この世には誰しもが恐れるものがある
それはお化けでも怪獣でも、ましてや悪魔や人外でもない
その恐れるものとは……そう!
休日明けの月曜日である!!
これには学生はもちろん会社で働くお父さん方には精神攻撃とも言えるこの言葉
出来ればヌクヌクのお布団から出たくない。ずっと寝ていたい
しかし出来ないのが厳しい現実である
そしてここにも一人
その現実から目を背けている男が一人居た
ジュー ジュー
「ふんふん♪ふふ~ん♪」
小鳥が囀る朝
台所で鼻歌を歌いながら朝食を作る男。彼こそ一度世界を支配しようとした男、魔皇帝・ゼノンである
ちなみに現在は、家(木造三階建て)の家事をこなす専業主夫である
「出汁巻き卵はこれで良し。お味噌汁は……うんうん。やっぱり味噌は赤味噌だね」
鍋の蓋を開け、具沢山の味噌汁を掻き混ぜながら上機嫌になるゼノン
そこへ誰かが台所へやってくる
「おはようございますゼノンさん」
「おはようメイビスちゃん。いつも早いね」
ゼノンに挨拶したのはかつて戦争にて亡くなったとされている神メイビスである
「もう少し寝てれば良いのに」
「いえ、お世話になっているのでお手伝いぐらいはさせて下さい」
「そう言ってくれると嬉しいよ。定食屋のメニューで悩んでるときにメイビスちゃんみたいに若い子の意見聞けるからね」
「そんな若いなんて。ゼノンさんだって若いですよ」
「ははははっ…僕はもう立派なアラフォー(アラウンド4万)だよ」
そんな何気ない会話をしながら朝食の準備を進めていると
さらに四人台所にやって来る
「おはようございます」
「くぁ~…おはよう」
「まだ眠い」
「おっは~」
「おはよう皆って…コラコラ女の子がそんな目脂を付けて、顔洗って来なさい」
台所に続々と来たのがこれまた戦争にて亡くなったとされている四大魔王
ルシファー、アスモデウス、ベルゼブブ、レヴィアタンである
ゼノンは洗顔するよう言うと四人は洗面所へ向かった
「ゼノンさんって偶にお母さんみたいな事言いますよね」
「え、そうかな?」
「そうですよ。それにしても」
メイビスは天井を見上げ困った顔をする
「炎真さん。今日も寝坊ですね」
「いやいやメイビスちゃん。もうすぐ怒鳴りながら起きるから」
ゼノンはニコニコしながら時計を見る
メイビスは分からないのか首を傾げる
「どうして『また俺の布団の中に潜っていやがったなエロ猫がぁああああああああああああああ!!』『にゃあああああああああああああああああ!!』…あぁそういう事ですか」
「驚かないの?」
「何回も同じ事が起きればいい加減慣れますよ」
二階から怒鳴り声がしてから数分後
イラつきながら炎真が台所にやってくる
「ったくあの発情期猫。毎日毎日俺の布団に忍び込みやがってよ」
「いいじゃない別に。あんなに赤井君の事思ってくれる人が居て」
「人って言うか悪魔だろアレ!というより俺の貞操の危機だって!!」
「いや~若いって良いね♪」
「いつまで経っても若々しいお前が言うんじゃねぇ!!」
炎真とゼノンのやり取りをしていながら朝食の用意を済ませる
洗顔から帰ってきた四人も戻り全員席に座る
「それじゃあ…いただきます」
『いただきます』
全員一礼し食事を始める
味噌汁を啜っていた炎真にゼノンが話しかける
「そういえば赤井君。学校で何か悪さしてない?」
「なんで俺が悪さしてるように見えるんだよ」
「いや~心配だからさ。ほら僕一応赤井君の保護者だし」
「………(絶対にこいつを授業参観なんかに来させねぇ)」
炎真は密かにそう心に決めていた
しばらくして朝食を済まし、食後のコーヒーやお茶を飲んでいる
炎真は時計を見る
「そろそろ行くか」
炎真が制服を着て鞄を持ち玄関に向かう
ゼノンは玄関前まで来る
「それじゃあ赤井君いってらっしゃい」
「おう、行ってくる」
炎真は玄関を開き学校に向かう
しばらくすると唸りながら頭を抱える着物を着た悪魔が降りてくる
「うにゃ~~…あんなに叩かなくてもいいにゃ」
「黒歌ちゃんも懲りないね」
はぐれ悪魔である黒歌に対して苦笑いするゼノンである
「あぁ~ダル」
学校に登校し、自分の席に顔を伏せている炎真
基本彼はダルイとメンドイを口癖に生活している
偶に窓の外を眺め、ボ~っとしている事が多い
だが彼がよく目にするもの。それは…
今現在変態三人組が覗きを行っている光景である
炎真は青筋を立て、席を立ち上がる
「またやりやがったな。それに一人置きざりにしやがった」
炎真は目に見えてはいけないような怒りのオーラを出しながら教室を出る
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『待ちなさい変態三人組!』
俺事兵頭一誠は今女子剣道部に覗きがバレて追われている
くそっ!物音立てた松田のせいだ絶対!
そんな事を考えていたら足元が躓きこけてしまった
俺はすぐに助けを求めたら
「「イッセー!お前の犠牲は無駄にしない!」」
「お前らそれでも親友か!?」
見事に見捨てられました
そしていつの間にか女子剣道部に包囲されていた
「さぁ覚悟はいいわね?」
竹刀は手で叩きながら聞いてくる
ものすごく怖いです!誰か助けて!?
「おいちょっと待て」
不意に声が聞こえそっちを向く
そこには駒王学園で最も喧嘩を売ってはいけない男子NO.1と本当は面倒見がいい男子NO.1の二冠をを持つ人
「え、炎真先輩?」
赤井炎真
去年転入してきた先輩でかなり怖い
だが問題はそこではなく、先輩の肩に担がれている松田と元浜である。頭には2、3個のタンコブがありプスプスといっている
「オイ」
「は、はい!」
急に炎真先輩に呼ばれ裏返りながら返事をしてしまった
そう、これから起こる事は大体予想はつく
だって
「……ちょっとそこで正座しろ」
この人には物凄く説教されているんだもの
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「お前らよ。前回もこうされなかったか!あぁ!?」
「…はい」
「…前回も」
「…こうでした」
グラウンドで一誠・松田・元浜が正座させられ、その前に仁王立ちしながら説教する炎真
三人が説教されるのはこれが初めてではない。もう習慣ともいえる回数である
「いい加減にしろよ!お前らがやってる事は犯罪と変わりねぇんよ!そこんとこ考えろや!!」
「で、でも炎真先輩」
「あぁ?」
「だ、男子なら女子に興味を持つのが常識じゃないかと…ぐぁ!」
「年中エロい事しか考えねー奴が常識語ってんじゃねぇ!!」
松田に頭に拳骨をかます炎真
「大体お前らよぉ!ここは神聖な学び舎って分かってんのか!?毎日毎日エロ本やらエロDVD持ち込みやがって!少しは世間の事も知れ!それにお前らは…」
その後数十分に至る説教は続き、精神的にもボロボロにされたという
余談だが炎真に対して女子剣道部は感謝していた