横島忠夫、〇〇〇〇と付き合ったらどうなる?   作:一日三食MEN

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 今回は俺の妹がこんなに可愛いわけがない、です。でも・・・正直自信ないな。こちらは前話のリリカルなのはよりキャラを知らなかった。

 設定
  内容は原作無視の完全オリジナルです。
  とりあえず、ヒロインの性格もあまり知らないので半オリジナルみたいなところがあると思います。
  住んでいるところは彼女のマンションです。
  原作主人公はちょっとハーレムっぽい環境にいます。

 では、どうぞ!


沙織・バジーナと付き合ったら?(俺の妹がこんなに可愛いわけがない)

 「よこっち。それも持ってね~」

 「お、おうよ!美少女の頼みなら、どんなことでもやったる!」

 「兄貴。これら、落とさないでね」

 「無理があるだろ!こんなに持たせて!」

 ここはとある店の中。そこには男女二人ずつの計四人が話し合っている。

 「きりりん。こっちのゲームもいいじゃない~」

 「いいえ。沙織さん。こっちも捨てがたいわ!」

 手に持っているのはR18ではないギャルゲーだが、二人が持っている籠の中の何個かのゲームにはそれが入っているギャルゲーがある。しかも、女子は二人ともぐるぐる眼鏡に地味なトレーナーにジーパンで野球帽をかぶっている。デートと言うより、ちょっとした集まりくらいにしか見えない。しかも、会話も結構オタクと言ってもいい内容のため、

 「なあ、京介。俺らって、どんな目で見られてるんだろうな?」

 「・・・オタク集団だろ」

 内容に盛り上がっている女子二人・高坂桐乃と沙織・エジーナを遠目で見る横島と高坂京介は苦笑いしながら壁に寄り掛かった。

 

 

 横島はあの公園に降りた時、ある二人の喧嘩を目撃した。それは、高坂兄妹の喧嘩だ。

 「あんた、いい加減にしなさい!」

 「お前こそ、妹なら少しは話聞け!」

 「聞く必要なんてないわよ!」

 「そもそも、お前の不注意だろうが!」

 こんな怒鳴り声が聞こえてきては、落ち込んでいた横島の気にする。そっちの方に視線を向けると、結構間近で口論していた。

 「何で、お前がこんなゲームを持っているのか聞いてるだけだろう!」

 「だから、秘密って言ってるのよ!それ以上、聞くな!」

 京介が小さな小包を高々と持って聞いている。そして、桐乃がそれをとろうとしている。ただの兄妹喧嘩だが、それがある姉妹喧嘩を横島に思い出させた。

 

 『ルシオラちゃんのわからずや~~!!』

 『パピリオ!お願い、待って!話を聞いて!』

 

 元は自分が原因と言ってもいいかもしれない、敵だったルシオラと恋人になりたいがために味方に引きずり込み、ともに連れてきた彼女の妹のパピリオが文句を言いながらひきこもってしまったあの喧嘩に。それを思うと仲直りさせたい気持ちがわいた。そこに、

 「「あ!」」

 うつむいて座っていたところに、京介が持っていた小包が手から離れまるでお約束と言わんばかりに横島の頭に当たった。しかも、見事と言ってもいいくらいに角の部分が後頭部に勢いよく当たり・・・

 

 『しばらく接触は全面禁止にします!』

 

 あの姉妹喧嘩の後にルシオラにキスしようとしたら、そんなことも言われたな~~。と思いながらそのまま倒れた。その姿を見て二人は顔を青ざめたが、いつも通りに「死ぬかと思った」で復活して二人とも心からびっくりした。しかも、桐乃が京介の背中に回って怖がり、京介も妹を守ろうとする姿も見られた。横島の喜劇のおかげで仲直りできたようだ。

 その後、高坂兄妹の家に行きそれぞれ話し合いが始まった。火花を散らせる時もあったが、とりあえず横島の仲裁でお互いの主張をしあった。おかげで少しだけ歩み寄れた感謝として、この日たまたま桐乃が入会しているSNS女性限定コミュニティの「オタクっ娘あつまれー」の会員の集まりがあったので、それに横島を招待した。一応、京介も渋々招待して、自分の裏の顔での友人を見せることにした。

 「初めまして。私、沙織・バジーナと言います!」

 そこで、彼女と出会った。

 

