横島忠夫、〇〇〇〇と付き合ったらどうなる?   作:一日三食MEN

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 とあるⅢはとちょっと話を端折り過ぎと思う三MENです。ロシア編に力を入れたいからと言って、そこまでの話の部分を大きく編集するのはちょっといただけない気がします。無印原作を今回で完結させるためでしょうけど・・・う~ん、やりすぎだ。
 今回はラブとは無関係なゲームからのジルさんです!というか、かなりいい体してますよね彼女。バイオシリーズでもかなり女性が出てきたのだから、そういった彼女達とのラブコメゲームでも出てくれないかな?と思います。
 
  設定
 原作3から始めており、彼女が脱出途中で出会うようにしました。
 途中で3→5に進んでます。クリスも出ています。
 今日が何の日かを考えて読んでください。

 最後の部分は・・・最後になればわかります!


ジル・バレンタインと付き合ったら?(バイオハザード)

 アンブレラ・・・世界的に有名な薬の大企業であり、その薬からの恩恵は世界中の人達が受けていた。

 だが、そのアンブレラがとんでもない暴走を始めた。「Tウイルス」という研究をして・・・そして、実験としてとある山の中にある建物内でそれを始めた。そこにたまたまという形でクリス・レッドフィールドと相棒ジル・バレンタインと仲間が入り込み・・・巻き添えをくらってしまった。

 しかも首謀者が彼らの上司でもあるサングラスが特徴のウェスカーだった。だが、そいつの野望も二人の活躍で阻止して、軍用機で脱出後に建物を爆撃してウイルスもなくなった・・・と思いきや、ウェスカーがまだ生きていてそのウイルスすらも取り込んで、とんでもない存在として生まれ変わり・・・さらにウイルスも更なる研究と改造をされた。

 

 

 その結果が、

 「はあ、はあ・・・あれが、ジルさんの言っていた化け物って奴かよ!」←英語で話している。

 「そうよ」←こっちも英語です。

 ラクーンシティを地獄と化した。文珠の作用でこの世界にやってきた横島は着いて早々美女を見つけてナンパする(もちろん全滅)という行動をしていたが、その日の夜に事態は急変した。横島は非常食として持っていたカロリーメイトを食べて(←西条のを強奪して)公園のベンチで寝ていた。

 だが二時間後に体を揺さぶられたので、目を覚ましてジルと出会った。もちろんナンパ&飛びかかり(カウンターで殴られた)、彼女はゾンビだらけとなったこのラクーンシティで無防備で寝て、しかもウイルスに感染してない。ここまでの彼女は何体かのゾンビに襲われていたので、確実に意識を持っている横島に内心驚いていた。←ウイルスに感染しない理由は、元の世界でそれ以上に強い毒(ベスパの毒や美神の料理など)をうけたから・・・つうか、感染される姿が予想できないし、されても女しか襲わなそう。

 『いででで、すまんかった!とても美人だったから我慢できんかったんやああああ!』←日本語

 『何を言ってるの?というかあなた、意識があるの?』←英語

 横島は英語を聞いて日本でないことを知り、すぐに自分も英語で話し始め事情を理解した。美女をナンパ・会話するためならすぐに理解するのが横島君だ・・・無駄な才能の使い回しである。←ここからは普通に書きます。

 

 そして、横島が言っていた化け物が彼女を追いかけているクリーチャー・追跡者だ。戦闘経験のない(ように見えた)横島を連れて行くのは渋ったジルだが、

 「大丈夫じゃ!逃げ足には自信がある!囮なんて職場じゃ日常茶飯事だったし!」

 全然威張れないことに胸を張り、数少ない生存者でもあるので連れていくことにしたが、

 

 『信じられないわ。二回も遭遇したのに・・・タダオのおかげで無事に逃げ切れた』

 

 その追跡者から逃げ切れたことに信じられない気持ちでいっぱいである。何しろ本当に(ゴキブリのように)逃げる足がとんでもなく速く、しかも途中でトラップを仕掛け足止めもして、どこから出したのか閃光弾(もちろん文珠『光』)で目を眩ませて(一回目に出したときは彼女も眩んだのは内緒)逃げ切った。逃げる際はジルをお姫様抱っこして逃げたが、女性を担いでも疲れた様子もないのでかなりのスタミナもある。

