横島忠夫、〇〇〇〇と付き合ったらどうなる?   作:一日三食MEN

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 どうも!久しぶりの本来の付き合ったら?話です!今回は、こちらの皆さん・・・といっても、このファミリアのメインのあの三人にしました。本編のヒロイン達も何とか話ができないか必死に考えたのですが・・・なかなかうまく作れなく、本編前の過去話として出された彼女らなら「あ、これなら」と入れた結果、何とかかけました!
 ただ・・・一つお願いが。時系列は全く考慮しないで書いていますが、気にせず読んでいただければ幸いです。


   
 今回はいつもの気に入った〇〇はなしで、スタートです!久しぶりに力を入れて書きました!
  

  


アストレアファミリアと付き合ったら?(ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか?)

 アストレアファミリアの一人である私・狡鼠が二つの名のライラにとって、あのスケベ・・・ヨコシマへの第一印象はこうだ。

 

 『こき使いやすい男』

 

 アタシ達のファミリアの面々とヨコシマとの出会いは余りにも

 

 「どんなことでもします!どんな命令でもします!どんなに低賃金でもいいです!どんなに俺の立場が底辺でも構いません!どうか!どうか皆さんのような美女の中に俺を入れて下さあああああいい!」

 

 笑えた。団員全員が女の中に居たいという欲望丸出しにしながら、めちゃくちゃ情けない顔と必死な姿に私は色々使えると思った。

 「ライラちゃんって優しい女の子だよね。よっぽどつらいことを潜り抜けたと思うけど・・・皆のためにいろいろやっているんだから。俺もよく貧乏の時は必死やった!食べれそうな草と勝手に判断して食べたら腹壊したり・・・給料がめっちゃ低くてぎりぎり過ぎたし・・・うう、本当につらかった」

 私がダンジョンでスライムをこいつに飲ませようとしたときに、横島はいやいやな顔をしながらもそんなことを言ってきた。自分の行いを思い出して自爆したけど、私の過去なんてひどいの一言に尽きるからこいつに話したことがないのに・・・。

 もしかしてコイツもひどい過去を持っているというのかしら?覗きやナンパや抱き着こうとするこのスケベが?そういえばファミリアの皆も口説かれたことあったのかしら?それで全員に聞いてみたけど・・・驚いた。確かにファミリアの皆もヨコシマからナンパをされたことはあるが、最初の一回だけでそれ以降されてなければ、今でも受け続けていていれば・・・むしろ優しくされて少し気になっているというのがだった。

 「女の子と買い物なら喜んで荷物持ちになります!うううおおおおお!デートじゃああああ!」

 ヨコシマは馬鹿みたいに喜んで荷物持ちになってくれるし、めっちゃ拠点の掃除がうまい上に全然文句を全然言わないから・・・ますますこき使いやすい!スケベなのは痛手だけど、それを上回る性能の良さがある!手放すのは惜しいからこのままいてもらいましょう。

 でも不思議なのはどうして女好きと自分で豪語しているのに、あんなに距離感を持とうとするのかしら?多分、アストリア様当たりなら気付いているかもしれない。ヨコシマがそんな矛盾していることに。

 その矛盾をしている理由を知ったのは・・・かなり後だった。

 

 

 

 アストレアファミリアで大和竜胆の二つ名を持つ、私ゴジョウノ・輝夜が邪・・・もといあの入団したい時の間抜けなヨコシマを見て最初に思ったのはこれでした。

 

 『弄りがいのある男』

 

 でも、ある会話をしたときにその印象がすぐに変わった。何故なら、私はいつも通りに上品を演じて話をしていると、

 「輝夜さんのそれって、猫かぶっているだけでしょ?俺の前の上司の方がもっとすっごい猫がぶりな笑顔をいっつも見せていたからよくわかる!しっかし!ああもう!乳知り太ももが美味しそうな余り騙されるんじゃ俺!」

 ヨコシマは私が仮面をかぶっていることにすぐに気付いた。こいつの上司の方がもっと猫かぶった顔をしていてそれをいつも見てみ慣れていたから分かったらしいが・・・まあ、猫かぶる女はオラリオにはまだまだいるから特に驚かない。変なことも言っていたが、ぱっと見で私を見抜いたのはこいつが初めてだった・・・。それ以降、時々いろいろ弄っても、特訓と称して叩きのめしても、

