妖精と呼ばれた傭兵   作:vitman

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PS4で、ロボゲー出ませんかね。具体的に言うと、AC6出ませんかね。
LEFT ALIVEっていう、フロントミッション系列のゲーム出るらしいですけど…人間がメインって…そうじゃないんだよなぁ…ロボ全面に出してほしいんだよなぁ

それはともかく、沢山のUA、お気に入りありがとう!これからも頑張ります!


砂嵐の中で

パックスが世界を握っていたという点においては、今も昔も大して変わらないな。勿論、あのラインアークのように、その体制を快く思わない者達も数多くいた。

アフリカにいた民族系ゲリラ、マグリブ解放戦線もその一つで、あの時代の反体制勢力の中でも最大のものだったな。今でいう、リリアナと思ってくれて構わない。まぁ、しようとしていた事は違うが…

 

構成員の誰も彼もが、企業の支配によって住む場所を奪われた者達だった。彼らは故郷を取り戻すため、命を張って戦っていた。

それを支えていたのは、人々の想いもあっただろうが、やはり闇に見えてくるのは企業の存在。それが露わになった戦場を私は一つだけ知っている。

 

 

 

 

 

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先日、オーエンが受けた任務は、あまり心地よいものではなかったと言う。いつも通り、ノーマルACを撃破目標とした、奇襲作戦だったが、その相手が問題だった。

今まではテロリスト集団相手だったが、その任務は『マグリブ解放戦線』という反体制勢力で、自らの故郷を取り戻すために戦闘をしている人々だった。そのためか、士気は異様に高く、どれだけ劣勢になっても、どれだけ撃破しても退却しようとせず、むしろ攻撃をしてきたという。それも、戦車やヘリコプターでだ。

 

オーエンは、あの任務の事を「気味が悪かった」と言っていた。レイヴン時代に相手した反体制勢力とは、明らかに違うとも。

だが、怖いもの見たさと言ったらいいのか、私は彼らが非常に気になってしょうがなかった。

そしてとうとう、私にもマグリブ解放戦線に関連する依頼が来てしまった。

 

『マグリブ解放戦線のエレトレイア城塞を強襲し、弾道ミサイル施設を破壊してください』

 

「敵の戦力は?」

 

『エレトレイア城塞は、彼らの重要拠点なので、ノーマルを含む大部隊が予想されます』

 

はぁ、結局、大部隊でもノーマルかぁ。猛烈な砂嵐があるとフィオナさんは言ってるけど、それでも簡単だろうなぁ。

マグリブ解放戦線が所有する、2機のネクストのうち一機は現在別の場所にいるっていうし、もう一機は、私の任務とほぼ同時にオーエンが撃破しに行くらしいから、おそらくこの作戦で私がネクストと戦闘する事はないだろう。

経験を積みたいというのに、ネクスト戦ができないのでは無理。シミュレーターは、CPUにやらせると弱すぎるし、かといって対人だとオーエンしかいないから、結局試合はワンパターンになる。ちなみに私のオーエンに対する勝率は13%である。本当にごくたまに勝てるか勝てないかって感じだ。

 

『以上で、作戦の説明を終了します』

 

そうそう。降下による作戦開始はどうにかならないのかって聞いたんだが、答えは至極簡単なものだった。

『無理』

の一言。と言う訳ではないんだが、その方が天候に左右されなかったり、輸送中の襲撃を受けにくかったりするらしい。そしてなにより、コジマ粒子による汚染が空中輸送なら起こりにくいという理由で、輸送機による輸送と、それによる降下作戦が基本になるらしい。

異論は認められませんでした。

 

 

 

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輸送機から降りると、私の目の前に広がっているのは、広い砂漠と敵部隊…ではなく、ごうごうと吹き荒れる砂嵐であった。視界はすこぶる悪く、少し先すら視認は難しい。夜でない事が唯一の救いだった。

こんな時役に立つのが、左背中に装備しているレーダーであった。FCSの補助装置として働いてくれるこれは、FCSが持つレーダー性能を支える装備で、いつもより遠く、早くに敵を探すのに長けている。いつもは地形などを考えて奇襲するために積んでいる装備だが、今の状況にはとてもマッチしている。