 まず横島は立ち入り禁止にされた。その理由が

 「こんにちは!僕横島!」

 そう、彼と言えばナンパ、スケベと言えば横島と読めるこの行動力だった。京介は唖然として、

 「俺、絶対こんな奴にならない!」

 と固く誓ったそうだ・・・話を戻し、そんなことをしたから店から追い出されてしまった。

 「ふう~~これでよし。さて、どうするべきか」

 「ふ~~ん。計算通りだったのですね」

 だが、それは横島の計算通りだった。たまたまおせっかいで高坂兄妹と出会ったが、これ以上の関わり合いは避けるべきだと思い、わざとかつての自分の行動に出た。今頃、桐乃ちゃんは自分を連れてきたことを後悔していると思った矢先だった。後ろから声が聞こえたのは、

 「あなた、優しいんですね」

 「な。何を!」

 そこにいたのはぐるぐる眼鏡にポスターが刺さっている鞄を背負い、いかにもオタクっぽい姿の沙織だった。そんな彼女が横島に笑顔で言った。

 「ああやって、自分が場を濁せば京介さんが場の空気をダメにすることはないですからね」

 「・・・気づいていたのか?あの兄妹が余り仲が良くないことに」

 「きりりんは時々兄に対しての不満を書いてましたからね。それくらい察せますよ」

 まるで自分の心を見抜いたような発言に、あきらめの姿勢に入った横島。

 「でも、不思議ですね、あなたの事は一切SNSでは書かれていなかったのですが」

 「そりゃ、今日出会ったばかりだからな」

 「ふ~ん。ねえ、お兄さん。名前は?」

 「横島忠夫だよ。沙織ちゃん」

 横島をじ~~っと見る沙織。ぐるぐる眼鏡をはずした。そこにはとてもきれいな目があった。

 「あなたに興味が出ました。今度家にお伺いしてもよろしいですか?」

 「俺は・・・一人だ。帰る家は、ないよ」

 辛そうに、そして苦しそうに言う横島。普通の人なら、悪いことを聞いたと気まずい空気になりがちだが、

 「横島さん。よろしければ、私の家にきませんか?」

 沙織は、むしろそのきれいな目を輝かせた。もちろん、びっくりして、唖然として、思わず聞き返したのは言うまでもない。

 

 そして、横島は沙織の家に行くことになった。

 「このマンションが私の家です」

 「へ~~、マンション暮らしなんだ。どこの部屋なの?」

 「だから、このマンション全部が私の家なんですよ」

 「・・・・・・へ?」

 その後の話で沙織は実は大富豪の令嬢であることがわかり、その資産でマンション一棟もらったらしく、それぞれの部屋の中身が

 「おおおお!何という素晴らしい部屋だ!」

 「でしょう!わかってくれると思った!」

 ガンプラやいろんな昔のおもちゃや美少女のフィギュアと言ったので埋め尽くされている。横島も子供心はまだまだあるので、目を輝かせた。その反応に沙織も満足そうにしている。

 彼女が横島をここに連れてきた理由は防犯役である。こうしたものの中にはレアなものだってある。お金持ちの娘ならなおさらそういったものが手に入り、ネットオークションで出せば軽くゼロが五個はつくスーパーレアもあるのだ。一応、対策もしているみたいだがやはり警備員みたいな人もいてほしいみたいだが、自分の趣味を理解してくれる警備員が中々いないところに誰かの為に自分が傷つく横島を見て、彼なら大丈夫と判断してここに連れてきたのだ。

 

 

 その日から、横島は沙織と暮らすことになった。ただ、横島は、

 「(がら)忠夫~、シャワー上がったよ~」

 「わ、わかった・・・って!目の前に現れないで!」

 「え~、別に大したことないじゃん」

 「大ありじゃあああ!」

 「ぶ~~、いつもならバスタオル一枚でのんびりするのに」←洗面所に戻る沙織

 「ぐおおおおお!沙織ちゃんは中学生!ちう学生!tyuugakuseiiii!!(がんがんがんがん)」←壁に頭をぶつけまくる横島

 理性との戦いもあった。何故なら、オタクファッションで気づかなかったが彼女はとてもスタイルがよく横島好みのボンキュボンなのだ。これが高校生なら、横島も目の前で着替えや風呂覗きをしたかもしれなかった。しかし今言った通り中学生であり、しかも一人の生活に慣れているせいかこのようなことも起こるのだ。

