デート・ア・イート 〜Law of the Spirit Jungle〜 作:rockzero21
unique/ju(ː)níːk/ adj.
独特の、類まれな、唯一の
HUNT1 AN ENCOUNTER WITH THE UNIQUE VISITOR
記憶装置というものはあらゆるものに於いて重要な位置となっている。例をあげればコンピュータの記憶装置がある。此れは大きく分けて二種類あり、電源を切ったら消える、尤も最近はそうではないかもしれないが、主記憶装置、壊れない限り永遠に残るHDD、この二つをCPUとユーザーは使い分けることを求められる。人間の記憶についても同様だ。では人間はどうやって二種類の記憶を使い分けているか。其れは『情報の重要度』による。具体的に言えば情報量と其の頻度だ。多くの観点から情報が入ってきたとなればそれだけ細分化する必要があると考えるのは確かだし、よく使うものはすぐに出てこないといけないだろう。然しながら其れは逆に重要度が低いことは何処かへ破り棄てられるということである。飽くまで重要か否かの判断は脳が勝手にやっている。そうである以上重要な、化け物が襲ってくるといった情報でさえ、入ってこない。
朝食を作りながら私、五河士織は其のようなことを考えていた。なんとなく妹が見ている朝のニュースが気になって耳を傾けていたら、空間震の増加が言われていたので少々考えていただけのことだ。流れで妹の琴里にもこの話題を投げかけると、予定よりも早いなどと意味深なことを言われた。此の前……というか昨日もお城みたいなホテルとか女子を落とすテクとか危ない本を自室で見つけたので目をつけていたらやはりというか何というか。取り敢えず少し問い詰めようとした、が口元に何やら白い棒状のものを見たので私は素早く手で琴里の面前の空間を叩くようにする。そうした私の手には、チュッパチャプスが握られていた。
「はぁ、何で飯の前に御菓子はダメって分からないのかしら……」
「チュッパチャプスは琴里の生命線なのだ! かえせー!」
「……いつか糖尿病になっても知らないよ。少なくとも飯はちゃんと食べること。」
威勢のいい返事と共に、私は棒付き飴を妹に返した。
「……そういえば今日は高校も中学もお昼までだったね。昼ごはんは何がいい?」
「デラックスキッズプレート!」
さて、何を持ってデラックスキッズプレートとするかは知らないし、生憎そんなものは家にはない。
「じゃあ今日は外で食べよっか。いつものファミレスで待ち合わせね。」
「絶対、絶対約束だぞ! 地震が起きても火事が起きても空間震が起きてもテロリストに占拠されても絶対だぞ。」
「ちゃんと行っても料理が出されるか分からないよ……」
まぁ意気込みが伝わっただけいいかもしれない。そう考えつつ飯を終わらせ、私たちは各々の方向に家を出た。
学校に着いたのは八時十五分ごろ。新学年になった私のクラスは二年四組だった。元々此の都立来禅高校は大空間震の後にできた天宮市の学校であり、其れ用のシェルターも備わっている。となると倍率が増えるのはごく当たり前であり、今年も残れた事を誇りに思えた。取り敢えず教室に入って周りを確認するが、あまり知った顔はない、というよりそこまで仲のいい人物がいない。精々あいつかあいつらぐらいだろう。そうして席を確認すると、不意に声をかけられた。対象が自分という事を確認し振り向くと、色白な小柄の少女が立っていた。誰かは知らんが。
「私に用があるの?」
「そう」
あまりにも抑揚が無さすぎる。というより声をかけられた理由すらまともに分からない。初対面の人物である。
「何者……?」
「覚えてないの?」
「……ええ……」
「そう」
そう言ったのち、彼女は窓際の席に座り、技術書らしい鈍器を読み始めた。すると今度は鋭い平手打ちが飛んできた。此方は前例のような事はなかったようだ。
「殿町! 何すんのよ!」
「おう、元気そうだなセクシャルビースト五河。」
「せく……もう一回言ってくれない?」
「セクシャルビーストつったんだよ! 貴様早速鳶一を手篭めにしやがって!」
「鳶一ってあの子の事?」
「そうだ。学校は固より模試で主席をとるウチの超天才。おまけに体育もダントツで『恋人にしたい女子ランキング・ベスト13』で堂々の三位だ。」
「へぇ、そんなものが……ていうか13って中途半端じゃない?」
「何でも主催者が十三位だったんだと。あと喜べ五河、お前は一位だ。理由として『守ってあげたい』『優しそう』『家事万能』等男女問わず票が入れられている。」
「男女総合なんだね…」
「ちなみに同上男子はベスト358まで出た。」
