横島忠夫、〇〇〇〇と付き合ったらどうなる?   作:一日三食MEN

52 / 121
 お待たせしました!やっと決着編です!さあ、優勝は誰かな!


横島忠夫争奪戦・決着編(東方)

 横島忠夫争奪戦の決勝戦が始まった。ここでは能力の使用も認められるし、何より制限時間で捕まえた時点で勝ちだ。つまり、皆の前で勝利宣言と恋人宣言ができるということだ。その野望と想いを持って咲夜・美鈴・衣玖・鈴仙・慧音・・・白蓮はちょっと怪しいが、とにかくここで優勝して、横島ゲットだぜ!をするために森の中に入っていった。

 ただし、彼女達は・・・いや、映像を見ている観戦者達も真面目かつ誰かの為に正々堂々と必死に体を張る横島しか見てこなかったため知らなかった。また、横島が盾や攻撃弾になるサイキックソーサーや漢字一文字でおおよその機能を発揮できる文珠の能力を持っていることは、自分達を救ってくれた際に使っていたので既に全員が知っていた。それが彼の全ての力だと思いながら、六人はそれに対する対策も考えながら移動していた。観戦者もまた同じ考えだった・・・が、それが間違いだった。

 横島を本当の意味で警戒しないといけないのは目に見えるそれらではなく

 

 「「「「「うわあああああああ!」」」」」

 

 かつての彼・・・いや、上司の美神の教訓とも言える目に見えない罠や騙しこそが彼本来のやり方であり、それこそが一番警戒しないといけない事だった。

 

 

 ゆっくり入った白蓮以外が横島の作った罠にはまった。

 「ぐ!どうなっているのよ!」

 衣玖は空から見る為に飛ぼうとした途端に、たまたま引っかかった蔦が脚に絡まったり、

 「い、いったい・・・」

 美鈴はある落ち葉を踏んだらいきなりたらいが落ちて頭に当たり、

 「こ、こんな罠が何故?」

 慧音は両端の木からいきなり枝が出てきて、服が引っ掛かり敗れてしまい上着が破れてシャツ姿になり、←ブラはちゃんとしている。

 「こ、こ、怖かった!」

 鈴仙の背後にいきなり永琳が現れて、怖い形相で追いかけてきたり、←逃げたミスターを(実験台にするために)探していたらここに来た。

 「くう、何と高等な罠を!」

 人が数人は入れそうな落とし穴に落ちた咲夜・・・手にはレミリアとフランの笑顔の写真がある。

 

 だが、ここまでならまだいい。ちょっとした罠に引っかかったという事で、今後は気を付けようという気になるが・・・横島の罠の本質はここからだ。

 「ちょ!なな、どんどん絡まってくる!」

 蔦がどんどん絡み、服の中に入ろうとすることに焦る衣玖。ちょっと卑猥に見える姿にテレビを見ている天子が面白そうに見ている。←この後雷鼓弾で焼き切った。

 「(がん)ぎゃ、(がん)さ、三か(どっごおおおおん)・・・四回目が地雷って、どうして今まで爆発シナカッタノデスカ!」

 後二回たらいを頭に受けて、その後何故か地面が爆発して被害を食らった美鈴。罠のおかしさに思わず言葉遣いがおかしくなった。

 「罠が高度かつ巧妙化しているのではないか?」

 進んでいるといきなり目の前に彼女の身長の半分くらいの岩が転がってきた。その岩を避けようとしたら、何といきなり岩が爆発して中からとがった枝が何本も出てきて彼女のスカートを見事なまでに切り裂いた。ロングスカートからミニスカートになり、ちょっとでも屈むと(ブルーの)下着が見えるくらいになった。←上の服もへそ出しルックになった。

 「ど~~こ~~だ~~!」

 「(がくがくがくがく)ううう、青鬼より怖いよ~~!」

 永琳はミスターを探しているが『幻』の文珠を知らぬ間に仕込まれた鈴仙が彼に見えるのか、もはやマッドサイエンティストレベルな狂気な笑顔で狂気の能力を持つ鈴仙を追いかける。自分の目印になってしまう頭のうさ耳を抑えて必死に逃げる。その際に気や地面から出る枝に服が引っ掛かるが気にせず必死に走り続ける。

