問題児達と時の人が異世界から来るそうですよ?   作:ガイドライン

44 / 70
憐れなジャック・オー・ランタン

「これは……一体…」

 

 

樹の根の木屑を落としながら立ち上がるジャック

持っていたランプは無事だが服はボロボロ

その頭を所々に傷が入っている

フラフラで立ち上がるジャックの目の前には

 

 

 

「流石だね、あれを受けても立ち上がるなんて

正直魔王や十六夜クラス専用なんだけど…

悪魔であるジャックにこれだけなら、

まだ「重ねる」必要があるな」

 

 

 

何を言っているのかジャックには分からなかった

だが一つの単語「魔王」という名を聞いたとき

この少年のギフトは魔王を倒せるほどの力があると

その身を持って理解してしまった

 

だが、このギフトゲームでは殺しは御法度

その危険性がため言ってしまえば

無理をしても戦うことが出来る

まぁ、不死であるジャックには関係ないが

どれほど強い相手でも一瞬の戦況が

その場を逆転させることが出来る

 

 

「何をされたかは知りませんが

私は不死の怪物であるがゆえ貴方には負…」

 

「不死だからこそ君は…負けるんだよ。」

 

 

 

その瞬間にジャックの全身から50㎝離れた空間を

まるでゴム弾が不規則に跳ね回っているように

わずか一秒の間に100回もその僅かな空間を跳ね回った

そして一秒後、無惨に壊れたランプを手に

立つことさえ出来なくなったジャックは倒れた

 

 

 

「ヤ、ホホ……」

 

「まだ意識あるの…本当にタフだね」

 

 

 

動かない体、しかし意識はまだあった

ジャック自身まだ奥の手はあるのだが

それを出す前に攻撃をされてどうしようも出来ない

動作もなく突然攻撃をされたのでは…

 

すると大助はジャックに近づきこう言い放つ

 

 

 

「先に言っておくけど不死だからという理由は

この攻撃ではないからね」

 

「……っ」

 

 

 

「すでに何回も使ったんだけど

その「不死」とうカテゴリーは僕にとっては有難い

だって使っても……時間を超越しているなら問題ない」

 

 

そして大助はジャックを触れずに立ち上がらせて

そのジャックの瞳の前には大助の顔がある

 

 

 

「教えてあげるよ。どうせ後から分かるだろうから

僕はね君に触れて君の「時」を止めたんだ。」

 

「……それは…」

 

 

「どういうこと、といいたいのですか?

僕のギフトは「一時停止」でジャックの時を止めた

そしてジャックが停止している間に

何重にも重ねておいた衝撃を四方八方から行い

一時停止を解除して一斉攻撃をしたわけ」

 

 

 

それを聞いたジャックは表情が歪んだ

気づかないうちに自分の「時」を止められた

大助はジャックが気づかないスピードで移動し

そのジャックの体に触れて「時」を止めたのだ

 

 

「気に病まなくていいよ

誰も「光」を捕らえることは出来ないんだから」

 

「………ッ」

 

 

 

「そしてこの攻撃は大悪魔である

ジャック・オー・ランタンに権威を表して

こうして解説付きで見せたんだ

 

……ごめん、嘘ついた。

本当はね春日部さんを

攻撃しようとしていた貴方を見て怒っているだよ

これはギフトゲームなのに何故だと

理不尽だというかもしれないけど…」

 

 

 

その大助が見せる笑顔なのだが

明らかに目が笑っていない

むしろ仇を討つかのような

睨むだけでも殺せそうな視線を送りながら

 

 

 

「なんだかね胸の奥底から

モクモクと黒いなにかが溢れてきてね…

悪いけど捌け口になってもらうよ♪」

 

「ヤ、ヤホホ……」

 

 

 

流石の不死である大悪魔のジャックさえ

この理不尽過ぎる内容に苦笑いをして一歩後退した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

会場は、まるで夢から覚めたような静けさだった

ゲームの決着が付いた瞬間、

会場の舞台は硝子細工のように砕け散り、

円状の舞台に戻ってきていた

 

 

『勝者、春日部耀!!』

 

 

しかし、誰一人歓声の声は上がらない

そんな中一人だけパチパチと拍手の音が聞こえる

振りかえるとそこにはニコニコ笑顔の大助が

 

 

 

「おめでとう耀さん!!!」

 

「ううん、大助のおかげだよ」

 

 

「そんなことないって♪

こっちはただ「足止め」しかできなかったし

もっと補佐らしいことしたかったけど……」

 

「そんなことない。

私が勝てたのは大助のおかげ」

 

 

 

そんなやり取りをしていると大助の後ろから

不機嫌なアーシャが顔を出した

 

 

「くそ!!くそ!!くそ!!!

言っておくけどな、今回はたまたまなんだからな!!

今度やったら絶対に私が勝つ!!!」

 

「私も、一人で勝ったとは思わないから」

 

 

「お前の名前覚えたからな耀!!!

絶対に勝つんだから覚えとけ…ってジャックさん!!?」

 

「……………」

 

 

 

姿は試合開始前と変わらないのだが

地に失せているジャックはピクリとも動かない

まるで置物がそこに落ちているように…

 

 

「お前ジャックさんになにしたんだよ!!!!」

 

「あっ、ごめんごめん!

すっかりギフトを解除するの忘れてたよ」

 

 

 

パチンっと指を鳴らすと息を吹き替えしたように

突然に動き出したジャックは大きくその場から跳ねた

そして肩を揺らしながら息を切らしていた

 

 

 

「こ、ここは…」

 

「ジャックさん!大丈夫かよ!!」

 

 

「え、えぇ……」

 

「本当に大丈夫ですか、ジャック??」

 

 

 

優しい声でジャックの身を心配する大助なのだが

その声を聞いたジャックは瞬時に距離をとり

大助を警戒するように睨み付ける

 

 

 

「恐ろしいお方だ……

貴方が言っていた意味が

こうして身をもって体験するなど思いませんでした」

 

「今度は「一対一」でやりますか?」

 

 

 

「ご冗談を…もう貴方とは戦いたくありません」

 

「ちょっ、ちょっと待ってよジャックさん!!」

 

 

 

すぐこの場から離れたかったのか

ジャックはアーシャが追ってくるのを無視して去った

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。