問題児達と時の人が異世界から来るそうですよ? 作:ガイドライン
レティシアは一向に話が進まないことに肩を落とし
十六夜達へ率直に告げた
「つまり主達には、
農園の特区に相応しい苗や牧畜を
手に入れて欲しいのだ」
「牧畜って、山羊や牛のような?」
「そうだ。
都合がいいことに、南側の
゙龍角を持つ鷲獅子゙連盟の招待状が届いている。
連盟主催ということもあり、
収穫物の持ち寄りやギフトゲームも多く開かれるだろう
中には種牛や希少種の苗を賭けるものも出てくるはず
コミュニティの組織力を高めるには、
これ以上ない機会だ」
なるほど、頷く問題児たち
黒ウサギば龍角を持つ鷲獅子゙の
印璽が押された招待状を開いて内容を簡単に説明する
「今回の招待状は前夜祭から参加を求められたものです
しかも旅費と宿泊費ば主催者゙が請け負うという
゙ノーネーム゙の身分では考えられない破格のVIP待遇!
場所も南側屈指の景観を持つという
゙アンダーウッドの大瀑布゙!
境界壁に負けないほどの
迫力がある大樹と美しい河川の舞台!
皆さんが喜ぶことは間違いございません!」
黒ウサギが胸を張って紹介する。
彼女がここまで強く勧めてくるのは非常に珍しい
十六夜達は顔を見合わせ、
楽しそうに黒ウサギを皮肉った
「へえ………゙箱庭の貴族゙の太鼓判付きとは凄い。
さぞかし壮大な舞台なんだろうな
……お嬢様はどう思う?」
「あら、そんなの当たり前じゃない。
だってあの゙箱庭の貴族゙がこれほど推している場所よ
目も眩むぐらい神秘的な場所に違わないわ。
…………そうよね、春日部さん?」
「うん。これでガッカリな場所なら
……黒ウサギはこれから、゙箱庭の貴族(笑)だね」
「゙箱庭の貴族(笑)゙!??
な、何ですかそのお馬鹿っぽい
ボンボン貴族なネーミングは!?
我々゙月の兎゙は、
由緒正しい貞潔で献身的な貴族でございますっ!」
「献身的な貴族っていうのがもう胡散臭いけどな」
ヤハハと笑ってからかうと、
黒ウサギは拗ねた様に頬を膨らませてそっぽを向いた
十六夜たちは黒ウサギのやり取りに
苦笑いを浮かべたジンは、
コホンとわざとらしく咳払いをして一同の注目を集める
「方針については一通り説明が終わりました。
……しかし一つだけ問題があります」
「問題?」
「はい。
この収穫祭ですが、二十日ほど開催される予定で、
前夜祭を入れれば二十五日。約一ヶ月にもなります。
この規模のゲームはそう無いですし
最後まで参加したいのですが、
長期間コミュニティに主力が居ないのはよくありません
そこでレティシアさんと共に二人残って欲し
「「「嫌だ」」」
「本当にこういうときは息が合うよな……」
即答だった。
まぁ、この問題児達の行動は大体だが予想はついていた
だがこればかりは譲れない。
コミュニティが力をつけ始めた今だからこそ、
防備も固めておかなねばならない。
「でしたらせめて日数を絞らせてくれませんか?」
「というと?」
「前夜祭を三人、
オープンニングセレモニーから一週間を四人。
残りの日数を三人。
…………このプランでどうしでしょうか?」
むっ、とお互いの顔を見る問題児たち
しばし顔を見合わせた後、耀が質問を返す
「そのプランだと、
二人だけ全部参加できる事になるよね?
それはどうやって決めるの?」
「それは―――」
「それなら僕が残ろ……」
「そんな面白くないことをするより俺から提案がある
なら前夜祭までの期間で、
誰が何日行くのかをゲームで決めるのはどうだ?」
「ゲーム?」
「あら、面白そうじゃない。
どんなゲームをするの?」
「そうだな……
゙前夜祭までに、最も多くの戦果を上げた者が勝者゙
ってのはどうだ?
期日まで実績を比べて、
収穫祭で一番戦果を挙げられる人材を優先する。
………これなら不正不満はないだろ?」
十六夜の提案に飛鳥と耀が顔を見合わせる
それなら条件は五分五分である
二人は同時に頷き合って承諾した
「わかったわ。それで行きましょう」
「うん。………絶対に負けない」
不適な笑みを見せる飛鳥と、
珍しくやる気を見せる耀
しかし未だに悩んでいる大助は
「だから僕が……」
「よし、やるぞー!!!」
「明らかにワザとらしい声を出すな!!!
分かったよ、やればいいんだろう!!!!!!」
どうしてでも大助を
このゲームに入れようとする十六夜
こうして問題児達は、゙龍角を持つ鷲獅子゙
主催の収穫祭参加を賭けて、
ゲームを開始したのだった
さて、どうしようかな……
みんな戦果を挙げられるために行動を始めたのだが
本当にこのゲーム、全くといっていいほどやる気がない
もちろん収穫祭には出たい
だけど全く出れない訳ではない
それならいまやっておきたいことを…
「どうされますご主人様??」
「僕としてはこの前の原因を探りたいだけど…
まぁまずは白夜叉から話を聞いてから決めようか
と、いうわけで白夜叉に会いたいのですが……」
「…また、あなたですか……」
大きく明らかに来ないで下さい的な
深いため息をつく割烹着の女性店員
その態度にムカッときたレイは
「何ですかその態度は!!?
そちらの白夜叉から来るようにと言われて来たのに
それは客に対して失礼ではないのですか」
「お客様なら、失礼に値しますが
ただ話を聞きにきたコミュニティに対して
どうやってお客様として接すればいいか
私としては考えずとも答えは出てますので」
「……ふざけているのか…」
「そうですよ、私達精霊をバカにしていますよね」
大助の中で「だから僕は精霊じゃないけど」と
言いたかったが話がややこしくなると思い
「それで構いませんので
白夜叉に会わせてもらえませんか??
それにこちらも……」
大助がカルマに向けて手を出すと
渋ったような表情をしたあと
その闇の体から一つの袋を取り出し渡した
そして大助は女性定員だけに聞こえるように
「これは「あの店の、あの御菓子」なんですが…」
「分かりました。すぐに白夜叉様を。」
やはりどこの世界でも女性は甘いものに弱いらしい