 「こ、こっちにはお嬢様と妹様の着替え写真が・・・いや、私には忠夫が・・・っは!あれは忠夫のセミヌード写真だと!し、しかも、こっちは!」

 横島と同じくらい好きなレミリアとフラン。この三人の多種多様な写真がこの落とし穴にあった。時間を止める能力を持つ彼女が横島を探す時間を止めて、こっちに夢中になってしまった。

 

 

 そう・・・横島の罠はそこから更に新たな罠に対象者を二重三重に引っかける罠なのだ。しかも、数分あればすぐに新たな罠も作ることができるので、見ての通り被害は(一部おかしなのもあるが)甚大だ。

 「はあ、はあ・・・うう、こんな姿にまたなってしまった///」

 衣玖は蔦地獄から抜け出したけど電気の攻撃で服も被害がでて、スカートが完全になくなり(紫の)パンティ姿になってしまった。今はかぶっていた帽子で前を隠しながら移動をしているが、この姿では恥ずかしくて空を飛ぶことができない。

 「恥ずかしいですが・・・もう、構ってられないです!」

 美鈴に至っては着ていたチャイナ服が地雷でボロボロになり(上下共に赤い)下着姿になってしまった。最初は恥ずかしがったが、周囲に誰もいないので途中から諦めてその姿のままで横島探しを再開した。誰かに見つかっても女性しかいないし、横島だったらちょっと照れるけど誘惑できる。そう考えを変えたのだ。

 慧音は何と角を出し赤い目をする姿・白沢(ハクタク)になっていた。満月を見ないとこうならないのだが、昼過ぎでも月は出てくる。それがたまたま満月で、運悪く空が見えるところでそれを見たためにこうなったのだろう。しかも、この時の彼女は

 「ふふふふ!慧音では無理だろうな!あいつを、忠夫を夫にするには!」

 かなり好戦的かつ大胆に行動する。どうやら、こっちの彼女も横島に恋をしているようだ・・・いや、むしろ自制心の強い慧音より抑えることをしない白沢の方が横島への想いが強いように見える。

 そして、一番深刻なのが鈴仙だ。永琳を何とか撒くことが出来て、彼女は既に森を抜けていたのだが鈴仙はいまだに震えながら周囲を調べている。もはや、横島の事を今だけは忘れて恐怖に怯えているのだ。服の被害はところどころ破れた程度なので慧音の次に低いが・・・心の被害は一番デカかった。

 最後の咲夜だが・・・

 「けほ・・・ううう、しゃ、写真が全部無くなってしまったああああああ!」←マジ泣き中。

 自分の好きな三人のセミヌード写真が見えて、欲望に負けてそれに手をかけた瞬間だった・・・いきなりこの落とし穴の中で火柱がたったのは。もちろん加減した火柱なので咲夜は無傷で済んだが、写真は完全に全部燃え尽きた。しかも、ご都合主義で服も燃えてしまったが、何故かメイドハットとエプロンだけは無事だったので(黒の)下着姿のメイドエプロン姿となった彼女である・・・美神と同じくらい女王様に見えるのは気のせいではない。←これを見たレミリアとパチェリーが苦笑いをした。

 

 五人共かつての横島好みの色っぽい姿となっていたが・・・ここまで出てこなかった白蓮はどうなっているのかと言うと、

 「いろいろとありましたが、これも忠夫さんを癒すための試練ですね」

 ・・・服に関しては彼女が一番甚大だったと言っておこう。直接的な表現ができないので遠回しに説明するが、テレビアニメで都合よく出るあの光の線で女性の胸や腰の部分を隠さないといけないくらいの姿になっていた。ゆっくりのこのこと歩いていれば罠に引っかかるし、彼女は常に自分に厳しくしているため、この美しい体を隠すものが全部なくなってもそういう考えになり全然恥ずかしがろうとしない・・・もはや、菩薩の域だった。それを見た彼女を慕うナズーリンや小傘達は汗を流していた。

 

 

 横島を捕まえる鬼ごっこが始まり一時間が経過した。残り二時間となったがまだ捕まえてないどころか、六人共まだ能力を使ってすらいない。

 それは何故?と言われたら

 『『『『『『この鬼ごっこを甘く見ていたから』』』』』』

 と、六人とも口を揃えてこう答えるだろう。何しろ、この前の鬼ごっこでは青鬼というチートな鬼から逃げる役から横島を捕まえる鬼役に変わったのだ・・・逃げなくてもいい。むしろ愛する人を捕まえて皆の前で独占出来る。ということが心に安堵を与えていた。だが、それが仇となってしまい、

