問題児達と時の人が異世界から来るそうですよ? 作:ガイドライン
―――境界壁・舞台区画。
゙火龍誕生祭゙運営本陣営。
ゲーム終幕より四十八時間が経過。
外では祝勝会を兼ねた誕生祭に加え、
終日宴の席が設けられていた。
サンドラが魔王に初勝利を収めたことや、
゙ノーネーム゙の功績が取り上げられ
大いに盛り上がりを見せている。
゙サラマンドラ゙どノーネーム゙には
惜しみない称賛の声が上がった。
今回のゲームに参加した者達に、
彼らを軽んじる者はいないだろう
十六夜が考案した策は、一先ず成功を収めた。
だが、
「お主がクロノスの後継者なのか??」
「ちげぇよ、「俺」じゃねえ。
こっちの「俺」はどうだか知らねぇが「俺」は違う」
「しかしだな…」
「うるせぇな、だいたいさっきからなんだ!!!
見せ物のように集まりやがって!!!!!」
十六夜が予測できなかったこと
それは此処にいる「大助」のことだ
顔は似ているが髪は白髪で長髪
そしてその背中にはコンパクトになった時計盤
この大助は突然と現れ
ペストに勝利のカギとなったダメージを与え
さらにこの境界壁に広がるはずだった黒い風を停止させ
誰一人死人を出さずに
このゲームを終わらせることが出来たのだ
そしてその貢献者を一目見ようと
様々な者達が大助??を見に来ていた
「ご、ご主人様…そんなに怒らずとも……」
「うるせぇっていってるんだ!!!
俺はお前らのご主人様じゃねぇだよ!!!!!」
「……しかし、精霊は強き者につく……
…あの゙黒死病の魔王゙に勝者したのは…」
「止めをさしたのは赤女だろうが!!」
「誰が赤女よ!!!!
私にはね、久遠 飛鳥という名前があるの!!!!!」
ノーネーム一同は宴会席でいう上座で集まり
大助??を中心に席に座っていた
他の参加者達は下でそんなやり取りを見ているのだが
どうやらその見せ物のような扱いが
かなり気に入らないようだ
「初めは私の元に来たけど、
「ご主人様でなければ従いません」というのよ
なら元のご主人様に戻すのが筋でしょう?
それに私は仲間を無理矢理従わせることは嫌なの」
(……僕は何度かされましたが……)
「ジン君、何か言いたそうね?」
「な、なんでもありません!!!!」
飛鳥の迫力に後退りするジン
ペストを倒したあと三体の精霊は飛鳥の元へ
しかしいくら眷属したとしても
納得しない、というより大助??以外はありえない
そして飛鳥自身も精霊を引き取るつもりはないようだ
ずっと小言のように文句をいってくるため
耐えきれないというのが一番の理由である
「そんなに嫌ならご主人様を返してください。」
「そうです、アスカ姉様が心配されてます~」
「後ろでイチャイチャしてんじゃねぇ!!!!
どいつもこいつもうぜぇうぜぇうぜえええぇ!!!!!」
「貴方が一番五月蝿いでござますよ!!!!」
黒ウサギがハリセンで大助??を叩こうとしたが
視線で殺しそうなほど睨み付ける
ヒッと一歩下がってしまいそうになったが
「し、しかしですね……
どうして…えーと……」
「なんだウサギ、ハッキリ言え!!!!!」
「それでは……
…貴方は「大助」さんではないなら、
貴方は一体「誰」なんですか……」
「あぁ??
………そうか、いってなかったか……」
うーんと悩む大助??
少ししか出会っていないが
こんな風に悩むような人とは思わなかった
しかし突然にやっと笑う
それを見た者達全員が「うわっー」と嫌な予感がした
「なら、俺の名前を言い当ててみろ
そしたら「大助」を返してやるよ。」
「ちょっとお待ちを!!!
どうしてそういうことに…」
「うるせぇ、本当に揚げるぞウサギ!!!
別にノーヒントなんていってないだろうが」
「そ、そうなのですか…」
「あぁ、三つだけ質問していい
だから考えて言えよな」
「無茶苦茶でございます!!!!!!」
確かに無茶苦茶である。
人の名前をたった三つのヒントで
言い当てるなんて…どうにかしてる……
「なら止めるか??
こっちはずっとこのままでもいいだが…」
「ずっとこのままでといいますと…
もう、「大助」さんには会えないのですか!!?」
「……そういうことだ。
さあ、どうする。やるのかやらないのか??」
不敵に笑う大助??
一方黒ウサギは困惑していた
魔王のギフトゲームに勝ち、心から喜んでいた矢先
まさか仲間の存在をかけることになるなんて
それもその仲間から言われるなんて…
たった三つのヒントで名前を言い当てることは
本当にできるのだろうか??
いくらこちらが質問出来たとしても
それこそ山ほど星ほどある名前を言い当てるなんて…
だが、大助??はその表情を無表情に変えて
「嘘だ。誰がそんなめんどくさいことするか
教えてやるよ、俺の名前を……」
「どうしたのですか突然……」
「黙ってきけウサギ。
俺の名前は……「十無(ツナシ)」だ。」
すると十無が言ったように
名前を明かした瞬間から体に変化が起きた
白く長い髪が光り、少しずつ短くなり
時計盤も縮小を始めたのだ
「どうやら大助が目を覚ましたみたいでな
主導権を持っていない俺は消えるだけだ」
「そ、そんな……
まだお礼もしてませんのに……」
「なら俺にアゲ喰われろ」
「…………そ、それは…」
「なに、真面目に受け取ってやがる。
礼なんざ要らねえよ、こいつに死なれたら困る
ただそれだけ、それだけで出てきたんだ」
さらに髪が短くなり
白かった髪が黒へと変わり始めている
もう別れの時が近いのだろう
耀は大助??、いや十無の目の前まで近づいた
「……ねぇ、十無。
………また会える??」
「さあな、
もう一度大助が死にかけたら出てくるかもな」
長い髪も白い髪も時計盤も
全て元の大助に戻ろうとしている
いまここにいる十無の時間はもう僅か
「本当にありがとう。
貴方はコミュニティの為じゃないというけど
それでもありがとう十無」
「………そうか、なら……」
誰も予想できなかった
そんな行動を取るなんて誰も思わない
敵意のない行動なら尚更分からない
そしてその行動がまるで当たり前のような
ごく自然な行動で……
十無は耀の頬にキスをしたのだ
あまりの出来事にその場から動けない耀
その間に十無の姿は完全に大助へと戻った
「……ここは、
……あれ、春日部さん…もう起きてもだい…」
立ったまま気がつき目を開けたのだが
目の前にいる耀は顔を真っ赤にしながら
象との友達の証であるギフトを使い
まさに大助自身に攻撃をしようとしていた
それだけではない。
黒ウサギば疑似神格・金剛杵゙を
飛鳥はディーンを
レイは疑似太陽を
いつの間にか仲間になっているシルフは
風を凝縮させた巨大なハンマーを
大助に向けて放とうとしている
「ちょっ、ちょっとまっ……」
「「「「「この大バカ様ああああぁぁぁ!!!!!!!!!!!」」」」」
未だかつてない総攻撃が大助に直撃
後にその総攻撃の跡が北の境界壁の
目玉スポットになったかとならなかったとか
また、改めて語ることになる。