 でも、同時に感心もした。自分であれば遊びまくっていたこの中学生という立場なのに、SNSのコミュニティの管理をして、更にあの時のような集まりでもいろんな人の様子をしっかり見て不協和音を出さないように気遣いもして、さらに金持ち感を出さないで自分の力で頑張っている。

 

 『・・・何だろう、おキヌちゃんみたいな子だな』

 

 住んでいる環境も、持っているスタイルも、顔とかいろんなものが違うが、皆を大切にしようとする気持ち。それが横島に彼女を思い出させた。

 

 

 話を冒頭に戻し、

 「「じゃ!お願いします!」」

 「・・・わかったよ」

 彼女らの決めたギャルゲーを横島が全部持って会計しに行き、彼女らと京介は先に外に出た。横島は十八歳になっているので、そのゲームを買うのは問題ない。今までいったいどうやって手に入れていたんだ?と思いながらも、買い物をした。因みにお金は彼女達持ちだ。桐乃はモデルをしていて、その分の収入もあるので買うには問題ない金を持っているらしい。

 外の出ると、

 「「(ばちばちばちばち)」」

 その桐乃と眼鏡をかけた地味そうな女子・田村麻奈美が火花を散らしていた。

 「桐乃ちゃん!お、落ち着いて!」

 「ほう、我が同類のkiri-noと互角の覇気を感じる。素晴らしい宿敵(とも)のようだな」

 「いや、黒猫。お前の言っていることまるで理解不明なんだが・・・まあ、ライバルという点では間違ってない気がするが」

 その二人を見て焦るロングヘアーの女子・新垣あやせと、逆に中二病みたいなことを言う同じロングヘアーで泣きぼくろ持ちの京介いわく黒猫と呼ばれている女子がいた。

 「京介~~、いったいどうしてこうなったんだ?」

 「いや、この二人は前からこんなだったぞ。顔を合わせるとお互いそれなりに文句を言って・・・まあ。原因が俺と言えば俺なんだが」

 「ふむ、それはいかんな・・・おおい!桐乃ちゃんに麻奈美ちゃん!」 

 「「何!」」

 「京介君が(がし)あやせちゃんと黒猫ちゃんの胸の感触に鼻の下を伸ばしているぞ~」

 「「「へ?ってあれ!いつの間に!」」」

 火花を消すために、京介を生贄にした横島。新垣も黒猫も京介の両隣にいたので、上手く腕を絡めた。三人ともいつの間にされたことに唖然とした。

 「スケベ~~!!」

 「京介君!ダメ~~!」

 「無実だああああ~~!!(ばきい!)」

 「ざまああああああ!(胸の感触は存分に満喫しないと!)」

 「忠夫さん、建前も本音もダメなこと考えてない?」

 「胸の事だけだぞ(そんなことないぞ)!沙織ちゃん!」

 両手に花(無理やり)の京介がぶっ飛ばされるのを見て、喜ぶ横島に汗を流しながら突っ込む沙織。返答もろくなことを考えてなかったことに、更に唖然とする彼女だった。因みにどうして名前で呼び合っているのかというと、一緒に住むようになってからお互い親しみを持つために名前で呼ぶようにしたのだ。

 

 

 マンションに戻ってきた横島と沙織。夕飯も終わり、沙織は自分のSNSコミュニティを開いて今日の事を桐乃や黒猫と楽しんでいる。食器を洗いながら、そんな楽しそうな後姿を見てふと思った。

 『何故、一人で生きようとしているのかな?』

 本来ならまだ親と一緒に過ごしている歳だ。よほどの事情がない限り、中学の身で一人暮らしなんて普通は考えられない。聞けば、家ではメイドやお手伝い、執事などもいるという。何故、一人を望んだのか?

