問題児達と時の人が異世界から来るそうですよ?   作:ガイドライン

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番外編
思い出のティーカップ


ノーネームの歓迎会から一週間

さすがにここの生活も慣れてきたところ

毎日のようにギフトゲームがあるわけでもなく

かといって平和というわけではない

 

僕と一緒にこの箱庭に呼ばれた3人は

とにかく面白おかしく過ごしたいらしく

そしてその矛先がどうも黒ウサギへ集中

集中しなくても結果的には精神的にきているようだ

 

 

 

「大助さ~ん、だずけでください~!!!!」

 

「…………なにがあったの??」

 

 

 

今日もこうして目に一杯涙を貯めた黒ウサギが

割れたティーカップを手にして持ってきた。

 

 

「うわぁ~派手にやられたね

今回は何をしたんだ、十六夜達は」

 

「………ぐすっ、お屋敷の掃除をしていた子供達の手伝いを

しようところまでは良かったんですが、

「ならいっそう、丸ごと洗おう!!!」と水樹の苗を使って

黒ウサギの部屋を水浸しに………」

 

 

「何やってるんだあいつらは!!!」

 

 

 

すぐさま黒ウサギを連れて談話室にいる十六夜の元へ

そこでは耀や飛鳥達が楽しそうにお茶会をしている

 

 

「おい君達。」

 

「なんだ、異常者」

 

 

「今回は明らかにお前らの方が異常だ!!!

なんで黒ウサギの部屋を水浸しにしたかいってみろ!!!!」

 

「十六夜君の世界では汚れを高圧洗浄機という

水を圧縮したものでキレイにしていると聞いたわ

私たちも黒ウサギには迷惑をかけたと思ったから

お部屋の掃除でもと思ってやっただけだわ」

 

 

 

そういって悪気はなかったと主張する飛鳥

 

 

 

「よし、百歩譲っても黒ウサギが大切にしていた

ティーカップを割る必要はなかったよね」

 

「それは、部屋の家具を濡らさないように運んだけど

そのティーカップは使ったあとだったから

それもピカピカにしようと思って……」

 

 

耀はその自覚はあったようだが

その手はお菓子に向けられ話ながらも

クッキーをずっと食べ続けている

 

 

「よし、よし、それもいいとしてもだ!

頭のいい十六夜様がそれに気づかずに

黒ウサギの部屋を水浸しにした挙げ句に

ティーカップを割るなんてこと分からなかったなんて…」

 

「分からん。」

 

「堂々と嘘をつくな!!!!!」

 

 

黒ウサギではないがいま思いっきり

この頭にハリセンを叩きつけてやりたい

 

 

 

「さすがにこれはやり過ぎだろお前ら…」

 

「そうですよ、どうしてくれるんですかこのティーカップ…」

 

 

するとまるで狙っていたように3人は

アイコンタクトで合図を送り、

 

 

「「「じゃ後片付けよろしく!!」」」

 

「結局人任せかてめぇら!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

……………………………

 

 

 

 

 

 

 

 

「本当にすみません…」

 

「いいよ、というか黒ウサギが謝ることじゃないだろう」

 

 

 

黒ウサギの部屋に訪れてみると確かに水浸しだった

これにはもうため息しか出なくて

すぐさま空間掌握を行い、部屋全体にある水を一時停止

それを持ち上げて外へ運びそこで解除する

 

最近はこんなことばかりである

この一時停止と空間掌握を見たいためか

何かをやらかす度に後始末をやらせる

少しは落ち着きというものを知ってほしい

 

 

 

「あの大助さん…ティーカップなんですが……」

 

「ごめん黒ウサギ。

引っ付けることは出来るけどそれはあくまでも一時的

ずっとくっつけるとなるとその眠気がその分だけ溜まっていくから…」

 

 

 

「そ、そうでしたね…

すみません、勝手なことばかりいってしまいまして

只でさえこうして部屋を戻してもらったのに…」

 

「これくらいは気にしなくていいよ

例えばさ壊れた物を戻すギフトとかはこの箱庭にはないの?」

 

 

 

自分の一時停止のようなものがあったり

それを修復するようなギフトがあればいいのだけど

 

 

「あることにはあるのですが、誰が持っているとか

どのようなギフトゲームにあるかまでは…」

 

「そうか…

ねぇ、レティシアなら知らないかな??」

 

 

「そうですね、聞いてみましょうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…………………

 

 

 

 

 

 

 

 

「すまぬが分からないな」

 

「そ、そうですか…」

 

 

それを聞きウサ耳がシュンと倒れ込む

かなりへこんでいるな……

よっぽどお気に入りのティーカップだったのだろう

いまも手の中にある割れたティーカップを覗き込んでいる

 

だけどこれはどうしようもない。

いつかは土に返る、そう思うしかないのかもしれない

 

 

 

「黒ウサギ、僕が新しいティーカップを買ってくるよ

それが代わりになるとは思わないけど、

それで十六夜達を許してくれないかな??」

 

「なら私も同行しよう。」

 

 

「ありがとうございます。

…実は十六夜さん達はそこまで怒ってないのです

出しっぱなしにした私が悪かったわけですから

 

……ただ、これには思い出がありましたから……」

 

 

 

その切なそうな表情になにも言えなかった。

きっとその想いではとても大切で

このティーカップを使う度に思い出していたのだろう。

それを聞いてしまうと、どうしても諦めきれない。

どうにかして直せないものか……

 

 

 

「これをいうと人のことを言えなくなるけど、

まぁ、仕方ないか。」

 

「何か思い付いたのか?」

 

 

「うん、白夜叉に聞いてみよう。」

 

「し、白夜叉様にですか!?

ですがたかがティーカップを直すためにそんなことを…」

 

「黒ウサギがティーカップに対して

「たかが」なんて言ったらダメだよ。

ダメ元かもしれないけど僕はやりたいから

 

やらずに後悔するよしやって後悔した方がいい

ダメでも新しいティーカップは買ってくるから」

 

 

 

 

それを聞いた黒ウサギは苦笑いをしながら

 

 

 

「それでは…お願いします。」

 

「お願いされました。」

 

 

 

こうして黒ウサギのティーカップを戻すために白夜叉の元へ

これが後にあんなギフトゲームに参加させられるなんて

いまはまだ知らなかった……

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