横島忠夫、〇〇〇〇と付き合ったらどうなる?   作:一日三食MEN

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 今回はかなり思い入れがあるので、かなり真剣に書きました!

 設定
  原作は、PS版の方の第二部からの流れで行きます。
  戦闘メンバーはソーディアンメンバーとリリスと横島以外出しません。
  戦闘シーンは出しません。

 では、どうぞ!
  



リリス・エルロンと付き合ったら?(初代テイルズ・オブ・ディスティニー)

 ここはリーネ村という田舎の村。そこで、横島は

 「リリスちゃん!一緒にお風呂「入るわけないでしょ!」ほんげら!」

 「飛燕連脚!兄の俺が許すわけないだろう!「ぎゃあああ!」」

 この兄妹と二人の祖父の三人と一緒に暮らしていた。リリスという女の子を混浴に誘おうとしたら、とても重い一撃をくらい、さらに兄のスタンに追い打ちを食らってそのまま外まで吹き飛ばされた。

 「まったく、懲りないんだから」

 「でも、あいつが来てからにぎやかになったな」

 「そうね。お兄ちゃんが家を出て戻ってきた次の日に、家の裏にタダオがいたものね」

 「そうだったな。毎日村中の女性にナンパしているけど、誰も迷惑だといわないんだよな。なんでだろう?」

 家の裏庭で羊に鼻でつんつんされている横島はまだ気絶中だ。

 「あまりしつこくなくて、いろいろ手伝ってくれるかららしいわ」

 「リリスにはああなのに。不思議だな」

 「二人とも」

 「「なあに?(お)じいちゃん?」」

 横島の行動と印象に不思議がる兄妹に祖父が語り掛ける。

 

 「わしには、あの男は空元気に見える。無理しているように見えるのじゃ」

 

 そう言って部屋に戻っていった。だが、この時はまだ意味がわからなかった。

 

 

 それから数日後だった。

 『スタン、起きんか!この馬鹿者が!』

 「でぃ、ディムロス!」

 「な、何だ!今の声は!」

 朝早くスタンには聞き覚えのある声で、横島には初めて聞く声が響いて眠っていた二人は一気に目を覚ました。二段ベッドの上にいたスタンは見事に落ちた。

 「何だ?今の西条が出すみたいなイケメンボイスは?俺に呪ってほしいんか?」

 『・・・おい、まさか俺の声が聞こえたのか!』

 『ほう、こいつも資質があるのかのう?』

 「あ、あの、あなたは「おおおお!何というおしとやか美人が目の前に!「タダオは黙ってなさい!(ずごん!)」うぎゃああああ!」・・・・え、えっと?」

 先に居間に着いた横島は、リリスに向かい合うようにいる神官服を着た眼鏡の女性フィリア・フィリスにナンパしようとしたが、すぐに行動を察したリリスに料理のおたまで沈められ、そのおたまが光っていたように見えた。

 「あの、大丈夫、ですか?」

 『・・・この女、スタンより強くないか?』

 『その意見だけは同感じゃ』

 フィリアとテーブルに置かれている剣二本が呆れる様につぶやいた。

 

 そして、スタンも来たところで話が始まる・・・と思いきや、まずは横島に説明をした。テーブルに置かれている話すことができる剣はソーディアンと呼ばれ、魂の入った武器で資質を持った人のみが扱える代物でそれぞれ火・水・土・雷・風の五つに属性のある剣であること。

 この世界の人間でもあまり知られてない情報だが、

 「なるほど~。ようは付喪神みたいなものか~」

 と簡単に信じた横島に、ソーディアンのディムロスとクレメンテは言葉を失った。それが日常的にある世界にいた横島にとって、別にどうってことのない話だ。横島にも二人の声が聞こえたのは、そういうものを実際に見たことがあるからだ。と結論づけた。

 ここからが本番であり、後三人ソーディアンを操れるメンバーがいて五人で『神の眼』と呼ばれる強大な力を秘めた宝玉をフィリアの所属する宗教団体が奪ったが、取り返してこの世界の王国であるセインガイアの王に返したが、再び奪われたらしい。しかも、奪ったとされるのが国王の側近的存在のヒューゴと彼が受け持つレンズというエネルギーが込められている石を買いとるオベロン社の幹部数人、更にソーディアンマスターの一人であるリオン・マグナスもいなくなっており、彼らが犯人としてあげられた。