 「それで、どこに行くんですか?」

 「この広いラクーンシティを自力で脱出するのは不可能よ。少なくとも足が必要だわ」

 顔を崩さないで会話をしているが、少しだけ見直したジルであった。何しろ、横島がいることで銃弾も体力も温存できたからだ。

 その後、イケメン・・・もといカルロスというアンブレラ私設部隊に属している男と会い、横島はイケメンだからジルはアンブレラに属するからで警戒していたが、

 「ジルさん!しっかりしてくれ!(くそ!逃亡に文珠を使いすぎた!)」

 「俺が病院に行ってワクチンを取ってくる。お前はここで彼女の護衛だ」

 危険極まりないゾンビがうじゃうじゃいるラクーンシティにジルに感染した濃度の高いTウイルスワクチンをとってきたことで信頼できると判断し、彼もまたこの絶望的な状況の中で戦友が感染し介錯して辛い思いをしたことを明かした。←この時文珠は一個しかなく「解」「毒」するためのもう一個がなかった。だけど苦しんでいるジルにセクハラなどできるはずがない。

 ジルの回復後は三人で脱出する決意を固め、何とか彼女の仲間・バリーが処理場にヘリを下すことになりそこまで向かうことにしたが、

 「お!ジルさんのパンチラゲット!」

 「はあ、全く、随分とお気楽ね。あなたって」

 「はは、こんな状況なのに何か緊張感が解けるな」

 横島も今後の戦いに備えて、文珠を作るための煩悩を貯めないといけない。しかし、煩悩全開も常に緊張感と命の危険が高いこの状況ではなかなかできないので、ジルの胸の谷間はミニスカの奥にある白いもので辛うじて高めていた。二人からすればこんな状況で・・・と言いたいが、気持ちを落ち着かせたい時だってある。横島のこの行動がそれをちょっとでもさせてくれるので、こっそり感謝もしていた。

 ただ、ジルは

 『脱出したら、見られた分のお仕置きをしないとね』

 見られた分のお仕置きをしっかり考えていた。←バッチリされて、思わず「すいませんでした!美神さん!」と言ったそうだ。

 

 

 しつこかった追跡者を撃退してヘリで脱出した後はカルロスと別れ、横島は逃げ足とトラップ作りの速さと上手さが買われジルとその仲間達と共に行動するようになった。実際、ここでは戸籍もないので行く当てがないのも理由の一つである。

 その後、現場ではゾンビを誘い出す誘導隊の一人として働き、トラップで足止めしているところにクリスやジルが率いる部隊が止めを刺す。ゾンビは人間という餌を求めて歩いて襲い掛かるだけなので簡単にトラップに嵌められ、横島はかなりのスタミナもあるので戦闘訓練もぜーはー言いながらも負けずについてきている。←訓練後のジルや女性隊員達のシャワー覗きのために頑張っているが、成功率は0%である。ただし、女性隊員達の気配察知能力は数倍に上がったという。

 横島のトラップはかなり貢献して部隊の犠牲も減らせるし、

 

 「やはりイケメンか!イケメンなのかあああああ!ぐのおおおおおお!!」←大号泣

 

 途中で会う美女・美少女にナンパしては落ち込む姿が、戦いに暮れて精神が消耗しかける隊員達の笑顔を作って気分転換もさせている。つまり、横島本人は意識してないが隊の縁の下の力持ち的な存在になっていた。

 そのかいあってここまでの事件を起こした根源のアンブレラをつぶすことができ、更にクリスやジルが属する対バイオハザード私設部隊を再編成したNGO「B.S.A.A.」ができ、二人と一緒に横島も一員になった。命の危険と隣り合わせの仕事をする理由は、当然ジルがいるからであることは言うまでもない。

 いや、正確に言うならジルの体目当てではなく自分の恋人に似ている部分があるからだ・・・性格はどちらかと言えば美神似(強欲以外)だが、自分の命を投げ出してでも守ろうとする行動力が恋人に似ていた。だから、今度こそ後悔しないためにいざという時の為に彼女を守りたい。という気持ちから共に戦う決意をしたのだ。

