横島忠夫、〇〇〇〇と付き合ったらどうなる?   作:一日三食MEN

30 / 121
 暗殺教室・・・作者はすごいですね。当初はとんでもないタイトルと思いきや、内容は本当に社会に役立つように書かれている。しかも、殺せんせーがまたいいキャラとしてターゲットにしているので、余計に社会のつらさの現実を表現している。

 設定です。
  横島は殺せんせーと一緒に暮らしており、E組限定部活の顧問をしてます。
  今回、別作品のキャラを出してます!
  横島は夏休みが終わったころに来ました。

 今回はちょっと真剣に書きました。では、スタートです!


中村 莉桜と付き合ったら?(暗殺教室)

 文珠の効果により移動してしまった横島忠夫。今、彼はどうなっているかというと

 「のおおおおおおお!」

 全力で逃げていた。何故逃げているのかというと、

 「「「「「待て!」」」」」

 数人の学生に追われていたからだ。いや、追われる程度なら彼も逃げない。何故なら、可愛い女子もいるからその子にむしろ向かっていく。

 「お前らだったら待つか!」

 振り向かないでこの言葉を飛ばす。本題に戻り、何故横島が逃げているのかというと

 「「「「「そんなの、逃げるにきまってるじゃないですか!」」」」」

 「分かっているならやめんか!」

 「「「「「無理!(がし!)」」」」」

 彼らがナイフや銃やらを持って、二やついた顔で追ってくるからだ。どう見ても、止まったらただじゃすまないのが目に見えている。

 「くっそおおおおおお!引き受けるんじゃなかった~~!」

 そんな叫びが今逃げている山の中全体に響いた。

 

 

 横島がついたのは学力で差別する学校の裏にある山の中だった。しかも、そこにもあまり丈夫でなさそうな山小屋みたいな三年E組の教室もあった。そして、出会ったのは

 

 「ヌルフフフ、おや?殺し屋以外の人が来るとは珍しいですね~」

 「どわあああああ!漫画に出そうな火星人が目の前にいいいい!」

 

 何本もの触手を生やす、地球外生命体というべき姿をした三日月の刺繍があるネクタイをしている触手生物だった。自分の世界で人外や幽霊等に何人も会ってきた横島も、これはさすがに驚いた。パニくって自分が火星にいるのと勘違いしたり、宇宙だから酸素がない!男の俺を触手プレイする気か!と言って慌てているところに、触手ビンタを食らって地球であることを地球外生命体に教えられたりした。

 その後、落ち着いたところにE組に連れてこられて(日曜日のため、彼しかいなかった)説明を受けた。ここは名門校である椚ヶ丘中学校であること、この山小屋も教室だが素行不良のたまり場として追いやられていること。しかも、成績で差別しており山のふもとにある本校の教師と生徒からは見下されていること・・・だが、ここ最近は相当テストの成績が良くなって少しずつ見直されてきていること。とここまではちゃんと話していたのだが、

 「何!ここには巨乳先生がいるだと!」

 「ええ、イリーナさんはなかなかの乳をお持ちですよ。生徒達も結構なレベルを持ってます」

 「おいこら!中学生をそんな目で見るとは何事か!・・・と言いたいが、ああああ!期待しちまうううう!」

 「ヌルフフフ、これはこれは面白い方を拾いましたね」

 「しかも中三ともなると、来年にはナンパ・・・ぐぬぬ、今のうちに確保するべきか、あああ、悩む~~!」

 「私のおすすめは(出席簿を開く)中村さんか矢田さんが素晴らしいですよ」

 途中からおっぱい談義になってしまった・・・巨乳好きな二人らしい。その後、ちちしりふとももの口論になったり、何故か傷つけられないはずの地球外生命体と拳で傷つけあったり、乳も尻も太ももも全部素晴らしい!と言う結論で握手したりと脱線しまくっていったが、結論が出てやっと元に戻った。

