ハイスクールD×D 内気な戦士?   作:銃剣

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引きこもり吸血鬼。秘策は料理?

ゼノン襲来という授業参観の次の日

オカルト部と炎魔は、旧校舎一階の「開かずの教室」とされていた部屋の前に立っていた

この部屋の中にもう1人の『僧侶(ビショップ)』がいる

扉には『KEEP OUT!!』のテープが幾重にも張られていた

 

 

「一日中ここに住んでいるのよ。一応深夜には術が解けて旧校舎内だけなら部屋から出ても良いのだけれど、中にいる子自身がそれを拒否しているのよ」

 

 

「ただの引きこもりかよ」

 

 

炎魔がそう言うと、リアスはジッとみながら溜息をつく

この男も引きこもりと変わらないぐらい家でゴロゴロしてるかパチンコに行くかぐらいである

まさに駄目人間ならぬ駄目英雄である

 

 

「さて、扉を開けるわ」

 

 

扉に刻まれた呪術的な刻印を消し、開くと―――――

 

 

「イヤァァァァァァァァアアアアアアアアアッッ!!」

 

 

とてつもない声量の絶叫が中から発せられる

それに対して

 

 

「ウルセェェェェェェェェェエエエエエエエエエエエエッッ!!!」

 

 

「先輩も十分五月蝿いですよ!!」

 

 

炎魔もさっきの声量よりも大きい叫びを発する

一誠は負けじと大きくツッコミを入れる

リアスは炎魔の叫びも驚く事なく、溜め息をつき、朱乃と共に部屋の中に入っていく

 

 

『ごきげんよう。元気そうで良かったわ』

 

 

『な、な、何事なんですかぁぁぁぁ!?』

 

 

『あらあら。封印が解けたのですよ?もうお外に出られるのです。さあ、私達と一緒に出ましょう?』

 

 

『いやですぅぅぅぅぅぅ!ここが良いですぅぅぅぅぅぅ!外に行きたくない!人に会いたくないぃぃぃぃっ!』

 

 

「だからウルセェって言ってんだろうがぁ!!」

 

 

炎魔は我慢できず、八つ当たりで扉を蹴り破り部屋に入る

カーテンが閉め切った部屋。その一角に棺おけ

奥にはリアスと朱乃がいる。そして、そこには赤い目をした金髪、まるで人形のような顔立ちの美少女が床にへたりと座り込んでいた

 

 

「おおっ!金髪の女の子!しかも外国の!」

 

 

「一誠。見た目は女の子だけど、この子は紛れもない男の子よ」

 

 

その瞬間一誠が硬直する

そこに追い討ちをかけるように朱乃が言う

 

 

「女装趣味があるのですよ」

 

 

「ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええっ!?」

 

 

「ヒィィィィィィィッ!ゴメンなさいゴメンなさぁぁぁぁぁい!」

 

 

一誠は衝撃の事実に打ちのめされ、挫折する

そしてしばらくショックを受ける

 

 

「こんな残酷な話があって良いものか…!?完全に美少女な姿なのに男だなんて!チッ痛!?」

 

 

「お前はデリカシーってもんを考えろ!!」

 

 

一誠が言おうとした事を察した炎魔は頭に拳骨を叩き込み黙らせる

しかし一誠はまだ語り続ける

 

 

「で、でも先輩……引きこもりなのに女装癖あるんですよ!誰に見せるための女装ですか!?」

 

 

「だ、だ、だ、だって、女の子の服の方が可愛いもん」

 

「可愛いもん、とか言うなぁぁぁぁぁ!クソッ、野郎のクセにぃぃぃ!俺の夢を一瞬で散らしやがってぇぇぇぇぇっ!俺はよぉ!アーシアとお前のダブル金髪美少女『僧侶』を瞬間的にとはいえ、夢見たんだぞ!?返せよぅ!俺の夢を「お前が一番喧しい!!」ゴハァ!!?」

 

 

炎魔は、一誠の夢の語りにいい加減鬱陶しくなり、ボディブローの一撃で沈める

人の夢と書いて儚いとは正にこのことである

 

 

「と、と、と、ところで、この方たちは誰ですか?」

 