 

 

 元凶のアンブレラはつぶれたが、ウイルスを利用したウェスカーはまだ捕まっていない。しかも、世界中のところどころでまだ被害が出ているので生きていることは確かであり出動も止まらない・・・そんな中

 「クリス!てめええええええ!(どごおお!)」

 「ぐう!(どさ)」

 ある報告を持ってきたクリスに横島は怒り狂って殴り飛ばした。その報告とは・・・ジルが死んだというものだった。元アンブレラのスペンサーの屋敷に二人で潜入捜査をした際に、ウェスカーと遭遇して戦いになったがウイルスによって常人離れした身体能力を持った奴に殺されそうになったところを、ジルがウェスカーを道連れにする形で断崖絶壁に落ちたのだ・・・しかも、急いで落ちた現場を捜査しても見つからなかった。

 「てめえがいながら、何やってたんだ!ジルさん、ジルさんを!」

 「・・・すまん」

 「落ち着けタダオ!」

 「そうだ、手を離すんだ!」

 クリスの襟首をつかんで抵抗をしない彼をまた殴ろうとしたが、他の隊員達に止められた。この時の横島は、

 

 『先に行って、横島』

 

 自分の恋人が散る前の笑顔を思い出していて、自分はその言葉を信じて背を向けた後悔を持っていた。守りたかったのに傍にいなかった後悔をまた味わった・・・その悔しさを作り出したクリスに怒りをぶつけようとしたが、彼は目の前でそれをされてしまった。

 隊員達に体を掴まれて動けないときに横島もやっと考えることができた。彼だって目の前で自分をかばってそれをされた時はどれだけの悔しさと無力さを実感したのか・・・状況は違うが辛さは一緒だ。その事に気付いた横島は殴ろうとした腕を振るわせ、必死に我慢と理性を働かせて深呼吸をして腕を下した。

 「クリス。お前はジルさんが死んだと思っているのか?」

 「・・・いや、ジルが死ぬはずがない!」←首を横に振る。

 「ならいい」

 「・・・本当に、すまなかった」

 横島は、この時からジルに変わってクリスの相棒になることにした。落ちたのにいなかったのなら、ともにいなかった奴がもしかしたら情報を知っているかもしれない。しかも、奴はクリスを厄介な存在として見ていて殺したいと思っている。なら、奴からクリスを殺すために来る可能性が高いと考えて、共に行動をすることにした。

 そして、この時から横島は変わった・・・必死に戦いに参加をするようになり、少しでもジルの手掛かりがないか?と探していくようになった。

 

 「おっじょうおおおさあああああんんん!!!俺と共にホテルであつうういいいい「やかましい(どご)」ぐへごらあああああ!」

 

 だが、変わったと言ってもこうした行動は変わらない。女性にとびかかろうとするがクリスに殴られて止められる姿を見て、隊員達は元に戻ったと安心したが、

 『・・・本当に辛いんだな。ジルをどれだけ思っていたんだろうか』

 クリスは横島が自分の相棒となったからこそ分かった・・・普段通りに見えても空元気でやっていることに。

 

 

 死亡扱いされてもなお生きていると信じ続けて戦い続ける中、ある日の夜に二人だけで酒を飲んでいるとクリスは一つの思いを横島に言った。

 「なあ、タダオ。俺達はこのまま戦い続けるべきだろうか?」

 「あん?何の話だ?」

 「俺はウェスカーを追いかけ続けながらずっと戦い続けた。最初はそれが自分の課せられた使命と思いながら戦い続けた・・・だけど」

 「だけど?」

 

 「この世界は、命を賭けてまで守る価値があるのだろうか?」

 

 「命を懸けてまで・・・守る価値か」

 その言葉に、またルシオラの事を思い出した横島。

 「ああ、この世界はどんなに戦ってもよくならない。それを見続けてきたから、ちょっとずつそれを思うようになった・・・すまん、愚痴を言ったな」

 「いいさ。俺だってナンパ全滅後の愚痴を聞いてくれてるし・・・そうだな、俺から言えることはそんなの考える必要はないと思うぞ」

 「考える必要はない?」

 「・・・いや、俺は考えたくないと言ったほうが正解かな。今から話すことは戯言と思って聞いてくれて構わない。俺がいた別の世界でウェスカーとはまた違う世界中を不幸と絶望に陥れようとした奴がいてな」