さて、弾道ミサイル発射装置の撃破が目標らしいが、いくらレーダーを積んでいるとはいえ、何がどこにあるのかまでは全くわからないので、フィオナさんに聞いてみるとしよう。

 

『目標は、前方にあるエレトレイア城塞に配備されています。情報が確かなら、まだそこにあるはず。そのまま北上し、城塞に向かってください』

 

そう言われてフットペダルとイメージを同時に行い、ネクスト前へと動かす。それに伴い、レーダーの範囲に入った敵が次々と表示される。方角、距離、高さ等の様々な情報が次々と頭に流れ込み、気分の悪さと引き換えに、感覚で敵の場所が分かるようになる。

レーダーで位置が分かるとは言っても、FCS自体は変わっていないため、ロックオンするためには接近しないといけない。だから、接近したのだが、そこに待っていたのは驚愕の真実だった。

敵はパワードスーツを着て戦闘をしていたのだ。

 

パワードスーツは、文字通り歩兵が直接着込んで戦闘力を向上させるための装備であるが、MTが戦場を駆ける以前からの物で、言ってしまえば旧世代の兵器。最低限の戦力に成り得るかどうかのものだ。

それほどまでにそれは弱く、ネクストと、いやノーマルACとでも戦闘しようものなら、ブースターで焼かれるか、体当たりされるか、マシンガンの掃射で簡単に薙ぎ払われるだろう。

あくまでも戦車に対抗するための『新しい三次元戦闘』を具現化しただけのそれで、ACに立ち向かうにはあまりに無謀。私なら銃殺刑になるかどうか分からなくても、敵前逃亡する自信がある。

 

それすらも可能とするソレ。オーエンの言っていた気味の悪さとは、つまりこういう事だろう。士気の高さだけでは済まない。士気の高さだけで言うなら、これを超えるものもあるだろう。でも、これは別の何か、そう、言ってしまえば執念のようなものを感じるのだ。怨念といってもいい。

では、これはなんだ?

 

パワードスーツと戦車をマシンガンで薙ぎ払い、ノーマルACとMTをブレードで切り裂きながら前へとひたすらに進む。

予想以上に数が多く、半包囲されつつも、一か所だけを集中して突破し、再び攻撃するというサイクルを繰り返し繰り返し行い、地道に数を減らしていく。

しかし、異常事態(イレギュラー)というものは、いつでも起こり得るもので、今回は3回目のアタックの時に起こった。

 

『...?...これはっ!』

 

「どうした?何か異常でもあったか?」

 

フィオナさんが捉えたナニカ。それを私を薄々分かっていた。

このマグリブ解放戦線だが、流石に1組織が企業に対してまともに戦えるはずがない。ともすれば、背景には何かしら別の企業が見えてくる。

マグリブが争っているのは、アフリカに進出した企業群『インテリオル・ユニオン』である。そして、そのインテリオル・ユニオンと火と油の関係であるのが、東南アジアの企業であるイクバールグループなのである。

イクバールからすれば、自分達の進出しようとした地域に入ってきた、インテリオル・ユニオンは邪魔な存在。しかし、国家解体戦争が終結し、条約ならかんやらを他の企業と結んだ今、そこまで表立っては事を起こせない。そしたらそこに、やる気はあるのに物がないという反体制勢力がいるじゃないか。ってことだろう。

しかし、マグリブは最近になって下火になってきている。これはイクバールにとっても一大事である。

 

だから、作戦前から考えていた。この任務、イクバールからの刺客がいるのではないか?と。

 

その予感は的中する事になる。

 

『ノーマルじゃない...コジマ反応!?ネクスト!何故?』

 

砂嵐越しでも分かる。ネクストのOBが放つ、眩い光と、PAのコジマの光。そして、微かに見えるシルエットは...イクバール製のサラーフ。ビンゴだ。

 

《アナトリアのネクストか…しかも、近接の方とはなぁ...》

《悪いが、見逃してやれん》

 

最近の戦場では、オープンチャンネルで相手方に話すのが流行らしい。相手方からわざわざ名乗り出てくれた。

敵ネクストは、実質イクバールの子会社である、テクノクラートのリンクス『ポリスビッチ』。シミュレーターでは確か...そう。自社の製品であるロケットを大量に装備した機体だった。

 

《ここでくたばりな!》

 

