問題児達と時の人が異世界から来るそうですよ? 作:ガイドライン
「ねぇ、さっきから気になってたんだけど
この砂時計って大助君のなの??」
「僕のというか羊皮紙と一緒に出てきたんだけど…」
「それならこれを動かしたらいいじゃない。」
そういい耀は砂時計を手に取り
光輝く砂が貯まっている方を上部にして置いた
そして砂が一粒、なにも入ってない下部へ
上部と下部に繋がる細い道に砂が一粒落ちる
その瞬間、世界が曲がりくねった
大助の部屋が大きくうねり、
そのうねりとなった波が砂時計に集まる
大助達はその波に飲まれることはなかったが
どんどん部屋が砂時計に飲まれていく
そして飲まれた部屋の後には
全く知らない部屋に、いや景色に代わった
そこは部屋ではなく森林の中だった
「な、なにここ……」
「見たことのない植物がいっぱい…」
「ギフトゲームが始まったのか…」
そこは見たことのない形をした葉っぱや
うねうねと他の植物に巻き付いていたり
まるで寄生しているような植物もある
そんな未開の土地に突然投げ出された三人
「で、なにをしたらいいのかしら??」
「そこなんだよね…」
クリア方法には
『堕ちゆく中「異」を取り除き「先」に向かえ』とある
恐らく堕ちゆくとは砂時計であり
この世界が砂時計の「中」ということだろう
なら「異」を取り除くというのは、
「………誰か、来る。」
「!!?」
木々や植物が密集しているこの場所では
視覚による空間掌握は狭まれる
だから耀のように「誰か」が来るなんて分からなかった
こんな所なら色んな動物がいてもおかしくないが
その中で耀は「誰か」といったのだ
「二人とも僕から離れないで!!」
「あら??
大助君の手を借りなくても
自分の身は自分で守れるわよ。」
「うん、問題ない。」
そういって大助の前へと二人は踏み出す
その先からは茂みが揺れ動くところが分かるが
二人は分からないのか……その誰かは、
格が違いすぎることに。
「ダメだ!!さがっ
その声はむなしく弱く
一瞬のうちに二人は宙を舞い落下を始める
とっさにシルフを呼び出し風のクッションで
落下による衝撃を緩和させた
と、同時に大助は誰かに襲撃させていた
あまりにも突然だったため
どういう人物かも確認せずに
触れられるという恐怖により
その誰かと大助の間に一時停止させた空気の壁を引いた
棍棒のようなものがまず空気の壁にぶち当たり
急停止できなかった誰かは
とっさに体を強制的に後ろに転倒させようとさせ
足を空気の壁に押し当て、棍棒でさらに空気の壁を突く
そのまま誰かはその壁を登り始めたのだ
棍棒を支えにその足で空気の壁を
「なっ!!!??」
あり得ない光景を目撃した大助に対し
誰かは即興で作った空気の壁(20㍍)を登りきり
今度は重力にまかせ、大助の頭上から攻めていた
このまま逃げてもあのスピードでは捕まる
こんな植物などが密集している場所では
光はおろか音による移動もできない
いやそれ以前に耀達を置いていくわけには行かない
覚悟を決めた大助はその誰かに手を向けて
「レイ!!カルマ!!!」
そう叫んだ瞬間、大助の影から二体の精霊が
光の精霊アスカことレイと
闇の精霊シャドウことカルマが
主人である大助を守るために立ち向かう
しかし、誰かはそんなことは関係ないように
たった一撃で精霊である二体を撃退したのだ
光の槍を与えようとするレイに
誰かは棍棒でその槍を弾きレイの胸に一撃
それを見たカルマや闇の槍を2つ構え
一撃を棍棒を弾くために使い
二撃を誰かに喰らわせる算段であるが
それよりも早く棍棒により槍を弾かれ
レイと同じように胸に一撃を喰らった
このままだと自分も危ない
なのでとっさに大助は地面を蹴りあげ
宙に舞った砂や土を停止させ目隠しをした
だが誰かはその砂や土をその棍棒で全て砕き
そのまま大助の元へ激しい一撃を放った
その際に舞った砂埃でなにも見えない。
だが「誰か」は全く手応えがなかった
実際棍棒の先には誰もおらず
まわりは砂埃でなにも見えない……なっ!!
「動けないでしょう。
砂埃を全て停止させたから体全身
いや指も瞼も髪の毛もなにも動かせない」
「…………………」
「あっ、ごめん。
口ぐらいは動かさないと喋れないよね」
そういって大助は空間掌握で
その誰かの口元の砂埃だけは解除した
「さて、なんでこんなことをしたのか
きちんと教えてくれるよね??」
「な、なんだ貴様は…
この奇術をさっさと解け!!!!」
「奇術……、解いてもいいけど
まずこんなことをした理由を話してくれないと」
「貴様らが我、領土に侵入しておいて……
何が目的だ!!場合によってはその命奪うぞ!!!!」
なにか変だ…箱庭では力や能力を「ギフト」と呼ぶ
それを「奇術」といったみたいだけど…
とりあえず最小限の縛りを残して
誰かの容姿を見るために砂埃をどかした
その誰か見たことのない容姿をしていた
こただそれは確実にその姿は
戦闘を意識したものだと人目で分かる
そして見た目が……幼かった。
「…………うん、そうだね。」
「おい貴様!!!
いま「あっ、子供か」と思っただろうが!!!」
「じゃ、何歳なの??」
「…………8…」
「そうだね。大人だね。」
「明らかに子供相手をしているような対応をするな!!!!」
いや、だって子供だもの。
確かに恐ろしく強いが、そのなんていうか、
手が、伸長が、顔が、目が、口が、
その全てをとっても「幼い」の一言で片付けられる
「うんうん、ごめんね。
お名前は何て言うのかな??」
「シェル・メルテオっていうのだが…
って、全然反省してないだろうが!!!!」
「そんなに怒ったらダメだよ。
そうだ、確かお菓子を持っていたような…」
「ふざけるな!!!
よし、これを解け!!ぶっ飛ばしてやる!!!!!!」
最近の子供はどうも怒りっぽいな…
まぁ、とにかく一度春日部さんと久遠さんの様子を…
大助はシェルをそのままにしてその場を離れた
後ろでガヤガヤ言っているが気にしない
二人はシルフが看病してくれているようだが
「二人とも大丈夫??」
「問題ないわ。
姉様達も大丈夫よ。
でもどうしてなのかしら、
目覚める様子がないのよね」
「えっ、それってどうい…」
「それはこの「神通棒」の効果である。」
するとシェルがこちらを見ながら
これは私がした、どうだ!!ってみたいな
どや顔をしているのだが……
大助はシェルに近づいて、
「ダメだろ、そんないたずらをしたら
後でちゃんとみんなに謝らないとね」
「だから子供扱いするな!!!」
「そうか。
なら、大人なら、きちんと謝ること出来るよな
それこそ大人だもんな~~」
「あ、当たり前だ!!
大人だからな、謝ることなど容易い。」
すでにここに来た理由も忘れているだろう
簡単に大助の誘導に乗せられ
停止された砂埃から解かれたあと
敵だということを忘れてその効果を解いている
(とにかく…いまの内に事情を聞いたほうがいいかな
うまく乗せればいろいろ分かるかもだし…)