問題児達と時の人が異世界から来るそうですよ?   作:ガイドライン

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VS.゙黒死病の悪魔゙ペスト(Ⅴ)

スプリングホワイトのギフトカード

光輝く中から柄が現れ、鍔・鞘が続けて出てきた

これは日本刀、名を『無刀』

取り出した無刀を片手でくるくると回した後

無刀を確認するようにジッと見つめた後

ゆっくりと鞘から刀を抜いた

 

 

…………のだが、

 

 

 

 

「「えっ??」」

 

 

 

 

その場にいる誰もが驚いた

驚いたというより信じられないと言うべきか

その刀には、無刀には、「刀身」がないのだ

刀身が鞘から抜け落ちないようにするための

「はばき」というものさえ付いているのに

刀に必要な刀身がそこには…ない。

 

 

 

「な、なんなのよ…それ……

そんな刀で私を切るつもりなの??」

 

 

 

そしてフハハとお腹を抱えながら笑うペスト

黒ウサギ達も心配して大助??を見つめる

だが一人だけ冷静な奴は、

 

 

 

「やり過ぎるなよ

てめぇは出る幕じゃないんだよ、クロノスもどき」

 

「うるせぇヘッドホン。

……ちっ、なら借りを返すだけにしてやるよ。」

 

 

 

そんな話をしたあと十六夜は

すぐさま黒ウサギ達の元へ行き

 

 

 

「黒ウサギ、サンドラ、お嬢様

参加者達をすぐにこの場から避難させろ」

 

「いますぐでございますか!!!!??」

 

 

 

十六夜の突然の言葉に戸惑う黒ウサギ

この周りを全員避難させようとするなら

それもどこに誰がいるのか分からないのに

すぐに避難させることなんて……

 

 

 

「゙サラマンドラ゙の人々なら避難の合図があります

それでしたらすぐにでもこの場から離れます」

 

「ジン君やレティシアには

サラマンドラと一緒に行動するように言っているわ」

 

 

 

「ならさっさとしろ!!

……下手したらここ一帯、消し飛ぶぞ!!」

 

 

 

一気に表情が強ばった

あの十六夜が必死とは言わずとも

はっきりと危険だとそういったのだ

それはサンドラでもどれだけのものか理解した

別のコミュニティだとしても

その者の実力がどれ程か短時間でも分かる

 

分かるからこそ、驚いたのだ。

その実力者がそれほど恐れていることに…

 

 

 

「待ってください!!

それより確実に被害を出さない手がございます!!!!」

 

「あるならさっさとしろ駄ウサギ!!!!」

 

 

「どうして今日はこんなに風当たりが強いのですか!!!?

いいですか、いきますよ。

今から魔王と此処にいる主力――

――――纏めて、月までご案内します♪」

 

 

 

 

は?という疑問の声は、刹那に消えた。

白黒のギフトカードの輝きと共に急転直下、

周囲の光は暗転して星が巡る

温度は急激に下がり、大気が凍りつくほどの

過酷な環境が十六夜達を襲う

激しい力の奔流が収まり、瞳を開けて天を仰ぐ

天には、箱庭の世界が逆様になって浮いていた

石碑のような白い彫像が

数多に散乱する月の神殿を見て

ペストは蒼白になって叫ぶ

 

 

 

「チャ……………゙月界神殿゙!

゙軍神゙ではなく、月神゙の神格を持つギフト………!」

 

「YES!

このギフトこそ、我々゙月の兎゙が招かれた神殿!

帝釈天様と月神様より譲り受けた、

゙月界神殿゙でございます!」

 

 

黒ウサギは、満点の星と

箱庭を誇るように両手を広げる

神殿とは言わないが、その名残の様なモノは

白い石碑の彫像群だけだ

 

彫像の結界をのそとに出れば、

月面の過酷な環境があらゆる生物を死滅させるだろう

 

 

 

「け、けど…………!

ルールではゲーム盤から

でることは禁じられているはず、」

 

「ちゃんとゲーム盤の枠内にいますよ?

ただ、高度が物凄く高いだけでございます」

 

「っ…………!?」

 

 

 

「これで参加者の人間の心配はなくなりました!