「殿町は何位なの?」
「三百五十八位だが?」
「主催者あんたかよっ!」
「理由は『愛が重そう』『毛深そう』『足の親指の爪の間がくさそう』『女の子に興味なさそう』『ぶっちゃけホモっぽい』とこんな感じだ。」
「……なんかごめん。」
「安心しろ、『校内ベストカップル』は五河、殿町ペアで一位だ。」
何だろう、安心できないのに安心してしまう自分がいる。
「まぁ兎も角、此の鳶一折紙ってのは校内一の有名人って訳だ。分かったかね、五河君?」
そうか、そうだった。もう少しで本題を忘れそうになった。その鳶一とかいう女から真の目的が遮られている状態であったのだ。再度私は席を確認し窓から二列目の席に着いた。そして其れと同時に小柄な教諭が入室した。
「タマちゃんだ……」
「ああ、タマちゃんだ。」
「マジだ、ラッキー!」
タマちゃんこと岡峰珠恵教諭はその童顔から仕草まで、多くの生徒から人気を誇る先生である。此の反応も起こるべきものだろう。そう思いふと隣を向くと隣席の鳶一が此方を見つめていた。私は本能的に悟った、どうやら彼女とは馬が合わないと。
そしておよそ三時間後。事なく学校が終わり、皆が帰宅の準備を始めた。私とて妹の約束があるためおっちらしていられない。
「五河! どうせ暇だろう、飯行こうぜ!」
とまあこういう時に空気を読まないのが殿町だ。尤も此の場合察しろというのが難しいか。
「生憎今日は先約がね。」
「どいつだ? 女か?」
「何故女なの? まぁ間違ってないけど。」
「やっぱそうじゃねぇかよ。そうやって男子よりも女子にフラグを乱立させる、やっぱりセクシャルビーストじゃねーか!」
「限定礼装なんか持ってないよ! ただね、女ってのは妹のことだから。」
「何だ、琴里ちゃんか、ん、彼女って中二だよな、彼氏とかいるのか。」
「……ねぇ、人の妹を何だと思ってるの? 其れに此処にちょうどよくベストカップルがいるじゃない。付き合う気はないけど。」
此れも傍目から見ればイチャイチャに見れるのだろうか。
「まぁいいさ。俺だって其れぐらい辨えている。楽しんでこい。」
「根がいいだけよかったよ。」
「でも妹なんて性欲の対象にならないのか。」
「レズ設定は兎も角、妹ってのは女未満って感じで書くでしょ。そういうこと。」
「じゃぁ姉は女市、女性専用都市か!」
「此方こそゲイでなかっただけよかったよ。別にそうだとしてもどうもしないけど。」
といつも通りに時間が過ぎようとしていた。然し危険というものはいつ起こるか分からない。例えば急にアラート音が鳴りだした『今』のように。
「サイレン……」
窓を揺らし壁に響くかのごとく警告音が流れ始めた。其れと同時に此れが訓練でないことも示される。
「やれやれだな。」
殿町の台詞も無理ないだろう。
然しながら彼含め、多くの人々は非常に落ち着いていた。其れもそのはず、空間震の避難なんて幾度となく行っている。要は其れで先生の話の後に帰らなければいい話だ。然し自身はまた別の事を考えていた。朝、琴里は『空間震が起きても』といった。念の為と思ってGPSを確認してみれば……あいつ、マジで行ってやがったのか。私は殿町に由を話して一人外に出て行った。
目的地まではそこまで距離はない。走っていけばすぐ着く。其れに適さないローファーの靴ながら思い切り走った。未だに彼女は動こうとしない。私は不安を煽られつつ走る、と次の瞬間、急速な風が此方へ吹き、私は思わず腕で顔を覆った。そして顔を戻すと……其処には別世界が広がっていた。
少し前まで存在していたはずの建物は倒壊し、地面はクレーター状に抉れ、世紀末よりも悲惨な情景が其処にあった。私は今更になって空間震の脅威を味わった、抑も味わう機会などなかったのだから。
然し目を引くのはそれだけではない。私はそのほぼ中央に人を一人見かけた。近づいて見ると服は金属か布か分からないような素材で出来ており、其処からは光が漏れ、何よりその顔は……絶望的に美しかった。然し其れよりもある種のシンパシーというか、使命感というか、何故か彼女を救わなければならない感じがした。そんな中、声を掛けたのは彼方からだった。
「貴様も……」
「私?……」
「貴様も私を殺しに来たのか?」
「殺す必要なんてあるの?」
「知るか。」
「名前は?」
「名前か……そんなものは無い。」
言い放つ彼女は何処となく哀愁を漂わせていた。一層絶望の色が見え、私は其れが嫌いだった。何というか、生への渇望が無くなっているようだった。然し、
「だったら何で殺されるなんて思ってるの。殺す必要なんか無いよ。」