 「別の、世界?」

 もちろんその言葉の意味をクリスに分かるはずがない。ただ、横島の顔はこれ以上ないほど真剣で・・・悲しそうだった。だからこそ、今から言うことは本当の事だと思って聞くことにした。

 「そいつに三人の部下がいてな、俺はそいつらに捕らわれたが、逃げ出した際に奴に対抗する組織の隊長からスパイとして残って情報を聞き出せという命令を突きつけられて戻るはめになった。その後は、三人は寿命が一年しかないとある部下から聞いた。その時に握られた手の温かさと・・・今でも覚えている。夕日に照らされながら笑顔でその夕日を楽しそうに語る部下・・・いや一人の女を」

 「タダオ。まさか」

 「俺はその時からかもしれない・・・そいつを好きになったのは。敵なのに一年しか生きられない彼女達を助けたいと思うようになり、隊長との戦いで危ういところを思わず助けて、潜伏していたところでは彼女の方から俺を想うようになってくれた・・・そして、俺は決心した。生き延びられる方法と助ける方法を見つけて、上の奴を倒して、彼女達を開放してやりたいと・・・その後、脱走して仲間達を合流して皆と共に奴に戦いを挑み・・・そして、倒した」

 ここまで聞けばドラマみたいな話だが、まだ続きがある。クリスは横島の顔色でしっかり気づいていた。だから、口を挟まなかった。

 「でも・・・あいつは生きていた。ばれないように俺の上司を殺そうとして、俺が着いた時には手遅れ状態だったが辛うじて助かった。だが・・・助かるまでの過程で、あいつの元部下である恋人が狙われて俺は命がけでかばい辛うじて助かったが、俺の恋人が手遅れ状態になった」

 「手遅れなのに、助かった?」

 「本来なら手遅れだけど、その後で助かる手段が見つかったと思ってくれ。続けるぞ」

 「ああ」

 話の内容を理解できるはずがない。クリスは幽霊すら信じないだろうから。だから、分からないまま聞いた。

 「でも、その手段は奴にとって世界を絶望にさせる方法でもあり、それが無くなればそいつの野望も阻止できる手段だった。こっそり使って助かった上司をまた殺そうとするところを見て、俺はその手段を壊そうと脅したが、それで恋人を助けてやると言われたよ。ドラマや映画でもあるだろ、世界と女どっちを選ぶ?ってやつが」

 「・・・」

 突拍子もない話だが・・・クリスにとってはさっき話した「この世界は、命を賭けてまで守る価値があるのだろうか?」に近いものがあった。つまり、横島はどちらかの価値が大きいかを判断してそっちを守る選択をしたのか?クリスはそう聞き取った。

 「とても悩んだよ。世界も、恋人もどっちも助けたいが・・・(ぎり)・・・一つしかなかった。俺は・・・世界を選んで・・・手段を壊して、その後暴走したそいつも・・・倒して世界を救ったが、恋人は・・・救えなかった」←・・・の部分は涙ぐんでいる。

 クリスは自分を殴った横島があれほど切れた理由がやっとわかり、この時の助けられなかった悔しさを思い出したからだと気づけた。

 「考えたくないと言ったのは・・・こういう事だったのか」

 「ああ、せっかく恋人が犠牲になって世界は救われたのに・・・そこに価値なんぞ求めたら、あいつの命の価値がどれだけのものだったのか?安かったのか?と思えちまうじゃないか・・・必死に戦っても、全然変わらない救われてない世界を見ていたら・・・」

 強く握る拳でテーブルを叩きつけて全身が震える・・・そして、その拳に落ちる涙。

 『・・・大切な存在と世界を比べて世界を選んだからこそ、価値を求めないでずっと今でもその恋人を求め続けている・・・確かに価値を求めるなど、考えるべきではないのかもしれないな。タダオはこうした気持ちを思い出したくないからこそ考えたくない・・・そして、今のこいつは大切な存在がジルに当てはまっているんだな』