 「うふふ、横島って叩きのめされるのが素敵ね」

 「本当ですか!ありがとうございます!うおおおお!褒められたああああ!」

 「(・・・本気で嬉しがっている。完全にバカにした言葉なのに)」

 「輝夜さんも猫かぶっている顔じゃなくて、そんな楽しそうにする顔も素敵です!」

 時々ドキッとすることを言ってくるあいつに、私は目が離せなくなってきている。

 「それにしても、あなたって変なやつね。ヨコシマ」

 「そうよね」

 だが、この時の目を離せなくなるのは、

 「ぎゃああああああ!お助けええええええ!」

 「よくもよくもよくもおおおおおお!!」

 バカで面白いことをよくやるからだ・・・現に新しく入ったエルフのリュー・リオンの裸を覗こうとしたが失敗して無様に逃げるのがまた面白い。他人の不幸は蜜の味、ヨコシマの無様は気持ちいい・・・あら?誰かしら?私が欲求不満と思ったのは?

 覗きと言って思い出したけど、そういえば横島ってナンパも覗きも全部失敗続きよね・・・あいつも結構気配を消したり、猫かぶることだってできるんだから、一回くらい成功してもいいのに?

 何故失敗をし続けているのか・・・それを知ったのは結構後だった。

 

 

 

 アストレアファミリアの団長、私アリーゼ・ローヴェルはヨコシマに抱いた最初の印象は・・・正直、

 

 『私に似ている人』

 

 これだった。彼はアストレア様に拾われ、女だらけの私達を見て邪満載の言葉を顔を見せてきた。他の団員たちは各々苦い顔や輝夜やライラは・・・間違いなくこき使いまくってやるという顔をしているわ。

 だけど、私には・・・から元気にしか見えなかった。なんていうのかしら?考えすぎ?ううん、そうよね!まだ初対面だし、ここは私が前に出ていかないと!ファミリア初の男なんだし!

 その後、アストレア様にどうしてヨコシマをファミリアに誘ったのか聞いた。実際はアストリア様の体に興味満々で後をついてきたらしいけど、

 「話をしたときに分かったの・・・あなたに似ていることに」

 どうして、私とヨコシマが似ていると思ったのかはこの時はわからなかったが、その言葉が自然と頭の中に残ってヨコシマを目で追うようになった・・・だって、アストリア様とまさか同じ考えだったんだから。

 そして、横島はあることをやらなかったことに私は驚いた。それは・・・アストレア様の「恩恵」を彼は受けるのを拒否したことだ。アストレア様も拒否されたことには驚いたが、その理由を聞いてもはぐらかされて結局何で受けなかったのかは誰も知らない。だけど・・・はぐらす時に一瞬だけど見逃さなかった。ヨコシマの顔に生気がなかったことに。

 とにかく、オラリオの街だけじゃなくヨコシマも一緒にダンジョンに行くようになったので、恩恵を受けずにダンジョンに行くのは自殺行為だと何度も説明をした。

 「逃げ足は自信がある!」

 現に何度か死にかけたこともあったので恩恵を受けるよう言った。

 「ふ!死にかけたことは何度もある!」

 どうしても、受けるのを拒否するから同行を拒否することもした。

 「荷物持ちとして逃げ回るから問題ない!」

 結局、私や皆の心配を無視してヨコシマは恩敬を受けようとしなかった。しかも、彼は主に戦いよりサポーターとしての役割が多く、前線に立って戦うタイプではない。余計にダンジョン内は戦う力がないといつ死ぬかわからないのに。

 そして、恩恵を受けない理由を知ったのは・・・ギリギリを乗り越えた後だった。

 

 

 アストレアファミリアの主神の私アストレアが見たヨコシマ・・・驚いた。初対面の男性に最初に抱いた印象が、

 

 『生きているのが不思議な人』

 

 これだった。彼を見つけたのは本当に偶然だった。今までダンジョンで亡くなった冒険者達の魂に来世では幸せを手に入れてください・・・という思いから冒険者たちの墓に行ったときに見つけた。だけど、誰かの墓に祈っていたとかではなく、

 『・・・ない』

 呆然と誰かの墓を見て、なぜ自分が生きているのか。と生きる気力が全くない状態だった・・・その印象から放っておけなくなった私はヨコシマを拠点に連れ帰り、初めてとなる男の団員とした。入団後は一気に変わって欲望満載の顔で私や団員達の体を見てくるようになったり、私達の乳尻太ももが見たい!なんてお風呂に一緒に入ろうとしたり、ガネーシャファミリアの人達にヘルメスと一緒に女風呂を覗いて追いかけ回されたことをしていた。団員たちは「またヨコシマか」とあきれたが、初めて見た顔を忘れられない私は、ヨコシマの持つ空気が、雰囲気が、とても痛々しく見えた。

