ここ最近遊んだり、温泉入ったりしてました
ギャスパーの特訓から数日
ミュウの指導のお陰で自信が付いてきたギャスパー
しかし…
「ギャスパー、出てきてちょうだい」
「ほらギャスパー君、大丈夫だから」
『ふぇええええぇぇぇぇぇえええええええええんっっ!』
旧校舎の自室に閉じこもったギャスパー
その訳は一誠と一緒に依頼主の元へ行ったのだが原因
それ以来、部屋に閉じこもってしまった
リアスとミュウが扉の前で説得していると付き添いの一号と騒ぎを聞いた炎魔がやってくる
「ミュウ様、どうですか?」
「駄目、もう全然聞いてくれない」
「困ったわね。この子をまた引きこもらせてしまうなんて…。『
困るミュウと落ち込むリアス
「ミュウ様、この後武器商人との交渉の時間ですよね」
「えぇ!もうそんな時間なの!?」
「私もお兄様との打ち合わせがあるわ。どうしたら」
このままギャスパーをほっとく訳にはいかないと考える
すると今まで黙っていた炎魔が振り返る
「…帰るぞ」
「で、でもエンマ「こいつはアイツの問題だろ。しばらく一人にしてやれ」……えぇ、分かったわ」
「ミュウ様」
「…そうだね。心苦しいけど」
リアス、ミュウ、一号は振り返り、渋々その場を後にする
炎魔も一度見ながら帰って行く
『ひっぐ…ひっぐ…』
誰も居なくなった廊下からギャスパーの泣き声が響く
すると誰も居なくなった廊下の向こうから歩く音が聞こえてくる
その正体は、さきほど帰った炎魔だった
「………」
炎魔は何も言わず、扉の前に座り込み、タバコを一本咥え火をつける
「すぅ…ふぅ~」
炎魔のタバコを吸う音だけが聞こえる
しばらく無言だった炎魔が話しかける
「…いつまでそうしてるつもりだ?」
『………』
「お前がそうするのは勝手だけどよ。本当にそれで良いのか?」
炎魔はタバコを吸いながら語る
「そうやっていつまでも引きこもれば、誰も会えずに済んで迷惑掛けないって思ってんのか?甘いんだよそんな考え。お前が今も閉じこもるからあいつ等がお前を心配してんだよ。そこんとこ分かかってねーだろお前。少しは自分からやるっていう気持ちは無いのかよ」
『ぼ、僕にそんな気持ちありません』
「ありません?……お前はありませんじゃなくて端から持ってないだろ?」
『ッ!?』
扉越しにギャスパーの驚く声が聞こえる
「お前はリアスの眷属だって言うのに、そうやってメソメソ泣きじゃくるわ大声出すわで全然大した事ねーじゃねーか。どうせアイツ等かピンチになっても怖いから一人で逃げ出すんだろ」
『…………』
「ずっと逃げてるから逃げる事だけは一丁前になってな。そりゃあアイツ等置いて逃げるんだからな」
『……違います。僕は』
「はぁ?ずっと部屋に居ても説得力ねーだろ。やっぱお前は一人で逃げ出す…」
「僕はそんな事はしませんっ!!」
ドンっと大きい音を立てながら扉が開く
そして涙目になりながらも前に出て、炎魔を睨みつけるギャスパーの姿があった
それを見た炎魔は鼻で笑い立ち上がる
「出れたじゃねーか。外」
「え?……あぁ」
ギャスパーは自分から外に出ていることに気づく
「そんだけデカイ声出せば大丈夫だろ?後は自分で頑張れ」
「もしかして…僕の為にあんな事を言ったんですか?」
「…さぁな。俺はもう帰るぞ」
「エンマ先輩。あ、ありがとうございますぅぅ!!」
帰ろうとする炎魔に対しギャスパーはお礼を言う
炎魔も適当に手を振りながら答える
「ふふふっ。やっぱり炎魔さんも心配してたんですね」
「そうですね」
「エンマったら、素直じゃないんだから」
その光景を影からミュウ、一号、リアスの三人が見ていたことに炎魔は知らなかった
次の日の休日の昼
炎魔は一人、ある場所に向かう為、石階段を上っていた
本来は一誠と一緒に行く事になったが、寝坊したせいで遅刻している
「あぁ腹減った。ったく急に神社に来いとか言いやがって」
炎魔がイライラしているのは、まだ寝ているのに叩き起こされ
さらには昼飯も食っていないのである。しかも叩き起こした相手がミュウだったらしく
訳を聞いたら、朱乃が神社に来させてくださいと頼まれたのだ
「…そういや、どこに居るか聞いてなかったな」
「何か家に御用ですか?」
炎魔が石階段を上っていると一人の巫女が話しかけてくる
「もしかして朱乃に何か」
「まぁ…そうですけど」
「それだったら本殿に居ますので」
「あぁどもっす」
炎魔がお礼を言いながら本殿に向かう
「おう来たぞ」
炎魔が本殿に到着する
そこには一誠、朱乃、そしてミカエルの三人が居た
「先輩、遅刻ですよ」
「そうですわ。あんなに言ったのに」
「全く、そういう所変わってませんね」
「はいはい、俺が悪いございました」
一誠、朱乃、ミカエルの言葉に適当に返事する炎魔
全員が揃った所で、ミカエルから話が始まる。神の死、三大勢力の和平、一誠への聖剣アスカロンの受託などをし、時間が経った頃、ミカエルは一足先に居なくなり一誠も帰って行った
ちなみに炎魔は昼飯を食べてなかった事もあり、朱乃の家で食べることにした
「お茶ですわ」
「おう、悪いな」
昼飯をご馳走になった炎魔
場所は和室、テーブルには茶碗と皿があり、空である
「しっかし、あの変態に聖剣渡して良かったのか?ミカエルの奴」
「その聖剣を素手で破壊し、騒動を大きくしたのは誰ですか?」
「あぁ?」
「ふふっ」
聖剣事件の事を言われると炎魔は青筋を立てる
それを見た朱乃が面白そうに見る
「っち。…ひとつ、訊きたいいか」
「えぇ、もちろんですわ」
「あのクソカラスが言ってたけどよ。バラなんとかって……お前、堕天使の血入ってるだろ?」
「…そうよ。元々私は堕天使の幹部バラキエルと人間との間に生まれた者です」
顔を暗くする朱乃
「母は、この国のとある神社の娘でした。ある日、傷つき倒れていた堕天使の幹部であるバラキエルを助け、その時の縁で私に身を宿したと聞きます」
朱乃は背中から翼を広げる
片方は悪魔の翼だが、もう片方は堕天使の黒い翼だった
「汚れた翼…。悪魔の翼と堕天使の翼、私はその両方を持っています。この羽が嫌で、私はリアスと出会い、悪魔となったの。でも、生まれたのは堕天使と悪魔の羽、両方を持ったもっとおぞましい生き物。ふふふ、汚れた血を身に宿す私にはお似合いかもしれません」
「………」
炎魔は立ち上がり黙って和室の襖を開け、タバコを吸い始める
しばらく沈黙が続き、風の吹く音しか聞こえない
「……昔、子供の私と母は、ある者達に襲われました。目的は私、穢れし血を持つ者を殺せと」
「………」
「追い詰められても母は私を守ってくれました。最後には囲まれ、私は死を覚悟しました」
「………」
「その時でした――――
貴方が現れたのは」