横島忠夫、〇〇〇〇と付き合ったらどうなる? 作:一日三食MEN
設定
シャークティ編の後という感じです。ヒロインは既に横島を意識しています。
一応、原作の流れにもそれなりに沿ってやっています。
ただ、今回のヒロインは・・・三分の二過ぎた後から変貌しますので注意を。
前回の瀬川泉編のあとがきにも書いたあの種類の話になっちゃいます。
設定というより注意書きですね・・・苦手な方がいたら、横島君が自滅するところで止めておいた方がいいと思います。では、どうぞ!
私があの人と出会ったのは、中学二年生になった時だった。
『な~、いいだろ?付き合えって!』
『すいませんがお引き取りください』
保育園の子供達と外を歩いていたら、興味のないナンパに出会い困っていた時だ。
『そこのナンパ野郎!正義の味方ヨコシマン参上!』
何やら顔の上半分を出して、下半分を手拭いで隠して・・・下半身が何故かパンツだけだったのだけど、あれを見た時は私もナンパもキョトンとしたわ?とりあえず、その後ナンパを倒してくれたら・・・今度はその人が手拭いを撮って顔を出して周りの女性達をナンパし始めたわ。さっきの行動は何?と言いたいくらいに・・・しかも、さっきのナンパ以上に不審者に見えたわ。
でも、私だけはナンパしなかったの。他の女性にはナンパしてはフラれての繰り返しだったのに・・・だから、思わず聞いてしまった。どうして私にはナンパしないのか?
『お嬢さんは滅茶苦茶可愛いけどさ。君、中学生だろ?そんなことをしたら(視線を体に向けた)俺・・・な、ななななななな!んfらおなおfなおえwなえwんl』
と喋っている途中で変な言葉になって、別のどこかに行ってしまったわ。←その理由は那波のパーフェクトスタイルを見て煩悩が湧いてしまったため。その後、顔を真っ赤にして路地裏に入って「ちう学生があのちちしりふとももしてていいのかあああああ!」と叫んで、高畑に呆れられた。
でも、その言葉に私は驚いた・・・何故なら私はあの人に自分は中学生とは言ってないし、言っても信じてくれないと思っていた。私の顔立ちや雰囲気はどうやら周りの人からすれば、高校生か大学生・・・ひどいときには主婦とすら見られていた。大学生くらいまでならまだ我慢できるけど、それ以上はもう傷つくレベルだった。でも、あえて我慢して言わせないようにするのが精いっぱいだった。
子供の頃は大人に憧れるものだけど、ずっと言われているとやっぱり辛いものがある。私だって中学生なんだから、ちゃんと実年齢らしく見られたいし年相応の女の子だと理解してもらいたかった。でも、男の人はおろか女の人からも見られ続けていたから、そういう人とは巡り合えないと思うようになった。
でも、あの人はパッと見で気づいてくれた。ナンパをしている軽い男のように見えるけど、私には十分すぎるほどに興味を引く出来事でありこの時から気にする男性となった。登校中に清掃するあの人を見ると、少しずつ目で追うようになった。
そして、私があの人に恋したのは中学三年生になった時だ。何でも、小太郎君という少年がネギ先生を頼ってやってきた時だった。ヘルマンという男性がやってきて、その小太郎君を使ってひどいことをしようとした。私やあやかも捕まって、逃げられないようにするためか裸にすらされて・・・どうすればいいかわからないときに、
『そこのふけ面野郎が!ヨコシマン・・・いや、今だけはこっちにする!このGS横島がてめえを極楽へ行かせてやるぜ!』