 そう・・・初めて会った時のアリーゼみたいに。自分の考えと行動が本当にあっているのか?自分のやったことで相手を傷つけていないか不安になる。アリーゼの時は眷属が増えて皆から支えられたからこそ、そのトラウマを乗り越えられたけど・・・彼は違う。皆にちょっとセクハラまがいな発言と動きをして、

 「ぐぬおおおおお!だが俺は諦めん!アストリアさんもアリーゼさんも輝夜さんも皆を俺の女にするんじゃああああ!」

 と言って血涙流す彼に皆で突っ込みを入れる。正直引くに値する行動だけど、皆は口では「バカじゃないの」「よく飽きないよね」「毎日言っているわ」とか言うけど、不思議と嫌悪感は持ってない。それは本気で言っているけど無理やりな行動をしないから、適度な距離で接しているから。

 これが普段の彼の行動・・・仲間としての行動をするけど、深入りはしない。皆と仲よくするけど、仲良くなりすぎない。そして、覗きは「男の本能が湧いを動かしているですううう!」といって、やめようとしない。

 もしこれが・・・

 

 『いつでも、自分を追い出していいです』

 

 という行動だとしたら?一人でいるのはつらいけど、俺という存在が嫌なら追い出してくださいというポーズをとっているのだとしたら?私の『恩恵』を受けないのはそのためだとしたら?アリーゼと違うのはここだ・・・仲間を大切に思うけど、自分のことを大切に思わない。そう・・・彼の持つトラウマがあまりにも深すぎて、それこそ自分の命すら。

 その懸念を私は気のせいと思うことにした・・・だって、自分の命を軽く見ているなんて考えたくないから。

 そう・・・信じることにした。

 

 

 そんな彼女達と横島は暗黒期と呼ばれる最悪の時代を何とか乗り越えた。その中で一つ大きな手柄を立てたが、暗黒期の中でオラリオを最悪の事態に陥れた邪神エレボスを、

 

 「てめえのようなイケメン何ぞ、いなくれえやごらああああああ!さあ、美女達よ俺の歌を聞けえええええ!そして、好感度急上昇間違いなしの俺に惚れてくれマジ頼みます!」

 「な、何者だ!貴様、というか、何だその言い分は!」

 「さんざん俺の女達(オラリオの女達)を傷つけやがってくれたな!美女美少女を守って、彼女らとイチャイチャするのが俺の正義じゃあああ!・・・まあ、多少の(文珠で治してあげた時の)好感度アップにはなったからちょっとだけ感謝しといてやる」

 「ふざけた正義を持つ貴様が「ドやかましい!さっさと、消えんかホモペド野郎!!お前がこんなにオラリオを滅茶苦茶にしたのって、どさくさに紛れてロキファミリアにいる団長のフィンを手籠めにするためだろ!」・・・は?」

 「分かっているんだぞ!小さな男の子を性欲の対象にしていることくらい!そして、その代表格であるフィンに欲情していることくらい!だから」

 「バカらしい!そもそも誰がそんな「フィンは私が守雄オオオオオオオる宇うううう!!」」

 「「・・・え?」」

 

 え~っと、一端ナレーションは中断して・・・横島お得意の嘘でたらめで相手の評判を下げるやり方をやったのだが、「エレボスのフィン手籠め計画」という嘘をそのフィンを熱愛求愛している同じファミリアのティオネがマジで信じてしまって、言語をある程度崩壊しながら一体どうやって来た?と思えるくらいにいきなり現れて、アマゾネスの力を存分に引き出して渾身の一撃をエレボスに入れた。

 エレボスと同じように驚いた横島はすぐに

 「そうだ!ティオネさん!フィンの体を弄んで尻のあの穴に突っ込もうとするコイツをぼこぼこにするんだ!」

 更なる嘘で彼女を激怒させ、

 「私の拳が真っ赤に燃える!フィンを守るために、あんたは私が裁く!ばくねええつう!オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!ふぃいいいいんんがああああ!!」

 「(何か熱血系ガン〇ムなパイロットと空条〇太郎がごっちゃになってるけど・・・まあいいか!)」

 「フィ~~~~ン!あなたのお尻は私が守ったわあああああ!」

 

 ここで邪神エレボスを、の文章に戻すとして・・・とにかく、ティオネの爆熱オラオラな拳で天に強制送還させてしまった。横島が放った嘘でその場にいた皆が「え・・・あいつってそんな神だったの?」という感じで見られたエレボスがちょっと哀れと思えるくらいの消され方でもあった。

