、ずっと一人で支え続けた貴女なのよ、黒ウサギ」

 

「……はい。」

 

 

 

これで少しは元に戻ったかな

飛鳥の持つお菓子があるならと大助は

この部屋にある湯沸し器へ向かい

 

 

「お茶にでもしようよ。

黒ウサギ、これ使っていいの??」

 

「あっ、はい。

私が淹れますので」

 

 

「こんな時まで気を使わない。」

 

 

 

なんか申し訳なさそうにする黒ウサギ

別にこんなことまで気を回さなくてもいいんだけどな…

お湯が沸くまでしばらくかかるなと考えていると

 

 

「それで大助、いつ話してくれるの??」

 

「そうだね、十六夜はいないけど

なんだかアイツは知っているような気がするし

十六夜抜きで、ここで話しておいた方がいいかも」

 

 

「えっ、いったい何を話すのですか??」

 

「僕のギフト、一時停止に関することだよ」

 

 

そういって大助は沸騰しきれてない水を

その手にかけて、水を停止させた

沸騰してないとはいえ火傷するほど熱を持っている

だけどその温度も停止、重力さえも停止させている

いま水は大助の手から離れて宙に浮いている

 

 

「いつ見ても不思議な光景よね…」

 

「いまは水全体を一時停止させているのですよね?」

 

「その通り。

で、ここからが本題なんだけど

僕のギフト、一時停止には2つ弱点があるんだ」

 

 

 

一件無敵に見える一時停止

どんな攻撃も衝撃も熱も重力も何もかも

すべてを一時停止できるギフト

 

そんなギフトに弱点がある

 

 

「一つは一時停止の「時間使用制限」

僕自身を取り巻く一時停止には期限はないけど

僕から離れたものに使用する一時停止には

使える「時間」が存在するんだ

 

使える時間といっても、使った時間だけ寝るだけなんだけど

一時停止が始まった時点から睡眠時間が増えていって

あのペルセウス達に使った時にはもう限界だったんだ

で、今日まで寝ていたわけです。」

 

 

 

「つまり最大が72時間ってこと??」

 

「まぁ、その時の体調やちゃんと睡眠取れば使用時間は延びる

逆に広範囲に一時停止を使ったり体調が悪ければ短くなる

こんなこといってるけど一時停止の範囲によって

溜まる時間は違うからいつ睡魔に襲われるかは分からない」

 

 

 

この睡魔はいつ襲うか分からない

だからギフトゲーム中かもしれないし

命懸けのときになるかもしれない

 

 

「で、ですが大助さんを取り巻く

一時停止は制限はないのですよね

それを使えば相手を直接てい…」

 

「出来ないそんなこと!!!!!」

 

 

 

突然大声を出す大助に全員がびっくりした

いままで見たことのない表情で

まるで何かに怯えているように……

 

 

「ご、ごめん……

……普段人に触れる分は大丈夫だけど

喧嘩とかになるとダメなんだ…一時停止が使えない」

 

「それじゃ直接的な戦いになると」

 

「うん、体は普通だから簡単にやられるね」

 

 

 

苦笑いでごまかす大助に静まり返る

全員が思っていた、大助なら大丈夫だろうと

どんなギフトゲームに出ても問題ないと

だけど聞いてみたらとんでもない

 

 

「そういうこと、もっと早く言って欲しかったわ」

 

「じゃ、ガルドのときにいっていたことって」

 

「そう、直接攻撃されてたら大ケガだったね。

これが僕の弱点、一時停止の弱点だよ」

 

 

 

「なるほどな、邪魔するぞ」

 

 

突然、ドガァン!

と十六夜がドアを蹴破った。

黒ウサギは驚いて声を上げる

 

 

「い、十六夜さん!

今まで何処に、って破壊せずに入れないのでございますか貴方は!?」

 

「おいおい十六夜

盗み聞きはよろしくないぞ。」

 

 

「ならこいつで勘弁してくれ。

ほれゲームの戦利品、見るか?」

 

 

その戦利品を見るがなんなのか分からない

だけど耀や飛鳥は表情を変え

笑いを堪えながらお互い言葉を交す

 

それを聞いただけでは分からなかったが

十六夜が黒ウサギにその戦利品を渡し

 

 

 

「逆転のカードを持ってきたぜ。

これでオマエが゙ペルセウズにいく必要はない

後はオマエ次第だ、黒ウサギ。」

 

「ありがとう……ございます。

これで胸を張っでペルセウズに戦いを挑めます」

 

「礼を言われる事じゃないさ。

むしろ、面白いのはここからだからな」

 

 

なるほど、これを集めるためか

本当に十六夜はスゴいよ

暗くなっていた雰囲気をこんなに簡単に変えるだから

 

黒ウサギは溢れそうな涙を拭き、勢いよく立ち上がる。

その瞳には何の迷いも見られない。

四人の顔を見渡した黒ウサギは、高らかに宣言する。

 

 

「ペルセウスに宣戦布告します。

我々の同士・レティシア様を取り戻しましょう」

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