問題児達と時の人が異世界から来るそうですよ? 作:ガイドライン
一方、農園跡地で黒ウサギとレティシアが
丁度北側の祭典について話していたとき
慌てた様子でリリが手紙を持ってきたのだが、
『黒ウサギへ。
北側の四○○○○○○外門と東側の三九九九九九九外門で
開催する祭典に参加してきます。
貴女もあとから必ず来ること。あ、あと、レティシアもね。
私達に祭りの事を意図的に黙っていた罰として、
今日中に私達を捕まえられなかった場合
「四人ともコミュニティを脱退します。」
死ぬ気で探してね。応援してるわ。
P.S.ジン君は道案内に連れていきます』
リリから手紙を受け取った黒ウサギは、
「…………………………、」
「…………………………?」
「………………………!?」
たっぷり黙りこむこと30秒。
手紙を持つ手をワナワナと震わせながら、
悲鳴のような声をあげた。
「な、―――――…何をいっちゃってんですか
あの問題児様方ああああ―――――!!!」
黒ウサギの絶叫が一帯に響き渡る。
………………………………………
リリに手紙を預けたあと四人は
ぺリベット通りの゙六本傷゙の旗印を掲げるカフェを陣取ったのだが
そこである問題にぶつかってしまった
北側の境界壁までの距離
ジンが言うには箱庭の世界は恒星級の表面積だという
それはどれだけかよく分からず具体的に聞いてみると
「此処は少し北寄りなので、大雑把でいいなら…
…………980000kmぐらいかと」
「「「「うわお」」」」
それにはさすがに遠い。
まぁ、「自分の時間を掛けずに」行く方法はあるが
どっちにしても現実時間は掛かるから意味がない
さてどうしようかと思ったときジンが
「今なら笑い話ですみますから…
……皆さんも、もう戻りませんか?」
「断固拒否」
「右に同じ」
「以下同文」
「一蓮托生」
ガクリ、と肩を落とすジン。
四人は勢いよく立ち上がり、ジンのローブを掴んで走り出す
「黒ウサギ達にあんな手紙を残して引けるもんですか!
行くわよ三人とも!」
「おう! こうなったらダメで元々!
゙サウザンドアイズ゙へ交渉に行くぞゴラァ!」
「行くぞコラ」
「ヨッシャ!!行くぞ!!!!」
ヤハハと自棄気味にハイテンションな十六夜と飛鳥
その場のノリで声を出す耀と、行く気満々な大助
もう止められないと諦めかけているジン
ぺリベット通りを走り抜け
゙サウザンドアイズ゙の支店の前で止まる
店前では竹箒で掃除をしていた
割烹着の女性店員に一礼され、
「お帰りください。」
「まだ何も言ってないでしょう?」
門前払いを受けた。
大助が前に来たときもこんな感じで嫌われていたが
「あの、白夜叉いませんか?」
「貴方もいましたか。
オーナーが入るときなら貴方ぐらいは…」
「やっふおおおおおおお!
ようやく来おったな小僧どもおおおおおお!」
何処から叫んだのか、
和装で白髪の少女が空の彼方から降ってきて
空中でスーパーアクセルを見せつけつつ荒々しく着地
ズドォン! と地響きと土煙を舞い上がらせて登場した白夜叉
十六夜は土煙を払いながら、呆れたように女性店員に言う。
「ぶっ飛んで現れなきゃ気がすまねえのか、此処のオーナーは」
「…………………………、」
この前はこんなことはなかったが
もしこんな風に現れたら、帰っていたかもな……
すると飛鳥が大助の服を引っ張り
「ちょっとどういうことかしら?」
「な、なにが?」
「私達にはお店に入れようとしなかったあの人が
どうして貴方だけは入れようとしたのかしら??」
「それ、私も聞きたい。」
そこで耀も話に乗ってくる
特に何もしていないのに何故?
「それを僕に聞かれても……」
「なら直接貴女に聞くわ。
どうして彼だけは入店を許したの??」
「貴女方と違うからです。」
素っ気なく言い終わった女性店員は
また店前の掃除に戻った
その言葉に飛鳥と耀は大助を睨む
「すみません、具体的にお願いします…」
「それこそ自分で思い出してください。
ただ私にとって貴方は「初めて」だったということです。」
その言葉に飛鳥と耀は固まった。
大助もその言葉がどういう意味でとらえたのか分かったようで
「ちょっ、ちょっと!!!!
未だにどんなことだったか分からないけど
言い方ってものがありますよね!!!!!!」
「あんなことしておいてそんなことを言えますか??」
「だから含みのある言い方しかできないの!!!」
これはヤバイ!!
すぐにでも思い出すか、女性店員にいってもらわないと!
と、思っていたのだがすでに遅し
「大助君、ちょっといいかしら?
向こうで「お話し」をしましょう」
「じっくりと話さないとね。」
「い、や、ちょっ、まっ…」
有無も言わさず飛鳥と耀は大助の腕をつかみ
先にお店の中へ入っていった
そしてその後、なにか悲鳴らしきものが聞こえたが
「なかなかやるようになったの~」
「私はそんなつもりはありません。」
「大助がいると本当に面白いな!!」
こんなやり取りのなかジンは一人、
大助の無事を祈りながら終わるのを待った