 酒と過去の話でその辛さを出て止まらない涙を流す横島を見て、少しずつ考え方を変えることにしたクリス。そして、同時に二人はジルは絶対に生きている気持ちを強く持ち・・・次の日もまた戦場に足を運ぶ。

 

 

 そんなある日、アフリカ西部の街キジュジュ自治区に向かいシェバという女傭兵と共に三人で行動を開始したが、同時に新種のウイルス・プラーガの感染でゾンビ化せず狂乱化した人間の状態で襲い掛かってきた。そして、そのプラーガを発症させた密売人がジルの情報を持っているとわかり、シェバの属する隊も隊長のジョッシュ以外殺されたいたので、敵討ちをするために三人で後を追った・・・進んでいくにつれて、密売人が死ぬ前に口にしたトライセルと言う製薬会社の社長がアンブレラのあのウイルス研究を引き継いでいたことと、このウイルスからなるウロボロス計画があることがわかり、今回のプラーガもその会社の大規模な組織犯罪であることが分かった。

 その会社の研究所に潜り込み、最深部まで行き会社の女社長であるエクセラと対峙した。結構な巨乳の持ち主だったが、この時の横島はジル死亡説が出た時から彼女だけを考えて生きてきたので反応しなかった。ちなみにシェバの時も結構露出していた服だったけど反応しなかった。

 

 彼女との会話中に・・・

 「・・・ウェスカー、やはり生きていたか!」

 「相変わらず、憎たらしい顔を見せるな・・・クリス。くくく」

 宿命ともいうべき敵であり、今までのバイオハザードの元凶でもあるウェスカーが現れた。そして

 

 「「じ、じ、ジル(さん!)!!!」」

 

 布をかぶり、仮面をつけたもう一人いた謎の人物。仮面はクリスが割り、布をウェスカーが取った。そこにいたのは、かつて茶髪だった髪が金髪になり体の肌の色も少し白くなっていた・・・二人がずっと探し続けたバトルスーツを着たジル・バレンタインその人だった。ただし、明らかに目が普通じゃない。すぐに横島が

 「てめえ!ジルさんに何を「はあ!」く(どご!)!ぐあ!」

 「ジル!」

 「あいつが何をしたの!!」

 ウェスカーに敵意を向けた瞬間、ジルが横島に蹴りを入れようとした。何とかよけようとしたが、追撃の拳が入り殴り飛ばされた。思わず叫ぶクリスと銃口をジルに向けるシェバ。

 「ふ、さて、遊ぼうか!」

 殺し合いをただの遊びといい三人と戦うウェスカーだが・・・尋常じゃない動きと力。更に銃弾をどんなに浴びせてもきかない体。本当に倒せるのか?とすら思ってしまう相手だった。しかも、ジルもそれに近い動きと力を持っていたため人数は多いが劣勢の上、ジルに銃口を向けても撃つことができないクリス。横島もまた何とか必死に攻撃をよけることに精いっぱいだった。

 ウェスカーが戦いをやめてエレベーターに乗ろうしたときに何らかのリモコンのボタンを押したら、バトルスーツの胸の部分を苦しそうにしたジルが少し開けた。そこには装置がつけられており、それが彼女を戦わせていることが分かった。

 まだ、自分の意思を持っていることもわかり、それを外すことにした。だが、尋常じゃない速さで動くジル相手に、とてつもなく困難なことだがやらなければ救うことができない。目で追うことがやっとの動きなので文珠での足止めや攻撃だって困難だ。むしろ使うと逆効果にだってなるかもしれないかったからだ。

 そこで横島は、

 「いいか、俺が動きを止めるからお前は装置をはずせ。いいな!」

 「だが、どうやって止めるつもりだ」

 「そうよ。あの動きは目で追いかけるのもやっとなのよ」

 自分が彼女を止めると言った。二人はどうやってそれと実行するか確認したが、横島は笑うだけで前に出た。

 「なあに、簡単さ」

 「「簡単?」」

 ジルは前に進み続ける横島に一気に近づき、ついに間合いに入った。

 

