Fate/Grand Order 蔵馬の天狗ともう一人のマスター   作:たぬさん蕎麦

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第0話 その4

まぁ案の定二つ返事で了承され、数日の後に参観日に参加する事になった。

本当にさ、こう言うのって親が来ないと無意味だと思うんだ、俺。

 

授業風景を見ていると、生徒たちは後ろの親をチラチラと見つつも、授業は真面目に受けているようだった。

立香も何度もこちらを見てきたが、先生に当てられた問題を模範解答で潜り抜けていた。

…………女生徒の視線がさっきから俺に突き刺さるんだが、立香は俺の事をどのように話しているのだろうか。

 

授業も終わり、三者面談になる。

進路決定にはまだ早いし、今回の目的は普段の生活の様子の報告が主となるとの事だが……。

 

「初めまして、立香ちゃんクラスの担任を務めています、藤村と申します。」

 

「これはご丁寧に…立香の両親の代理で来ました、天野と申します。」

 

「代理………ですか、失礼ですが、立香ちゃんとのご関係は………?」

 

「将来を誓った仲です!」

 

「誓ってないからな。

立香が小さい頃……今から5年前ですかね、この子が誘拐されまして、それを助けてから家が近い事が判明して、それ以来懐かれている近所のお兄さんってところですかね。」

 

「な、なるほど………」

 

「あと、まぁ料理とかピアノとか色々教えていますが、まぁそんな関係です。」

 

「男の人の身体の事も教えてくれて……」

 

「教えてない。」

 

「ま、まぁ、とりあえずこの話は置いておきましょうか。

この三者面談は、学校での様子を親御さんに伝え、普段の様子をこちらに教えてもらうと言った趣旨なんですが……」

 

「あぁ、それでしたらこの子の両親には私から伝えておきますよ。

それと、この子の普段の様子も、私の方から伝えた方が正確だと思います。」

 

「と、言いますと?」

 

「あー…学校的にアウトな案件かな……まぁ、この子の両親は共働きなのは知っておられるかとは思います。

その関係で日中とかは私の家で預かっているんですよ。

土日なんかもほぼ私の家に居ますし、普段の生活なら、この子の両親よりも私の方が知っているかもしれないって事ですね。」

 

「な、なるほど……いろいろと特殊な事情なのは察しました、はい。

では、こちらから学校での様子をお伝えしますね。」

 

「お願いします。」

 

「とは言っても、特に伝える必要のある事はほぼ無いんですけれどね。

授業は真面目に受けていますし、テストでも常に最上位、体育の授業でも他の生徒達より一歩前に進んでリーダーシップを発揮していますし、友人関係も問題ないように見えます。

いじめをした、受けたと言う話は聞かないですし、それどころかいじめの現場に割って入っていじめを止めた、なんて話も聞きますし、生徒達……主に男子生徒の視線を辿ってみると立香ちゃんが居た、なんて事もよくあるので、かなりモテている様子も見られますね。」

 

「な、なるほど………ちなみに立香、男子生徒の告白を受けた事もありそうだが?」

 

「告白50回くらい、ラブレター40回くらいかな。全部断ってるけど。」

 

「お、おう、ラブレター40回ってのは?40通じゃないのか?」

 

「一回当たり10通から20通くらいかな?」

 

「………凄いモテてるんだな。」

 

「でしょう? と、学校での様子はこんなところですね。

何か質問はありますか?」

 

「あー…そうですね、じゃあ一つ。

この子の周りで、何か不思議な事…主に音楽の授業とかで、何か起こってたりしませんか?」

 

「不思議な事……そうですね、そう言えば………音楽の授業で、立香ちゃんがピアノを習っていてとても上手だって事は聞いていたので、一度ピアノを弾いてもらったんですよ。

クラシック系では無く、現代の悲しい感じの曲でしたね。

そうしたら、他の生徒達が次々に泣きはじめて、私もだんだん悲しい気持ちになってきて………。

曲に感情を乗せるのが非常に上手だからだとその時は納得したんですけど、今考えれば、色々な性格のある生徒達全員が、同様に泣き出してしまうと言うのは………そうですね、かなり不思議な事だったと思います。」

 

「なるほど……ありがとうございます。

それでは次は普段の生活についてですね。」

 

「はい、お願いします。」

 

「まず、そうですね……女の子としてのスキルと言うか、家事関係は着々と身に着けて行っていますね。

料理に洗濯、掃除や裁縫など、少し教えると意欲的に取り組み、一週間程で十分形になったものを見せてくれます。

他にも、自宅学習………自宅…? まぁ自宅学習もしっかり予習復習と取り組んでいますし、それが形になっているのは先生も知るところかと思います。

ピアノ他楽器の練習も一通り熟して、今ではピアノやギター、ドラムなんかは勿論、フルートやら木琴やら、果てはウッドブロックなんてものまで使えてしまいますね。

まぁ、それなりに長い事見ていて、贔屓目無しに見ても天才の類に見えてしまうところです。

ただ………」

 

「ただ?」

 

「風呂とか、布団とか、よく潜り込んでくるんですよ。

まぁ私も好かれているのはわかるんですがね、いくらなんでもそういう事は早すぎるし、それをこの子の両親に話してもニコニコするばかりで、多分公認されてるんですよ。

流石に子供に手を出す事は無いですし、その点は問題ないんですが、立香の視線が日に日に変わっていってですね、もうどうしたら良いでしょうか………」

 

「諦めて私を受け入れたらいいと思うよ?」

 

「立香は黙っていなさい。」

 

「えっと……そうですね、特定の女性が居ないのであれば、探してみるというのはどうでしょうか?

天野さんに恋人ないし奥さんが居るとすれば、立香ちゃんも諦めるかもしれませんよ?

その……例えば私とか……」

 

「フー!」

 

「………諦めたら良いんじゃないでしょうか?」

 

「アッハイ」

 

「まぁ真面目な話ですけど、立香ちゃんか天野さんのどちらかに恋人が出来たら、そう言った行動も無くなっていくと思いますよ。

見た限り、立香ちゃんは非常に一途なようですし、望みは薄そうですけれど。

と言うか、多分立香ちゃんは天野さんが恋人を作ろうとしたら見つからないように妨害もしそうですね。」

 

「まぁ特定の相手も居ないし、今のところ作る気も無いですけどね。

むしろ平日昼間以外は、ほぼ近くに立香が居ますし、そんな時間もありませんって。」

 

「アハハ……って、いつの間にか話が脱線していましたね。

ともかく、立香ちゃんの学校での素行は問題なし、自宅での生活も……まぁ問題なしと言うことで、今回の面談は終わりにしましょうか。」

 

「えぇ、ありがとうございました。」

 

「あ、立香ちゃんは貴方にゾッコンのようですし、保健体育的な事をするのがダメとまでは言いませんが、子供を作ったりはしないでくださいね。

ほら、さすがに中学生でそういうのは負担が大きすぎますし。」

 

「言われなくてもしませんよ。 ってかアンタ教師なのになんて事言ってんだ。」

 

「え、しないの?」

 

「しねぇよ!」

 

とまぁ、こんな具合に面談も終わったんだが、これ中学生の面談で話す事じゃないよな?

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