とヘルマンに向かって叫んだ。格好つけているつもりだったけどヨコシマンの姿だったから、皆恥ずかしくないの?と思いながら見ていて、戦っている時もその気持ちだったわ。後、私達の裸が見えていたのか、戦いながら鼻血を出して「違う!俺は、ちう学生の裸に興奮してないんじゃああああ!」と自分に言い聞かせるように必死だったのは今でも忘れないわ。
『が~~はははは!卑怯結構メリケン粉じゃい!』
『『『『ひ、卑怯!』』』』
目に砂を賭けたり、一発攻撃したらすぐに逃げ腰になって遠くに逃げたりして、卑怯・汚いと言った戦い方だったので皆はあの人には助けられたくない。とか言ってネギ先生と小太郎君を応援していたけど、私は違った。
ネギ先生や小太郎君が正々堂々頑張って戦っている姿を見ているから分からなかったのでしょうね。あの人は二人がダメージを受けないように、そして戦いに集中できるようにヘルマンを自分に意識させて、攻撃も自分が受けてあの子達を傷つけないようにしていた。そう、やられ役と憎まれ役を自分から買って出てあの子達にしっかり頑張れる場を作ってあげていたわ。
『くらえ!必殺~~~!除夜の鐘じゃあああああ!(ずごおおおおん!)』
『・・・全く、何をす(ずきん!)ぐわあああああ!(ゴロゴロ)』
『『・・・・・・』』
『『『『・・・・・・』』』』
・・・男の一番の急所を蹴りこむ姿はちょっとだけ引いたけど、皆もヘルマンの痛みに苦しむ姿に唖然としていたし・・・あら?そういえば最初は全然痛みを感じてない顔だったけど、どうしていきなりあんなに地面を転がるほど苦しんだのかしら?←実は蹴りを入れた足に『激』『痛』の文珠をこっそり仕込んでいた。蹴った時はまだ効果がなかったが、効果が発動してあの部分に思いっきり痛みが来たのだ。
そして、ヘルマンを倒した後皆は解放されて助かったわ。あの人・・・横島さんには寄らないでネギ先生と小太郎君のところに皆が言ってお礼を言ったり抱きしめている中、
『ぐすん、俺だって皆を救うために戦ったのに・・・そりゃ、皆裸だから男の俺に駆け寄りたくない気持ちはわかるけど、あそこまで拒絶しなくてもええやろ(トボトボ)』
誰にも感謝されず、むしろ近寄ろうとしない皆を見て、がっかりしながら去ろうとしている横島さんの姿があったわ。とりあえず服を着れたから、私からお礼を言おうと思って後を追ったら・・・見てしまったの。
『学生時代か。あいつらとの日々、楽しかったな・・・でも、ちゃんと卒業したかったな(ぐす)』
辛そうに涙を出す姿と歩く後ろ姿が・・・とても悲しそうだった。とても寂しそうだった。とても必死に我慢していたように見えた。卒業したかった?まさか、学校をやめないといけない理由でもあったの?女性ばかり追いかける姿だったけど・・・もしかして、寂しさを我慢するためにやっていたの?それとも・・・。
いろいろな考えが浮かぶ中、私はその後ろ姿に心を奪われた。気づけば、もっと横島さんの事を知りたいと思うようになり・・・恋に落ちた。
だから、ショックだった。私は高校生になったら横島さんに告白するつもりだった。中学生だと受け入れてくれないけど高校生になれば受け入れてくれるはず・・・好きと伝えて、恋人になりたいと思っていたのに。横島さんがシャークティ先生に告白したなんて。私がその隣に立ちたいと思っていたのに、私が支えたいと思っていたのに、私が・・・そう私が横島さんの全てを受け止めようと思っていたのに。
このままではだめだ。高校生になる間に・・・もしもっと進展したら、私が入り込む隙がなくなるかもしれない。そうよ、躊躇っちゃダメ!待ってちゃダメ!私は、絶対にあの人の、横島忠夫さんの隣に立つ!その為にも・・・行動に移さないと!