イクバールのリンクスではなかったが、まぁ、実質的には大して変わらないから、良しとしよう。機体のAPはノーマル相手に削られていないし、残弾も十二分にある。ブレードの調子も良さそうだ。

さて、初のネクスト戦だ。楽しくいこうじゃないか。

 

 

 

____________

 

 

 

やはり、と言うべきか。イクバール製のサラーフは速い。この砂嵐の中で、ロックオンができる場所までくっ付くのが限界であった。しかし、それ以上近づく事ができないのが現状だった。

マシンガンはある程度避けられる。だが、その先は踏み込めない。相手には強力なロケットが装備されているから、ブレード間合いに入れば、ロックオンができない武装であるロケットでも、さすがに当てられるだろう。

更に、ロケットは衝撃力が強く、当たれば一撃で機体が止まる。そうすれば、後は相手のターンになる。それだけは、避けなければならない。

 

それを見たポリスビッチは、マシンガンを撃ちまくりながら叫んできた。

 

《これがレイヴンか!面白い!》

 

(トリガーハッピーめ...)

 

私はそう呟きながら、マシンガンの弾をいなし、たまに飛んでくるロケットをマシンガンで撃ち落とす。だめだ。完全に流れを摑まれてる。

 

《だが、所詮は旧世代の遺物...やらせてもらう》

 

ギアを変えたポリスビッチが、QBを多用して接近してくる。マシンガンの命中率がそれに伴って上昇し、何発か喰らう。全てPAが受け止めてくれているが、いつ剥がれてダメージを喰らうか、分かったものではない。だが、そう遠くない未来である事は確かだ。

私はすかさずロレーヌに回避を命じ、右へ、左へQBを行う。一度、また一度と行う度に、耐Gスーツを纏った身を高負荷のGと、異常な量の情報量が襲い掛かるが、ぐっとこらえ、回避に専念し、隙を伺う。

相手は人間だ。必ず隙は生まれる。

そして、何分か経っただろうか。

 

《弱い、弱すぎるわ!》

 

ポリスビッチは突然そう叫び、更に距離を詰めようとしてきたのだ。相手が詰めようとしてQBを使う瞬間。私はロレーヌのOBを起動させ、一気に距離を詰めることにした。

長い戦闘のお陰で、相手の武器の残弾はそこそこ少ない筈であり、やるなら今しかない。相手が詰めてくるのなら、なおさら接近は楽だ。

牽制として、今まで以上にばらけてマシンガンを撃ち、できるだけロケットを撃たせない環境を作る。ポリスビッチは私のマシンガンによって一回自爆したために、私がマシンガンを撃っている間はロケットを撃ってこないのだ。

 

《小癪なぁ!近づいて吹き飛ばしてやるわ!   ハラショーーーー!!!!!》

 

ポリスビッチの機体『バガモール』が前傾姿勢をとり、勢いよく前に出る。それに合わせ、私はロレーヌのOBを使い、激しいGと共にバガモールの真ん前まで接近した。

相手はQBの途中で、狙いを付けるのが難しい筈。今がチャンスだ。

月光を展開して、OBの勢いに任せたまま、突きをする。ポリスビッチは回避運動を行おうとするが、強い負担がかかるQBを連続して行うのは困難な事は、私もよく知っている。やはり、奴はQBを行わない回避をしようとした。当然、それ程度で回避させる私のロレーヌではない。

スラスターで細かく方向を調整し、速度を落とさずに真正面にバガモールを捉え続け、ついに月光を振った。

 

しかし、相手を一突きで殺す事はできなかった。咄嗟にポリスビッチは右腕をコアを守るように前に出し、そしてバックブースターを使ったのだ。

コアを溶かすことは叶わず、左腕を消し飛ばすだけであった。が、私にとってはそれで十分だ。そのまま張り付く様に移動し、バガモールの目の前に居続ける。そして、マシンガンを構え、背中武器に向けて撃ちまくる。当たり前のように、マシンガンの弾は大型ロケットに突き刺さり、爆発する。

ただでさえ少なかった両者のPAは完全に剥がれ、装備していたバガモールは、背面の装甲が完全に破壊され、ブースターが破損する。メインブースターが破壊されたネクスト機など、ただの案山子に過ぎない。