 

  十六夜咲夜・・・黒のブラのパンティにメイドハットにエプロン姿(前から見たら裸エプロンメイド)

  紅美鈴・・・彼女の名前通り、紅色のブラとパンティ姿(頭の帽子はある)

  永江衣玖・・・髪の色と同じ紫のパンティ露出姿(帽子で前を隠しているが後ろからは丸見え)

  鈴仙優曇華イナバ・・・ところどころ破れた程度であまり変化がない

  上白沢慧音・・・ミニスカにへそ出しルックとなり、更に白沢に変身して行動中。

  聖白蓮・・・本当に何も着てない。

 

 こんな姿になってしまったのである。もしここが吉井明久や上条当麻のあの話だったら、六人のスタイルの事をもっと詳しく書いていたがここでは無理なので許してほしい。ちょっとだけ書くのなら、咲夜や美鈴と何気に衣玖は勝負下着だった。しかも咲夜と美鈴のは紐パン・・・ここまでだ。

 話を戻し、一時間経過して彼女らは焦りが出る。何しろ迷いの森とかつての横島の罠も含めての鬼ごっこが、ここまでてこずるとは思わなかった・・・そこで。

 

 『救済タ~~イム!』

 

 どこからかミスターの声が聞こえ、全員がは?という顔をした。

 『こんな森で鬼ごっこはさすがに無理があったようですね。そこで、鬼の彼女達に救済タイムです!ではいきますよ~~~ポチッとな♪』

 全員のキョトンを無視して声は続く中、どっかのいつも黒焦げになる発明するおっさんな台詞を言った途端に、

 

 「(ちゅどおおおおん)みぎゃあああああああああ!」

 

 横島の大きな悲鳴が爆発音とともに聞こえた。

 『さあ、横島君は今の悲鳴のとこにいます!鬼の皆さんはレッツゴーです!あ、因みに何をしたかと言うと、彼にこっそりつけていた爆弾を爆発させただけです』

 「「「「「「「何いいいい!」」」」」」」

 『大丈夫です。彼は死んでませんので!何しろ、大気圏突入を生身でして無事だった人ですから!』

 「「「「「「「そういう問題じゃない!というか、大気圏って何!」」」」」」」

 ミスターの所業に怒りを燃やすテレビを見る観戦者達。元凶の声が聞こえなくなった途端に、

 「見つけたあああああ!」

 美鈴が横島を発見したようで、追いかけている映像が出ている。

 「あの、大気圏と言うのは」

 外の世界にいて、その知識がある早苗が皆に説明した・・・数分後に全員が絶句したのは別の話。

 

 

 走る横島を追いかける下着姿の美鈴。

 「待ってください!見てください、私を!」

 「ぐおおお!な、何でそんな魅惑的な姿に!というか!美鈴さんってそんなに大胆なこと言うっけ!」

 「何故かあった地雷のせいでこうなったんです!こうなったら私は思い切りで行くことにしました!」

 「な、何だと!(つまり俺のせいか!)で、でも・・・とっても魅力的だ!」

 「え・・・魅力的。ほ、本当ですか!///」

 「ああ、自信を持っていいぞ!(って、何追い詰められているのに褒めとるんだ俺!)」

 逃げながらでも誑す横島。追いかけながら照れる美鈴は、

 「そ、それなら・・・私の体を、好きにして、いい、ですよ///」

 「な、何だと!」

 精いっぱいの頑張りを出してそんなことを言った美鈴。その甲斐あって煩悩が働き横島の足を止めた。そこに、

 「よし!ここにいたか!」

 「美鈴さん。ナイスです!」

 慧音と衣玖もやってきた。

 「ちょ、慧音さん。何て素晴らしい姿を!衣玖ちゃん、上・・・いや、下を隠そうよ!」

 ただ、衣玖はあの姿のままだったが慧音・・・いや白沢は上が完全にブラジャーだけになっていた。衣玖の名の後の間は「上も脱いで!」という言葉が頭に浮かんでしまい、口に出そうだったので理性で止めた時間だろう。

 「どうだ横島!この体、思いっきり抱きしめていいぞ!この胸を揉んでいいぞ!何なら」←この発言からたぶん自分から脱いだのだろう。しかもスカートまで脱いだ・・・勝負下着ではなかった。