<ここからはいつもの第三者視点に戻ります>
欠伸を上げて目を覚ます横島。自分の部屋で頭をかきながら起きると
「ZZZ・・・ん?あれ?」
いい匂いがした。横島のすきっ腹を思い切り刺激するおいしそうな匂いだった。すぐに台所に行くと、
「あ、おはようございます横島さん。朝食できましたので」
「・・・・・・へ?」
制服に肩掛けエプロン姿の新妻と思わせるくらいの雰囲気を出す那波が笑顔で出迎えた。実際、横島もそれを感じ取って「あれ?俺って結婚してたっけ?」と一瞬思ってしまった。
「えっと・・・その、な、那波ちゃん?」
「・・・(む~)」
「あれ?何でむすっとしたの?」
「千鶴、です。私は千鶴と呼んでください」
「え、えっと・・・じゃあ、千鶴、ちゃん?」
『(ドキドキドキ)あああ、愛する人に名前で呼ばれる。ただそれだけなのに・・・こんなに幸せに思えるなんて!ちゃん付けなのがちょっと不満だけど、まだまだこれからよね♥!』
何故いるのか問いかけようとしたが、苗字じゃなく名前で呼んでほしいと言ってくる。要望に応えて名前で呼ぶと、これ以上ない後光すら見える笑顔を見せた。本人はちゃん付けに不満だったが、それを感じないくらいの幸せそうな笑顔だった。
横島がその笑顔に見惚れていると、
「では、朝食を食べましょう」
「あ、ああ・・・えっと、女子寮の方はいいのかい?」
「はい!大丈夫です!」
「そうか・・・じゃあ、いただきます」
朝食を食べるよう言われたので、意識を取り戻して食べ始めた。那波も食べながら、横島が上手そうに食べ「美味い!」「料理上手だね!」と言われて嬉しそうにしていた。その度に、「千鶴、美味しいよ」「お前の料理は毎日でも食べたいくらいだ!」と脳内妄想していたことは彼女だけの内緒。
因みにその頃女子寮では、
「ZZZ、ZZZ」
「起きてください!夏美さん!遅刻してしまいますわよ!」
いつも起こしてくれる那波がいないので、同室の村上がぐっすりと寝ている。同じ同室の雪広の健闘もむなしく遅刻してしまった。←小太郎は朝のトレーニングに行ってるのでいない。
・・・だが、学校で
「ダメじゃないですか。村上さんに雪広さん。遅刻しちゃ」
「は、はい~~ううう、ちづ姉の裏切り者~~!」←ちゃんと登校している那波を見て言った。
「はい!気を付けます!ですが、これからも遅刻をしてしまうかもしれませんので、よろしければ今後は私が遅刻しないようずっと私の部屋で暮らしませんか!ええ、絶対にネギ先生を幸せにしてみせますとも!・・・そうですわ!今から結婚の準備「暴走しすぎ!(ばき)」あいた!」
叱られてへこむ村上だがネギをちょ~~溺愛している雪広は、これ以上ないほどショタコンでしかもネギは大の好みでもあるので、説教されることがむしろ嬉しそうだった。しかも暴走して顔をリンゴを上回る赤みを出して遅刻の話題から結婚の話題になっていきそうだったので、明日菜が叩いて止めた。当然、そこから喧嘩になったのは言うまでもない。
四時間目が終わり、昼休みになったと同時に、
「ちづ姉~、ご飯・・・って、いない!」
「むむむ、拙者も気づかなかったでござる」
「(・・・私もだ)」
「別に、どうでもいいじゃないか(私の魔眼すらも振り切ったことには驚くがな・・・今朝はあの清掃員のところに行っていたみたいだから、そこに向かったと思うが・・・あの男はいったい何者なんだ?ヘルマンとの戦いでは無様と卑怯が目立ったが、あれを実際の戦いでされたらひとたまりもない。よほど、戦い慣れている証拠だ)」
「っは、どうでもいいことだ。茶々丸。屋上へ行くぞ(あの速さ・・・茶々丸や長瀬を上回るぞ!いったい何者だ!那波は!)」
「はい、かしこまりました」
那波がいなくなったことに驚く村上。このクラスの実力者達も全員が気づけなかったので、驚きを隠せない。真祖の吸血鬼であるエヴァンジェリンですら、内心びっくりしていた。ただ、その中で龍宮だけはヘルマンとの戦いを魔眼を使ってみていたらしく、その時の横島の戦いに興味を持っていた。
当然、那波が向かう場所と言えば横島のところだが・・・
