問題児達と時の人が異世界から来るそうですよ? 作:ガイドライン
クロノス、時の精霊クロノス
聞いたことはあるけどちょっとしたことだけ
時空を操ると言われているとしか知らない
そのクロノスと僕が似ているって……
「そのクロノスと僕はそんなに似ているの?」
「外見も中身も全然違います。
ですがアナタの持つギフトは元々クロノスのギフト
それは唯一無二のギフトなのです。
ですから、あなたを見たときクロノスと錯覚しました」
なるほどと納得したいけどそれだと
「どうしてクロノスのギフトを僕が…」
「……分かりません。」
「分からないって……
僕はこの力でどれだけキツい思いをしたのか知ってますか!」
「すみません…私達はあるギフトを守るために
この鏡の中にいましたのでいまクロノスがどこにいるかは…」
なんだよ、それ……
自分の力だと思って苦しんで悩んで
それでもこの力に意味があると思い生きてきた
それがクロノスのギフトだったなんて……
じゃ僕は他人のギフトのせいで苦しんでいたのか…
すると光の形をした者は、となりの影を見ながら、
「この影は、あなたの闇です。
怒りや嫉妬などの黒い部分を表してます。
そして私は反対である光
希望や喜びなどの光の部分を表してます。
私達は二人で一人、表裏一体
ですから貴方のいう思いを私は知っています。」
「………だからなんですか…」
その投げやりな言葉に
光の者は優しく僕にこう言った
「ですからもしそのギフトを手放したいなら
……私達がそれを回収します。」
「……えっ……」
「貴方がいうようにそのギフトは貴方のではありません。
持っているのが辛いなら、背負うのが辛いなら
私がその重りを取り除きます。」
まさかの言葉だった、ギフトを回収するなんて…
このギフトが無ければといつも思っていた
無ければ普通の、一般人と同じ世界に生きられると
だけどいまは、いまはそれが出来ない
だってこの力は、このギフトは、
「できるわけ…ないです。
これはもう、僕にとって必要なものです。
仲間を助けるために、コミュニティを再建するために」
「はい、それも知ってます。
ですから貴方はこの影に勝ち、ここにいる。
クロノスの真意は知りませんが、
彼にもなにか考えがあったと思います。
ですから、クロノスを恨むことを許せとはいいません。
でもクロノスに会ったときは、話だけでも聞いてください」
「…………はい……」
すぐにハイとは言えなかった
いまはこのギフトに感謝しているが
確かにこのギフトを恨んでいたから
だから、そのクロノスに会ったときは
僕はどんな風にするかなんて…分からなかった……
「さてゲームに勝利した貴方にギフトを渡さないと。
ギフトカードはお持ちですよね??」
頷く大助に対して光の者はギフトカードを手に取り
その中に光の者の全身から光の粒子がギフトカードの中へ
すると少しずつギフトカードにギフトネームが表れる
「これが貴方が望んだギフトであり、またクロノスのギフトです。
でも貴方ならこのギフトを正しく使ってくるでしょう」
「これが…僕が望んだギフト……」
そのギフトカードには
『巻戻』と書かれてあった
これで、黒ウサギのティーカップを直せる!
「さてこれでゲーム終了です。
私達もこれで役目を終えました」
「役目って…
君達はこれからどうするの……」
「どうすると言われましても…
ゲームが終了してもここからは出られません。
クロノスがいれば話は別ですが……」
「みんなクロノスに振り回されている感じだな
あのさ、今さらだけど二人とも精霊なんだよね」
すると驚いた表情で、いやそんな風に見えただけだが
そのあと笑ったように見えたのだ
「そうですよ、まだお話ししてませんでしたね。
私は光の精霊アスカ、こちらが闇の精霊シャドウ
これでも上級精霊なのですよ」
「上級精霊か…
もしかしてクロノスも上級精霊なのかな」
「クロノスはその上、
世界を創ったといわれる三大精霊の一人です。」
「世界を…創った精霊か……」
道理で異常で異質な力だったわけだ
世界を創ると言われた方がしっくりくるな
「あの…僕じゃ鏡から出してあげられないのかな
一応そのクロノスのギフトを持っているわけだし」
「無理でしょうね、それにはあるギフトがいりますから
気持ちだけでも嬉しいです。
それにこうしてゲームをクリアしてもらって
もう縛られるものはありませんから
のんびりと待ってますよ」
「……………光の精霊なんだよね。
それならもしかして……」
………………………………
「それじゃいくよ…」
屋敷に戻ってきた大助は早速黒ウサギの元へ
テーブルには壊れたティーカップがあり
大助は両手をティーカップにかざした
するとまるで時間を巻き戻すように
破片が空中に浮かび次々に重なっていく
「す、スゴいです!!!
みるみる直っていきます!!!!!!」
「これで終わりっと。
はい、黒ウサギもう割らないようにね」
「ありがとうございます大助さん!!」
もとに戻ったティーカップを手に喜ぶ黒ウサギ
いや~頑張った甲斐があったな
するとトントンとノックのあと扉が開き
「大助、帰ってたの?」
「か、春日部さん……うん、ただいま。」
「おかえり。」
喜びの雰囲気が流れていたのに
いつの間にか気まずい雰囲気へと変わり
黒ウサギはどうしようかとウサ耳をピコピコ動かす
「今朝は…ごめん。」
「ううん、もういいから。
それより埋め合わせ、明日買い物に付き合って」
「それはいいけど、それでいいの?」
「それがいいの。」
よかったと安堵する黒ウサギだが
次の瞬間には、ドガァンと扉が壊されて
部屋に十六夜と飛鳥が入ってきた
「マジで元に戻すギフトを手にしたってな!!
ほほう、本当にティーカップが戻ってやがる
よし、次に何故か壊れた扉を戻してみろ」
「なにいってますのこのおバカ様!!!
どうして黒ウサギの扉を壊さないと入れないのですか!!?」
「入れるわよ。
だけどどうせなら大助君のギフトを見てみたいと思ったから」
「だからといって扉を壊さなくても……」
ウサ耳が垂れる黒ウサギ
苦笑いしながら大助は扉に近づき両手を向ける
すると扉の時間が巻き戻り直っていく
「面白い。」
「す、スゴいわね…」
「これなら何を壊しても問題ないな♪」
「壊さないでください!!!!」
「このギフトをなんだと思ってるんだよ…」
「「「修理屋」」」
「よし、ケンカを売ってるんだな…
買ってやるぞこのやろうが!!!!!!」
少しは気持ちを出してもいいだろうか…
昔みたいに思いをさらけ出してもいいだろうか…
こうして言いたいことをいってもいいだろうか…
もしいいのなら、僕はもっと僕になれるはずだから
あの日から止まっていた僕が動き出すはずだ。