 スタンは、マスターとして再び集められることになった。もちろん行かなくてはならないが、

 「私も行く!お兄ちゃん、いいよね!」

 リリスが兄についていくと言い出した。もちろん反対のスタンとフィリアだったが、

 「別にいいんじゃね?マジで強いし・・・俺もついていくけど」

 横島は一つ、気になることがあってリリスの同行に賛成して、ついでに自分も行くと言った。結局、二人とも折れて一緒に行くことにした。

 

 

 その後、クレスタの孤児院でソーディアン・アトワイトの使い手ルーティ・カトレットとイクティノスの使い手でファンダリアの若き王ウッドロウ・ケルヴィンを仲間にして、セインガルドの国王のいるダリルシェイドに行った。そして、王からいなくなったヒューゴの屋敷の調査を頼まれた。そこには残されたメイド達がうろたえている中、

 「マリアンさんがいない?」

 リオンの世話役を任されたメイドがいなくなっていることと、彼らの行き先が海底洞窟であることが分かった。すぐにそこに向かうと

 

 「・・・来たか」

 

 神の眼を取り戻すために、ともに旅したリオン・マグナスがソーディアン・シャルティエを持って立ちふさがった。その姿に彼を知る四人は驚き、リリスと横島は移動中に話を聞いたので彼だとわかった。

 「リオン!そこをどいてくれ!」

 「そうよ。あんた、何をしているかわかっているんでしょう!」

 「お願いです!」

 「リオン君、君は騙されているんだ!」

 リオンを仲間と信じるスタン達は必死に説得をするが、聞こうとしない。

 「ああ、僕はヒューゴにとってはただの捨て駒さ・・・だが、マリアンのためなら、この命喜んで捨てよう」

 『というわけですよ、残念ですけど僕もぼっちゃんの為に敵になります』

 リオンはシャルティエを六人に向けた。その際にルーティに自分はお前の弟で、彼女がヒューゴの娘であることも明かした。その事実に全員が驚く。

 「マリアンさんって、あの」

 「・・・やっぱりな」

 リリスは唖然としている中、横島は気になっていることが確信だと気づいた。

 「一ついいか?」

 「誰だお前は?」

 「俺はタダオというものだ。リオン、といったか・・・お前は本当にマリアンという女性のためなら、命を捨ててもいいと思っているのか?」

 「同じことを二度も言わせるな。僕は「その後彼女が死ぬことになってもか?」・・・何を言う?」

 みんなの前に出てリオンに訪ねるタダオ。リオンの言葉を遮ってその質問をした時、後ろにいた皆も彼もえ?と言う顔になった。

 「もう一度聞くぞ。お前がここで死んでも、その後の彼女の命が保証されるかどうかわからないままだ。そんな中で彼女が死んでも、満足かと聞いている!」

 その指摘に言葉を失うリオン。少し考えればわかることだが、人質にされていたことで頭が回らなかったようだ。横島が気づいたところはそこだ。リオンは決して誰かのために動こうとしない男だと、リーネ村にいた時にスタンが旅話の自慢と同時に一緒に旅した仲間の事として聞いた。ただ一人を除いて・・・それがマリアンだ。リオンが動くなら、彼女が人質になっているとすぐに気づいたので横島はその真意を確かめたかったのだ。

 「俺達がお前を倒して、彼女のもとにたどり着いた時に物言わぬ体になっても満足なのか!」

 「う、ううう、うるさい!うるさいうるさいうるさい!!」

 気づきたくなかったことに気付かされたリオンは段々怒りが増してきた。シャルティエを感情任せに振り下ろしたが、

 「眠ってもらうぞ」

 横島はそれをよけて文珠『眠』をあてて、彼を眠らせた。ついでにシャルティエも眠りについた。

 「た、タダオ」

 「行くぞ、ここからが本番だろうからな」

 「ね、ねえ、さっきの話って」

 「聞くな。思い出したくないんだ」

 「・・・わかりました」

 「ありがとう、フィリアちゃん」

 「ひと段落着いたら、聞かせてもらってもいいか?」

 「国王様直々に聞きたいか・・・別に構わないぞ」

 ソーディアンメンバーはさっきの横島の行動に戦わなくてよかったことに内心感謝しつつも、驚いていた。ただし最も驚いた人物は

 『あれが、タダオなの?あ、あんな事いう男なんて思わなかった・・・いったい何があったの?』

 一緒に暮らしていたリリスだった。

 

