アズレン幼艦凌辱SS(健全)   作:初瀬ケイム

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嫌がるユニコーンに薬物摂取を強要し、頭を真っ白にしてからベッドの上で繋がって朝を迎える話です。


純粋なユニコーンがドラッグで堕ちる話

――ピピっ!

 

「……三十八度か。」

 

 医務室のベッドに寝かされたユニコーンは、渋い顔で体温計を読み上げる彼の顔を、不安げに見つめた。

 

「おにいちゃん……ユニコーン、大丈夫だよ…?」

 

 けほっけほっ、と咳込みながらも、自身の快調を訴えるユニコーン。

 しかしその顔は、明らかに発熱による赤みを帯びていた。

 

「無理するな。明日は一日休んでいいぞ。」

 

 水の入ったコップと風邪薬を枕元に置きながら彼が告げる。

 しかしユニコーンは、それを拒む。

 

「お薬なんて飲まなくても……へーきだよ?」

 

 そう言って、薬には手を伸ばそうとしない。

 

「艦隊の事なら心配しなくていい。今は休め。」

 

「ダメだよ……みんなに…迷惑かけちゃう……。」

 

 自身を苛む頭痛から目を背け、懸命に懇願するユニコーン。

 しかし彼は首を横に振る。

 

「命令だ。飲んでくれ。」

 

 彼の言葉に、渋々薬を飲むユニコーン。

 

「大丈夫だよ。ユニコーンがいつも頑張ってるのは、俺も皆も良く知ってる。」

 

 そう言って彼は、仰向けになったユニコーンの額に、大きな手を当てる。

 暖かい手の平――。

 

「……おにぃ、ちゃん……。」

 

 その暖かさに溶かされるように――

 ユニコーンは、自身の心の内の"不安"を溢れさせる。

 

「お兄ちゃん…ユニコーンのこと……キライにならない……?」

 

 涙交じりに、彼にそう問う。

 

「ユニコーン…全然お兄ちゃんの役に立ててないよ……?迷惑かけてばっかりだよ……?」

 

 ぽろぽろと零れる大粒の涙が、ユニコーンの枕を濡らしていく。

 

 そんなユニコーンを見て、彼はしばし考えた後、口を開いた。

 

「ん~……じゃあ俺の役に立って貰う為に、ユニコーンに一つ"指令"を与えようかな。」

 

「……ふぇ?」

 

 言葉の意図が分からず、彼の顔を見上げるユニコーン。

 彼はユニコーンに真剣な眼差しを向け、告げた。

 

「今だけは"甘えんぼのユニコーン"になってくれ。」

 

 彼の言葉に、頭痛も忘れてきょとんとした表情をしてしまうユニコーン。

 彼は続ける。

 

「いや、ユニコーンいつもしっかりしてるだろ? もちろん"しっかり者のユニコーン"も好きなんだが……俺としては、たまには甘えて欲しいんだ。……ダメか?」

 

 少々照れながら言う彼の言葉は、当然ユニコーンへの気遣いもあるだろうが――

 一方で、彼自身の欲求も多分に含んでいることを伺わせた。

 

 優しさ半分、わがまま半分――。

 彼の言葉に、そんな気持ちを感じ取ったユニコーンは―― 

 

「……ふふっ。」

 

 自身でも気付かぬうちに、笑っていた。

 

(そっか……。心配する必要なんて、なかったんだね……。)

 

 自分が彼と一緒に居たいように、彼も自分と一緒に居たいと思ってくれている。

 

 その気持ちの半分は"優しさ"だ。

 だがもう半分には――紛れもなく彼がそうしたいという"わがまま"が含まれている。

 

 だったら自分も同じでいいのだ――と。

 

 たまには"しっかり者のユニコーン"を休んで、"甘えんぼのユニコーン"になってみよう。

 役割も責任も考えず、頭を真っ白にして、自分のわがままを言ってみよう。

 

 彼なら、そんな自分も受け入れてくれると、信じられるから――。

 

「…じゃあお兄ちゃん、"甘えんぼのユニコーン"の、お願い聞いてくれる?」

 

 先程まで零れていた涙は、今はもう止まっていた。

 代わりに心の中に、暖かいものが残っている。

 

「あぁ、いいぞ。俺に出来ることならな。」

 

 二つ返事でオーケーする彼に、ユニコーンは伝える。

 

「手……お兄ちゃんににぎって欲しいな。」

 

 そう言って、ベッドの中から小さな手を差し出す。

 外気に晒され、一瞬だけ冷えたその手は――

 

「お安い御用だ。」

 

 次の瞬間には、彼の大きな手に包まれて、暖かさを取り戻した。

 その暖かさに安心したユニコーンは、先程まで全く来なかった睡魔の訪れを感じていた。

 

「他には無いか? 欲しい物とか、して欲しい事とか。」

 

 睡魔に煽られ、遠ざかる意識の中で、ユニコーンは彼の問いに答えようとする。

 

「うん……あのね……もういっこ……おねがいが……」

 

 そこでユニコーンの意識は、夢の中へと溶けていった。

 

***

 

(……あ。)

 

 目を覚ましたユニコーンは、昨夜自身を苛んだ頭痛やダルさが綺麗に無くなっていることに気付く。

 どうやら風邪は治ってくれたようだ。

 

 どれくらい眠っていたのだろう?と部屋を見回そうとしたユニコーンは――

 

「えっ…!? お兄ちゃん……!?」

 

 彼がベッドの傍らで、ずっと手を握っていてくれた事に気付く。

 昨日から繋がったままの手が、昨夜の風邪の熱にも増して熱く感じる。

 

「お、起きたか? 調子はどうだ?」

 

 うつらうつらとしていた彼が、目覚めたユニコーンに気付き、声を掛ける。

 

「うん、お兄ちゃんのお陰で元気になったよ。…ありがと♪」

 

 微笑みながら感謝を返したユニコーンに、彼は少し照れたような表情を見せる。

 そして照れ隠しに、強引に話題を変える。

 

「そ、そういえば、昨日眠る前にもう一つお願いがあるって言いかけてたけど、何だったんだ?」

 

 その言葉に、今度はユニコーンが赤くなる。

 

「う、ううん! そのお願いは、また今度でいいよ!」

 

「そうか?……じゃあまた言ってくれ。いつでもいいからな。」

 

 そう言って彼はユニコーンの頭を優しく撫でる。

 そんな彼に、ユニコーンは心の中で呟く。

 

(もういっこのお願いは……まだ言えないよ。)

 

 ユニコーンは心に決めていた。

 このお願いを彼に言うのは、もう少し先にしようと――。

 

 ユニコーンが、自信を持って彼の役に立てるようになったと思える時までとっておこうと――。

 

 だからユニコーンは、心の中だけで小さく呟いた。

 今はまだ言えない、一生に一度のわがままを――。

 

(『ユニコーンを、お兄ちゃんのお嫁さんにしてください。』)

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