これはセイレムから戻ってきて数日後の話だ。
アビゲイルへと降臨しかけた"異端なる神"を、幾たびの戦場を共に駆け抜けた仲間と共に倒し、彼女の新たな旅立ちを見届けた。
それで終わりだと思っていた。
帰ってから数日後、ダ・ヴィンチちゃんに呼ばれた俺はマシュと近未来観測レンズ「シバ」のある管制室へと急いだ。
「二人とも来たね。ちょっとどころじゃないが異常が発生してね、今からレイシフトをしてもらいたい」
「セイレムで魔神柱の消滅を確認しました。これ以上、人理焼却が行われるとは思えません。それに新局長が来られるまではレイシフトを禁止にするのでは?」
そう、セイレムでの戦いは俺たちにとって最後の戦いのはずだ。生き延びていたはずの魔神柱は全て倒された。そして、レイシフトを封印すると決定されていたはずだ。
「決定が覆るようなことがあった、ということですか」
「そういうことだね。それとセイレム関連のものだからということもあるんだろう。上ってのはいつも身勝手なものさ」
「一体どのような…」
ダ・ヴィンチちゃん曰く、セイレムで現れた"異端なる神"の一部が外へと出てしまっていた。その後、本体そのものを倒したため、消え去りはしたのだが、影響は残っていたということ。その力の残滓に触れ、異常が起きたという。
「異変が発生した場所はアーカム。調べてはみたけど、どうやらあの異端なる神との繋がりが深いようだ」
「アーカム…具体的な場所はどこでしょうか」
「場所はセイレムと同じ。まぁ、ここはセイレムのような風景はなく、大都市になっているようだ」
同じ……?
「どういう……?」
「アーカムというのはセイレムをモチーフにした架空都市。姿形瓜二つ、場所も全く同じときた。もう一つの名前と言っても間違いじゃないんじゃないかな。と、されていたんだがね」
「ダ・ヴィンチちゃん、30字で」
「なんと、架空都市とされていたその都市は実在していたんだ!セイレムという殻を被ってね」
「まとまっていません、ダ・ヴィンチちゃん」
その後、文句を言ったダ・ヴィンチちゃんが簡潔に説明してくれた。
セイレムが存在する場所にもう一つ都市、アーカムが存在していた。それは本来ならば、目にすることも入ることも出来ないよう結界が張られていた。が、先のセイレムから漏れ出た力が結界を揺るがせた。その結果、アーカムがこちら側へと出てきた。
「まぁ、言ってしまうとアーカムはセイレム以上に異常だ。まぁ、異常なのは常らしい。それで安定してるんだから相当狂ってる場所だ」
「どう異常なんですか?」
「いや、それは全く。何せ、入った人間はいても出た人間はほとんどいないんだ」
その一言に空気が凍る。先のセイレムも、初めは同じような状態だった。そして、それよりも異常だとダ・ヴィンチちゃんに言わせたアーカム。中では何が起こっているのか。
「そういうわけで今回こそはほとんど情報無しな状態で行くしかないけど、どうする?」
「もちろん、今すぐアーカムに行こう!」
「うんうん、それでこそだ。なら、共に行くサーヴァントを……」
これから始まる今と次への間の物語。狂いに狂ったアーカム。そこで彼らに待ち受けるものとは一体ーーー
---------
同刻、アーカムシティ。
「異変に異変にさらに異変!仕事が増えて給料増えるのはいいが受け取りに行く暇もない!実質タダ働きみてぇなもんじゃねぇか!」
「社会への奉仕が存分に出来ると考えれば良いことではありませんか、魔導探偵殿」
「金が無ければやってられるか、んなこと!というより、なんで毎度持ってきてくれないんですかね!執事さん!」
変わらぬ毎日。騒がしい街。今はまだ。
「今は外とこちらは繋がってしまっている。厄介なことが起きなければいいのだが」
「うむ。しかし、ここは表に出るだけでも周囲に影響を与える。何が起きても不思議ではない」
「外から来る客人は耐えられるでしょうか。この狂気に」
図書館では三人の男が話し合う。これから降る最悪に対峙するために。今はまだ。
「さて、彼らが来るまでは見回りと行こうか、レディ」
「今は外には出られないけどね、ダディ」
彼らを待つ二人はいつもの日常を見守る。今はまだ。
「さぁ、再び始めようか。終わりの始まりを。始まりの終わりを。永劫の終焉を。永劫の開演を。もう一度踊ろうではないか。なぁ、魔導探偵」
獣はただ一人静かに呟く。黄金に輝く杯を片手に。
この二つともさっぱり理解出来ない()
作品の内容難しいんだよ。ちんぷんかんぷんだよ。面白いけど。多分続く