問題児達と時の人が異世界から来るそうですよ? 作:ガイドライン
「あー! 誰かと思ったらお前、耀じゃん! 何? お前らも収穫祭に、」
「アーシャ。そんな言葉遣いは教えてませんよ」
グリーに街まで乗せてもらった後グリーと別れたと宿舎の上から知った声が掛かった
賑やかな声に引かれて上を見る。其処には"ウィル・オ・ウィスプ"の少女アーシャと、カボチャ頭のジャックが窓から身を乗り出して手を降っていた
な
「アーシャ…………君も来ていたんだ」
「まあねー。コッチにも色々と事情があって、サッと!」
窓から飛び降りて耀達の前に現れるアーシャ
自慢の青髪ツインテールを揺らし、ゴスロリ衣装の後ろで手を組ながらニヤリと笑う
「ところで、耀はもう出場するギフトゲームは決まっているの?」
「ううん、今着いたところ」
「なら"ヒッポカンプの騎手"には必ず出場しろよ。私も出るしね」
「………ひっぽ………何?」
何それ?と黒ウサギの方へ振り返る。口を開こうとした黒ウサギはしかし、ジンの背中を叩いて説明役を譲る。コホン、と一問入れたジンは簡単にだけ説明する。
「ヒッポカンプとは別名"
「…………そう。水を駆ける馬までいるんだ」
耀は両手を胸の前で組み、強く噛みしめる。半刻もたたないうちに、二種類も幻獣の情報が聞けたのだ。南側は本当に幻獣の宝庫なのだと、実感がわき始めてきたのだろう。
「前夜祭で開かれるギフトゲームじゃ一番大きいものだし、絶対に出ろよ。私が作った新兵器で、今度こそ勝ってやるからな」
「分かった。検討しとく」
パチン、と指を鳴らして自慢げに笑うアーシャ。一方のジャックはジンと大助の前にフワフワと麻布を揺らして近づき、礼儀正しくお辞儀をした。
「ヤホホ、お久しぶりですジン=ラッセル殿、そして大変ご無沙汰してました君塚 大助殿。」
「い、いえ。此方こそおひさしぶりです」
「いや、ちょっと…なんで僕だけ言葉遣いが、というか何かおかしいよジャック!!?」
「なんといいますか、口が、体が、その勝手に……」
やっぱり"造物主達の決闘゙が原因なんだろうな… 今となっては大人気なかったというか本当に申し訳ないという気持ちで一杯である。
「本当に気にしないで…って僕がいうのもおかしいけど、もうあんなことしないからさ、ねぇ!!」
「は、はい…私としても2度と貴方には逆らわないように……」
「だからもうしないってば!!!!」
あの陽気なジャックからは見えない姿に一緒にいたアーシャもどうしたらいいのか戸惑っている。そこに助け船としてジンが話題を変えてくれた
「え、えぇーと……注文していたものはどうなっているんでしょうか??」
「例のキャンドルスタンドですが、この収穫祭が終わり次第に届けさせていただきますヨ。その他生活用品一式も同じです。…………しかし"ウィル・オ・ウィスプ"製の物品を一式注文していただけるとは! いやはや、今後とも御贔屓にお願いきたいですな!」
ヤホホホホホ! となんとかいつもの陽気な声で笑いあげるジャック。飛鳥はそっと前に出て、ドレスの裾を上げながらお辞儀をする。
「おお久しぶりジャック。今日も賑やかそうで何よりよ」
「ヤホホ! それは勿論、賑やかさが売りなものですからね! 飛鳥嬢もご健勝なようでなによりですよ。前回のゲームではディーンに不覚をとりましたが、何時かリベンジを──────」
「え!」
となりで話を聞いていたジンが疑問の声を上げる。飛鳥は慌てて話題を変えた。
「そ、そんなことよりもジャック! 貴方はゲームに参加しないの?」
「ヤホホ。私は主催者がメイン活動なもので。というのが苦手な性分なのですよ。今回の収穫祭も招待状が来たので足を運びましたが、目的は日用品の卸売りです」