サン……」

「面白いことしてくれたなウサギ!!

お礼だ!!さっさとヘッドホンの影にでも隠れて

揚げられるのを待っていやがれ!!!!!!」

「何をいってますのこのおバ、」

 

 

 

黒ウサギが言葉を発する前に十六夜が前に立つ

その刹那、十六夜を避けるかのように周りが

消ゴムで消されたように消えてなくなった

クレーターのように陥没したわけではなく

正真正銘、地面が、月の一部が、消えた。

 

 

 

「な、何ですかこれは!!?」

 

「俺の後ろからか動くな!!!

……跡形もなく消えたくないならな」

 

「流石だなヘッドホン。

これは警告だ、俺がいいというまで動くな

…………いいな??」

 

 

ギフトには光を浴びるだけで死に至るものがある

それに似たこのギフトは、一瞬にして「無」にする

死とは違う恐怖、それを考えただけで恐ろしい

そして黒ウサギは大助??が

こちらに刀身のない刀を向けているのを見た

刀身を向けられている訳でもないのに

何故か全てを失う感覚に囚われた

 

 

 

「さて、ウサギ達には

斑尾ロリを倒す手段があるようだ

その間、「俺」が受けた借りを返してやるよ。」

 

 

 

そういって大助??は無刀をペストへ向ける

向けられたペストも黒ウサギと同じように

全てを失う感覚に囚われ冷や汗をかく

なにも起きないのかと油断した瞬間

 

 

 

「っ!!!!」

 

 

すでに大助??から攻撃され

ただ何も起きていなかったと錯覚していた

ゆっくりと手を腹部に当てると

そこからは夥しい血が溢れだしていた

すぐさま傷を癒そうとするがそれが出来ない

その間にも血が体から抜けて月の地面へと落ちる

 

 

 

「な、何をし…たの…。」

 

 

「理解出来ないだろうな

この無刀は刀身がないんじゃない、いらないんだよ

俺が斬ると思った物「全て」斬る。

どんな固いものでも、精密なものでも、

どんなに離れたいても、

距離も空間も時間も何もかも斬る

 

聞くが斑尾ロリ、この無刀からどう逃げる??」

 

 

 

そんなデタラメなギフトがあるのか??

ありとあらゆる物を斬るなんて…

それも距離を必要としないとせず

ただ斬ると思った物を斬る

 

そんなものから逃げるなど……

 

 

「諦めろ斑尾ロリ。

例え無刀から回避出来たとしても

その傷には再生出来ないように停止してある

死にはしないだろうが、終わりは見えてる」

 

 

 

まだ戦える。

星を砕く一撃ではないかぎり死にはしない

そのはずなのに、ただ治らない傷を負っただけで

はっきりと勝利するというイメージが浮かばない

突然と現れた時人とは違う者

 

 

 

あの者は……一体何者なんだ………

 

 

 

 

 

「…………あとは勝手にしろウサギ。」

 

 

 

 

大助??はその場から離れると

影で見えなかった黒ウサギと飛鳥が

そしてインドラの槍を持ったディーンがいた

 

 

 

「今です飛鳥さん!」

 

 

「撃ちなさい、ディーン!」

 

「DEEEEEEeeeeEEEEEEEEEEN!!!」

 

 

赤い鋼の巨人が怒号をあげて撃ちだす

インドラの槍は飛鳥の言葉に応じ、

千の天雷を束ねてペストを襲う

簡単に避けられるはずだが

治ることのない傷がその行動を鈍くし

ペストは避ける間もなく被弾し、

月面を空高く打ち上げられ貫かれた

 

 

 

「こ、この……程度で、なんかで………!」

 

「無駄でございますよ。

その槍は正真正銘、帝釈天の加護を持つ槍

太陽の鎧と引き換えた、

勝利の運命(ギフト)を宿す槍なのですから」

 

 

 

 

 

「そんな……私は、まだ…………!」

 

「――――――さようなら、゙黒死病の魔王゙」

 

 

 

飛鳥が別れの言葉を告げると、

一際激しい雷光が月面を満たす

轟と響きを上げて軍神の槍は、

圧倒的な熱量を撒き散らして魔王と共に爆ぜた。

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