 「玉砕覚悟だ!!(どっごううううう!)う、ぐううげほ!(がし!)へ、絶対に(どん!)離さないぜ!」

 

 横島は防御・回避などせず、わざと強い一撃を受けた。向こうもこの行動に一瞬だけ驚き、その一瞬で横島は彼女の腕をつかみ押し倒すことに成功した。クリス達も無謀すぎるやり方に驚いたが、押し倒したのを確認するとすぐに手伝いに行った。左半分をシェバが、右半分を横島が抑え、上に一番力のあるクリスが乗って装置を外そうとする。ただ・・・

 『すっげええ、一撃、だ、った。ぐ、ううう!だ、だが・・・美神さんに比べれば!』

 そう思ったが、実際はジルの一撃の方が数倍の破壊力があり殴られた箇所の骨や内臓が一気にぼろぼろになってしまったが必死にそう考えることで耐えきった。すぐに文殊「治」で何とか元には戻ったけど、痛みはかなり残っているので暴れるジルの力に負けそうなのだ。だが、ここで外したら次がうまくいく自信がないし、激痛で次の文珠も作れない状態だ。何とかクリスにはここで外してほしい・・・そこで意思があるならまた呼び戻せばいいと思った。ただし、仲間を思う意思ではなく、

 

 「ジル・・・さん。お、俺さ、ジルさ、んが・・・好き、だ、ぜ」

 

 女の意思だ。必死に顔を彼女の顔に近づけて・・・キスをした。この行動に驚嘆してジルの動きが止まり、最大の好機となったのでクリスは装置を外してすぐに壊した。

 「あ、う、うううう、ああああああ!!!」

 大きく叫ぶジル。もう耐える力がなかった横島は暴れた彼女の力にそのまま飛ばされて、クリスとシェバも離れて必死に動くジルを見続けて倒れたと同時に駆け寄った。そして、意識が戻った時は、

 

 「あ、あ・・・クリス」

 

 彼女の意識だった。謝罪をしながら話す彼女に

 『『やっと・・・助けられた』』

 クリスは心から嬉しいと思い、倒れている横島も涙を流した。

 

 

 ただし、ウェスカーとエクセラのウロボロス計画を止めなければならない。早く止めに行くようジルがクリスに言い、横島もまた自分を置いて先に行くよう伝えた。だが、疲労しきったジルとダメージが残っている横島をここに置けない気持ちが彼にはある。苦しい立場だが、

 

 「「クリス・・・相棒を信用できないの(か)!」」

 

 ここまで組んだ二人の相棒からの激に、頷いてシェバと共に進んだ。そして、残った二人は

 「タダオ、だい、じょう、ぶ?あ・・・」

 「ジルさんだって・・・だいじょ、お、・・・」

 意識を失った。その際に、ジルが倒れている横島に乗って抱き合うようになったのは偶然である。そして、ここにやってきたジョッシュが二人の抱き合う姿を見た時は

 「おいおい、ラブラブシーンはこんなところでやるもんじゃないぞ?」

 思わずそんなツッコミをしたという。だが、これが二人への彼の警戒を緩めてくれた。

 その後、意識を取り戻した二人はジョッシュの話を聞き(出来てるのか?の問いに冷静にそんなわけないじゃない。と返答するジルに号泣した横島)、ジルが見つけ出したウイルスの弱点を研究所の通信システムを使ってクリスに伝えて、最後にウロボロス計画でウイルスを上空からばら撒く戦闘機がクリス達の活躍で火山のある小島に入り全部溶けてしまった。その情報を掴みジョッシュの操縦で戦闘機に乗り三人がそこに向かうと、二人がギリギリ溶岩に落ちないように浮いている岩に乗っている状態だった。肝心のウェスカーは姿が見えないところからすると溶岩の中に沈んだようだ。

 急いで二人を救出して離脱しようと思った時に、

 

 「クううう、リいいいいいスうううううう!!!!」

 