 SNSも終わってお風呂に入り、お互いすっきりした時にその事を聞くことにした。

 「なあ、沙織ちゃん。一つ聞いてもいいか?」

 「何?あ、そういえば、今日は壁に頭を打ち付けなかったね。いつもなら私のバスタオル姿でやっていたのに」

 「まあ、若気の至りというか(美神さんの方がいい体してからな!)」

 「む~~、今誰かと比べてた?」

 なんとも鋭い沙織。伊達に、桐乃や黒猫達の関係を見れるだけの眼力は持っている。

 「そ、そそそ、そんなことしてない!つうか、質問したいんだからそんなこと聞かないで!」

 「・・・肯定してるね。わかった、後でゆっくり聞かせてもらうから、それで何?」

 「何か、自滅した気が・・・えっとな、沙織ちゃんって俺が来る前って一人暮らしだろ?何で、親と一緒に暮らさないで離れて暮らしているのかな~~っと思って」

 その言葉に笑顔から、真剣な顔になった沙織。

 「なるほど、確かに不思議ね」

 「まあ、言いたくないなら言わなくてもいいけど」

 「別に聞かれても構わないからいいの・・・じつはね、このマンションって元々姉さんのものなの」

 「姉さん?」

 「うん、結婚しちゃったけど・・・私は元々引っ込み思案な性格なの」

 「ふ~~ん」

 そこで語った彼女の話は姉の事だった。とても才能を持ち、彼女もまたSNSコミュニティを持っていて、たくさんの皆と楽しんでいてその中でも中心的存在で、彼女もまた親の力を借りないで大きくなれたすごい姉であること。

 そして、そんな姉を心から尊敬しているけど、同時に姉の多大な才能と人望に嫉妬もしていた。だからこそ、必死に頑張って、姉と同じSNSコミュニティで皆の為に頑張って、いつか姉を超すために努力していることとその為にもこの場所で頑張っていることを話した。

 「すごいな。俺じゃ嫉妬して終わりだけどな」

 「ううん。私はすごくない。だって・・・全部姉さんのマネなんだから。これしか、思いつかなかった」

 「いや、マネをするのも十分な手段だよ。俺だって前いた職場じゃ、上司の(強欲な)やり方を真似したりしたからな」

 「・・・ありがとう」

 横島の隣に座る沙織。そして、横島の肩に頭を乗せた。

 「今だけ、いいかな?」

 「え、ええ、ええぞ」

 汗を流しながら頷く横島。その理由は、もう着替えてラフな格好になっているためだ。今の沙織はランニングシャツ一枚だけで、下着すらとっているのだ。一緒に住むようになって、結構無防備だったがかなり今回のはやばかった。何故なら、ボリューム抜群の胸の谷間やちらっとシャツから横乳も見えた。挙句には、上目づかいで、

 

 「横島・・・今夜、一緒にいて。さみしいの」

 

 なんてことを言われれば、横島でなくても理性ががりがりに削られる。彼女は純粋に温かく包まれたい気持ちで言ったのである。

 「ががが、がががが」

 「お休みなさい」

 横島に抱き着いて寝る沙織。その顔は穏やかだ・・・だからこそ、余計に理性が削れる。

 『ぐぬおおおおお!我慢じゃ我慢じゃ我慢じゃ!こんなに純粋な寝顔をする子を汚してはあか~~~ん!しっか~~し!ワイのクイーン・オブ・ナイトメア(理性)とジャスティーンオメガ(煩悩)が戦っとる~~!!!負けんじゃねええええ!クイーン・オブ・ナイトメア!ジャスティーンオメガも負けんな~~!って、俺はどっちを応援すればいいんだ~~!』

 伊達にここで生活しているだけあって、彼女の好きなアニメなどのキャラなどをしっかり覚えている。理性と煩悩のイメージが逆に思えるが、そこは横島・・・女が正義なのである。そして、煩悩も優先したいのでどっちを応援すればいいのか大混乱中だ。

 

 『思わず言っちゃったな。姉さんの事・・・でも、私どうしてここまで言う気になったんだろうな。今も、こんなに抱き着くなんて(テレ)、ここまでなんてしないのに・・・この人とこのままいたいな』

 

 そんな横島の理性と煩悩の戦いを知らないまま、沙織はちょっと顔を赤くしながら眠りについた。 

 

 