 「卒業までに殺さないと地球を壊す?」

 「はい~、生徒達が果たして殺してくれるでしょうか。楽しみです」

 自分が『殺せんせー』と呼ばれて生徒達から親しまれていること。生徒達も自分を殺す気持ちをしっかり持ったこと。殺せば300億円の報奨金が出されること・・・完全に笑顔で聞けない話となった。だが、当の本人はしっかり覚悟をもって話していることが分かった。

 話の最後に、

 「殺せんせー、あんたさ・・・世界で大切な人を失ったことがあるのか?」

 横島がそう訊ねた。その言葉に

 「にゅやッ!」

 殺せんせーはずっと笑顔だけど無表情に見えた顔に驚きが出た。横島がそれを聞いたのは、自分も同じ気持ちになったことがあったからだ。

 自分の世界を救った横島だが、人はどんなに説明しても全員が納得するものではない。もっと早く対処すれば被害者は出なかった!何故、迅速に行動しなかった!など死人が出た世界中の家族や恋人・友人は、その批判をGS協会にぶつけた。人間は親しい人が死ぬと、必ずと言っていいほどその死を招いた原因に近い人を責める・・・しかも、情報の規制は完璧にできないので、横島がアシュタロスを倒したことがばれて

 『『『『『お前がもっと早く倒していれば!』』』』』

 現場を何一つ知らない人達はその矛先を横島に向けた。ルシオラを失って自分の子供が彼女の転生となるかもしれないと光を見つけたのに、その罵声が毎日のように向けられた。自分も大切な人を失ったのに・・・再び辛さが出てきて、ついには

 

 『そんなに憎いんなら!俺を殺しに来い!俺が・・・俺が悪いと思うなら!俺がお前らの大切な人を殺したと思っているのなら!』

 

 この言葉を出した。それを聞いたおキヌは慌てて美神や西条に報告して、横島を守るようにして・・・たまたま外に出た際にあの公園で文珠が働き、ここに来たと言うことだ。

 

 こうした過去で死ぬ・殺される覚悟を持ったことがあるからこそ、彼ももしかしたら同じ経験があったのでは?と思ったのだ。そして、思わず一瞬の沈黙でその事が分かったが

 「言わなくていいよ。俺だって、言うの辛いし」

 「そうですか」

 お互い、自分の過去を口にしなかった。ただ、一つ分かったのは・・・自分達は似た者同士だと言うことだ。女の裸が好きな性格も、おっぱいが好きな性癖も、大切な人を失った過去の苦しみを持った辛さも、今だにその人を忘れられないことも・・・何もかもが似ていた。

 それは殺せんせーもまた同じ気持ちだったのだろう。だから、

 

 「私を卒業まで見届けてくれませんか?」

 

 横島に今の自分がどれだけ幸せか。を見届けてほしい気持ちを込めてここにいさせるようにした。

 

 

 こうした経緯により、横島は3年E組のある顧問となった。それが、

 「くっそ!(しゅん)せめて!(どん)人数を!(ざざざ)決めとくべきだった!(どどどどど)だああ!新手が来やがった!」

 暗殺部という部活だ。もちろんこの部はこのクラスだけの独自な部であり、

 「え~~、この部に全員入ってもらいます。顧問はこの人です」

 殺せんせーが勝手に決めたものだ。この部活の主な内容は、

 

 1.E組は殺せんせー以外は絶対に部員になること

 2.毎週放課後に殺せんせーの代役を顧問がやること

 3.ただし、顧問は一人味方の生徒(生贄)を選んでいい

 4.部員は放課後に顧問と選ばれた生徒を病院送りにすること

 5.もし二人とも病院送りにできたら、褒美として殺せんせーは十秒間動かない

 6.制限時間は二人が山を下りるまで、二人とも下りたらそこで終了

 

 こんな感じであり、毎週放課後になると横島と一人の生徒が狙われることになった。規定に書かれている通り、もし二人を病院送り(捕まえたら、じゃない)にできたら殺せんせーは十秒間動かないことを約束している。その程度の時間が何だ?と思うが、実はこれは生徒だけでなく教師もまた部員になっている。