 

 その後、千年前に起こった天地戦争の再現が起こり天空都市ダイクロフトの地上破壊兵器・ベルクラントにより地上を攻撃され、その時の破片が天空の都市の地面となり空に地面ができた。ただし、同時にラディスロウと呼ばれる当時の地上軍の対天上用の軍事施設もあり、それがかつてクレメンテを手に入れた海底施設だった。そこへの移動中もずっとリオンは眠ったままだった。ラディスロウも天に昇って地上とのコンタクトもとれるようにした。

 そして、いったん二手に分かれた。まず、ダイクロフトへの移動手段として近くの都市へ行きテレポートできる装置を作動させることと、地上に戻りこのラディスロウに人格が投射された千年前の地上側の軍最高司令官のリトラーの助手探しだ。

 天上の方はリオンを除くソーディアンメンバーで、地上の方はリオン・タダオ・リリスの三人だが・・・一つ問題があった。

 「なぜ僕を生かした」

 スタン達は既に出発したが、三人はまだラディスロウに残ったままだ。目を覚ましたリオンが死んでないことに不満だったのだ。マリアンを守るために死ぬ気で立ちふさがったのに生かされたことに彼の中のプライドが傷ついたのだろう。

 「別にいいだろ。どうせ、お前は死んだと思っているから、向こうは気づかないからな」

 「いい加減、理由を言え!敵である僕を生かす意味を!」

 「敵って、お兄ちゃんはあなたを大切な仲間だと持っているのよ!」

 リオンの死にたがることに横島も不機嫌だった。リリスも兄スタンの気持ちを踏みにじるような言葉に声を荒げるが、リオンは横島への怒りで聞こうとしない。そんな彼の態度に横島は

 「マリアンちゃんの事が好きらしいな・・・俺は一度も会ってないが、お前が死んで人質になったあの子が喜ぶと思っているのか?」

 「・・・ぼ、僕はマリアンの事など!」

 「何より、お前は残される彼女の気持ちを理解してない。そんなんでよく好きと言えるな?」

 「理解、してない、だと?」

 核心を突く言葉を言った。リオンは否定しようとしたが、それを遮り続ける横島。マリアンの気持ちを理解してないと言う言葉に、リオンの口が止まった。頷いて、横島は彼の胸ぐらをつかんだ。

 

 「いいか!命がけで守り助けても、傍にいないと意味がないんだ!お前が死んだら、マリアンちゃんはどれだけの苦しみをお前を失ってから持ち続けると思っているんだ!想像をはるかに超える苦しみだぞ・・・愛する人が自分のせいで亡くなる苦しみはな!」

 

 胸倉をつかまれているリオンも、後ろにいるリリスも驚いた。まるで、それを経験したことがあるように怒鳴る横島に二人とも言葉が出ない。

 「お前がやろうとしていたのは彼女の心を大きく傷つけて、しまいには死ぬまで後悔させ続ける事だったんだ!人質として使ったヒューゴよりも、ひどいやり方でその子を苦しめようとしたんだ!そんなことをして、お前は守れて満足だ。と言って死ねるのか!」

 どんどん突き付けられる現実に、リオンの顔が怒りに燃え、

 「僕の、気持ちを知らないくせに!よくそこまでいえるものだな!(バキ!)」

 「っけ!イケメンのお前の気持ちなんぞ、わかりたくもねえや!(バキ!)」

 「僕だって・・・僕だって、マリアンのそばで守りたかった!(ドゴ!)」

 「おお!本音出たな!おら、もっと吐き出せや!(ドゴ!)」

 「この、野郎がああああ!!(ドバギイ!)」

 いつもの冷徹な表情がなくし、ただ横島への怒りに本音を出して拳をふるった。その後、殴り合いが始まった。

 『・・・ぼっちゃん。ようやく、吐き出せましたね』

 「これが、男同士で分かり合えるって、ことなの?(タダオ、わざと憎まれ役になってあの子の気持ちを吐き出させてあげたのね・・・それよりも、さっきのタダオはとても辛そうな顔をしていた。何が、あったの?)」

 『ふふ、やっと、本当の意味の仲間が出来そうで嬉しいです』

 シャルティエの声はリリスには聞こえない。ただし、リリスの声はシャルティエには聞こえる。心を分かり合える仲間がやっとできたと思ったシャルティエは本当に嬉しそうに笑った。一方のリリスは、

