Fate/Grand Order 蔵馬の天狗ともう一人のマスター 作:たぬさん蕎麦
「さて、と……じゃあ元凶と決まったわけじゃねぇが、騎士王サマの所に向かうとするか……
久慈川とアニムスフィア、キリエライトは休憩が必要か?」
見たところ、それなりに疲労はしているように見える。
休憩時間も……多少は取れるだろうな。
「そういう事なら少しだけ休ませて欲しいわ。
マシュも久慈川大地も、疲弊しているでしょうし。
それに、藤丸立香も疲労してるんじゃないの?」
「え? いや、私はそんなに………」
「戦闘した直後ならともかく、すぐに回復出来ないような柔な鍛え方はしてないからな、そこは問題ない。
さて、ここで休むってんなら……クーフーリン、俺達が戻るまでお守りを任せていいか?」
「あぁ、別に構いやしねぇが……」
「よし、なら俺と立香はちっと行ってくる。」
「え、狗楽さん、どこ行くの?」
「俺の家だ……聖杯戦争の時期だと、お前の父親の家か。」
「お父さんの?」
「あぁ、そこに何か無いかと思ってな」
「ふぅん……?」
何もわかってなさそうだが、まぁ良いか。
あそこなら士郎が騎士王を召喚したサークルがあるだろうし、そこで追加の英霊を召喚すれば戦力になる。
無いとは思うが、士郎が生きてても戦力にはなるだろう、多分。
立香を伴って武家屋敷に向かう。
道中のスケルトンは適当に砕きつつ、時間にして10分程か。
門を潜ると……こりゃ、ひどい有様だな。
あちこち破壊されてるし、血痕も大分残ってる。
誰かの生存も絶望的ってところか。
「あちこち壊れてるけど、間取りとかは変わらないんだね。」
「そりゃな、別にリフォームなんかしてないし、変わった所なんか……あぁ、地下に防音室を作ったくらいか。
あそこなら壁も堅いから守りにも使えるだろうが、今の段階じゃ無いから仕方ない。」
なんのかんのと会話をしながら蔵へと向かう。
士郎に聞いた話だと、ここに召喚陣が……
「お、あったあった。」
「これ……魔法陣……召喚陣?」
「あぁ、お前の父親が使った召喚陣だ。
士郎はここから騎士王を召喚したが、お前は誰を呼べるだろうな。」
「多重召喚って出来るのかわからないけど……うん、じゃあ試してみようかな。」
そう言って、立香が召喚陣に手を翳す。
「―――汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ!」
詠唱を終え、サーヴァントが召喚される。
そこに立っていたのは…いや、跪いていたのは、露出が多い少女だ。
………うん、実に見覚えのある少女だ。
「牛若丸、
「牛若……あ、うん、顔を上げて欲しいな…?」
「はい、主ど………の……?」
あ、俺に気付いたな。
「久しぶりだな、牛若。」
「お、おおおお師匠様ぁ!?
お、お久しぶりでございます、お師匠様もご健勝そうで何より………」
「いや、今の俺はお前と同じサーヴァントだから、健勝ってのもちっとばかり違うが……まぁ良い。
それより、コイツはお前の妹弟子兼マスターだ、仲良くしてやれよ。」
「はい、マスターと絆を深める事はサーヴァントとしても望むところで……妹弟子?」
「あぁ、お前以来の逸材だよ。」
「なんと!お師匠様に認められるとは、流石は私を召喚したマスターです!
これからも共に精進していきましょう!」
「う、うん、よろしく!」
うんうん、二人とも仲良くできそうで良かった良かった。
「うっし、他に物色しても何も無さそうだし、四人のところに戻るぞ。」
「うん、わかった。」
「四人…他に仲間が居るのですね、了解致しました。」
俺たちは牛若丸を連れて、四人のところに戻る事にした。
道中のスケルトンに関しては、全て牛若丸に対処を任せることにした。
わかっていたが、全て首を一刀で落として来た。
だから持ってこなくても良いと言ってるだろう。
「戻った、こっちは問題無かったか?」
「おう、少しスケルトンが沸いたくらいだ。
それも俺が対処したから、三人は休めたはずだぜ。」
そいつはよかった。
「なら、寺の方に……大聖杯に向かうか。
アーチャーが騎士王サマの傍に居るってんなら、洞窟の番人でもしてるだろ。」
「ちょ、ちょっと待ってちょうだい。
そこの子は誰なの? さっきは二人で向かってたのに、もしかして生き残りが居たのかしら?」
「ん? あぁ、牛若、挨拶しておけ。」
「はい、お師匠様!
私は牛若丸、主殿の姉弟子にしてサーヴァント、クラスはライダーです。」
「な……なんでサーヴァントが! マシュの盾を使ってサークルを設営したわけでもないのに……!」
「そりゃ、元々あった召喚陣を利用したからな。
半ば召喚のためにそこに向かったようなもんだ。」
「……そう、いえ、言いたいことはありますが、今言っても仕方がないのでしょう。
全てはここから無事帰還してから、貴方に問いただす事にします。」
「おう、それで良い。
さてと、アーチャーを倒して騎士王を倒せば、ここの異変は解決するだろう、多分。」
俺達は柳洞寺の方にある大聖杯に向かって歩を進める事にした。