 そして、次の日から彼女の意識が変わった。

 「きゃああああ!(どっごん)」

 「ぷげら!な、何をするんじゃ!」

 「で、ででで、出てけ~~!!」

 バスタオル一枚でも恥ずかしいと思わなかった彼女が恥じらったり、

 「というわけで、アドバイスありますか?」

 「あ、あの、それって・・・自慢ですか?」

 「我らのボスが、つ、ついに・・・男に落ちた!」

 「うわ~~!もっと、もっと詳しく聞かせて下さい!」

 桐乃・黒猫・新垣に恋愛相談したり、

 「あ、あの、た、忠夫さん。よ、よろしければ、今日は、二人っきりで」

 「?出かけるのか?いいよ、どこのゲームショップに行くんだ?」

 「いえ、きょ、今日は、ゆ、ゆ、ゆ、ゆうえ(もじもじ)」

 「え?ゆうえ・・・何?」

 「ゆゆ、幽霊屋敷に行きまちょう!」

 デートをしたいが、思わず違う言葉を口走ってしまうデレの部分も出るようになった。しかも、

 「きゃああ!」

 「おおっと、大丈夫。怖くないぞ!それに、本物の幽霊って実はかわいいもんだぞ。悪霊は問答無用で退治だけど俺が知っている幽霊って、いつも食事作ってくれたり、モテない俺にチョコ作ってくれたり、初めて会った時は謝りながら俺を殺そうとしたんだぞ!」

 「・・・最後のってまずいんじゃ。というか、会ったことあるんですか!」

 「前いたところじゃ毎日会っていたぞ!」

 「・・・幽霊屋敷には、これ以上ないほど頼もしい人」

 本当にそのまま幽霊屋敷に行ったとき、

 『すごいな忠夫さん。私を励ますために、怖がらせないように自分をお題にしたお笑い話をするなんて・・・私を落ち着かせるために頑張っているよ。何か、ますますドキドキするよ』

 横島は事実を話しているが、作り話だと思いこみ余計に横島の事を意識するようになった。

 

 

 そのまま二人の生活が続き、中学も卒業の時期に来た。

 「卒業おめでとう。今度からは高校生活だね・・・ところで、ここはどうするんだい?」

 「もちろん、まだ姉さんに勝ててない!だから、ここから通学です!ここで姉さんに勝たないと、意味がありませんから!」

 「うん、それでいい。いいかい」

 気合のこもった顔に笑顔の横島。そんな彼女の肩に手を置き、

 

 「大切なのは、どんなことでも思い続けることだ」

 

 自分が彼女から教わったことを伝えた。

 『そうだな。ルシオラはずっと俺の中にいるんだ。忘れずに思い続けていれば、俺が死ぬまでい続ける。なあ、そうだろ・・・ルシオラ』

 どんな理由であろうと誰かを思う。それが何年でも、死ぬギリギリでも・・・そうすれば、心の中に生き続ける。姉をライバルとして見て、尊敬する人として見る彼女の姿勢を見てそれを横島は学んだ。だからこそ、このことを横島は言いたかった。

 「思い続ける事・・・」

 「そうだよ」

 だが、彼女はその言葉に自分の中にあるものを思い浮かべた。

 

 『忠夫さん。私・・・うん!言おう、私がずっと思い続けているもう一つの想いを!きりりんも、黒猫ちゃんも、京介さんの想い人になろうと頑張っているんだし!あやせちゃんに至っては、同棲までする行動力を見せたんだし!』

 

 何か京介ハーレム構図の思い出しをしているが、逆にそれが気合を入れるきっかけになった。

 「じゃ、そろそろ行ってきな。時間だろ?」

 「はい!では、行ってきます!」

 靴を履いて、扉を開けようとしたとき、

 「・・・・・・」

 「どうした?」

 足を止めて、しばらくじっとすると、

 

 「好きです!忠夫さん!」

 

 いきなり振り返り横島にキスをした。ほんの数秒で唇を離し、

 

 「私、ずっと、ずっと・・・あなたを思い続けます!だから、ずっとそばにいてください!」

 

 自分の想いを伝えて、扉を開けて出ていった。残された横島は、ただただ閉じた扉をじっと見つめて唇を触っていた。出て行った沙織は、

 

 「姉さん、一つ勝ったよ・・・恋人は私が先に作ったから!」

 

 頭上高く、空高くある太陽にめがけて笑顔で姉に報告して、学校へ歩き出した。

 




 
 オタクの姿をしているのはあくまで姉に近づくためでは?と思い、また男と付き合うこと自体もなかったと思うので、横島のように守ってくれたり支えてくれたりされると想うようになるのでは?と思いました。
 後はクイーン・オブ・ナイトメアが本当に女かどうか・・・男の娘だったらどうしよう。


 次回は、ワンピースのニコ・ロビンです!個人的に書きたいと思っていたので、書かせていただきます!その次はTo Loveるの誰かにします!


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