「那波さん。くっつきすぎではないですか?中学生がそこまで異性にくっつくのはよくないかと」
「シャークティさんこそ、神の御使いであるシスターがそんなに密着していいのですか?」
「ううう、天国と地獄。両方が・・・今ここにある」
シャークティもいて、二人して横島を捕られまいと思いっきり体を密着させていた。シャークティの巨乳と那波の爆乳の感触を味わえて天国だが、火花の中心から逃げられない地獄を同時に味わうことになった横島であった。
学校が終わり、放課後になったのだが
「さあ横島さん。今夜は泊まっていきますからおいしいご飯をたくさん作りますね♪」
「那波さん。それは恋人の私の役目です。ただの学生のあなたが出なくてもいいです」
火花はまだ散っていたどころか、むしろ大きくなっている。シャークティもシスターの顔を完全に捨てて、恋人の顔をして那波に立ち向かっている。はた目から見れば両手に花なので、
「おいこらそこおおお!!!いちゃついてるんじゃねええぞおおおお!」
「その通りだおら!てめえら見せつけやがってえええええ!」
どっかの元浜と松田が怒りに燃えていた。←潜入してナンパしていたが失敗。タカミチに捕まり、女子がセクハラされまくったと言ったのでぶっ飛ばされた(本当)。
その後、二人は本当に横島の家に泊まりに行き風呂まで入ってバスタオル姿を見せつけて、横島を鼻血の海に沈めた。二人とも着替えた後、シャークティはそれを見て自分のしたことに羞恥に悶え、那波は笑顔で手当てをしてベッドに連れていき一緒に眠りについた。
そんな日々が続き、那波は焦っていた。何故なら、シャークティが段々シスターの顔を無くして女の顔を出すようになってきたからだ。那波が出る前のシャークティは横島の結婚を前提に付き合ってください!宣言を受けても、異性との付き合い自体初めてなので腕を組むことはおろか手を繋ぐことも満足にできなかった。何より、シスターとしての職務に誇りをもっていたので男女の付き合いを中々やろうと思えなかったのだ。だから、あの宣言も本気だと知っても自分は横島に相応しくないという消極的な気持ちもあった。
だけど、那波という強敵が目の前に現れたことで、しかも自分から寝取ろうとしていることを知ったことで、彼女は自分の気持ちをしっかり自覚できた。奪われたくない思いも出てきたので、徐々に恋する女性の顔を表に出すようになった。那波に負けないようにと思い弁当を作ったり、清掃中に偶然と言いながら話しかけると同時に手を繋いだり、夕方にバイバイする時にはキスまでするようになった。
このままでは負けてしまう・・・そう考えながら学園祭の準備中にある噂を聞いた。
『学園の中心にある大樹の下で告白すると、そのカップルは絶対に結ばれる』
焦っていた彼女にとってはとても大きな朗報だ。ここで一発逆転して、自分に振り向かせたい!そう思い、
「お願いです、横島さん!学園祭の日、私とデートしてください!」
「お、おう。い、いいぞ」
学園祭デートにこぎつけた。詳しいことを聞くために朝倉や他の噂好きなクラスメイトに確認したが・・・のちに確認された女子達はこう答えた。
『『『『『あの時の千鶴さんは、覇気を持っているのでは?と思えるくらい怖かった』』』』』
特に、いろんな情報を持っている朝倉はその日からしばらく彼女の笑顔が怖く見えたという・・・。
そして、学園祭の日だが、
「どうして、一緒なのですか?」
「問題ないですよね?私達は恋人同士なのですから」
「教会の方はどうするのですか?」
「ご安心を。こういう時くらいは皆さんが楽しむよう教会の業務は止めています」
せっかく自分のクラスの出し物の時間の中でデートできる時間を調整したのに・・・結局この三人でデートすることになってしまったのだ。二人っきりでいろんなところへ行けることに想像はおろか妄想すらしていたのに、台無しになってしまったので、シャークティを睨んでいなくさせたいが全部却下されてしまった。
ただ、横島とシャークティは学園長と書いてぬらりひょんと呼ぶ近衛近右衛門から、この学園祭の時期は大樹に宿る魔力が告白によって出てしまい告白されるとその通りにされてしまう事から、カップルが結ばれる理由を聞いたのでそれを阻止する警備の意味もこもっていた。ただ、この話を聞いた時の横島は
