問題児達と時の人が異世界から来るそうですよ? 作:ガイドライン
「あーもう!一体何処まで行ったんですか!?」
「全然見つからないね。」
深い森をスピードを落とさずに突き進む二人
黒ウサギはー箱庭の眷属ーと言われているらしく
この箱庭でこの下層にいることは珍しい
そんな黒ウサギは大助に対して驚いていた。
ただの人間ではないことは分かっていたが
水面に浮かび、さらに同じスピードを出せる
そんなギフトがあるのかと…
例え複数持っていてもいまその原理が分からない
(水面に浮かぶだけギフトなら複数ありますが、
ただ浮いたいただけではあの「現象」は説明ができません。
それにこのスピードもただの脚力とは思えない)
いま隣を走っている大助だが
どう見ても脚力だけでこのスピードを出せると思えない
それこそギフトを持ち要らないとだけないのだが…
「大助さん、お聞きしてもいいですか??」
「なに黒ウサギ??」
「そのスピードといい、水面に浮かぶといい、
一体どんなギフトをお持ちなんですか??
水面に浮かんでいるとき波紋がなりませんでした。
それどころか私には「止まっている」ように見えましたが…」
「……スゴいね黒ウサギ。
十六夜にはバレてると思ったけど黒ウサギもか…
詳しいことはゆっくり話すとして……」
そんなことを言いながら十六夜を探していると、
遠くの方で爆音とともに水しぶきが上がった。
「ほら十六夜が見つかった。」
「確か、あそこには水神の眷属がいたはず・・・
これはまずいのです!!!!!」
「大丈夫だと思うけどな……」
「そんな呑気に言っていられません!!!!
急ぎますよ大助さん!!!」
「ちょっ、ちょっと黒ウサギ!!!!!」
………………………………
水しぶきが起きた場所へたどり着いてみると
そこには十六夜が水辺に向かって立っていた。
「お~い、十六夜!!!」
「おっ、大助に…黒ウサギか……
なんで髪がピンク色に変わってるんだよ。」
はぁはぁ、息切れしている黒ウサギと
全く疲れをみせずケロッとしている大助
それを見て十六夜は何かを分かったような表情をする
そして息を整えた黒ウサギは、いままで不満をぶつけるかのように
「そんなことより一体どこまで来てるんですか!!?」
「世界の果てまでですよっと。
まぁ、そんなに怒るなよ。
それにしてずいぶん速かったな」
「それはこっちの台詞だよ。
全力ではないとはいえ追い付けなかったんだもんな」
(黒ウサギが…半刻以上もの時間、追いつけなかった……?)
黒ウサギは箱庭の世界、創始者の眷属である。
そのかける姿は疾風より速く、
その力は生半可な修羅神仏では手を出せない。
その黒ウサギに気づかれることなく姿を消したことも、
追いつけなかったことも、
思い返せば人間とは思えない身体能力だった。
そしてそれ十六夜だけではない。
隣でのんびりと景色を見渡している大助もまた同じ
「ま、まあ、それはともかく!
十六夜さんが無事 でよかったデス。」
「あのさ、黒ウサギ。
水神というものはあの白い蛇のことをいうの??」
え? と黒ウサギは硬直する。
大助が指指したのは川面にうっすらと浮かぶ白くて長きモノだ。
黒ウサギが理解する前にその巨体が鎌首を起こし、
『まだ…まだ試練は終わってないぞ、小僧ォ!!!』
それは身の丈30尺強はある巨躯の大蛇だった。
それが何者か問う必要はいだろ
間違いなくこの一帯を仕切る水神の眷属だ。
「蛇龍…!
って、どうやったらこんなに怒らせられるんですか十六夜さん!?」
ケラケラ笑う十六夜は事の顛末を話す。
「なんか偉そうに『試練を選べ』とかなんとか、
上から目線で素敵なことをいってくれたからよ。
俺を試せるのかどうか試させてもらったのさ。
結果はまあ、残念な奴だったが」
「大物だね十六夜は。
そんな恐ろしいこと僕には出来ないよ。」
「何をいってやがる。
全部は分からないが分かっただけでも大助のギフトは
俺と同等かそれ以上だろうが」
「それこそ何言ってるんだよ。
僕のギフトは、まぁ…許されざる力だよ……」
それを聞いていた蛇龍は、
『貴様…付け上がるな人間!
我がこの程度の事で倒れるか!!』
蛇龍の甲高い方向が響き、牙と瞳を光らせる。
巻き上がる風が水中を上げて立ち昇る。
黒ウサギが周りを見れば、戦いの傷跡と見て取れる
捻じ切れた木々が散乱してい。
あの水流に巻き込まれたが最後、人間の胴体など
容赦なく千切れ飛ぶのは間違いない。
「十六夜さん、下がって!」
「あぁいいぜ。その代わり…」
十六夜は大助より一歩下がり、会って始めて見る十六夜の満面な笑顔
そして十六夜は大助の背中を……蹴った。
「こいつがやるから♪」
「はっ!?、はあぁ!!!??」
飛ばされた大助はこけそうな足取りで水面を歩き
視線を水面からゆっくりと上げていくと
『心意気は買ってやる。
それに免じ、この一撃をしのげば貴様に勝利を認めてやる』
「いやちょっと待て!!!
僕は関係ないだろうが!!!!!」
「おい蛇、通訳するとな『お前ごときじゃ相手にならない』ってよ。」
「いってないだろうが!!!」
だがそんな大助の言葉もいまの蛇龍には関係ない。
『その戯言が貴様の最後だ!』
蛇神の雄叫びに応えて嵐のように川の水が巻き上がる。
竜巻のように渦を巻いた水柱は蛇神の丈よりも遥かに高く舞い上がり、
何百トンもの水を吸い上げる。
竜巻く水柱は計三本。
それぞれが生き物のように唸り、蛇のように襲いかかる。
「い、十六夜さん!!!
なんであんなことを、あれでは大助さんが!!!!」
「いいから黙ってろ黒ウサギ。
いまから面白いものが見れるぞ。」