 「(泣きそうだったあの顔・・・そういえばおじいちゃんが「わしには、あの男は空元気に見える。無理しているように見えるのじゃ」と言っていた。いったいどんな目に遭ったと言うの?あの辛く泣きそうだけど必死に我慢する顔・・・あれを見せないために必死にバカでスケベな顔をしていたの?)」

 見たことなかった横島の顔に、祖父の言葉を思い出し少しずつ本当の顔を見たいと思うようになった。

 

 殴り合いは数分続き、ボコボコになった二人は尻もちをついた。

 「決着は全部終わってからだ!」

 「ふん。どうせ僕の勝ちだがな!」

 「いや~、殴られたお前の顔は傑作だったな~」

 「むしろ、お前の方が普段のバカ顔からもっと大バカな顔になっていたぞ!」

 そんな会話の中のリオンの言葉は、もう吹っ切れたように聞こえる。

 「なら、まずは助手を探して、マリアンちゃんを助けて、ヒューゴを止めないとな!」

 「ああ!マリアンを助けられるなら、乗せられてやる!」

 これなら、もう死ぬと言う言葉は出さなさそうだ。つきものが落ちたようなすっきりした顔で、心からの笑顔を見せていた。そして、三人は転送装置でダリルシェイドに移動した。その際、『神の眼』強奪の件で指名手配になっていたリオンが現れたことで一度取り囲まれた。しかし、

 「王様。リオンはヒューゴに無理やり従わされただけだ・・・人質がいたからな」

 マリアンの件を話して、何とか王から許してもらえた。将の二、三人はまた裏切る!と言っていたが数少ないソーディアンマスターでもあるので、リオンの力は必要不可欠だ。とりあえず、横島が執行猶予として一緒にいることが絶対条件として行動を許された。兵や将は民を守るためにも、ここを抜けるわけにはいかないから連れてきた横島がその役目を任された。助手の件は城にいる学者を連れて行けばいいことになり、簡単に解決できた。助手を連れて戻ったら、移動手段の確保に成功したスタン達は既に戻っていた。

 「え・・・リオン」

 「ちょっと、どうしたのよ?」

 「何か、とてもすっきりしたように見えます」

 「タダオ君。何をやったんだい?」

 四人はリオンが影がないすがすがしい感じの顔になっていることに驚いた。

 「ふん!マリアンを助けるために行動するだけだ!勘違いするな!」

 いつも通りの強がっている顔を見せるが、四人には変貌したように見えるので不思議がっていた。

 

 

 今度は皆で行動を開始した。ダイクロフトへの転送装置は既に壊されていたため、遠回りで行くしかなかった。次の空中都市に行ったときに人の気配を感じた横島。

 「なあ、ここって人っているか?」

 「いや、最初に行った都市は機械だけだったぞ」

 「いるなら、あいつらよね」

 「横島さん。分かるんですか?」

 フィリアの言葉にうなずく横島。だけど、決してナンパ(失恋)歴で得たもので女性の気配をだれよりも早く感じられるようになったとは言わない。

 「ふむ・・・確かに声が聞こえる。変な口癖がある老人と女性の声だな」

 ウッドロウも弓使いなので遠くの気配を感じられるため、横島の言う通りだとわかった。

 「老人と女性で考えられるのはレンブラント親子だな」

 「・・・女性の方はなんか焦りを感じる。怖がってもいるようだぞ」

 「その親子って仲悪いの?」

 「いや、仕事の時の態度は割り切っているが、普段はその辺にいる親子と同じだ・・・ということは!」

 「間違いないな、その爺がマリアンちゃんを脅迫か何かしているんだろう」 

 この先に想い人がいることにリオンが気づいたと同時に、横島も彼の肩に手を置いて頷いた。興奮していたリオンはその置かれた手の意味に気付いて落ち着いた・・・急ぐな、という意味に気付けたから。