当然、私のロレーヌもフレームがボロボロになったが、構わずマシンガンを捨て、空いた左腕でバガモールの頭部を掴み、地面に叩き付ける。蠅叩きで叩かれた羽虫のように、バガモールは立ち上がれない。ロレーヌの脚部で腰を踏みつけたからだ。

だが、バガモールの右腕は動く。素晴らしい執念だ。

 

《吾輩にはっ...祖国がある...負けられんよ!》

 

火花が上がる関節部を無理やり動かし、私に照準を向ける。それを見て、私は月光で銃先を切り裂いた。一瞬で優勢をひっくり返され、もはや殺される目前になってしまったポリスビッチは、今さっきの威勢をなくしてしまった。

 

《なんなんだ...貴様。レイヴンでは、なかったのか。旧世代の遺物では…》

 

流石に言われっぱなしでは気が済まない。そう思って、拡声機能を使い、ポリスビッチに話しかける。

 

「私は、レイヴンの名を捨てた。もう、レイヴンではなくリンクスだ。それを分かってて、戦っていたのではなかったのか」

「私は、負けられない。あるリンクスを追いかけて戦場に出ているのだ。絶対に、彼女以外に、いや、彼女にだって、負ける事は許されないんだ」

 

《吾輩ともあろうものが…相手を見誤るとはな…ハラショー。お前の信念は、吾輩の故郷を思う気持ちの次に、素晴らしいな…》

《もう一度…故郷の空を畑を…見たかったぜ》

 

右腕を振り下ろし、バガモールのコアのど真ん中を突き刺す。もう、あの騒がしい声で叫んでいた、ポリスビッチの声はない。

私が殺したのだから。

レイヴンの頃のように、皆傭兵ではない。誰もが何かを背負って戦っているだけに、あの頃のように、良かったと、一概に言える戦場には程遠い。罪悪感、ではないが、それに似た、何かが私の心を回っている。

 

まだ、任務は終わっていない。ミサイル発射装置を破壊しなければ、今回の依頼は終わらないのだから。

 

 

 

 

____________

 

 

 

 

 

『お疲れ様。初のネクスト戦、異常事態(イレギュラー)だったけど、生きていてよかった』

 

ミサイル発射装置を全て破壊し終えた私に、フィオナさんはそう言ってくれた。

彼女はイレギュラーと言ったが、私はこうなるであろうと、少し覚悟していたから、そこについては何も思っていなかった。ネクスト戦も、最初はペースを取られていたものの、被弾はそこまでなしに終わったから、及第点と言えるだろう。

でも、私は何か勘違いしていたのかもしれない。

 

ポリスビッチは私の事をレイヴンだと、旧世代の遺物だと言っていた。あの時は否定したものの、実は、私はまだあの時と同じ気持ちで戦闘に挑んでいたのではないか。

両者ともに、自分の命と報酬を賭け、明日を生きるために闘う。それだけの戦闘ではなかった。

私はアナトリアの運命と彼女との誓いが、ポリスビッチには彼が『祖国』と呼ぶものと、帰るべき場所があった。レイヴンの戦闘とは、賭けているものが違った。

ポリスビッチの動きは、オーエンの機動に比べれば赤子のようなもので、目に追えないものでも、一手間加えないと近づけないものでもなかった。

 

ただ、執念があった。負けられない想いがあった。ただ、それだけだった。

 

それだけが、私と同じだった。戦場を駆ける想いは、どちらも同じだった。技量、技術に関係なく、彼は戦士だった。それだけだ。

 

これから先、ポリスビッチのような、いや、それ以上の想いを持つリンクスがいるだろう。でも、私は死ねない。負けられない。彼女と、アンジェと再び剣を交わす時まで、まだ、死ねない。




最初のネクスト戦、アマジークかと思った?残念!ポリスビッチでした!ハラショー

さて、シャルル君のロレーヌですが

フレーム全部 アリーヤ
FCS BLUEXS
ジェネ MAXWELL
メインブースター VIRTUE バック AALIYAH/B サイド AB-HOGIRE OB AALIYAH/O
左 HITMAN 右 月光 
左背 RDF-O200(オーメルレーダー) 右背 ミッションに応じてお好みで 
肩 ナシ(後々架空装備が付きます)

スタビライザーはオルレアと同じもの
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