 因みにこれでもかっていうくらいに悦びの声で最後のセリフを言ったので・・・

 

 「決してティオネを怒らせないようにしよう」

 

 突然いなくなった彼女を追って彼女の妹ティオナと一緒にやってきたフィンは顔を青ざめながら、今後の彼女への対応を考えることにした。因みに、エレボスは強制送還後でも横島のあの発言が原因で小さな男に欲情するやばい邪な神とみられるようになったらしい。

 

 

 

 ここで一つ作者からのお願いです・・・作者は原作の時系列を全く理解しておりません。よって、この時にロキファミリアのメンバーに彼女らが本当にいたかをマジで知りません。もし、いないのでしたら・・・本当に申し訳ございませんでした!この時からいたという考えで読んでいただけると幸いです!

 

 

 

 暗黒期はその後、生き残ったファミリアの皆で闇の派閥『イヴィルス』は殲滅して終わりを迎えたと思ったが・・・まだ、水面下ではひそかに活動をしていた。

 そして・・・二年後にダンジョン内で闇の派閥に属しているルドラファミリアの罠によって、アストレアファミリアの絶体絶命となったジャガーノート戦となった。ルドラファミリアは一人逃亡して後は全滅して、命がけで戦うアストレアファミリアは・・・

 「皆!まだ生きてる?」

 「ああ、無事だよ・・・ただ」

 「やばいくらいに疲弊している」

 「このままじゃ・・・」

 かろうじて皆は生きていたが、疲労が隠せてなかった。

 「それにしても、ヨコシマのお守りがここまで効くとは」

 「感謝するよ、こいつのおかげで生きていると言ってもいい」

 「・・・正直言って下手すれば半分は死んでいたはずだから」

 ヨコシマは暗黒期で死にかけた皆を見て、皆にお守りを作ってそれを渡していた。首にかける程度なので邪魔にならないし、あの経験をした彼女達もそんなヨコシマのお守りを捨てたりせず全員身に着けていた。そして、そのお守りが時々光って皆を守っていたのだ。これがなかったら、ライラの言う通りジャガーノートにやられてルドラファミリアのように全滅していたはずだったのだ。

 「皆さんが生きているなら何よりです!」

 ヨコシマも一緒にこの場にいた。

 「まさか、あんたに助けられるとはね」

 「戦えるなら先に言えばもっと前の段階でこき使えるのに」

 「皆!まだ生き残れる可能性はあるわ!もうひと踏ん張りよ!」

 だけど、その全滅が徐々に現実になりつつある状況だ。

 

 暗黒期の時はオラリオの街でやっていたからこそ、ロキや他のファミリアと戦える者がまだたくさんいたから横島はあくまで裏方に徹していたが、ジャガーノートほどの強敵を前でダンジョンでは逃げ場所が限られるため、じりじりと肉体・精神的に追い詰められやすい。サイキック・ソーサーや栄光の手は元々使っていたがあくまで防御専門にしてであり、攻撃専門の霊波刀や万能な文珠は控えていた。暗黒期に重傷を負った彼女らも文珠で治した時も、文珠の存在に気付かれないように治したのでばれなかった・・・ただ、アストレアにはさすがに事情説明しないといけなかったため彼女にはこの時点で文珠の存在はばれている。

 ヨコシマが戦わないのは自然と使ってしまう文珠が他のファミリアにばれる可能性が高いからだ・・・何しろ、一個でヘスティアの持つ借金の約半分は返せるであろう金ができるのだから。←このダンまちの世界では、文字で漢字がないから大丈夫では?とお思いの読者の皆様。ここではちゃんとこの世界の文字でも作動するご都合主義になっております。

 

 話を戻し、アリーゼの一声でも団員の皆の顔色が優れない。今まで誰も死んでないのは奇跡に等しいのに、生き残れる可能性がまだあるという更なる奇跡があるなんて思えないからだ。

 「聞かせな、その可能性を」

 「それに賭けるよ。皆もそれでいいね!」

 輝夜とライラの言葉に皆もそれしかないと覚悟を決めて頷いた。そして、アリーゼは自分の全力の攻撃とリューの全力の魔法でジャガーノートを倒すという作戦だ。この二人の攻撃は確実に与えないといけないので、外すわけにはいかない。残った皆にジャガーノートの意識を二人からそらさせるために戦ってほしい・・・この作戦は本来なら何人かの犠牲者が出てもおかしくない。