 そして、ここからは作戦を立てた。

 「いいか、リオンとリリスちゃんは俺ら五人があの爺の意識をこっちに向けさせるから」

 「私達がマリアンさんを助ける!だね」

 「そうだ!いいな、リオン!」

 「ああ!わかった!」

 『『『『何で、リオン(君・さん)は素直に言うこと聞くんだろう?』』』』

 命令されることが嫌いなリオンが、横島のいう事を聞くことに疑問を持ちながらも助けるためにも四人も言う通りに従った・・・そして、

 「マリアン!」「エミリオ!」

 作戦は無事成功。二人が抱き合い、リリスが妨害がないか守る中、五人はレンブラントを倒した・・・が、

 「羨ましいぞ、こん畜生!(どご!)」

 「(ずきん!)ぐおああああ!な、何だ、苦しさが急に!」

 「え、エミリオ!どうしたの!」

 「がはははは!美女に抱き着かれた報い「何やっているの!(ばき!)」ぐほおお!き、きい、たぜ(どさ)」

 二人が抱き合う姿に悔しくてリオンを藁人形で苦しめたが、リリスのリバーブローに崩れ落ちた横島だった。

 そんな漫才も終わり、ちょうど救助ポッドもあるので彼女を入れて脱出させることにした。

 「リオン、お前はここまでだ。この人と一緒に出ろ」

 でも、横島がリオンも脱出するよう言った。

 「「「「「え!」」」」」

 「何!貴様「お前が言っただろう?そこの可愛い子ちゃんを助けるまでって」・・・すまん」

 てっきり全員が最後まで一緒だと思ったことにびっくりして、リオンも反論しようとしたが横島の一言で理由が分かったので、引き下がった。その姿にソーディアンメンバーは驚いた。でも、リリスは

 

 「(傍で守らせるために出すんだね。自分ができなかったことをやらせるんだね・・・タダオ、見直したよ。そして、少し素敵よ///)」

 

 その横島の直接言わない優しさと一緒にいさせる気持ちに少しずつときめき始めた。

 

 

 リオンとマリアンが脱出後、五人で空中都市を次々と攻略していき、ソーディアン・イクティノスを蘇らせてやっとウッドロウも本当のソーディアンマスターとなったりしたが、その間も地上にベルクラントで攻撃されて空に地面が出来ていく。そして、ついにヒューゴがいるそのベルクラントに突入してルーティとヒューゴの親子が顔を合わせたが、

 「てめえ、ヒューゴじゃないな」

 横島が突如そう言った。ソーディアン達と仲間達はえ?となって横島を見た。

 「お前が持っているそのソーディアンに入っている魂。と言うべきか?ヒューゴとソーディアンのどっちからも同じ魂のオーラが見えるんだよ!ソーディアンに入っている奴がヒューゴを乗っ取ったんだろ!」

 これは霊能力者である横島だからこそ分かったことだ。霊能力者が持つ霊視をした結果、ヒューゴと彼の持つソーディアン・ベルセリオスから同じオーラが見えたからこそ分かったことだ。何しろ、ずっと五人のソーディアンマスターを見て別々の魂のオーラを見てきたので十分な説得力だ。

 『はははは!このまま戦わせるつもりだったが、まさか見抜くやつがいるとはな!随分と面白い目をしているようだな!』

 のっとった奴にとって、横島はおそらく初めて見るタイプだったのだろう。笑うといきなりソーディアンが光り、その光が玉型となり・・・やがて人の姿となった。ヒューゴはそのまま倒れて、その人となった奴がソーディアンを持った。倒れたヒューゴは気を失っているが、どうやら生きているようだ。

 『な!貴様、ミクトラン!』

 『死んだはずじゃなかったの!』

 『もしや、魂をベルセリオスに入れておったのか!』

 『それで間違いないかと。ヒューゴはそれを握ったがために乗っ取られたのでは!』

 ソーディアンの四人は驚いた。まさか天地戦争の天上側の大将が自分の仲間に入り込んでいたとは思わなかったからだ。その後、皆が驚く中ベルクラントの一撃が地上に撃たれ、完全に世界が天上の地面で覆われた。スタン達皆でミクトランに戦いを挑んだが、

 『お前達はよくやったが、これで終わりだ!』

 彼の強さに負けてしまった。その理由は、ソーディアンの力をマスターの四人が十分に扱えていないからだ。横島はヒューゴを守るために戦闘には参加しなかった。ミクトランがベルセリオスを高く上げて、魔力を貯めた。

 「・・・くそ!」

 その時、横島が前に出て文珠を使った。使った個数は四つで浮き出た文字は

 

 『瞬』『間』『移』『動』

 

