Fate/Grand Order 蔵馬の天狗ともう一人のマスター   作:たぬさん蕎麦

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第1話 第二節

炎の巨人、ウィッカーマンの出現していた辺りに到着すると、そこに居たのはフードを被った男……恐らくウィッカーマンの術者に、オルガマリーとか言う立香をスカウトしに来た魔術師、令呪を有している少年に大盾を持った少女。

 

「! 藤丸立香、貴女も無事だったのね! それにその後ろのは……」

 

「サーヴァント、鞍馬天狗。 久しぶりだな。」

 

「サーヴァントって……いえ、あの自信からして英霊に昇華される自信もあったのね。

それで、クラスは聞いても良いのかしら?」

 

「今はライダーだ…って、それはどうでもいい、そっちのフードのがウィッカーマンの術者だな?」

 

「おう、お前さんはドルイド魔術に明るいのか?」

 

「ドルイド魔術だけってわけじゃ………あん?」

 

フードから覗いた顔を見て、少し驚いた。

確か、この顔は第五次聖杯戦争に召喚されていた………

 

「光の御子が、どうしてキャスターなんかで顕界してんだ?

お前が召喚されるならランサーが適任だろうが。」

 

「んなもん俺のほうが聞きてぇっての。

つか、俺のこと知ってんのな?」

 

「おう、知ってるさ。

聖杯戦争に召喚されたランサーとしてのお前も、生前のお前にだって会ったことがあるからな。」

 

「はぁ?俺の時代にお前みたいなのが………」

 

「まぁ、本当にガキの頃に軽く稽古付けてやっただけだしな。」

 

「…………おまっまさか!」

 

キャスター、クーフーリンの顔が驚愕に歪む。

 

「え、狗楽さんこのサーヴァントと知り合いなんだ。

と言うか、もしかして私からしたら兄弟子ってやつ?」

 

「光の御子、クーフーリン。

本当に軽くだったから、弟子とも言えねぇが……ま、それは良いか。

それより、現状説明を頼む。」

 

「お、おう……そうだな、この冬木での事なら、俺が説明すんのが適任か。」

 

と、クーフーリンが説明を始める。

簡潔に纏めると………

 

「堕ちた騎士王がサーヴァントを倒して配下にし、なんかしようとしていると。」

 

「随分ざっくり纏めたな……まぁ概ねそんなもんだ。

セイバーの配下に降ったサーヴァントもアーチャーとバーサーカー以外は討伐済みだ。

アーチャーの野郎はセイバーの傍から離れねぇし、バーサーカーはやたら強ぇが手出ししなきゃ問題ねぇ。

セイバーにも制御できてねぇみたいだしな。」

 

「バーサーカーって、さっきのヘラクレスの事だよね?」

 

「お、まさか嬢ちゃん、もう遭っちまったのか?

よく無事だったな……」

 

あっけらかんと言い放つ立香に、クーフーリンも気の毒そうな表情を向けている。

 

「まぁ、一時はどうなる事かと思ったけど、狗楽さんが倒してくれたからね!」

 

「ちょっと待ちなさい、ヘラクレスと戦って、倒したですって!?」

 

「え?あ、はい、狗楽さんが蹴りの一撃で。」

 

「い、一撃………」

 

「宝具も使えず武技すら失ったヘラクレスなんぞ、ただの馬鹿力の巨漢だからな。

一撃で潰せる火力があるならどうとでもなる。

さて、なら残るはセイバーとアーチャーか。

居場所の目星は……いや、寺の方か。

冬木の大聖杯の辺りに陣取ってるんだろうな。」

 

確か、あそこは龍脈の集合地か何かだったはずだ。

 

「おう、それでセイバーを倒すために、そこの盾の嬢ちゃんの宝具を引き出してたんだが。」

 

「あぁ、まぁ確かに騎士王相手なら相性は最高だろうな。

それでクラスは………ルーラーか?」

 

「い、いえ、私はマシュ・キリエライト、シールダーのデミサーヴァントです!」

 

「シールダー、ねぇ……やっぱアイツとは違うのか。」

 

あの時は、野良として彷徨っていたルーラーのアイツを匿ってやったっけな。

 

「もしかして、キャスターさんと同じように、私に力を貸してくださっている英霊の方ともお知り合いなんでしょうか…?」

 

「あぁ、多分な。

キリエライトが盾として使ってるそれの扱い方も聞いてる。」

 

ついでに言えば、ルーラーとしてのラウンドシールドの真名開放も出来る。

もっとも、アイツが使うよりも精度はガタ落ちになるが……

 

「ほ、本当ですか!? その、その方のお名前を伺っても………」

 

「………ダメだ。」

 

「な……何故で…しょうか…?」

 

「見たところ、アイツは今深く眠っている。

自身のためではなく、キリエライトのために、だ。」

 

「私の……?」

 

「言うなれば、キリエライトの精神は未完成だ。

真名を知れば、宝具が使えるようになる、当然のことだ。

だが、もし使えなければ? 自分は英霊に見放されたのではと思ってしまうだろうな。」

 

「そ、そんな事は………」

 

「ない、と、即答できないのがその証だ。

もちろんアイツは高潔な騎士だ、少女を見放すなんて、そんな真似はしないさ。

だが、心のどこかでそう思ってしまったら、立ち止まってしまったら。

キリエライトはそこで歩みを止めることになるだろう。」

 

「…………」

 

「あの、少し言いすぎじゃ………」

 

「ん? お前は……」

 

俺が色々と言っていると、さっきから黙っていた少年が口を開いた。

 

「久慈川大地、マシュのマスターです。」

 

「あぁ、もう一人の生き残りのマスターか。

それで、言い過ぎってのは?」

 

「マシュに真名を告げない理由です。

いくらなんでも……」

 

あぁ、ちょいと早とちりでもしてるのか?

 

「別に、真名を教えないってわけじゃない。

まだ、時期じゃないってだけだ。

時期が来て、それまでに精神が完成に近づいていれば、その時は教えてやるさ。

俺がアイツと一緒に戦った聖杯戦争の事もな。」

 

「………わかりました、その時はよろしくお願いします。」

 

「おう、任せな。」

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