ここは、幻想郷にプチブームを起こしつつある喫茶店【
私は、ここの店主の『
私の能力は、【助言をする程度の能力】
趣味は、【人を助けること】かな?
あっ、うちは斡旋業もあるのでどうぞお仕事がほしい人や妖怪はいらっしゃって下さいね。
人里の中心街からやや離れた所に存在する西洋風建築の喫茶店。
店の前には桜楓堂と毛筆で書かれた看板が置いてある。
店の扉を開ければ、店内にチリンチリンと鈴の音が響く。
店内はそれほど狭くなく、壁には綺麗な水彩画とジュークボックスが置いてある。
六人テーブル席が三つに四人テーブル席が六つ、カウンター席が九つあり、カウンターでは店主がコップを拭いている。
「いらっしゃいませ~空いてるお席にどうぞ~」
店主は顔をあげずに真の抜けた声で席へつくように促す。
店主の後ろにある棚にはコーヒー豆やコーヒー引き機、それに洋酒や日本酒などが並んでいる。
どれも少し古びた感じのするものだが品質はいいのだろうか?
とりあえず、メニューを開き、数枚のページをパラパラと捲る。
種類としては、サンドイッチやパンケーキのような軽食やハンバーグやカレーライスなどの普通の食事などもある。
ドリンクも充実しており、酒類も豊富である。
まぁ、昼間から酒を飲むのも何だから普通にコーヒーにしよう。
「すいませーん!注文宜しいでしょうか?」
カウンターの方から「はーい」という声が聞こえ、パタパタとスリッパで走ったときのような音が近づいてくる。
「ご注文はなんでしょうか?」
「コーヒーとシナモンクッキーをひとつお願いします」
「畏まりました」
畏まりましたと店のものを買ってくれたお客様に向かってニコリと煌めく笑顔が向けられる。
その顔が見たくてつい追加でものを頼む人が増えているらしい、確かに追加を頼んでしまいそうな見事なスマイルだが、私のお財布事情もピンチではあるため追加は頼みたくとも頼めない。
\五分後/\DAZE☆/
「ご注文のコーヒーとシナモンクッキーです」
コトリと置かれたコーヒーとシナモンクッキー。
コーヒーカップには焼き物が使われており、鮮やかな青色をしている。
クッキーのお皿も同じく焼き物で、コーヒー皿についていた印がお皿にも書いてあるため同じ竈で造られたものなのだろう。
「出西竈?」
聞いたことない竈の一門だな、今度取材の合間に聞いてみようか。
芳醇な香りを漂わせるコーヒーからはもくもくと湯気が出ている。
・・・冷たいのだといっておけばよかったな。
その日は春としては結構暑かった。
さて、私がこの喫茶店に来たのはたまたまでなければ店主に惹かれた訳では・・・ない!
人身売買や水商売などの調査である。
・・・調査費用がなぜ自腹なのだろうか、人里の自治会ももっと弾んでくれりゃあいいのにな・・・。
実は、この店は喫茶店の副業に斡旋業も営んでいるのだ、きっと危険なものに違いない・・・。
その為違法な斡旋がないかなどの調査をするためにこの店に来た。
斡旋業の方の注文には合言葉が必要だと情報屋は言っていたがどうなんだろうか?
悩んでいても仕方ないので逝ってみることにした。
また、注文お願いしますと店主を呼び、情報屋から貰った合言葉を口にする。
「裏メニューのイチゴパフェをお願いします」
「・・・当店、その様なものは扱っておりません」
な、んだと、あの情報屋め!騙しやがったな!
しかし天の神様と情報屋は私を裏切ったわけではなかった。
「・・・しかし、その様なお話が広まっているのはいいただけません、別室へどうぞ」
と目線でトイレの奥にあるスタッフオンリーと書かれた扉を見る。
因みに飲み終わっていたコーヒーカップはとクッキーの皿は持っていかれた。
スタッフオンリーの扉の奥そこは、簡素な応接室が半分と、もう半分は倉庫や食器棚として使われていた。
「さて、どんなお仕事がお望みですか?」
そしてその簡素な応接室のソファに座っていた少女は狸娘だった。
「その前にお名前聞いてよろしいですか?」
「えっ?・・・えぇ、まぁ名前だけなら」
「では、お名前は何でしょうか?」
これはいい報告ができそうだぞ。
喫茶店の裏には獣人が!?なんて尤もらしいじゃないか。
「私の名前は霧櫻 妃雛よ」
と恥ずかしそうに自分の名前を紹介する霧櫻 妃雛氏。
そして、その恥ずかしさをごまかす気なのかコホンと空咳をする霧櫻氏
「で、どんな仕事いいわけ?」
「それじゃあ出来るだけ死なないけど危ないやつで」
誰でも自分の命は大切なのです。
「それじゃあ、三つ候補があるわ」
斡旋させたのにやっぱりやりませんは酷いだろうし出された三つのうちでもっとも危険じゃないのを受けようか・・・決して金がほしいわけではないぞ。
「まず一つ目は博麗神社の小間使いを一ヶ月だ」
危なくないようで危ないギリギリのラインだな。
金の亡者は怖い。
「二つ目は血の提供ね、死ぬような量は取らないけど気絶はするかも」
吸血鬼のところだろうか?
それとも竹林の医者か?
「三つ目は風見幽香の留守中の家の花壇の手入れね」
あの風見幽香も居ないなら、真面目にすれば命は助かるな・・・
「じゃあこの三つのなかでどれがいいかしら?」
「二つ目で」
それからスタッフオンリーの扉をくぐり、店の表の方にでる。
席は空いていたし、アイスコーヒーでも飲んで帰りたいが金がないため。
お会計を済まし、店の外にでる。
(後日)
血を採られに行った場所は人里のNPOの所だったと言うことをここに残す。
自治会の違法かどうか決める会合の結果は白。
よってあの喫茶店は違法ではないということが決まった。
自治会メンバーのなかにはあの店の虜もいるらしいが本当なのだろうか?
主人公は店主です。