 「防御なら俺に・・・じゃなくて、俺のお守りに任せろ!もしうまくいったら、皆さんと混浴させてくださいいいいい!」

 だが、ヨコシマのお守りが高い防御力を持っていることが証明されている。そのお守りの力で彼女らを守るといったものだ。

 「ふん、無事帰ったら・・・毎日混浴してやるよ」

 「この戦いで重要なのは、高い防御力を持つあんたのお守りだ。結構使ってきたけどまだ大丈夫なのか?」

 「もちろん!存分に使ってくれ!」

 「よし!それなら皆作戦に入るよ!」

 「「「「「おおおおお!」」」」」

 皆の気合が入る。生き残る可能性を掴むためにファミリアの皆の思いが一つになった・・・いや、

 

 

 「(・・・これで、いい。そう、これで)」

 

 

 横島だけは・・・辛い顔をしていた。

 

 

 

 アリーゼの作戦は・・・彼女が攻撃を入れたところまではよかった。だが、ジャガーノートが危険と判断して後ろに飛んだところで、

 「ああああああああああ!!」

 リューの魔法が放たれてしまった。ジャガーノートは魔法の範囲外まで撤退してそのまま姿を消した。リューは放った直後に気付いた・・・このままではファミリアの皆が魔法を食らってしまう、死んでしまう、消してしまうと。そんな恐怖の叫びだった。

 だが、

 「ああ、ああああ、み、皆あああああああ!!」

 「リュー、よくやったわ!」

 「みんな無事だよ!」

 「倒せなかったが、撤退させたんだ!」

 「「「「リュー!ありがとう!」」」」

 彼女らは全員無事だった。皆が生きていることに驚きながら喜びの叫びを出すリューに皆が駆け寄る。抱き着く、生きている喜びを分かち合う・・・・・・だが、

 

 

            ドサ!

 

 

 そんな音が聞こえて彼女らが音のする方を向くと・・・横島が倒れた音だ。

 「どうしたのよこ!!み、皆早く来て!!」

 アリーゼが近寄ると、目を見開いて急いで皆を呼んだ。倒れている横島の体のいたるところから血が出ていた。そんな彼女の叫びに皆が近寄った時に、

 「み、皆・・・いる、な」

 「!!何も言うな!」

 「というか、何でそんなボロボロに!」

 仰向けになった横島は全員が自分の周りにいるのを確認し始めた。血まみれになって言葉を出す横島に皆が驚き、輝夜とライラはしゃべらせないようにする。ちゃんと全員が自分を囲んでいて一人も漏れがないのを確認し終えると、一個の文珠を上に掲げた。

 

            『脱』

 

 横島とファミリア全員が光に包まれ・・・ダンジョンから姿を消し、

 「・・・え!ここって?」

 「ダンジョン、入り口?」

 「オラリオに、戻ってきた?」

 「「「「「も、戻れたああああ!!生きて帰れたああああ!」」」」」

 脱出に成功してダンジョン入り口前に転移した。いきなりオラリオに戻ってきたことに困惑をするアリーゼ・輝夜・ライラだが、他のメンバーは無事に帰れたことに抱き合って涙を出し合って生を実感する。

 「皆!よ、よかった・・・」

 アストリアが彼女達を心配していたのか、入り口前にいた。突然現れたことに驚いたが、全員生還したことに喜んだ・・・しかし、その喜びも

 

 「よか・・・た」

 

 横島が血を吐いて意識を失ったことで、一気に悲劇に変わった。

 

 

 

 

 結果として・・・すぐに治療するためにディアンケヒト・ファミリアに担ぎ込まれた横島は、

 「す~~~す~~~」

 ギリギリのところで助かった。

 「・・・本当によかった」

 「だが、どうしてヨコシマだけ瀕死に」

 「そもそも、どうしてオラリオに・・・」

 横島が生き残ったことに安堵するが、疑問も残る。病院には肉体の疲労・精神の摩耗などで他の団員も疲弊しきって別室で数日の入院を余儀なくされて、今は安心して寝ている。今横島の病室にいるのはアリーゼ・輝夜・ライラとアストレアの四人だ。

 「・・・やはり、こうなってしまいましたか」

 「どういうことですか?」

 「まるで、ヨコシマが重症になることがわかっているみたいじゃないですか」

 「ヨコシマがこうなることを知っていたのですか!!」

 アストレアの一言にライラ・輝夜は疑惑の目を向け、アリーゼは声を荒げて彼女を見る。

 「ええ、いつか・・・死ぬかもしれない。そして、本人もそうありたいと」

 「「「な・・・」」」

 絶句する三人。横島が死にたいと思っていた・・・そして、アストレアは語る。本当なら自分の胸の内に秘めようと思っていたことだが、この三人は知るべきだと判断したためだ。