 「ちょ!この大胆さって、まさか白沢さんなの!いやああああ!スカートを脱いで美鈴ちゃんと同じ(水色の)下着姿にイイイイ!」

 「・・・これって、私もならないという空気なの?う、こ、こうなったら!」

 「お願いいいい!衣玖ちゃんだけは思いとどまってえええ!」

 二人の大胆な空気を読んだ衣玖も、恥ずかしさを乗り越えて上を脱いで彼女も下着姿になった。彼女だってやはり見てもらいたい願望を持っている。

 「ま、真似しないでください!」

 「何を言う!私は抱かれてもいいとすら思っているぞ!お前達は違うだろう!」

 「だ、抱かれ!ちょ、そ、それは!///」

 それは二人だって同じだ。火花を散らせる三人だが、

 

 『ま、まずい!昔のあの煩悩が蘇りそうだ!』

 

 横島は今まで理性を強固して彼女らと接していたが、ここまでいやらしい姿になっていく彼女らに抑え込んでいた煩悩が復活しそうでピンチだった。

 「見つけた!・・・って、何でそんな姿なんですか!」

 「ええええ!私狂気使ってないですよ!」

 咲夜と鈴仙もやってきた。咲夜はもう既にエプロンとメイドハットがついているだけで同じ姿だが、やっと復帰した鈴仙は自分の能力のせいか?と焦った。

 「く!咲夜さん達も来てしまいました!」

 「もう構うか!横島、さあ私とこい!そして、お前と私と慧音、三人の初夜を歴史に刻もう!」

 「忠夫さん。私がここまでしたのです!空気を読む読まない関係なしで、私を選んでください!」

 「ふふ、美鈴が大きく出ましたね!胸しか取り柄がないあなたに負ける私ではないわ!」

 「う、うううう!こうなったら私もやってやるうううう!」

 とうとう鈴仙まで下着姿になり、しかも五人で横島を囲んだ。その五人の魅惑的過ぎる五角形に

 

 『耐えろ!耐えるんだ俺!そうだ!ここまでやってくれるなら解放しても・・・ってあかんあかんあか~~ん!そんなことをしたら俺絶対にブレーキかけられなくなる!な、何とか頭の中で脳内補正するんだ!そう、例えば今いるのが美神さんや冥子ちゃんやエミさんといった今まで会った人達の裸と思え・・・って何俺は自分をさらに追い詰めてるんじゃああああ!俺のバカバカバカああああああ!』

 

 着実に煩悩まみれの頃の彼に戻りかけていた。

 

 

 「はあ、はあ、はあ・・・」

 何とかあの場から逃げ出した横島。どうやって逃げたのかと言うと、煩悩がどんどん湧く状況だったので文珠を何個か作れたので、まず『光』で目くらましをした・・・が、これで逃亡が成功したわけではなかった。五人のヘキサゴンから抜け出しはしたが、白沢が走る音に気付いて手を伸ばして横島の腕を掴もうとしたが、美鈴の気をつかう能力と身体能力、更に衣玖の電撃で白沢を攻撃したので上手く回避できた。

 その三人に狂気を使って同士討ちをさせようとした鈴仙だが、咲夜の時を止める能力で止められた。その際に撃墜できるよう彼女の周りにたくさんのナイフも用意して・・・その時彼女は横島も同時に確保しようかと思ったが・・・彼は逃亡の時はとんでもない速さを発揮する。←特に煩悩時代の覗きをした時はとんでもなく速い。

 『光』の文珠を使って目が眩んでから時を止める能力を発動させる時間は十秒にも満たない数秒だが、彼にとっては十分な時間だ。しかも、場所は森だから木や草むらなど隠れられる場所はいっぱいある。その為、咲夜が意識を横島に向けた時には・・・もう、彼の姿はいなかったということだ。

 そして、今は完全に逃げられてしまったので咲夜も能力を解除したのだ・・・その際に、鈴仙の悲鳴も聞こえたが気のせいだ。

 「よ、よし。脱出成功じゃ。ううう、五人がまさかあそこまで俺に見せるなんて・・・でも、まだ下着姿だったから耐えられた!もし、一人でも何も着てない状態だったら、確実に昔の俺に戻っちまう!」

