今回の主人公は電王です。
残念ながらモモタロスなどは登場しません。
ご了承ください。
俺の名は『野上闘樹』。
フリーター。18歳。
今は本日発売の新作ゲームソフトを求めてショッピングモールへ向かう途中だ。
ショッピングモール『AON(エーオン)』に到着し、入口の自動ドアをくぐる。
同時に2階から爆発音がした。
悲鳴が響き、民衆が出入り口に押し寄せてくる。
俺も逃げるべきだろう。
しかし、恐怖心と好奇心、俺の中では好奇心が勝ったらしい。
気づけば2階に続く階段を駆け上がっていた。
2階の状況は悲惨だった。
女性服や子供向け玩具、アーケードゲームが崩れ落ちた天井に潰されていた。
死傷者が出てないのが不思議なくらいだ。
「アハハハハハハ!」
誰も居ない2階に不気味な笑い声が木霊する。
どうやら爆破犯が会話を交わしているらしい。
声の聞こえる先に行った俺は言葉を失った。
爆破犯の内1人は爆破現場で嬉々としている以外は普通の男だった。
驚くべきはもう1人だ。
全身が黒く、獣の耳のようなものがついている。突出した口には牙が連なっており、赤い頭巾を被っている。
さながら狼のようだ。
「スゲェよ!あんた!まさか剣を振っただけで爆発を起こしちゃうなんてな!」
人間の男がはしゃぎながら狼男に話しかける。
「ハハッ、そうだろう?さぁ、お前の望みは果たしたぞ。早く時空の扉を開け」
狼男が口を開く。
「いや、まだだ。まだ足りねぇ。もっともっと爆破するんだよ!」
あ〜あ、完全にイかれてんな、あいつ。
「ん?何者だ!」
なっ、バレた!?マズい!
階段目掛けて全速力で走るが赤い光波が頭上を掠め、動きが止まる。
「死にな!」
狼男が半月刀を掲げ一気に振り下ろす。
終わった。さようなら現世。会うのが楽しみだよ、来世。
静かに瞼を下ろし、死を覚悟する。
………?
数秒後瞼を開ける。
狼男と爆破犯が伸びてやがる。
おれの前には宙に浮かぶ1つの物体。
…『ディケイドライバー』。
俺はそいつを手にし腰に当てる。
ベルトが出現し、脇についた『ライドブッカー』から1枚のカードを引き抜く。
バックルに挿入し、叫ぶ!
「変身!!!」
『カメンライド!電王!』
「俺…参上!」
うおぉぉぉ!?なんだこれ!?いや、記憶にはあるよ。『仮面ライダー電王』。
俺が最も好きなライダーだ。だが待て。仮面ライダーって実在したの!?否、するわけねぇ!あれはスーツで中には高○○二さんが入って演じてるドラマなんだから!
…だが、元にこうして俺は変身してるわけだ。
なんて考えていると狼男ー俺が変身してるのは電王なので恐らくこいつは『ウルフイマジン』なのだろうーは起き上がり激昂する。
「グオぉぉぉぉぉぉ!」
イマジンは俺に向かって一直線に走ってくる。
俺は手にした、刀身の赤く煌めく剣『デンガッシャー』でイマジンを叩きつける。
「ガァぁぁ!」
イマジンの胸部から火花が散り、後退する。
今度は俺がイマジンに向かって走り出す。
「行くぜ行くぜ行くぜ行くぜ行くぜェェェ!」
イマジンの頭部、胸部、右腕、腰、左脚と次々に斬りつける。
呻き声を上げるイマジンの片目にデンガッシャーを突き刺す。
ゆっくりと引き抜き斬る。
イマジンが後退した隙にライドブッカーからカードを抜き、ドライバーに挿入。
『ファイナルアタックライド!デデデ電王!』
デンガッシャーから刀身が離れ宙に浮く。
そのまま右に振り、上に振り上げ、一気に振り下ろす。
「俺の必殺技パート2!」
口が勝手に動いた。今の言葉は俺の本心じゃねぇ。
イマジンは火花を散らし爆散。跡形もなく消え失せた。
カードを抜き変身を解く。
「まさか電王になっちまうとは…」
未だに何が何だかわかっていない。脳が理解を拒むようだ。
その時床に亀裂が走る。
「え?」
刹那轟音と共に床が抜け、推定10m下の床に叩きつけられる。
「いったー!」
幸い一階に展示置かれていた布団がクッションとなり怪我は無い。
だが全ての衝撃を吸収出来ず、激痛にのたうちまわる。
そして落ちる。
目の前には瓦礫によって崩れさったのかお目当のゲームソフトが散乱している。
1つ手に取り中身を確認すると
「中身は無事か…」
キョロキョロと周囲を見回す。
人はおらず、監視カメラも壊れていた。
「お金置いてけば…持ってっていいよな?」
店員もいないし復旧に大分かかるだろうから暫くソフトは買いに行けないだろう。
ならばこの手が最適だ。
…最適か?
もうお気付きの方もいるかと思いますが、ライダーへの変身者の苗字は皆それぞれの作品の主人公の苗字です。
次回から物語の本筋に入って行くつもりですので次回もよろしくお願いします。