 「皆さんにこれを渡したあたりから、行動に移していたのでしょう」

 「お守り・・・高い防御力を持つやつですよね」

 「ダンジョンで皆が生き残れたのはこのお守りのおかげといってもいいわね」

 「それを渡すことがどうしてヨコシマが死ぬことに関係するのですか?」

 アストレアが見せたお守りに反応する三人は、まだ疑問だった。因みにこのお守りはアストレアの分なので、団員の誰かから借りたというのではない。

 「この中に小さな珠があることに気付いてましたか?」

 「ええ、それが何か?」

 三人は自然と首にかけているお守りに手をやった・・・だが、そのお守りのからは珠の感触はない。あの戦いで壊れてしまったのだろうと三人は思った。

 「・・・今から話すことは絶対に口外してはいけません。私達四人だけの・・・他の団員にも秘密です」

 「そこまでのものだったのですか?」

 「はい・・・その珠は文珠というものです。その珠は念じて入れた文字の効果をそのまま使えるというものです」

 「な!それってつまり火という文字を念じて入れれば火を出せるということですか!」

 「その通りです。私も彼から聞いたときは驚きました・・・光を入れれば光を放ち、氷を入れれば辺り一面を氷漬けに出来、更に治すを入れれば傷やケガを治すことができます」

 「じゃ、じゃあ・・・ヨコシマが助かったのって」

 「そうです。私がもらったこのお守りの中の文珠に入っていた文字を『治』すを変えて、瀕死だったヨコシマを治したのです。ただ、完治とまではいかなかったからこそ彼は今も眠り続けているようですが」

 「万能じゃない・・・恩恵無しでそんなのを持っているなんて」

 とても信じられないが、文珠の効果は目の前で見た・・・そして、彼女らはこの時に二年前のあのイヴィルスの戦いで他のファミリアやただの住民は犠牲者が出たのに、自分達はケガが全くなく無事だったこと・・・もし、あの時横島がこの文珠で治していたのだとしたら・・・それが頭によぎった三人。そして、彼女らは今のアストレアの話にはどうしても解明しないといけない部分がある。

 「先に文珠に入っていた文字・・・それは何なのですか?」

 「「教えてください」」

 彼女はこういった。入っていた文字を治すに変えて・・・と、自分達の持つお守りの中にあった文珠にも文字が入っていたはず。

 「そして、防御力が高いお守り・・・これはそういう効果ではありません」

 悲痛な顔でアストレアは話した。

 「入っていた文字は私も分からなかったですが・・・ヨコシマのこの状態を見て考えられるのは、受けたダメージを他所に送る効果だと思います」

 「よそに、送る?」

 「はい・・・団員が受けたダメージや痛みを誰かに送って、その誰かが受け取るのがヨコシマが入れた文字だと思います」

 「まさか・・・私たち全員分のダメージを、ヨコシマ一人、が受けてた?」

 「ですので、私達のお守りの中の文珠の中の文字は「送」るで、ヨコシマがこっそり持っていた文珠の文字は「受」けるだと、思います」

 「な・・・まさか、リューの魔法で皆が無事でヨコシマだけこうなったのって!」

 震えが止まらないアリーゼ。いや、輝夜とライラも同じだ。たった一人で皆の盾となってあの魔法を受け止め切ったということになるのだから。いや、あの魔法だけじゃない・・・お守りをもらったその時からずっと横島は体を張って、命を張って、自分達を守っていたことになる。

 

 種明かしをすると・・・アストレアの推測は正解である。『送』の文珠を入れたお守りからリューの魔法が横島に送られ、『受』の文珠を持った横島が魔法を受け止めることになったのだ。その魔法の威力で全て横島に魔法が移動した後、彼女らの持つ『送』の文珠は破壊して横島の方も『受』が破壊した。

 本当はその魔法で横島は死ぬはずだったが、予備で『治』の文珠をこっそり一個持っていた。途中で死んで守り切れないようにするためである。リューの魔法で死にかけるギリギリでその文珠を発動させたため死ななくて済んだ・・・それでも、魔法が終わらない中で使ったためその後も受け続けることになったのでギリギリだったが。

 

 横島がこうなったのは、自分達が受けた攻撃を全部横島に送られていたから。横島はそれを気づかれないように、いつも馬鹿なことをしていた。

 「こうなってしまった以上・・・あなた方に話すべきだと思い、話すことにしました」

 アストレアは不安が現実になってしまったことに苦悩しながら、三人に話した。

 