 断末魔の叫びとも言えるウェスカーが溶岩から触手をその戦闘機に巻き付けてきた。だけど、

 「いくぞ、相棒!」

 「ええ!」

 用意していたロケットランチャーでクリスとシェバが止めを刺した。その間、横島は

 「ジルさん。やっと、終わりましたね」

 「そうね・・・ってどうして手を握り続けてるの?」

 「いいじゃないですか。ジルさんがここにいることが夢じゃないって実感していたいんですから」

 「そう・・・わかったわ(・・・ずっと私を追いかけてくれたのね。全く無茶してくれたわね)」

 ジルの手を握り離さなかった。彼女は自分をずっと生きてると信じ続けていた横島に嬉しさを持ち、自分の手を握り続ける横島の手を見ていた。

 

 

 

 戦いが終わり、B.S.A.A.に戻るとジルは入院をした。三年もの間、ずっとウェスカーとエクセラから投薬されて体もそれなりに変化したので、それを治療するためとウイルスへの対抗する抗体の研究も必要だ。

 その間、ずっと

 「ジルさん。退院はまだですか?」

 「全く、心配性ね」

 「そりゃ、いい女が傷ついているんですから!」

 横島は仕事が終わるとすぐに顔を見せに来た。クリスとの相棒はまだ続けているので二人で現場に行くこともあるが、たまにこうして仕事が終わるとすぐに横島を帰してくれることもある。これはクリスなりの心遣いであり、

 「ジルさん。俺が必ず守って見せます」

 「どうかしらね?あなた、私に勝てるかしら?」

 「ぐぬぬ~~~!」

 「さあ、頑張りなさいね(タダオ・・・あの時の告白はまだ受けないわ。本当に私を守れるくらいに強くなったら・・・ね。あなたもそっちの方がいいでしょう?)」

 ジルを戻す際にした告白が彼女に伝わっていたことを知っているので、二人きりにさせてあげてるのだ。実は横島は、ダメージの激痛で苦しみ少し離れた場所にいたためジルの意識が戻ったのは見えたけど、二人のあの時の会話が聞こえてなかった。戦闘時は意識も操られていたと思い続け、告白した時に彼女の意識があったことを知らないのだ。

 そして、彼女も必死に告白とキスをした横島を意識するようになったが、横島の信念を知ったからこそ告白の時の事を話さない。ジョッシュにできてるのか?と聞かれた時にそんなわけないと言ったのも、あくまで今はであり、今後自分を守るにふさわしい男になった時にその時の話をして・・・受け入れるつもりなのだ。

 だからこそ、今はただの仲間として接しているのだ。そろそろ帰ろうとする横島に

 「タダオ!」

 「はい(ごん)いってええええ!!な、何をするんですか!」

 「見舞いに来てくれたお礼よ」

 「いてて・・・まあ、ありがたくいただきます。じゃ、また来ますね」

 来ると予想して予め自販機で買っておいた缶をお礼として投げた。顔に見事命中した横島は顔をさすりながら受け取り部屋を出た。そして、外に出た横島を窓から見るジルは缶を開けて飲んでいる姿を持て

 

 『今日が何の日か忘れるくらいに私を大切なのね・・・待ってるわ。守れる男になるまで』

 

 横島が、今日がどんな日か忘れていたことにジルは少し呆れながらも、飲む姿に笑顔を出した・・・・・・その缶にはこう書かれていた。

 

 『美味しい濃厚ココア、チョコレート味』

 

 そう、今日はバレンタインだった。

 




 どうです?ジル・バレンタインさんのバレンタインチョコは?言葉に出さない気持ちの伝え方をするのが彼女らしいかな?と思って書きました。
 正直に話すと、書き始めた時は彼女の名前と今日と言う日を合わせる気はありませんでした。だって、今日チョコを貰った事義理でもなかったから忘れていたし!うおおおおおおおんん(マジ)!!!でも、気づいてしまったのでかけてみました!

 次回はロリ路線で苦悩する横島君をかいてみよう!プリズマイリヤちゃんで!次回辺りがホワイトデーか・・・う~~ん、どうしよう。よし!ひさしぶりにインフィニット・ストラトスでも書くか!久々の女体化で一夏を一華ちゃんにして、姉妹丼にして、更に・・・親友丼も悪くないかも・・・。

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