 ・・・さすがは横島、ばっちりとフラグと立てた。もう、大分昔の彼に戻ってきていることにおそらく無自覚で気づいているのだろう。だから、

 「これが終われば・・・今日の事を自家発電して抑えよう!」

 こんな言葉まで出てしまうのだ。その頃の白蓮は・・・

 「くしゅん・・・やはりこの状態で移動するには少し寒いですね。服をとりに戻りしょう。では・・・魔法で空を飛んで入り口まで行きましょう。森を出ても失格とは言われてませんし」

 何とすっぽんぽんの状態で飛んで、森を抜けて空に出て森の入り口を探し始めた。その後、横島は再び罠を設置しながら逃げて行ったが・・・今度の罠は落とし穴や足を引っかける程度のものにした。何しろ、いつもの罠にしたら・・・死亡フラグができるからだ。

 

 

 

 そして、始まって二時間半が経過してとうとうあと三十分だ。こうなると、さすがの彼女達も焦りが出てくる。 「皆さん。もう手を組みませんか?」

 「咲夜さん・・・そうですね。ここまでとは」

 「ええ、あの人を甘く見ていましたし」

 「私は構わない!ふふ、最後に勝つのは私だがな!」

 「(見つけた瞬間に全員に狂気をかけて、忠夫さんに襲われる姿を見せつければ・・・)」

 そこで五人は手を組む選択肢をとった。やはり、目の前のご馳走(横島)をとるためにはある程度の妥協もしないと判断したのだろう。五人が頷き会った時に、

 『じゃじゃじゃ、じゃあああ~~~~ん!残り三十分!二回目で最後の救済で~~~す!』

 ミスターの声がまた聞こえた。五人は待ってました!と思った。何しろ、このまま終わるということはないと踏んでいたからだ。

 

 『この迷いの森の葉や草といったものを全部なくして、横島君も罠設置や能力使用を禁止にします!』

 

 つまり、隠れるのはもう木の陰以外ない状態にするという事だ。しかも、横島は罠を作れない上に文珠などの力も使ってはいけない。これ以上ない横島に不利な状況だ。

 『ただし、能力使用はあなた達も禁止です!もし使うと(どっご~~ん)『うぎゃああああああ!』・・・今の横島君のように爆発しますので』

 見られないところで罠を設置しようとした横島が爆発した。そっちに視線がいき、

 『愛する人は己の力とその手で捕まえましょう!能力に頼るのはダメです!では、がんばってくださ~~い!』

 ミスターの声に五人が爆発地に向かって走り出した。

 

 

 ぬおおおおおお!という叫びと共に横島は、必死に後ろを振り返りたい欲望を抑えて逃げていた。

 「あかん!ダメや!」

 「忠夫、あなたのメイドになると言っているでしょう!」

 「いいえ!忠夫さんは私がずっとそばにいるね!」

 「ははは!お前達に子作りができるか?私は喜んでやるぞ!」

 「忠夫さん!私達夫婦で総領娘様を支えましょう!」

 「兎さんは寂しいんだよ!だから、ずっと抱きしめてよ~~!」

 この声に一瞬でも止まりたいと思いながらも必死に逃げていた。

 「下着姿の五人のこの誘惑は、絶対に小鳩ちゃんの時と同じ罠だ!あああ、入り口が開けられて入ったら閉められるオリの中にある特大の餌の前にいるライオンな気分だあああああ!」

 かつて結婚式まで上げることになったあの隣の部屋の子を思い出しながら逃げていた・・・自分をライオンと言っている辺り煩悩な自分の危険度を上手く表現している。

 「と、とにかく!能力禁止ならまだ勝ち目がある!俺の自慢の脚を」

 「鬼の脚力を舐めるなよ!」

 「私だって負けないです!」

 「ふ!メイドは常に動くために鍛えているのですよ!」

 「う、兎さんだって動くと速いんだぞ!」

 「総領娘様が何度脱走して、それを追いかけたか・・・まさかそれが役に立つとは!」

 「な、なにいいいいい!俺についてくるだとおおおお!」

 逃げ足に自慢(にならない)の横島だが、何とついてきていた。咲夜以外は人間じゃないので体力も元からあり咲夜自身も毎日常に仕事をしてその分鍛えられていた。そもそも、能力を使える時点で既に身体能力は人間以上と言ってもいい・・・そんな彼女らから逃げていまだに捕まらない横島の方がすごい。

