問題児達と時の人が異世界から来るそうですよ? 作:ガイドライン
羊皮紙に書かれた数字が0へと変わり
それと共に先手を打ったのは大助だった
さっきまでは接近戦を行ったが
ペストが一時停止の、大助の弱点を見つけたため
迂闊に近づき一撃を受けてしまう可能性が出てきた
それならと大助は両手から光の衝撃波を放つ
直接ペストの体に衝撃波を打ち込ま波なくても
遠距離でも衝撃波は充分に強い
ただ狙いを定めないといけないし
必ず当たるわけではない
それでもそうしなければいけない
一つのミスがレイやカルマを失うことになる
絶対に負けるわけにいかない
一時停止は遠距離や武器の使用など
その衝撃やそのものを停止出来るが
素手での攻撃、つまりは他者に触れることが
大助にとってのトラウマである
相手を2年もの間、時間を止めてしまった
それにより相手の体に異常が現れたりはなかったが
周りから2年もの間遅れてしまった
歳も知識も友達と一緒に過ごせた筈の思い出さえも…
それがどれ程のものか……
(……ぐっ、…やっぱりキツイ……)
思い出してしまうあの日のことを、
拒絶するかのように頭痛が大助を襲う
片手で頭を押さえ痛みを耐えようするが
その隙をペストが見逃すわけがない
黒い風を凝集し形を「長槍」へと変え
片手で放たれる衝撃波を捌き落とす
その長槍の先端には目でもはっきり分かる
シルフの加護を得た風の真空刃
あの真空刃ならあらゆるものを切り裂いてしまうだろう
ペストは次々と衝撃波を打ち落とし
どんどん大助に近づいてくる
しかし未だに治らない頭痛を抱えながら
距離を開けようとするのだが
思ったように距離が開かない
この頭痛により集中できていないのか
少しずつだが衝撃波の放つ感覚も遅くなってきた
「勝手に自爆しているようだけど?」
「………くっ……」
ペストの言っていることは正しいだろう
一時停止の弱点を見つけられただけで
こうも簡単に心が揺らぐなんて…
正直レイとカルマとのギフトゲームや
ジャック・オー・ランタンとの勝負で
もう大丈夫だろうと思い込んでいた
それがどうだ、この様は。
確実に勝てるとは言えなくとも
互角の戦いは出来るのではないかと思ったのだが
こうして自分の心の弱さで戦況が変わるなんて……
「ご主人様…一度私とカルマを戻してください」
「な、なんでこんなときに!」
「こんな時だからこそです。
私とカルマは他の精霊よりも
ご主人様の心の影響を受けます
それは逆に私とカルマが戻れば
その心の乱れを押さえられます」
「………分かった……」
そういってレイとカルマは大助のもとへ
するとレイが言ったように少し頭痛が治まった
しかしそれを行ったタイミングが遅かった
すでにペストの長槍は大助に届く範囲に
「大助さん!!!!」
すでに解放された黒ウサギだが゙契約書類゙により
このゲームに参加することは出来ない
ただ見守るしかできない
しかしどんなに鋭い刃でも
一時停止の前では意味をなさない
長槍は大助の腹部に接触しその場で停止
だがペストはそれが狙いだった
長槍の先端、風の真空刃を止めた
その真空刃だけを止めただけ
ペストが使っていたのは長槍
真空刃だけが止められただけで柄は止まっていない
だからその柄を解除し黒い風に戻した
つまりはまだペスト自身、その行動をめていない
それに気づいた大助はとっさにその場から離れた
大助が避けた瞬間にはそこをペストが通りすぎ
あと少し反応が遅ければ一撃を喰らっていただろう
「思った通りね。
直接的な攻撃を止めることも出来ない
そして武器もダメージなる場所だけを止めて
他の部分は止めてないみたいね
まさかだと思うけど、武器そのものを止めることが
「いつかその使用者を止めてしまう」なんて
そんなバカな理由じゃないわよね♪」
完全にペストにばれている……
しかしどうして……
「参考までに…
どうして分かったのか教えてくれないかな??」
「そんなこと簡単でしょう
あのかぼちゃと戦っているとき
「相手の時間を止めた」でしょう
そしてそれを私には使わなかった
精霊が賭けの対象になっているのに
そんな反則なギフトを使わないなんて……
初めはそのギフトに使用制限があるかと思ったけど
それならその衝撃波に対して説明がつかない
衝撃波も停止で止めていたものなら
そのギフトに使用制限はないはずよ
ならなぜ私を停止させないのか??
ならあとは使用者が原因
それもギフトを使えない理由がある
ギフトの反動でも対価でもない
心に刻まれた負の記憶……じゃないかしら?」
ハハハ……まいった…
さすが魔王だ、簡単に分かるなんて…
それも知られたらいけないものを知られるなんて
「さぁ、どんどんいくわ。
すぐに終わらせることは出来るけど
それだと面白くないしね
少しずつ柄を短くして少しずつ少しずつ…
その心の傷口をさらに広げてげるわ」
そういって黒い風を凝集し
今度は突起物のついた棍棒を作り出した
「な、なんて卑怯な!!」
「戦略といってほしいわね
さて続きといきましょうか。」
不気味な笑みを浮かべながら
ペストは大助に向かって動き出す
(……お…だ……せ……
……け……わた……
…………れが……べ…を………止め……)
すべてが闇に染められた世界
その中に踞る「影」が一つ
その瞳、すべてを否定するかのように光り
ただなにも見えない闇を見つめる……