 つまり、十秒動かないと言うことは体育教師であり戦いのプロである烏間のナイフ投げや、英語教師のイリーナの暗殺テクニックに、二人や殺せんせーから教えられて身に着いた生徒達の暗殺術を全部受けることになる。いくら尋常じゃない生命力を持つ殺せんせーでもそれらを全部受けたらさすがにデットエンドだ。

 「ああもう!どうしていつもこんな目にあうんじゃ!」

 「それはこっちのセリフだ!横島さんが一人でやればいいでしょう!」

 「これもルールだ!つうか、またお前かい!じゃんけんで負けた男子といったのにお前一択じゃないか!」

 「「「「「待てや~~!横島先生!上条!」」」」」

 逃げているうちに自分と同じ逃げ役の生徒と合流した。その生徒が上条当麻であり、横島は味方の生徒は正直男子ならだれでもいいと思っていたので

 『男子でじゃんけんして、負け残ったやつでいい』

 と言ったら上条になった(女子を入れないのが横島らしい)。しかも、このじゃんけんは部活前に毎回やっているのに絶対といってもいいくらいの確率で上条が最後まで負け残るのだ。もはや、定番の負け人となっており、この部活が始まる時は既に上条がいないのを前提とした作戦を生徒達は立てるくらいだ。

 でも、今だ二人が病院送りになったことはない。かなりな不幸の持ち主の二人だが、かなりの死線を潜り抜けてきた二人でもある。この日もまた、二人は無事に逃げきった・・・そう、逃げ切ったと言うことは、

 「ハニートラップをしても上条は真っ赤になりながら速攻で逃げるし、横島は毎回引っかかってもあの触手と同じくらいあり得ない動きで回避するし・・・もっと腕を磨くべきなのかな?」

 「くそ!教師になって勘が少し鈍ったのか!二人ともとんでもないくらいに回避がすごく上手い!」

 「ねえ、この際だから手を組まない?」

 「・・・ふむ、その手も悪くなさそうだな。あの二人はあいつと同じくらいに厄介だからな」

 「(うっわ~~!これって必然的に二人っきりになる時間が増えるってことよね!ど、どうしよう!言っておきながら恥ずかしくなってきた!///)」

 「(こいつと手を組むのは初めてだな。上等、あの二人を病院送りにしてあいつを叩きのめしてやる!・・・生徒達は生徒達で作戦を練っているからな。この際、俺達もそれに加わるのも悪くないな)」

 教師のこの二人からも逃げきれたと言うことになる。イリーナの提案に乗った烏間も、今だけは生徒達と同じように楽しみでしょうがない!っていう目をしていた。提案したイリーナは想い人と二人っきりになれそうなことに悶絶していたが、当の烏間は生徒達と手を組む考えをしていた・・・この二人も既に上条が生贄になること前提で考えていた。

 『ヌルフフフ、上条君が毎回じゃんけんに負けるというのは予想外でしたが、お二人ともここまで逃げるのがうまいのは嬉しい誤算です。あれなら、生徒と教師の枠を超えたチームワークができると言うものです』

 どうやら生徒と教師は別々に動いて部活をする、という考えを取っ払ったチームワークができるようにする。というのが目的みたいだ。

 「「毎日毎日こんな目に・・・ああもう~~~!不幸だああああああ!」」

 毎回ターゲットにされる側はたまったものではないが・・・。

 

 

 そんな生活を続けていくある日(教師と生徒のチームワークになったが、二人はいまだ無敗)。部活を数日中断しないといけないある事件が起こった。テスト前だけど生徒の一人である岡崎が老人を傷つけてしまう事件を起こしてしまったため、その老人が経営している保育施設を手伝いすることになった。部活をしているとその時間が無くなるので、二週間の間は中断することになった。生徒達と共に子供達と触れ合っていると

 

 『何か、子供になった美神さんをあやすのを思い出すな』

 