『何と羨ましい!くっそおおおおお!俺もここで美神さんに告白すれば、そして西条にそれを見せびらかせて悔しがらせれば・・・ぬおおおおお!悔しいぞおおおお!』
両想いになれる手段があることに目を輝かせたが、美神という名を出したことでシャークティが嫉妬して涙目になったので慌てて言い訳に必死だったが、何とかその言い訳を聞いてくれ許しくれたので思わず彼女を抱きしめた横島。いきなりされた上に皆に見られていることに恥ずかしがりながらも、真っ赤になって「私を、心配させないでくださいね」と言って抱きしめ返したシャークティ。ネギが真っ赤になって見ていたり、魔法生徒や先生も微笑ましく見ている中
『・・・シャークティさんみたいな人になれれば、私にも本当の運命の人に出会えるかな?』
彼氏に振られた経験のある葛葉刀子は思った。
学園祭も大詰めにきていろんな出来事が起こり原作のようなことも起こったが、三人はデートを楽しんでいた。しっかり告白阻止の動きもしていた・・・ただ、それが余りにも非道だった。
『リア充男が!シネ!死ね!くたばれえええええ!』
心でこう罵りながら、男子に向かって藁人形を五寸釘で打つのだ・・・しかも、その場所が股間なのだ。考えてほしい・・・告白をするにしろされるにしろ胸も頭もドキドキで緊張でいっぱいの中で、まるで鈍器で思いっきりあの一番の急所をぶつけられたらどうなるか。
悶絶してどうすることもできないままその場でうずくまり、ひどいときには失神だ。しかも、横島はそれを二人の目が自分から離れた隙にやってすぐにしまうのでばれない。何とも彼らしいやり方だが・・・
『ぐぎゃああああ!な、なじぇだああああ!』
自分も既にリア充男に値する状態になっていることに気付いてないのか、自分自身にダメージを与えていたのだ・・・そんなところも横島らしかった。
結局、学園祭が終わるまで那波は告白が出来なかった。シャークティが隣にいる程度ならまだいい。目の前で告白したと同時に奪い去ったり、目の前でキスを見せつけたりと三人で移動中にいろいろ考えてもいたのだから。
ただ、それが出来なかった最大の原因は・・・告白して結ばれる噂はもはや学園中に広まっていたため、いろんなところでそれをしようとするシーンがあれば横島の呪いの出番ということになる。・・・つまり、五寸釘を刺すと同時に自滅して苦しむシーンも出るのだ。そう、横島の自業自得が彼女の告白を遮ったと言えるのだ。
がっかりしながら、今はグラウンドでやっている後夜祭を横島と一緒に屋上から見ていた。シャークティはというと、今は葛葉に捕まってどこかに連れていかれた。いろいろ聞きたいと同時に、ぬらりひょんへの愚痴を吐きたいからだ。
「ごめんな、こんな学園祭になっちゃって」
「いえ・・・いいんです。(今は、二人っきりだし)」
「いや、よくない。女の子をがっかりさせちゃった償いをさせてくれ!」
「え、い、いや、頭を下げないでください」
明らかにしょぼんとしている彼女を見て謝る横島。その行動に慌てるが・・・頭の回転が速い彼女はすぐにひらめいた。償いをさせてくれと言った・・・その言葉に目が光った。ただそれは・・・余りにも危険なひらめきだったのだが、彼女には名案だった。
「じゃあ、横島さん。今から言う事を絶対に断らないでください」
「おう!任せろ!どんなことでも叶えてやる!」
これで言質は取った。そして・・・自分で自分の首に縄をかけた横島。その縄を
「私はあなたの事を愛しています。あなたも私を愛してください・・・もちろん異性として、男と女として」
がっちりしめた那波・・・しかも、
「・・・・・・は?」
「恋人・・・無理なら愛人でもいいです。あなたがその気なら抱かれてもいい。シャークティさんと結ばれた後の浮気用の女でもいい。性欲処理をするためだけの女でもいい。一層の事、あなただけのメス犬にしてくれても構いません」
「ちょ、ちょちょちょ!」