 

「あなたがここにいる間に増えた眷属よ。『兵士』の兵藤一誠、『騎士』のゼノヴィア、あなたと同じ『僧侶』のアーシア、人間の赤井炎魔よ」

 

 

紹介された者達は軽く挨拶をする。一誠は気絶しているが

 

 

「お願いだから外に出ましょう?ね?もうあなたは封印されなくても良いのよ?」

 

 

「嫌ですぅぅぅぅ!僕に外の世界なんて無理なんだぁぁぁぁぁぁっ!怖い!お外怖い!どうせ僕が出てっても迷惑をかけるだけだよぉぉぉぉぉっ!」

 

 

「あぁもうじれったい!男がメソメソすんな!さっさと行くぞ!!」

 

 

炎魔のイライラしながら、『僧侶』の腕を引っ張り連れ出そうと前に出る

 

 

「ヒィィィ!怖いィィィ!!」

 

 

『僧侶』の絶叫と共に時間が止まる。リアス以外は

しかしもう一人居た。止まりかけた炎魔が振りほどくように徐々に動き出し、完全に停止した時間の中、動く

 

 

「あぁ?何か白いぞ周りが」

 

 

「ど、ど、ど、どうして動けるんですかぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

 

「動ける?…どういう事だリアス」

 

 

「その子は興奮すると、視界に映した全ての物体の時間を一定の間停止する事が出来る神器(セイクリッド・ギア)を持ってるの。でも、その子自身は神器を制御出来ないから、今まで封印されていたのよ。私は滅びの魔力で動けるけど、エンマはどうやって?」

 

 

「時間停止ね。そういう似たような能力使う奴を何度かぶっ飛ばしたからよ」

 

 

十中八九、クライシスの悪魔達の事である

炎魔にとって時間停止などそれ程珍しくない

 

 

「っで、コイツは何者だぁ?」

 

 

「この子はギャスパー・ヴラディ。私の眷属『僧侶』。一応、駒王学園の一年生なの。そして、転生前は人間と吸血鬼(ヴァンパイア)のハーフよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「『停止世界の邪眼《フォービトゥン・バロール・ビュー》』?」

 

 

時間停止が止み、炎魔の問いにリアスが頷く

 

 

「そう。それがギャスパーの持っている神器(セイクリッド・ギア)の名前。とても強力なの」

 

 

「時間を止められるだけで強力と言えんのか?俺は別にどうって事ねぇけど」

 

 

「…イッセーの倍増の力も、白龍皇半減の力も強力とも言えるけど。貴方が言うとなんで納得しちゃうのかしら」

 

 

炎魔の反則+化け物染みた強さだからこそである

どんな能力あろうとぶっ飛ばすのが彼である

 

 

「うぅ、ぼ、ぼ、僕の話なんてして欲しくないのに……」

 

 

「っで?この臆病吸血鬼をどうしろと」

 

 

「とりあえず、私が戻ってくるまでの間だけ、イッセー達と一緒にギャスパーの教育を頼むわ。でもあんまり乱暴しちゃ駄目よエンマ、貴方が一番心配なんだから」

 

 

「そりゃどういう意味だコラァ」

 

 

額に青筋を立てる炎魔

基本やることは殴るかパシらせるの二択しかない

というより教育が出来るかリアスは不安だった

 

 

「つーかよ。ヴァンパイヤって血吸ったり、太陽の光の下では生きられないんじゃないのか?」

 

 

「ギャスパーは、デイウォーカーって言う、日中でも歩くことが出来る吸血鬼だから問題ないわ。血の方もハーフだから餓えているわけじゃないわ。でもどっちも苦手みたいだけど」

 

 

「太陽は嫌ですぅぅぅ!血も嫌いですぅぅぅ!!生臭いからダメですぅぅぅ!!!」

 

 

「……へたれヴァンパイア」

 

 

「うわぁぁぁん!!小猫ちゃんがいじめるぅぅぅぅ!!」

 

 

小猫の毒舌にへこむギャスパー

すると炎魔が傍にあったダンボールを手に取り、ギャスパーに近寄る

 

 

