問題児達と時の人が異世界から来るそうですよ? 作:ガイドライン
「はぁ~やはりうまくいきませんわね」
「でも、いいところまではいったと思う」
「そうなのよ!!
あそこで変えなかったら…
もう「威光」を使えば使ったかしら」
「でもそれだと賭け事の意味がなくなるって」
それも分かっているのだけど、
とさっきから同じことを繰り返している飛鳥
耀も悔しかったのだろう
いやな顔をせず飛鳥の話し相手をしている
そしてもう一人の人物、大助はというと
離れた場所で一人暗い顔をしている
飛鳥も耀も気にはしているが
なにかをいうまでこちらからは言わないと
言葉を交わしたわけではないがそう決めたようだ
「明日は絶対に勝ってみせるわ!!」
「うん、私も頑張る」
「そうと決まれば明日に備えて食事にしましょう」
「骨付き肉がいい」
「もうちょっと女の子らしい物を……」
しかし耀はすでに骨付き肉を求めているのだろう
もう瞳がキラキラと光っているように見える
はぁ~とため息をつきながら
一人離れた場所にいる大助に近づいて
「ほら大助君も食事にするからこっちに来なさい」
「……久遠さん……」
「何があったか知らないけど
言えるようになったら教えて頂戴
あなたのことだから私たちのために
色々と考えていくれているのでしょうけど
私たちのことなら一緒に悩めることができるわ」
「一人抱え込むのは良くない」
「……久遠さん…春日部さん……」
その優しさがすうっと胸の奥に入っていくが分かった
そうだ、ここには仲間がいる
ずっと一人だったあのときの自分じゃない
いまはこうして一緒悩んでくれる仲間がいる
何かを決意した大助は二人の瞳を交互にみたあと、
「ありがとうございます
それとお願いします、一緒考えてください」
「この世界が、いままでの世界が、
全部大助君の「分身」がいる世界だというの」
「分身とも違うかな
魂は2つが同化しているし、
それにシェルみたいに全然似てないよ」
「でも大助でもあるんだよね」
「そう僕が死ねば「僕達」は死んでしまう
だから僕は何百・何千の僕の命を背負っている」
その話を聞き表情が暗くなった二人
いままでのギフトゲームでも
他人の命を守るため戦ったことはある
けどこれは命の重みが違う
自分が死ねば一緒に死んでしまう
それもギフトゲームもなにも関係ない「大助」が
想像しただけでもとんでもない
これを一人で背負うなんて出来るのか……
だけど大助は、
「だけどね、正直そこまでプレッシャーはないんだ
まだ実感がないだけかもそれないけど…
………ほら、僕には一時停止があるからかな」
「なにいってるのよ!!
ついこの前はナイフで刺されたじゃない!!!!
それにプレッシャーを感じないわけが……」
「やせ我慢しなくていいよ大助
ほら、手が震えてる」
耀が優しく両手で大助の手を握った
そこでやっと気づいた、手が震えていることに
その優しさに、温かさが抑えてくれる
本当に、本当に、嬉しかった
こんなにも考えてくれることが
一方的な思いを渡すんじゃなくて
お互いがお互いを助け合うことが
こんなにも嬉しいことなんて………
だからこそ、言わないといけない
この手が震えていることについて
いま一番恐れていることについて
大助達の命がかかっていることも確かだけど
いまはそれよりも、なによりも
「目の前の二人について」言わないといけないことが
とても辛いけど、だけど言わないといけない
「ありがとう二人とも
だけど本当に違うんだ、この手の震えは
もっと、もっと、辛いことなんだ……」
「……ちょっ、ちょっと大丈夫なの??」
「無理しなくていいよ」
さっきよりも手の震えはひどくなっている
だけど、
「ううん、言わないと…いけないんだ
そうしないと僕は、僕を許せなくなる
やっと分かったんだ、このギフトゲームの意味を
そしてクリア方法も、「異」が何なのかも……」
そういって大助は決めた
これから話すことがどれだけ残酷だとしても…
「このギフトゲーム
『Where is the footstep's destination which gonna trace for?』の内容を覚えてる??
「異」を取り除く、その異はすでに
羊皮紙に記されてたんです
いや、正確には「なにも書かれてない」んです」
「それってどういうことなの……」
「あの羊皮紙に書かれてないもの
そしていまここにあるもの
それがこのギフトゲームの「異」
その「異」を取り除けば…ゲームクリア
その「異」は……春日部 耀、久遠 飛鳥
君達二人が羊皮紙に書かれていなかったんだ」
二人が表情は変わらなかった
いや、変えられないほど驚いているのだろう
だっていままでこのギフトゲームをクリアするために
三人一緒に頑張ってきたのに、異を探していたのに
まさかその異が自分達なんて……
「……そう、なのね……」
「こんなこというのは無神経かもしれないけど
いや最低なんだけどさ、
君達二人はこのギフトゲームが始まる瞬間
精神だけがこちらの世界に来たんだ
だから傷ついてもその体は治ることが出来る」
「でも大助も…」
「僕は、僕が気づかない内に巻戻を使って
傷を、歳を元に直していたんだ」
だからこの世界を渡りつづけても
なにも変わることもなく
知識と経験だけが積み重なる
「それじゃ私たちが消えたら
ギフトゲームクリアで大助君は元の世界に戻る」
「うん、それなら私たちは…」
「なんでそんな簡単に言うんだよ!!!!!」
どうもです。
かなりひさしぶりに書きました
もう話が出てくる出てくる
更進は遅いかもしれませんが、
確実に書いていきますのでよろしくどうもです。
この回で終わる予定でしたが
まだまだ書きたいことがありまして
次回までこの話は続きます
さて、大助はどんな決断をするのか??