問題児達と時の人が異世界から来るそうですよ? 作:ガイドライン
舞い降りてくる斑模様の少女と陶器の巨兵
大助はこの二人を切り離そうと
レイの光速移動で一気に近づき後方へ吹き飛ばした
しかし吹き飛ばした際に何かおかしな感覚だった
斑模様の少女も特に表情は変わっておらず
どうやら防御をしてようだ
吹き飛ばされた斑模様の少女は
建物にぶつかる前に空中で停止し
同じ速度で追い付いてきた大助を
何も興味がないような眼で見る
「あなた面白いわね、いったい何をしたの??」
「そうだね、どうやって防御したか教えてくれたらね」
お互い笑った表情をするが眼は笑っていない
そしてしばらく膠着状態が続き
遠くから聞こえてきた音色により、始まった
先に動いたのは大助、光速により一気に距離を縮め
何重にも重ねた光速による「重さ・衝撃」を
斑模様の少女の腹部にぶつけた
それにより吹き飛ぶはずだった少女なのだが
今度は吹き飛ぶこともなくまた黒い風で防御された
驚く大助をよそに今度は斑模様の少女が仕掛ける
黒い風を渦巻くように蜷局が出来上がり
双腕に付いた黒い蜷局を大助に向けて放つ
だがその攻撃は大助に触れた瞬間に停止した
それでも斑模様の少女は動揺せずに
真上に黒い風をまとめ上げて
ハンマーの様なものを造る
それを大助の頭上へ一気に落とす
しかしそのハンマーも大助に触れた瞬間に停止した
お互いの実力を確かめたように
同時に後方へ下がり距離を空けた
「………面白いわねそのギフト」
「貴女も、その黒い風だけじゃないよね」
「貴方もそれだけじゃないわね」
たった数回の攻撃と行動で
相手のギフトがどのようなものか探る二人
だがお互い分からずじまいだと思いや
「ご主人様、この者からある気配を感じます」
「気配??」
「なるほど…だからこっちも疼いたわけね。」
すると斑模様の少女の身体中から
黒い風が溢れだして少女の上空に集まり始めた
不気味で何もかも奪い飲み込もうするような…
そしてその黒い風の向こうに何かが蠢く
黒い風の集合体から何かが姿を現した
「!!!?
ど、どうしてそこにいるの……シルフ!!!!!!」
「レイ、シルフってもしかして」
「ご主人様の思った通りです
あそこにいるのは四大の一人「風の精霊 シルフ」です」
「四大って「火・水・風・土」の元素を司るという…」
そんな二人の言葉を遮るように
薄気味悪い声が聞こえてくる
まるでビルとビルのすきま風のように
まるで枯れ木を揺らす風ように
聞く者たちを恐怖を与える
「久しぶりアスカ姉さん、500年ぶりかしら」
「……久しぶりシルフ
あなた随分と暗くなったわね…」
「姉さんもまさか人間如きに従われてるなんて…」
「人間如きと言った時点でシルフ
あなたの底が見えてるわよ」
睨み合う二人の精霊
しかしシルフは不適に笑ったあと
「フフフ…いいわ、実にいいわ
私一度でもいいから姉さんと戦ってみたかったの」
「……どうしたの、シルフ…
……あなたはそんな……」
「なに、姉さんに私の何が分かるの?
これまで私がどんな思いをしてきたか、
姉さんに分かるというの!!?」
「何があったの、シルフ……
それにどうして魔王に従っているの!!」
質問に答えようするシルフだったが
その前に斑模様の少女が空にある何かを掴むように
掌を握るとシルフの周りにある黒い風が
再びシルフを飲み込み少女の体へと戻っていく
「雑談は終わりよ。
後はあなた達を倒して傘下に納めたときに
ゆっくりと話すといいわ。」
「一体シルフに何をしたの!!!
シルフはあんな子じゃないわ!!!!!!」
「知らないわよそんなこと。
それより早く続きを始めましょう」
身構える斑模様の少女に二人も戦闘態勢に入る
相手は恐らく魔王である
そして風の精霊であるシルフが取り込まれている
楽に勝てるとは思っていなかったが
これは状況的に悪い方へ流れている
そんな雰囲気の中、突然激しい雷鳴が鳴り響いた
「そこまでです!」
その声のする方へ見てみると
幾度も轟く雷鳴を発していたのは、
軍神・帝釈天より授かったギフト―――
―――゙疑似神格・金剛杵゙を掲げた黒ウサギである
黒ウサギは輝く三又の金剛杵を掲げた、
高らかに宣言する。
「゙審判権限゙の発動が受理されました!
これよりギフトゲーム゙The PIED PIPER of HAMELN゙
は一時中止し、審議決議を執り行います!
プレイヤー側、ホスト側は共に交戦を中止し、
速やかに交渉テーブルの準備に移行してください!
繰り返します―――」
―――境界壁・舞台区画。
大祭運営本陣営、大広間。
宮殿内に集められた
゙ノーネーム゙一同と、その他の参加者達
負傷者も多数いる中、
十六夜や大助を見つけた黒ウサギ達は
心底心配したかのようにピョンッと跳び跳ねて現れる
「十六夜さん、大助さん、ご無事でしたか!?」
「うん、大丈夫だよ」
「こっちは問題ない。他のメンツは?」
「残念ながら、十六夜さんと大助さん
黒ウサギを除けば満身創痍です。
飛鳥さんに至っては姿も確認出来ず……
……すみません、僕がしっかりしていれば……」
すると大助の様子を見ていたのだろう
突然に十六夜が大助の肩を握ったのだ
その行動に驚いた大助はその次に十六夜を睨み付ける
「……一応聞くけどなにするんだ十六夜?」
「いまから審議決議が始まる。
主力メンバーであるお前が「どこへ行くつもりだ?」」
その言葉に黒ウサギも驚く
いまから審議決議が始まるというのに
それを抜け出そうととしているのだ
恐らく追いかけっこしたときと同じように
誰も気づかないスピードで
ここから離れるつもりだったのだろう
「いま大助さんがいなくなると困ります!!!」
「だけど久遠さんがいないんだよ!!
何かあったら……」
「その時はその時だ。」
その一言に大助は肩に握られた手を取り
そのまま十六夜を壁に叩きつけた
「仲間を…仲間をなんだと思っているんだあぁぁ!!!!!」
「魔王と戦うと決めたとき誰もがその覚悟をした
それにだ、少しはお嬢様を信じたらどうだ?」
「………分かった、でも審議決議が終わったら…」
「あぁ、好きにしろ。」
未だに大助の怒り治まっていないようだが
その手を放し十六夜に向かって黙って頭を下げた