 ライラは横島が矛盾をしたことをやっている・・・それがいま理解できた。

 「(こいつはずっとこうありたかったから、死にたかったから・・・死にたくても死ねない。死にたいと願っても実行できない・・・(こぶしを握るライラ)・・・だったら、他の人を守って死ねばいい。そんなひどい考えを持っていたから)」

 横島の精神がボロボロだったから、生きようとしないで生きるから矛盾していたのだと理解した。

 輝夜はナンパや覗きをいつも失敗する・・・それの理由が分かった。

 「(自分を・・・苦しめるために。自分を追い詰めるために・・・自分がいつでもいなくなってもいいようにするためにあんなことを・・・(歯ぎしりを鳴らす輝夜)・・・していたというの)」

 ひどいことをしていれば、邪魔者と認識できる。だから、いなくなったとしても邪魔者がいなくなった。と皆が思う。横島が失敗するのはそういう認識にさせるものだとわかった。

 アリーゼは横島がアストレアの恩恵を受けない理由・・・それを納得できてしまった。

 「(ヨコシマは、決めていた・・・私達を守って死のうと。そのためなら命を捨てようと。もし、恩恵を受けたら彼はアストレア様の力を受けて守ることになる。死ぬなら何もないところで一人で・・・寂しすぎる。何で、どうして、ファミリアの皆を・・・(涙を出すアリーゼ)・・・皆が、大切だから。命以上に大切だから)」

 恩恵を受け取ってしまったら、守られることになる。横島はそれをされたくない。自分が守り続けて・・・最後まで守ってから死ぬ。それが望みなのだと。文珠の効果を知って・・・納得してしまった。

 

 三人にアストレアが頭を下げる。

 「本当にごめんなさい・・・彼から文珠のことを聞いてから、この可能性があると思っていたのに話さなくて」

 「私達だって、謝る立場ですよ・・・ヨコシマを、ヨコシマがそんな悲痛な気持ちを持っていたのに」

 「ふざけないでほしいわよ・・・私達はそんなに頼りなかったと言いたいの」

 「悔しいな・・・こいつが一番頼りがいになるやつじゃないか」

 三人は首を横に振って、自分達が横島を甘い考えで見ていたことを認識した。

 

 

 数日後・・・まだ横島は目を覚まさないのでそのまま入院中だが、他の団員は無事退院出来て皆で拠点に戻ってきた。そこで、アストレアは

 

 「ファミリアの解散をします。皆さんは正義を捨てて、皆さんの思いで生きていくのです」

 

 アストレアファミリアの解散を宣言したのだ。団員たちは驚きを隠せないが、アリーゼ・輝夜・ライラは頷いた。三人の行動に驚く団員たちだが、

 「私達は私達の道を決めなければならない。冒険者を続けてあの死にかける思いをまたするか」

 「それとも他の道を見つけて、その道を進むか」

 「私達はもう決めた。皆も決めるんだ・・・困ったときは声をかけな」

 彼女達は横島を守るために、彼女達を守るために、この宣言を撤回させなかった。だから、団員達もそれぞれの道を歩むための言葉を言った。

 団員たちは各々の道を歩む道を歩きだした。アリーゼ・輝夜・ライラは病院に戻って

 「ヨコシマ・・・早く目を覚まして」

 「混浴してあげるって約束をしたのよ。ちゃん起きるわよ」

 「そうそう、待ってやろうぜ」

 ヨコシマの病室に戻り、扉を開けると

 

 

 

 

 「いや~~!あなたに助けられてぼかあ!ぼかかあ!光栄ですううう!!このお礼は、俺の体で払わせていただきま~~~す!!」

 

 

 

 そこにはいつもの横島が様子を見に来た看護婦らしき女性めがけて飛んでいた。その光景に

 「「「何やっているんだあああああ!!」」」

 「ぐべぼぎぇぎょへがああああ!!」

 笑顔で渾身の力を込めてぶん殴った

 

 