 『後、十分!』

 時間切れまでのミスターの声が聞こえた。隠れられる場所がほとんどなくなり、木に登って逃げようにも

 「「「「「その手は食わないです!」」」」」

 登った木を切り刻んだり、破壊されるので意味がない。何とかないかと思いながら走っていると、

 「待ちなさい!」

 「(びく!)うお!さ、咲夜さんナイフは反則じゃ!」

 「ただのナイフ投げは能力ではありません!」

 「「これでもくらええええ!」」

 とうとう向こうも手段を選ばなくなり、咲夜がナイフで白沢と美鈴が落ちていた枝や石を投げて攻撃してきた。鈴仙は思いっきりジャンプして先に進んで横島の傍に着地した際に服を掴もうとして失敗して、衣玖は横島の逃走ルートを限定させるために枝や石を投げて予想外な方に逃げるのを阻止している。これらは全部、身体能力と頭脳なので反則ではない。

 『ぬおおおおお!何か段々覗きをして逃げていた気分になってきたああああ』

 後ろから五人の魅惑的な下着姿の女性達が横島を攻撃しながら追いかけてくる。これこそ、まさに横島が逃げている光景と言ってもいい。そんな懐かしい気分に浸る暇はないのに、

 

 『・・・美神さん達、元気かな』

 

 それでも彼女達の安否を案じてしまうのが横島である。そう思うと、誰でも走る速度が遅くなり

 「「「「「もうすぐだ!!」」」」」

 彼女らが腕を伸ばして届きそうな距離にまで来てしまった。これ以上ない彼女らの威圧感を感じて慌てて全力で走る意識に戻したが、

 「「「「「横島あああああああ!!」」」」」

 すでに遅い。いくらエンジンをかけても、疲れがあるし、煩悩もよみがえりつつある今の横島は彼女達の体を味わえるなら捕まってもいいかも。という考えすらあるので、その欲望が行動を遅らせた。

 ついに、彼女達の伸ばした手が服を、腕を、肩をそれぞれ掴んだ・・・が、何故か握りしめようとしたときに横島が目の前から消えてその手を空を握った。その理由は、

 

 「出会う前から愛してましたあああああああああ!!!!!!」

 

 あるものを見た横島がそれに飛び込んでいったからだ。そのあるものと言うのが、

 「そ、そ、そうですか・・・そんな前から、わ、私の、事を・・・///」

 押し倒されてこの時だけは女の顔になって真っ赤になった白蓮だった。自分に厳しくしてきた彼女の今まで見たことない初心な反応と抵抗しない態度・・・何より、何も着ていない産まれた時の姿を見た横島は、

 

 「悔いなあああああああああああああしいいいいいいいいいい(ぶしゃあああああああああ)!!!!」

 

 その美の象徴とも言える白蓮の裸体を真っ赤にしてしまった。←この時だけはムッツリーニの鼻血量を越えたと作者は思う。

 

 

 

 服を着替える為に森の入り口に向かって魔法で飛んだ彼女がどうしてその状態のままだったのか?それは、そこに着いたはいいがこの鬼ごっこが終わるまでは着替えはできなかった・・・というか、用意されていなかったのだ。本来ならどんな女性でも文句を言うが彼女は「そうですか」で納得してしまい、そのまま森に再度入って横島を探して・・・あの惨劇を起こしたという事だ。

 横島が白蓮に抱きしめられて幸せそうに死にかける中、

 

 「優勝は!聖、白蓮さんに決定(ずぶり)うぎゃあああああ!!!」

 

 いつの間にかミスターがやってきて優勝者宣言をした。確かに白蓮は横島を抱きしめているので捕まえたと言える・・・だが

 「これ以上見ちゃダメだみょん!」

 「(背中を向けて)びゃ、白蓮さん。お、おめでとうございます(ごくり)」

 いくら横島が上に乗っかって何も着てない白蓮の体を隠しているとはいえ、同じ女性からすればまずい状況だ。実況をしていた妖夢と森近もやってきてミスターの目をつぶした。両目共に深いダメージを受けたミスターは地面をのたうち回っている。森近はやはり興味があるのか、一応後ろを向いているが顔が少しずつその後ろを見ようと向きかけている。