 かつて上司の美神が子供になり、その彼女をおキヌと共にあやしたことを思い出し・・・同時に、かつての世界の皆の事も思い出した。

 『・・・どうしてるかな。俺がいなくなって』

 あの横島に批判を浴びせていた人間はもしかして美神達を責めているのか?それとも、逆に世界からいなくなったことで美神達があの人間達を責めているのか?もしくは、いなくなったことで責めるのをやめたが美神達はいなくなったことを悲しんでいるのか?いろんな考えが横島の頭をよぎった。

 「せ~~ん、せ~~。どうしたの~」

 そんなときに結構な胸を持つ中村莉桜が横島の隣に座った。

 「莉桜ちゃんか」

 「何か、とっても真剣な顔になっていたけど」

 「大したことないよ・・・以前の職場を思い出してね」

 「ねえねえ、教えてよ~」

 この時の莉桜はただの興味で聞いたわけではなかった。上条は同じクラスで暗殺技術を学んでいるし、逃げ足に至ってはクラス一だからまだ部活で皆から逃げ切れるのはわかる。でも、いくら殺せんせーが決めた事ととはいえ、普段からイリーナのちちしり太ももを見て鼻の下を伸ばして、授業中だろうがぶちのめされる横島がここまでできるとは思わなかったため、それも踏まえて聞いた。

 「そだな~、いろんな奴がいたな~~」

 そこからは美神とおキヌの三人で妖怪退治をしてきたことを話した。妖怪という言葉に、何言っているの?という顔になったが同レベル以上の存在が担任でいるだろ。と言うと頷いて信じた。すると、話が聞こえたのか子供や生徒達も興味本位で近よって話を聞いた。

 「俺な、空飛ぶほうきに乗ったことがあるぞ!」

 「いや~、山で思い出したがあのナイスバディな猫娘のミイさんとケイはどうしているかな~」

 「そういやいい体と言えば、人食い鬼のグーラーもええ乳だったな~」

 ただし、大多数は信じなかった。というか、殺せんせーのインパクトが余りにもでかすぎて「ふ~ん、あっそ~」って感じなのだ。それに妖怪や霊はこの世界では架空的存在でもあるので、漫画の読み聞かせ的な感覚で生徒も子供の聞いていたが、

 『横島先生は事実を話している。とてもいい顔をしているし、何か・・・泣きたそうな顔もしている。ただのでまかせにそんな顔ができるはずないし、するような人じゃないし』

 話をさせた莉桜だけは信じた。その後(アシュタロスが出る前まで)も、横島のボキャブラリーを含めた話も全部信じた。この時から、彼女は横島が興味対象となった。

 

 この時、上条はというと、

 「あ、あの~~、上条さんは作業に戻らないといけないのですが」

 「上条君、だったらこっちを手伝って・・・二人で」

 「いや、こっちです。来てください」

 修学旅行の時に上条に助けてもらってから想いを抱く神崎と、烏間に想いを抱いていたがイリーナに完全にとられてしまい悲しんでいるところを必死に慰めようとした上条を好きになった倉橋が左右から引っ張り合った。その上条のポケットには

 『上条さん、私との作業の方が楽しいですよ』

 スマホ画面から人工知能の自 律(おのず りつ)がメイド服を着た姿で現れた。一瞬、この三人の間に確実に火花が見えた。

 「「『どっちを選ぶのですか?』」」

 「ああもう~~~!ドウスレバイイノデスカ~~!!」

 女難にあっている上条は、しばらく抜け出せそうになかった。

 

 

 この事件も無事に解決して、他にもイリーナがいなくなったり、学園祭後に理事長が殺せんせーを解雇させようとしたが何とか乗り越え、そろそろ冬休みという前に生徒の一人である茅野がE組の前の担任である雪野あぐりの妹で殺せんせーに姉を殺された(と思っている)恨みとしてずっと殺意を抱いていて、ついに牙をむいて襲い掛かる事件が起こった。

 クラスメイトが必死になって茅野を止めにかかった。最後に意識を取り戻させるために

 「・・・む!むうううう!うううう!」

 「(今まで過ごした僕達の時間。絶対に無駄じゃない!)」

 渚が彼女に長いキスをして、無事助け出すことができた。

 「(・・・じゃあね、渚)」

 その時、彼に想いを持っていた莉桜は緊急手段でやったことはわかっているが、ここで自分の想いを決別した。そうした理由はただ一つ、

 