 これにより、横島はこの場にいる全員を何とかベルクラントから出すことに成功した。

 その後、ミクトランはベルクラントを用済みとして地上に落とした。瞬間移動して、戻ってきたのはダリルシェイドの城の王の目の前だった。いきなり、目の前に七人の人間が現れて驚いた。しかも、内一人は首謀者・ヒューゴだ。だけど、様子がおかしいことに王もすぐに彼を捕まえようとしなかった。

 その後、意識を取り戻した皆の中で発言力があるウッドロウが全部説明してくれた。その途中で、そこにラディスロウにいた助手が命がけで戻ってきた。二人の話で王も信じることができ、天上の地面を壊すことに協力することとなった。幸い、ラディスロウを制圧されたがリトラーの投射された人格は壊されてなかったので、彼からの指示でダイクロフトへ行くために飛行竜作りとマスターとソーディアンとの意思疎通とパワーアップの二つをすることとなった。

 飛行竜の命ともいえる結晶を取りに行くのを横島一人で行い、スタン達はソーディアンと自分達のパワーアップをすることにした。そして、

 「僕もやらせてもらうぞ。僕の人生とマリアンを苦しめた報いを受けてもらわないと気が済まないし、このまま見過ごすわけにもいかない!」

 『あのミクトランが生きていたなんて・・・うん、ぼっちゃんがそういうなら僕も一肌脱ぐぞ!』

 リオンとシャルティエもスタン達と行動することになった。横島が何故一人で行動することになったのかというと、マリアンの護衛としてリリスを残すためだ。

 

 

 各自行動をする中、

 「あの、リリスさん」

 「何ですか?マリアンさん?」

 ヒューゴの屋敷にいるマリアンは、護衛より話し相手として見ているリリスに声をかけた。因みに、屋敷の主ヒューゴ本人は今回の件で自分の覚えている限りを話す必要があるため城に残っている。

 「リリスさんは、好きな人っていますか?」

 「は!す、好きな人?」

 そう言われて、リリスは頭の中に横島を思い浮かべた。リオンを立ち直らせ、彼にマリアンを任せ、ベルクラントでは皆を守るために前に出た姿に段々想いが強くなったのだ。本当は天空都市を攻略中にある一つのイベントがあり、そこから想いが確実なものになったのだ。でも、彼女もまだ若い。そう言われると、

 「い、いいい、いえ!そ、そういう、マリアンさんは!」

 こんな態度で否定してしまう。見て分かるくらい、いることが分かる態度だ。

 「そうですね。リオン、いえエミリオを世話するためにいるものだと思っていましたが・・・今は、男性として見ています」

 でも、彼女は大人。その答えに容易に返した。その返答に、こっそりすごいと思ったリリス。

 「いったい何があったんでしょうか。一緒に脱出した後、今まで見せなかった顔をどんどん見せてきて「もう君の心を傷つけない。ずっと守り続ける!」と言われた時は、心が熱くなりました」

 赤みを帯びた彼女の顔を見て羨ましいと思い、

 「今までは歳の事を考えてしまいがちでしたが、今ではもう考えなくなりました。私はもう迷いません。エミリオの事を世話する人としてでなく・・・愛する男性として見ようと決めました」

 マリアンの決意がまぶしく恋する女性の偉大さを初めて見たリリスだった。

 

 全ての準備が整い、最終決戦にリリスは参加しないでダイクロフトへの突入メンバーはソーディアンメンバーの五人と横島の六人になった。ただ、その突入の際に唯一ミクトランの力の支配がなかったラディスロウを地上から集めた多くのレンズを集めた晶霊砲を使って破壊したためリトラーが散ってしまった。彼の最後を見届けた皆は必ずミクトランを倒すことを誓った。

 

 

 そして、ダイクロフトへ突入してミクトランを倒したが、最後の悪あがきで散る前に『神の眼』を暴走させた。天上も地上も壊されるかもしれない時に出た最後にディムロスが発したのは、五人のソーディアンを神の眼に刺して自分達のコアと共鳴させて壊すと言ったものだ。スタン・ルーティ・フィリア・ウッドロウは反対したが、

 

 「シャル。今までありがとう、そして・・・ずっとすまなかったな」

 『いいんですよ。ふふ、ぼっちゃんのいろんな一面を見ることができて楽しかったですよ』

 