「え?な、何ですかぁぁぁ!?」

 

 

急に近づいてきた事に怖がるギャスパー

しかし炎魔はそんな事はお構いなく、ギャスパーの襟を掴み持ち上げる

そしてそのままダンボールに入れ、どこからかガムテープを取り出し、蓋を閉める

 

 

「ちょっとコイツ借りるぞ」

 

 

「ちょ、ちょっとエンマ!?何してるのよ!!」

 

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁっ!!?出してください!!ここから出してぇぇぇ!!」

 

 

ダンボールに入ったギャスパーが叫ぶも炎魔は無視

そしてリアスが怒鳴りも無視し、ダンボールを担ぎ、気絶している一誠を引きずり、部屋を出て行く

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい。もう少し加減して」

 

 

「は、はいぃぃっ!!」

 

 

校舎裏でギャスパーはミュウに指導され、それを近くで見ている炎魔

 

魔炎は旧校舎の外に出ると、携帯でミュウを呼びつけた

数十分後、風呂敷を持ったミュウがやってくると炎魔はダンボールを破り、ミュウに差し出す

ギャスパーはミュウを前にして驚いてしまい、停止世界の邪眼《フォービトゥン・バロール・ビュー》を使用しています。しかしミュウは何も変わらず、眼鏡を掛け、メモをしだす結果になる

 

 

「はい。休憩」

 

 

「つ、疲れました」

 

 

「ギャスパー君は、神器(セイクリッド・ギア)より体力の方を付けてからですね」

 

 

ミュウは傍に置いてあったバスケットを持ってくる

 

 

「ギャスパー君の為に栄養を考えた物を作ってきたので」

 

 

「ほ、本当ですか!?一体なんですか?」

 

 

「明太子ガーリックトーストにレバーペーストとクラッカーです」

 

 

それを聞いた瞬間、ギャスパーの顔色が悪くなる

 

 

「いやぁぁぁぁにんにく嫌いですぅぅぅぅ!!レバーも生臭くてだめぇぇぇぇ!!」

 

 

「ギャスパー君、そんな事じゃいつまで経っても好き嫌いが直らないよ?一口ずつでいいから」

 

 

ミュウはガーリックトーストを一つ取り出し渡す

ギャスパーを嫌々ながら受け取る

 

 

「おいしいから、きっと好きになるよ」

 

 

「は、はい…」 パクッ

 

 

ギャスパーは目を瞑りながらガーリックトーストを食べる

口をもぐもぐ噛んでいくと

 

 

「どう?」

 

 

「…あれ、美味しい?すごく美味しいです!」

 

 

「良かった。さぁ炎魔さんもどうぞ」

 

 

嫌いだったと言っていた、にんにくとレバーの料理を食べるギャスパー

炎魔もトーストに手を伸ばし、食べ始める

ミュウは嬉しそうに食べるギャスパーを見て微笑む

そこへ炎魔達に近づく者が居た

 

 

「なんだなんだ。悪魔がピクニックか?」

 

 

「アザゼルか。お前も食うか?」

 

 

「おぉ悪いな」

 

 

アザゼルはクラッカーにレバーのペーストを付け食べる

 

 

「何しにきたんだ?どうせ、珍しい神器(セイクリッド・ギア)目的でここに着たんだろ?」

 

 

「そういう事だ。まぁ聖魔剣使いはいないようだがな。そこに居るヴァンパイアは、「停止世界の邪眼《フォービトゥン・バロール・ビュー》の持ち主なんだろう?使いこさせば、害悪になる代物だ」

 

 

「害悪って割には俺には、あんまり効かなかったがな」

 

 

「あ、私もです」

 

 

「…とことん、お前等の規格外さには驚きを通り越して呆れるな」

 

 

そう言ってクラッカーを食べるアザゼル

少ししてから一誠達と匙が着たが、アザゼルが居たという事で色々面倒毎が起きた

アザゼルは気にせず、クラッカーを食べ終えると一誠達に神器(セイクリッド・ギア)のアドバイスをしてから帰っていった

 

 




明太子ガーリックトーストとレバーペースト
一度でいいから作って食べたいですね
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