 『莉桜ちゃん、夕日は昼と夜の間のほんの一瞬に強く輝くからきれいなんだよ。知っていたかい?』

 

 この言葉を言った横島に想いを持ったからだ。渚にいつも下ネタでからかうのは自分を隠さずに見る彼が気に入ったから、そして想いを持ったから・・・でも、横島が出たことで変わった。過去の話を聞いてから、興味の対象とみていたが、茅野が殺しに来る前に横島が一人でE組の屋根の上にいて遠くを見ていたので彼女も上ってどうしてそんなことをしているのか聞くと、さっきの言葉を言った。そして、

 『昔さ、俺が原因で喧嘩してしまった姉妹がいたんだ。必死にその喧嘩を止めようとしたが、結局姉が致命的なものを受けちまって・・・亡くなっちまった』

 泣きそうな顔でつぶやいた。その時だった、彼女の胸が最大限に高鳴ったのは。

 『姉を失って必死に心を押し込めていたカエデも分からなくないんだ。姉と恋人と違うが、大切な人を失った苦しみは俺も味わったし、我慢もずっと続けたから・・・だからこそ、あの子にはこのままでいてほしくない。殺せんせーが絶対にそんなことをする奴じゃないし』

 最後の一言が決定的だった。

 

 『復讐で生きるなんて、悲しいだろ?』

 

 横島は彼女の姿がかつての世界で自分に非難をぶつけた親族や恋人・友達を失ったあの人物達に見えたのだ。どうしようもない怒りと理不尽を自分に言うあの人物達に・・・。そんな人達と茅野を一緒に見たくなかった。そんな意味を込めて横島は言ったが、

 

 『む、胸が、心臓が・・・止まらない!』

 

 時々、周りをしっかり見てクラスの皆に達観した大人のようなことを言う彼女だが、まだ中学生で肉体的にも精神的にも未成熟だ。すっかり横島の弱いがへこたれない一面に心を奪われたのだ。だからこそ、渚がカエデにキスをしたときに想いに決別できたのだ。

 

 

 その後語った殺せんせーの過去にますます自分と同じに見えた横島。冬休みに入り生徒たちが来なくなった時に、同じE組で暮らしている殺せんせーに

 「横島さん。部活は終わりにします」

 暗殺部をやめることを言われた。今後の受験と進路のことを考えると、部活はもうするべきでないということになった。本来の中学生となって受験戦争に臨むことは正しいことだからだ。横島もそれが分かっているから簡単に受け入れた。

 「なあ、本当にあの子達に殺されてもいいのか?」

 「ええ。私はこれが一番いいことだと思います」

 「みんな災難だな。辛い選択を担任に突き付けられているんだからな」

 「でも、それを乗り越えてこそ大きく成長するものです。ヌルフフフ、生徒達が成長する姿を見れないのは残念ですが、成長させられる糧となれるのなら本望ですよ」

 殺せんせーのその笑顔に曇りも陰りもないのが分かった。本心で今自分と話していると横島は分かった。だから、彼も本心を言った。

 

 「そこまで言うのなら・・・見届けるよ。最後までな」

 

 あの時の言葉の意味がようやく分かった横島は、あの時しなかった返答をした。殺せんせーは笑顔を崩さないまま、出ていく横島を止めなかった。

 

 

 そして、卒業式前日の夜。政府の邪魔を潜り抜け、最後の敵との戦いが終わり、殺せんせーが生徒一人一人に声をかけていく。生徒全員にかけ終わったとき、

 「殺せんせー」

 「横島さん」

 「見届けたぜ」

 「光栄です」

 「教育・・・ありがとうな」

 「ヌルフフフ、あなたにも教えられてよかったです」

 横島は最後に感謝をした。この瞬間まで見届けてほしいと言ったのか・・・それは辛い・苦しい・悲しいをお互いずっと持っているけど、横島はその事でまだ悲しんでいる。でも、それらは全部乗り越えないといけないものだ。今だ乗り越えてないからこそ、見届けるよう言った。こういうのは、言葉だけでは決して乗り越えられないものだから・・・自分を見て乗り越えてほしい。殺せんせーのこの意図を理解して冬休みの時に乗り越える気持ちを持たせてくれたから、ありがとうを言ったのだ。