 リオンがシャルティエを神の眼に刺した。もう時間がないのだ・・・だからこそ、リオンはすぐに決断した。

 「四人とも、もういいだろ・・・元より、その気だったこの五人を止めることなどできないさ。俺達がすることは・・・五人の雄姿をその目に焼き付けることだ!」

 そのリオンの行動に横島は四人に言った。そして、同時に

 

 『後で必ず行くから・・・先に行って』

 

 同じことをした最愛の恋人の最後の姿を思いだした。辛い思い出に思わず涙が一筋頬を流れた。それを見て、

 「イクティノス、我がケルヴィン一族を守ってくれたこと、礼を言う!」

 『ウッドロウ。あなたは私などいなくても、立派にやっていけます!』

 「クレメンテ。私は、たくさんの世界を学ぶことが出来ました・・・あなたに出会えたから」

 『フィリアよ。お主は強い子じゃ。これから先もがんばるのじゃぞ』

 「アトワイト・・・私のお母さんって、どんな人だった?」

 『優しく・・・そして、苦しみに負けない素敵な人だったわ。ふふ、あなたはなれるかしら?』

 「ディムロス。おれ、俺・・・」

 『スタンよ。我々は長く生き過ぎたのだ。いい加減に眠らないといけない。だが、最後の仕事をしてからだ・・・スタン、楽しかったぞ!』

 四人は心を苦しめながら決意をして、神の眼にそれぞれのソーディアンを刺した・・・そして、飛行竜まで走っていき乗り込んで飛び立った。その数分後だった・・・今まで空に浮いていた地面にヒビが入り、どんどん壊れていったのは。その壊れていく姿に

 「ディムロ~~~ス!!」

 「アトワイト!」

 「く、クレメンテ!」

 「さらばだ!イクティノス!」

 「シャル・・・いや、僕の半身だった刀よ。さらばだ!」

 神の眼と彼ら五人がいる方に向かって叫んだ・・・時だった。

 

 『『『『『これからは、お前たちの時代だ!』』』』』

 

 その五人の声が聞こえた。スタン達は慌てて周りを見た・・・だが、何もない。横島がいるだけだ。でも、確かに聞こえた・・・だから、

 

 「「「「「絶対に!絶対に、忘れない!!」」」」」

 

 その声に答えた・・・何故、ディムロス達の声が聞こえたのかというと

 「(置いてきてよかったな。文珠)」

 横島が、あの場に文珠『伝』を置いてきたのだ。そして、こっそりもう一つの文珠『達』を持ってそこから五人の声が出てきたという仕組みだ。最後にこっそりアフターサービスをした横島も満足そうに彼らと同じ方向を見た。

 

 

 それから、数年後。

 「タダオ!こっちを向きなさい!」

 「タダオ君。私の方を向いて」

 横島は窮地に陥っていた。左右から女性が抱き着いているのだが、その女性がリリスと・・・イレーヌだ。

 「エミリオ。私達も、やりましょう」

 「・・・マリアンがいいなら」

 その近くにはマリアンとリオン・・・いやエミリオもいた。リーネ村でこの五人がスタンの家にいた。スタンは家を出て、ルーティのいるクレスタの孤児院に行き彼女と結婚した。ウッドロウは国王の仕事を続け、フィリアはスタンに想いを抱いていたが諦めて、自分のいた宗教団体の再建に全力を注いだ。

 何故マリアンとエミリオがいるのか?それはセインガルドを出たからだ。誤解を解いたとはいえミクトランの悪事に手を貸したので、罰として国外追放を王から受けたがリリスがここで暮らすように二人を誘ったのだ。イレーヌはというと、自分がいたフィッツガルドの貧富の差の問題。これをたくさんの国の皆も協力するようにするから絶対に解決させること。これが王の出した罰だった。

 彼女はその美貌からフィッツガルドの多くの人に慕われているので協力する人もどんどん増えていき、少しずつ改善していったが・・・住む場所をリーネ村に変えたのだ。私財全てを使って、家や家財すらも売って、その金を少しでも役立てる様にとしたため、横島を頼ってやってきた。

 

 だが、最大の疑問はヒューゴの部下だったイレーヌは空中都市でスタンに遺言を残して地上に向かって身を投げたはず。どうして生きているのか?というと横島が文珠を使ったのだ。

 

 『超』『加』『速』

 