これ以上ないほどほどけないくらいに締めまくった。そう・・・ひらめいたこととは断れない状況を作って自分と付き合わせるという事だった。唖然としている横島に追撃を出す。逃げ道を無くすために、自分というゴールに向かわせるために。
とんでもない言葉をどんどん出す那波に慌てる横島。ただし那波は止まらない・・・止められないのだ。何故なら、ずっと、ずっと・・・
「断らないでくださいね。どんなことでも叶えてくれると言ったのですから・・・大丈夫です。私は、たとえ体だけの関係にしてくれてもいい。体だけ目当てにされてもいいと思っています・・・私を愛してくれるなら、傍に置いてくれるなら、そんな境遇でも私は我慢できます」
・・・彼女はこの時まで我慢し続けていたのだから。告白しようと決めたあの時から・・・シャークティと恋仲だと知っても諦めなかった。この学園祭で告白したかったのにできなかった。その苛立ちと我慢をここで出した。
「あ、あのね。少し俺の「横島さん」は、はい?」
この屋上には二人と同じようにカップルが後夜祭を見ていて、いい雰囲気になって二人だけの世界になっているのか、二人の異質な空気に気付いてない。横島が口を開こうとしても遮ってくる。
「いいですか・・・もし、断ったら」
那波の目の色が一気になくなり・・・ブラックホールを思わせるくらいの闇を感じさせる目になり、いつものおしとやか、朗らか、和やかな彼女がここまで変貌したことに驚く横島に抱き着き・・・耳元で囁いた。
「ここから、あのキャンプファイヤーに向かって二人で落ちましょう・・・本気ですから、私」
その言葉に、頷くしかなかった横島だった。自分の(病んだ)想いを受けてくれたことに嬉しくなった彼女は濃厚かつR18レベルのキスをした。そして、それを
「な・・・ななななな、那波さん!何を、して!」
「(ちら)・・・(ニコ)」
「え、あ、むぐうううう!!!」
やっと葛葉から逃げ出したシャークティが目撃した。彼女の存在を確認した那波は、もっと見せつけようと・・・更に自分の体を存分に押し付けて抱きしめている力も増した。横島はフルに頑張っても抜け出せない状況にキスを受け続けるしかなかった。
「ま、ま、負けません!」
シャークティも負けじと無理やり横島の顔を自分に向けて同じくらいのキスをした。
『・・・あああ。俺、天国にいるんだな~~~』
横島にできることと言えば・・・現実逃避くらいしかなかった。
キスをしまくった二人。横島は床に横たわり、立っている二人が火花を散らし合う・・・と思いきや、
「ふふ、ご安心ください。シャークティさん、私はあなたと横島さん、いえ忠夫さんとの結婚は反対しませんよ」
「な、ななな!何を言うのですか!それに、あれを見せつけられて反対しないなんて!」
「大丈夫です、本気ですから。結婚してくれても構いません」
冷静かつぞっとする笑顔を見せる那波。かろうじて意識のある横島はその笑顔に心底ぞっとした。シャークティは勢いと怒りでその笑顔を真っ向から見ることができた。
「な、何でそこまで言えるのですか!何か企んでいるのですか!」
「企む?とんでもない・・・ふふ。ただ、決めたんです」
「決めた?何をですか!」
話が半分通じない那波はそんなシャークティに向かって心からの笑みを見せて、
「ず~~~っとこの人と一緒にいるって、離れないって決めたんです・・・ふふ、それなら別に恋人でも婚約者でも妻でもなくてもいいですからね。それに、愛してくれるなら愛人でも奴隷でもメス犬でもいいですからね。むしろそっちの方がいいとわかったのです。ですので、どうぞ結婚してください」
この言葉にシャークティはとても恐怖したという。
いや、どうしてもヤンデレになっちゃうなこのヒロイン。横島の傍に入れるなら女がいても構わない。最終的に自分を永遠に見続けて愛してくれれば・・・そんな終わり方になりました。久しぶりに書いた気がするな、ヤンデレで終わる話は。
次回はついに三、四話使ったハーレム話をして、使う原作が東方です!ヒロインはまだ未定だし何人にするかも未定ですがお楽しみに!・・・・・・と言いたいのですが、ちょっとお休みします。理由は活動報告に書きますので、そちらを見てください。