「あら、それでは参加者はアーシャ一人だけなの?」
「うん」
「おいッ!!」
二人の挑発にツインテールを逆立たせるアーシャ。それを見てヤホホとカボチャ頭を揺らして笑うジャック。箸が転んでも笑える人柄とは、きっと彼の事だろう。
その後"ノーネーム"一同は、"ウィル・オ・ウィスプ"と共に貴賓客が泊まる為の宿舎に入った。それから"アンダーウッド"ことを話だした。そこで話題に出たのが水路の水晶の技術、これは北側の技術であり十年前の魔王襲撃から復興出来た。そうこの技術を持ち込んだのはその御方の功績だという
「そ、それは初耳でございます。一体何処の何方が───」
黒ウサギを含め、一同は顔を見合わせる。
ジャックはカボチャ頭の顎っぽいところに手を当てて説明する
「実は"アンダーウッド"に宿る大精霊ですが…………十年前に現れた魔王の傷跡が原因で、未だ休眠状態にあるとか。そこで"
「では"龍角を持つ鷲獅子"で復興を主権されている御方が……………?」
「そう。元北側の出身者。おかげで十年という短い月日で、再活動の目処を立てられたと聞き及んでおります」
「…………そうですか………凄い御仁でございますね」
黒ウサギは胸に手を当て、ジャックの言葉を噛み締める。そんな中大助は何か独り言をさっきから言っており近くにいた耀が心配している
「どうしたの大助??」
「うん?あぁ、ちょっと待って………そうだね、うん……みんなちょっといいかな??」
大助の言葉にその場にいた人が全員が此方を向いた。自分で言っておきながらこう視線が集まるとなんか緊張する。この世界にくるまでは本当に一人だったからこうして大人数は苦手である。
「アンダーウッドの大精霊についてレイから話があるそうなんだ」
「お話しですか??」
「そうですよ!!大精霊であるアスカ様なら何かご存知なのでは!!!?」
すると大助の影の中からレイとシルフが一緒に出現した。一緒にというかシルフがレイの腕にしがみついてきたといったほうがいいだろう…
「シルフ、放しなさい。ご主人様の前でしょう」
「イヤです。それにご主人様はそういうことは気にしない人ですよ」
「そういう問題ではありません。」
「いいですよねご主人様ー」
「いいけど、……なに、前から思っていたけど本当にシルフってレイの事が好きなんだな」
「好きですよー でもご主人様はそういうの苦手、というか鈍感ですよねー」
「そんなことはないと思うけど……って痛い!!痛い!!!!ちょっとレイ!!それに耀さんまで痛いって!!!!」
いきなり二人から人差し指で頬をグリグリと突いてくる。それも両側からなので逃げることも出来ない。
「大助君だもの、仕方ないわ」
「そうですね大助さんですから」
「YES!!これはどうしようもありません♪」
「いや何を諦めたのかしらないけど助けてよ!!!」
「失礼しました。それではアンダーウッドの大精霊について話します」
グリグリ攻撃も止み、なんとか話が続けることが出来たが大助の頬は真っ赤になっていた。
「先に申し上げますが私はアンダーウッドの大精霊というものは知りません」
「えぇ、そうなのでございますか??てっきりご存じかと……」
「精霊といっても様々ですので、少なくとも「世界の在り方に関わるもの」「ある属性の頂点に立つもの」しか知りませんので」
レイの属性は光、カルマの属性は闇、シルフの属性は風。このように大精霊であるレイ達や四大などはこの部類にはいる
「だといってもアンダーウッドの大精霊が弱いとかいう意味ではありません。さっきいった通りに精霊は様々いますから」
「それでしたら一体……」
「…………詳しくは、といいますかハッキリとしないのですが……このアンダーウッドの何処かに水の精霊「ウンディーネ」がいると思います」