 神のごとき速さで横島も彼女が飛び降りたところから飛び出て、彼女に追いつき抱きしめた。そして、最後の文珠『飛』を使って戻ったのだ。超加速が終わり、横島に抱きしめられているイレーヌを見て唖然とする皆と

 「な、な、なあああああ!」

 想いを持ち始めたリリスは震えながら指をさし、

 「な、何で私生きて・・・(それに、すっごく力強く抱きしめられてる。こ。こんなの初めて)」

 横島に抱きしめられて、少しドキドキするイレーヌ。その彼女に、

 

 「死んで償うだと・・・それで本当にいいと思っているのか!償う気持ちがあるなら、生きて償え!あんたを慕う子供や人だっているんだ!その人の心を傷つけて満足なのか!」

 

 説教をする横島。それを言われて、ボロボロに涙を流すイレーヌ。スタン達も同じように必死に説得をするが、中々頷かない。自分のしたことはそれほどに罪深いことを言ってくる中

 「というか、こんなにスタイル抜群な美女が目の前で死ぬのは絶対に俺が許さん!何より、イレーヌさんはおいしそうなちちしりふとももをしているじゃないか!味見もしないで死ぬなんて、世界が許しても俺が許さん!」

 横島が全く説得に関係のない煩悩者らしいことを言いだした。それを聞いた皆がは?何言ってんだ?という顔になった。

 「そんなに罪深いなら・・・罪滅ぼしとして、その体を俺がおいしくいただく!というわけで、早速いっただき「結局それが目的かああああ!(どっごおおおおん!)」ぐおわああああああ!」

 キョトンという空気の中横島がイレーヌにとびかかろうとしたら、リリスが渾身の一撃を込めてぶっ飛ばした。そんな漫才を見せられた彼女は

 「・・・いいわ。あなたに食べられようじゃない。私のこの体、あなたの好きなようにしていいわ///」

 「「「「「・・・は?」」」」」 

 「え?」

 何と、真っ赤になりながらぶっ飛ばされてたんこぶを作った横島に

 

 「私を生かした責任、とってくれるわよね?」

 

 どっかの真祖な吸血鬼のようなセリフを言って、横島にキスをした。これが、リリスの想いを確実にさせたイベントだ。何しろ、自分が少し想っていた人にキスをされたのだ。奪われるかもしれない気持ちが芽生え、そこから本気で思うようになったと言うことだ。

 

 「リリスさん。タダオさんはいただくわ」

 「そうはいかないわ!タダオ、私と結婚しようね!」

 イレーヌが一緒に住むようになって、リリスも完全に想いを出すようになった。

 「くううう!何じゃ、このおいしそうな餌がオリの中にあるけど明らかに罠だから入れないアライグマな気分は・・・何か小鳩ちゃんのときみたいだぞ!」

 二人とも火花を散らせる中、かつてのあの貧乏神と生きていた少女を思い出した横島・・・ここでその子の名前を出したのは間違いだった。

 「「小鳩って誰?」」

 二人の目つきがかなり怖い。想い人が自分とライバルの名前ではない女性の名前を口にした。そりゃ、不機嫌になるのは当然だ。

 「「詳しく聞かせてね」」

 「ちょ!ちょっと待ち!お願い(ずるずるずる)いやあああ!犯さ(バタン)」

 リリスの家に横島を引きずっていく二人。あながち間違ってない横島の叫びがドアで遮られた。その様子を見ていたマリアンとエミリオは、

 「ふふ、エミリオ。毎日が楽しいわね」

 「あのころに比べれば随分と苦労も多いが・・・だが、君が喜ぶならこれもいいな」

 ようやく手に入れた幸せを満喫していた。

 




 過去最高の文字数12000以上いった。いやはや、かなり好きなゲームでしたから気づけばここまで書いていた。
 リオンは本当に辛い目に遭いましたからね、幸せをつかんでほしかったのです。
 そして、イレーヌやヒューゴは本当はいい人でしたからね。ヒューゴはどこへ行ったのかというと、クレスタの孤児院でレンズでたまった自分の私財をそこにつぎ込んで細々と暮らしながらスタンと結婚したルーティの幸せを見て微笑む。というのが私の理想です。イレーヌのキャラがちょっとおかしくないかって?・・・聞かないで~~!

 次回が、真剣恋のハーレムです!一応、六人くらいにしようと思っています。その次はBLEACHの四楓院夜一か砕蜂。もしくはどっちもにしようと思います!

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