 その後、

 「え、えっと・・・その」

 「どうしたの?約束したじゃない」

 「そうそう、光栄に思うといいわ」

 「ほらほら、ちゃんとこっちを見ろよ」

 横島はびくびくしていた。何故なら、あの後横島を即退院させた三人が元拠点に連れ戻して・・・約束通り、本当に混浴しているのだ。

 「お、お願いですから。出させて」

 「あはは、まさか横島ってこんなに奥手だったなんて」

 「初めての発見ね・・・ふふふ、とことん楽しめそうね」

 「裸みたいと言いまくっているのに、見せたら見せたでこの反応は確かに面白いな!」

 混浴して混乱して混雑して・・・横島は縮こまってしまい、それを見て笑う三人。

 「混浴したいと言ったのは確かですが!どうしてこんなにあっさり受け入れられるんですか!」

 ここまで受け入れる三人に耐え切れなくなった横島はついに質問をした。そんな質問に三人は顔を見合わせて、

 「決まってるでしょ・・・あなたを守りたいから。あなたと、ずっと一緒に居たいからよ」

 「私達は決めたんだ。お前を絶対に離さないって」

 「だ、か、ら、覚悟決めちゃいな!私達はできてるから!」

 笑顔で・・・横島に抱きつき、

 

 

 「「「(((ヨコシマ、そこまで自分を苦しめるのかは今はわからない。でも、必ずいつか話してくれるよね。話してくれるまで・・・いいえ、話してもずっと離れない。絶対に・・・・・・逃がさないから)))」」」

 

 

 三人はそんな想いを持って、アリーゼは唇に輝夜は左頬にライラは右頬にキスをした。

 

 

 

 

 

 

 ・・・だが、皆が皆アストレアのあの言葉をいい意味で聞き取れるわけじゃなく、

 

 

 「(みんなが助かってよかったけど・・・許せない。絶対に・・・許せない。罠を仕掛けて、私達を殺そうとした連中、私達ファミリアを引き裂いた・・・闇派閥。絶対に一人残らず殲滅してやる!そして、アストレア様やアリーゼや皆は、私が守る!)」

 

 

 危うく仲間全員を殺しかけるところだった一人のエルフは、悪い意味で聞き取ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 五年後、そのエルフは久しぶりに三人と会った。アストレアはオラリオを離れ、元団員達もオラリオに残ったり別の街へ行ったりと、自分の道を歩んでいた。ただ・・・そのエルフが五年の間でかなり危険なことをしていることを聞いたが豊穣の女主人で働くようになったのを聞きひとまず安心していた。その中で突然の訪問なので、

 「久しぶりね・・・どうなの?」

 「はい・・・」

 それなりに真剣な気持ちで尋ねることにした。

 「どうしたの?悩み?」

 「・・・はい」

 「あなたらしくないわね。いったい何があったんだ?」

 「あの、その・・・あの」

 エルフは三人に悩みを持ってきた。その悩みを言うのに躊躇う・・・その顔はどんどん赤みを増していき、意を決して言ったときには、

 

 

 「わ、私は・・・ある事件がきっかけで四日ほどある男の人とずっと二人だけだったのですが・・・その男の人の顔が全く見れなくなるくらいに恥ずかしくなるのです!顔を見ようにも背中を向けてしまい、胸の高鳴りがどうしても止められなくて、何か話そうにも全然言葉が出ないくらい頭が真っ白になってしまって!いったい、いったい・・・私はどうすればいいのでしょうか!」←この男性は・・・当然誰かはわかるよね。

 

 

 完全に恋する乙女の顔になっていた。それを見て、きょとんとしてしまう三人。そして、思わず吹き出して笑ってしまう三人。三人・・・アリーゼ・輝夜・ライラは「そんなの簡単よ」「やることは決まっているわ」「分かりやすいな~」そう言いながら、一回部屋を出て・・・すぐに戻ってきた。そして、

 

 

 「「「その男を・・・絶対に、離しちゃだめよ」」」

 

 

 笑顔でそう言った・・・そんな三人の腕の中には赤ん坊が眠っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 因みに赤ん坊の父親と思われる頭にバンダナを巻いている人物は、

 「う、う・・・たす、け、て」

 違う部屋のベッドで力尽きていた。部屋の壁には『目指せ!合計十人!』という張り紙があった。何が十人を目標にしているのかは・・・まあ、お察しの通りです。死にたがっていた男が今でも生きている当たり、生きる意味を見つけたのでしょう。




 この三人にした一番の理由は、恋愛話がまるでなかったように見えたからです。本編ではいろんなキャラが好き好きな話を出してますが、過去話の彼女らにはそれがないように思えたから今回本編外になるけど、この三人にしました。リューはさいごのこの初心っぷりとポンコツっぷりを出したかったのでヒロインから外しました。

 今回の横島が死にたがりになったのは、いつもの横島ではこの三人の心を掴めないと判断したためです。どうしてそこまで・・・そこから三人が横島を死なせないで傍を離れないでいるうちに愛し合う関係になる。そんな終わり方にしてみたかったのも理由の一つです。




 次回は・・・う~ん、どうしようか?
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