 「おめでとうだみょん!白蓮さん!横島の恋人決定だみょん!」

 「そう、ですか・・・不思議ですね。この人といると温かくなる気持ちは私には不要だと思っていたのに・・・今はこのまま持ち続けたいと思っています」

 「それが大切だみょん!私も森近君と・・・って何見てるみょん!(ずぶり)」

 「ぎゃあああああああ!」

 輝くような笑顔を見せる白蓮の感想に気持ちが分かる妖夢は、森近を見ると白蓮の裸体に目が行きそうになっていたので彼にも目つぶしをした。

 「・・・裸だったら勝っていたの?」

 「悔しいです!ここまでの幸運なんてめったにないのに!」

 「・・・わ、私は、白沢になっていたとはいえ、何という事を///!」

 「邪魔できない空気なのが悔しいわ」

 「ううう、せっかく姫様に自慢できると思ったのに~~!」

 戦いも終わり、下着姿から元の服に戻った五人は同じく服を着ている白蓮と横島を見て悔しんでいる。そこに、観戦者の彼女達もやってきて恋人の座を奪われたことに悔しんだ。

 「いくら愛人になれると言っても」

 「やっぱり一番の座である恋人がいいんだぜ!」

 「咲夜や美鈴に負けるのだけはごめんだわ!」

 「いいな~~。フランもぎゅっとしてぎゅ~~~をしたい!」

 各々悔しいながらも決まってしまった事なので、諦めながら愛人でいようと思った・・・時だ。

 

 「では!一週間後に第二回を行いますので、参加したい方はぜひご参加ください!」

 

 両目から痛みの血涙を出しているミスターがそう言った。その言葉に、

 「「「「「「「「「え?だい、二回?」」」」」」」」」

 全員がきょとんとした。

 「あれ?皆さん、お忘れですか?私はこの話の前編でこう言ったはずですよ?『この度この第一回横島忠夫本命女性決定戦の実況に選ばれた作し・・・いえ、通りすがりの者です。』と。因みに本命でいられる期間は一週間なので、来週にはもしかしたらあなたが本命になれるかもしれませんよ!」

 「ち、因みに・・・何回やるつもりなの?」

 「そうですね~~、飽きるまでかな?」

 「と、いう事は・・・まだ諦めない方がいい。と言う事かだぜ!」

 「その通りです!」

 ミスターの説明に霊夢と魔理沙が突っ込んだ。その返しに、

 

 「「「「「「「「「おおおおおおおお、やっっったあああああああああ!!!!!!」」」」」」」」」

 

 彼女達は大歓喜をした。

 「ちょ!待てや!俺の意見は!」

 「もちろんくみ取ってますよ?あなた・・・確か数多くの美女達に囲まれたい!そんな願望を持っていたよね。それが叶うんだぞ。ただでさえ、今回がこうだったんだ。いいと思わないか?」

 「ぐぬぬぬ、それを言われると反論できん!」

 文句を言いたかった横島は欲望に負けて反論できなかった。どうやら、理性はまだ残っているが煩悩は出てくるようになったみたいだ。

 「と言うわけです!白蓮さん、頑張ってこの男を守ってください!」

 「・・・ふふ、これは確かに厳しいですね。愛する人を寝取られないように守る。しかも、その女性達がこんなにたくさんいる・・・負けませんよ。どんな困難になっても」

 ミスターに発破をかけられた白蓮は、

 

 「自分の気持ちを偽らないで、自分の為にあなたを守り続けます」

 

 恋する乙女と言ってもいい女性の顔になっていた。さあ、第二回はどうなるのか!こうご期待!

 




 と言うわけで、無欲の聖白蓮さんでした!どうでした?おそらく皆さんの中では美神と似ている咲夜さんが多かったのではないでしょうか・・・欲しいものと言うのは、欲がない時にやってくるものなのですよ。
 ただし、優勝したことで横島を完全に自分のものにしたいと願った彼女が最後に欲を持つようになりました!そうなった彼女と、煩悩時代に戻れるようになった横島は第二回で・・・・・・いや、そもそも第二回をやれるか?う~~ん、東方をもっと勉強しないとな。今回は知名度の高いキャラが多かったし。


 さあ、次回から久々の一話完結に戻ります!まずは、モンスター娘との日常からヒロインのモンスター娘を探そうと思います。だれにしようかな~~。その次の九鬼揚羽の続編はどんな話がいいかな?

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。