 横島との話も終わり、ついに・・・渚のナイフが振り下ろされた。この瞬間、全員の目から滴が流れた。

 

 

 

 卒業した数年後、横島はどこに行ったのかというと

 「ねえ、タダオ。今度はこの通訳の清書をお願い」

 「おう、莉桜ちゃん!」

 海外留学をした莉桜の通訳の手伝いをしている。卒業式が終わって、横島もE組がなくなるので行き場がなくなるところに

 『横島先生。海外留学に行くんだけど、ボディーガードで一緒に来ない?』

 彼女がこう誘ったのだ。もともと頭脳明晰で外交官になるのが夢のため、まずはその海外を見て回るらしくそのための女一人は危険だからと横島を誘った。だが、考えてみてほしい・・・彼女は横島に恋していて、しかも中学を卒業している。もしそんな二人だけの海外留学はいったいどうなるかというと

 

 「もっと頑張るぞ!その子のためにも!」

 

 莉桜のお腹が少しだけ大きく、時々吐き気もして酸っぱいものも食べたいらしい。そのお腹には、二人の愛がまさに待ち望んでいるのだ。まさに、幸せの絶頂だ。

 「ああ、期待してるよ」

 「おおう!任せろ!」

 横島の頑張る姿に笑顔で見る莉桜。

 

 『こんな関係になっちゃうなんて。ははは、もしあいつらにあったらどんな顔をするかな。しかも・・・(ぽん)これを見たらどんだけびっくりするか。うん、近いうち会いに行くか。殺せんせーのあの日も近いし、忠夫も夕日を見ても泣かなくなった。ずっと苦しんでいたけど乗り越えてくれたみたいだし、忠夫もやっぱりあの場所には行きたいよね』

 

 素直に幸せをかみしめている二人。莉桜はお腹を軽く叩いて、今の自分の姿を皆に見せようと思い、清書をしている横島を見た。少し深呼吸をして・・・口を開いた。

 

 「ねえ、忠夫。今度さ・・・」

 

 

 だが、彼女は甘かった。そんな考えを持っているのは

 「当麻さん、今度あの山に行きましょうね」

 「もちろん行きますよね」

 「そして、見せましょう・・・この子達を!」

 『・・・覚悟を決めるべきですよ。当麻さん』

 上条が好きな彼女らも同じだった。神崎・倉橋・矢田(卒業後に彼女から告白)は今一夫多妻がOKな国で暮らしており、家の警備システムを律が仕切っているが・・・実際は上条の生活を二十四時間撮影している。

 そんな彼女らに囲まれて幸せかと思いきや、

 

 「・・・不幸だ」

 

 どうやって、この現状をあの同級生達に説明すればいいか・・・それが思いつかないからだ。

 

 

 

 数か月後に、3年E組が全員集合したがその時にどんなことになったのか・・・それは彼らと

 『ヌルフフフ、皆さんとても幸せそうですね~~あぐり先生』

 『はい。笑顔が一杯でよかったです』

 あの山にいるこの二人しか知らない。

 




 今回は殺せんせーにルシオラの事を乗り越えさせました。この二人は似ている部分が多いので、ヒロインより殺せんせーが適任と思いました。
 莉桜ちゃんですが、渚への恋心はカエデへのキスで吹っ切らせました。やはり、このイベントが一番彼女の気持ちにケリをつけるいいところですので。
 そして、他キャラは上条当麻君でした!そして、相変わらずの彼ぶりでハーレムです!

 次の物語シリーズはこの子しかいなかった羽川翼ちゃんです!その次は久々のRPGのゲームヒロインで行こうと思います。自分がドラクエ以外で初めてやったRPG・テイルズオブディスティニーのスタンの妹のリリスにしようと思います!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。