問題児達と時の人が異世界から来るそうですよ?   作:ガイドライン

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VS.゙黒死病の悪魔゙ペスト(Ⅱ)

「だ、大丈夫なのですかあの者は…」

 

「分かりません………

ですが、大助さんが苦戦してるところは

初めて見ました……」

 

 

 

ペストは棍棒を振り回し大助に襲いかかる

大助は光の移動を使わずに音の移動で回避

光の移動は凄まじく速いが

速すぎて短距離移動には向かない

少しの移動が一気に距離が開く

退避や遠距離などには最適、回避や短距離は不向き

だからこそ音の移動で回避を行っている

 

しかし音の移動ではペストの攻撃からは逃げられない

シルフの風を使い周囲の状況を把握している

大助のわずかな動きが空気を伝わり風に伝わり

シルフからペストへと状況が伝達される

だから大助の行動を先読みして行動している

 

いくら音の移動をしていようが

どこにどう動くか分かればいくら速くても問題ない

少しずつだがペストの攻撃は大助に近づいている

そして……

 

 

 

「……ぐっ!」

 

「残念ね、まだまだいくわよ」

 

 

 

とうとう棍棒は大助の腹部に当たった

もちろん一時停止により攻撃は止まったが

突起物の部分が停止しても柄は違う

柄部分は一時停止が働いていないため

ペストは黒い風に戻し大助の視界を遮った

 

すぐに光の衝撃波により黒い風は拡散されたが

ペストにとってはその一瞬だけでよかった

その一瞬でペストは大助の懐に入り

大助へとその一撃が……

 

 

 

「う、うわああああぁぁぁ!!!!!」

 

 

 

体が心が拒絶をした

恐怖が目の前に襲いかかる状況から逃げようと

大助は光の移動で一気に距離を開ける

ただ雑に逃げたためにそれほど遠くない場所に

それも建物に思いっきりぶつかった

ダメージはないのだが建物は破壊され

瓦礫に埋まっている大助はなんとか立ち上がったが

それでも全身が小刻みに震えている

 

 

 

「あらもう限界かしら?

もう少し楽しめると思ったけど…終わりよ。」

 

 

 

さらに恐怖を与えようとしているのか

ペストはゆっくりと大助の方へ近づく

その手にはなにも持っていないところを見ると

今度は素手で、一時停止が出来ない素手で

このゲームを終わらせようと近づいている

 

それが分かっていても足が体が動かない

震えがずっと続いて止まらない

ペストのその手で殺される恐怖ではなく

やはり相手の時間を止めてしまうというトラウマ

 

確かに一時停止させたとしても

すぐに解除してしまえばなんも問題ない

現にジャックとの戦いでは問題なく使えた

自分の影と勝負したときも使えたのだ

だからあとは自分の心の持ちようなのだ

そう分かっているつもりだったが

迫りくる手が恐怖が甦り、心と体が拒絶をした

 

 

 

(落ち着け…落ち着け……

ただ少し止めるだけだ、ほんの少し止めるだけ…

そうすれば勝てるんだ、勝てるんだ……)

 

 

 

必死に自分に言い聞かせる大助

しかし心は体は正直であり

まだ体の震えは止まらない

それでも足は動かせ瓦礫から抜け出せた

 

 

(ここで勝たないと…レイやカルマが……

それにこのギフトゲームが終わったら

黒ウサギ達にまた襲いかかる…

それを最小限に減らすためにはシルフを!!)

 

 

決意を新たにペストに向かい踏み出そうと、

 

 

 

「……げて……逃げてください大助さん!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

貫いたのは一本の刃物

それは黒く鈍く光り、赤い液体がその刃物に流れる

 

 

「……………えっ………」

 

 

目の前には、いや懐にペストがいる

ニヤリと笑い両手で握っているのは短剣

そしてその短剣は大助の腹部を貫いている

 

 

「ただ闇雲に攻撃していたと思っていたの??

シルフの風には具現化・周囲検索だけじゃない

幻覚を見せる風をあなたの周囲をばら蒔いたの」

 

 

 

全然気づかなかった……

よく目を凝らせば大助の周りには鱗粉があり

それが大助に幻覚を見せていたようだ

 

ズブリっと引き抜かれた短剣には赤い血が付いており

大助の体から血が溢れてでくる

手で出血を止めようとするが止められない

 

 

「勝負ありね。」

 

 

 

 

『勝者ペスト、敗者の精霊は勝者へ移行します』

 

 

 

すると大助の影からレイとカルマが現れ

まるでペストに吸い込まれるかのように

必死に抵抗しても引き寄せられる

 

 

「ご主人様!!……ご主人様!!!!」

 

「これからは私がご主人様よ。」

 

 

レイとカルマはペストの背後に周り

そして金縛りにあったかのように硬直した

二人の周りには目には見えない風で拘束

その二人の間にシルフが現れ

 

 

 

「やったわ…やったわ!!

レイ姉さんが私のものになったわ!!」

 

「シ、シルフ……正気に戻って…」

 

 

「私はいたって正常よ。

だけど残念ね、もうあの男は助からない」

 

 

 

その言葉を聞きレイは大助の方を見た

そこには地面に踞り床には大量の血が……

 

 

「ご主人様あああああぁぁぁ!!!!!!!!!」

 

 

近づきたくとも拘束され身動きとれない

シルフより格上のレイならば簡単に拘束など解けるが

どういうことなのかその拘束が解けない

いくらペストの元に降ったとして

精霊の力を押さえることは出来ない

つまりはいまのシルフはレイ達よりも強い

 

 

「大助さん!!大助さんしっかりしてください!!!」

 

「出血が酷い……悪いが焼いて出血を…」

 

 

 

サンドラは手に炎を灯し大助の腹部の傷を焼き

出血を止めようとしたのだが

炎が大助に触れる前に停止したのだ

そしてさらにまるで排除するかのように

大助を中心に周りに衝撃が放たれた

それに吹き飛ばされた黒ウサギやサンドラは

空中で体勢を整え、近くの建物へ着地

すぐさま大助の元へ向かおうとするが

そこで不思議な現象を目撃する

 

大助の周りでは、周囲10mの物が停止した

空中に飛んだ建物の破片や塵

風も水も炎も、なにもかもその場で停止し

そして大助自身も停止していた

 

 

 

「なるほど…自己防衛が働いたのね」

 

 

ペストがいう通りだろう

現に大助の体から流れていた血も停止して

大助の「時間そのもの」も停止した

これで大助の命は守られたが…

 

 

「でもこれで時の人、時人はリタイアね。」

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