そう、何故か彼女は自分が殺されるとばかり思っているが裏付けは全く無い。なら殺さなくてもいいんじゃ無いか。然しその考えは図らずとも即座に否定された。信じられるだろうか、無数の飛び道具が一人の少女向けて飛んでくる様を。然しその飛び道具を少女は触れずして破壊して見せる。少なくともある一部からは目の敵にされている事は想像に容易かった。
「こんな物意味無いと何度すれば分かる。」
然しその顔は絶望に満ちていた。いつか殺される事ではなく、世界から拒絶されている事に。だが、それ以上考えることは叶わなかった。いつの間にか周囲には機械を身につけた人が此方に武器を向けていた。そしてその中には、
「……鳶一……?」
彼女の姿があった。そして当の彼女は
「『プリンセス』……必ず倒す。」
言うが早いか切り掛かってきた。対する少女も後方の玉座より剣を抜いて構えた。その瞬間、私の体に何か熱いものがこみ上げてきた。其れと同時に声が脳に響いていた。ーー彼奴を助けろーー絶望を喰らい尽くせーー他でも無い、『私』の声だ。だったらどうする……私の脚は無意識に駆け出していった。
紅の髪をツインテールにした少女、五河琴里はモニターからの様子を観察していた。尤も勝敗なんぞ決まったようなものだが、相手の対応が気になったのだ。
「へえ、さすが『プリンセス』と言ったところかしら。さて、秘密兵器の方はどうなの、神無月。」
「其れが只今此の場にいるとの事です。」
そして今まさに二者が剣を持って突撃していた。さて、何方が勝つか。琴里は分かっていながらもその様子をじっと見つめていた。尤も
「じゃあ彼女の方を映してくれないかしら。」
其の秘密兵器を捉える必要があったのもあるが。然しながら其の必要は結局なかった。また、突撃の予想もまた裏切られる事となった。両者が剣を違えることは叶わなかった。
両者が剣を違えることは叶わなかった。確かに両者とも手応えはあった。然し煙が晴れると各々の予想とはかけ離れた結果となっていた。確かに両者とも剣は当たっていた……士織の腕に。『プリンセス』は自分の剣によって切れなかったことに驚愕し、其れは鳶一も同じだった。然し経験の差だろうか、直様鳶一は体勢を立て直し、反撃した……筈だった。刀身は士織に両断されていた。
「総員、撃てー!」
隊長の日下部の指示により弾丸が撃たれるが、士織の右腕輪から伸びる鞭に払われ散り、あるものは銃口に入りジャムを起こしていった。剣に限ってはうまく躱され、ナイフを其の身に受けた。次第に彼等は自身が追い詰められている事を、然も防戦一方な奴にされているのを、知っていった。そして最後の力で攻撃しようとしたその時、『プリンセス』も士織も消えていた。
士道「何で主人公が俺じゃねえんだよ!」
四糸乃「まあまあ、落ち着いてください。」
士道「此れが落ち着いていられるか! おい筆者!」
筆者「どうかしたか。」
士道「どうもこうもねえだろ。聞いてなかったのか(筆者ならやりかねない)!」
筆者「だったらネビュラガスに漬けてアマゾンマンションに放り込んでやるが。」
士道「あ、やっぱいいっすわ。でも本当何で俺じゃなかったんだ? あ、女将、焼酎一杯。」
四糸乃「此処は居酒屋じゃないですよ。然し確かに士道さんでもよかった気が……もしかして気に入ってなかったとか。」
筆者「いや、此奴はラノベの主人公の中でも数少ない好感が持てる一人だ。実際元々士道を主人公にして構想を練ってたんだが、なんか其れだといまいちだな……と。抑君が仮面ライダーになる小説なんか結構あるから、ただ五河男を主人公にするとただの二番煎じっぽくてだな。あ、大将、『李白』一杯。」
四糸乃「うちはバーですよ! 料亭でも居酒屋でもありません!」
二人「悪い悪い。」
四糸乃「そういえば筆者さんって精霊じゃ誰が好きなんですか。」
筆者「そうだな。念の為名前を隠すと、一番に厨二と百合、其の次にダディと絶版、そして低露出。三番目に黄粉とベストマッチ、妹ときて、さらに次が漫画家、其の次に熟語、最後にフラグバリバリという感じかな。ちなみに優遇されるのはこの一番に入る人物だ。」
士道「じゃあ逆に天罰が下されるのは……」
筆者「熟語とフラグ、あと百合。漫画家は中途半端って感じかな。」
よしのん「あれ〜僕は〜。」
筆者「お前は本体とセットだ。」
四糸乃「あれ百合さんがかぶってますが。」
筆者「好きだけどリアルにはいてほしくない、そんな感じだな。」
筆者「とまあこんな感じに進めていくんで」
四糸乃「応援」
士道「よろしくお願いします。」
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