横島忠夫、〇〇〇〇と付き合ったらどうなる?   作:一日三食MEN

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 昔やったアニメをリメイクして放送するが流行ってますね。キャプテン翼や中華一番などなど・・・でも、そのおかげでダイの大冒険が見れる!異世界カルテット2が放送開始で嬉しかったけど、こっちがも~~~っと嬉しかった!

 設定
 もしかするとタイトル詐欺かも。
 今回は半分ほどキャラ崩壊です・・・かな?
 原作で死亡した人が生きてます。あの人とかあの人とか。

 設定といえない設定だな・・・ではどうぞ!


四葉真夜と付き合ったら?(深雪編の続き)

 司波達也は、追い詰められていた。

 『ここまでの難解なミッションは今までなかった』

 軍人として戦い、戦場で戦う敵から恐れられた肩書きを持つ彼がこれ以上ないほど焦っている。

 『しかも、これは巻き込まれたと言ってもいい』

 強大な力をもつ者は、意図せずとも巻き込まれる体質を持っている。今回のミッションも実際巻き込まれた口なのでそう思うことは間違いではない。

 『この場にいれば仕方のないことだが・・・どうしても、抜け出せる気がしない』

 こうなることは半分諦めていた。だから、何とか抜けて被害を免れようと思っていたが全然それが出来る気がしなかったのだ。

 『何しろ』

 何しろ、

 『障害が』

 できない気持ちにさせている理由が、

 

 「お兄様。さあ食べてください」

 「いいのですよ達也さん。早く決めてください」

 『これ以上ないほど大きすぎるからだ』

 

 絶対に抵抗できない妹と絶対にこういうタイプじゃないでしょう!と口に出して言いたい叔母だったからだ。後頭部にでっかい汗をかきながら、二人の出す料理に困惑していた。

 

 四葉真夜の横島との婚約発表・・・それは当然十師族は愚か、日本中にいる魔法を使う者に大きな話題を呼んだ。四十とは思えない妖艶な風貌に引き込まれそうな笑顔に、アンタッチャブルと呼ばれた恐れられる力を持つ女性が婚約を発表をした。かつて現七草家当主とそういう関係だったが、独身を貫いていたはずなのに・・・。

 しかも、相手の男はまだ高校生・・・もちろんいろんな推論が飛び交った。その高校生・横島忠夫が異質な能力の持ち主か?もしかすると、十師族当主すらも上回る実力の持ち主か?いやいや、本当はこの男が四葉家を牛耳っていて、今回表に出たのは近いうちにある当主交代が控えているからか?←異質な能力は文珠と考えれば間違っていない。

 このようにたくさんの推論が十師族だけじゃなくありとあらゆる魔法一族で行われていた。何しろ、この世界の魔法を使う者達は純粋に力を高める一族の方が少なく、企み・騙し・脅しその他もろもろ負の感情を持つ一族の方が多い。ましてや、そのトップと言ってもいい四葉家当主・四葉真夜の婚約だ・・・むしろ、こう考える方が自然だろう。

 だからこそ、今一緒に住んでいる達也と深雪と母の深夜(深雪編の話では生きてますよ~)と真夜の執事の葉山くらいしか真意が分からないだろう。まさか、彼女が・・・・・・

 

 「忠夫さんはどっちも美味しいとしか言ってくれないから、本当に好きな味が分からないのよ」

 「でも、お兄様なら!一緒にいる時間が多いからわかるはずです!さあ、判断してください!」

 「「さあ!どっちが忠夫さん(お兄様)の好みですか!」」

 

 自分の妹の深雪と同じくらい純粋かつ真剣に一人の女性として横島を愛していることに。そして、今達也に訪れている危機と言うのが・・・どっちが美味いか判断してほしいという事なのだ。いや、正確に言うなら横島好みの料理はどっちなのか?を訪ねているのだ・・・これが、追い詰められている事項である。

 なら本人に聞けばいい。と思うが、横島は料理に夢中で真夜が言った通りどっちの料理も美味い。としか言わないのだ。もちろん二人ともどっちかを決めてください!と追及したが、決められない・どっちも本当においしいから。との事。本来の二人ならもっと威圧感を出して聞いたかもしれないが、食べている横島の幸せそうな顔を見るとそれ以上は恋する気持ちがさせれなかった。そこで分析力が尋常じゃない達也なら横島が本当はどっちがおいしいと思っているのかわかる!と勝手に結論付けて・・・こうなっているという事だ。だから、 

 『何故・・・俺が?』

 こう思うのも無理はない。そんな達也にこの言葉を贈ろう・・・恋は盲目だ。

 その後、達也の案でお互いの料理を食べ合って決めたらどうだ?に乗って二人で食べ合い味の良し悪しを言い合いながら・・・結局引き分けで落ち着いた。胃に痛みを受けるほどのプレッシャーを受けた達也は、何故それを先にしなかったんだ。と心底思ったそうだ。

 この日はこれで落ち着いたが、

 「さあ、帰りましょう」

 「あ、あの?真夜さん?どないして、俺の腕を・・・ぬおおおおお!た、谷間に俺の腕があああ!」

 「早く帰ってください。私とお兄様と忠夫お兄様の三人の家から」

 「ちょ!み、深雪ちゃん!はりあわないじぇええええ!ああああ、発育途中の胸ぎゃあああ!」

 「・・・・・・叔母上。お願いです」

 「あら?なら、お二人も来ます?私達は親族ですから問題ないですし」

 「は。達也様と深雪様用のダブルベッドのある部屋もご用意済みです」

 「・・・(///)葉山さん!早くこのキチガイを連れて帰ってください!」

 「今、そのベッドの中でいろんなことを想像しましたね。うふふふ・・・」

 「深雪、そんな情熱的な視線を向けるな」

 「忠夫様。もちろん、真夜様とのダブルベッドも真夜様の部屋に用意済みですぞ」

 「・・・・・・・・・・・・何の報告じゃ!」

 「あらあら。今の長い間に思い浮かんだことを全部やってもいいのですよ♥」

 帰りの車に乗る前でもこのようなひと悶着が出た・・・だが、いい意味の平和な光景である。

 

 

 横島の騒動はもちろん通っている学校でも起こっていた。

 「ねえ、摩利。私はどうするべきかしら?」

 「今回ばかりはこれを言わせてもらう・・・私を巻き込むな!」

 「でも、話聞いてくれる人はあなたしかいないのよ!十文字君はお前が決めろしか言わないし!」

 「・・・お前の親父さんの考えを、言葉通りの探れ程度で受け止めればいいんじゃないか?というか、お前も気づいているんだろ?裏の企みを」

 生徒会室で七草真由美と渡辺摩利が真剣に話し合っていた。

 「ええ、更に裏もありそうだけど・・・」

 「そこまでは私でもわからんんぞ」

 実は真由美は父から横島の事を探ってこい。という頼みを聞いていた。そのままで聞けば、調べてこいだがあの腹が黒黒な父がそんな言葉通りのことを言うわけがなく・・・この二人は「探ってこい」という言葉の裏をこう意味とった。

 

 『四葉真夜から横島を寝取ってこい』

 

 あの四葉真夜が利害なしで婚約などするはずがない・・・これは魔法を扱うもの全ての認識だが、それ以上に婚約者に選ばれた相手は未知数とも言える能力が必ずあるはずだ!なら、曰くがありまくるあんな年増より同じ学校の真由美が横島を寝取って恋仲になれば七草はより大きくなれる。だから、探るを名分に恋仲になってあの女から奪って来い。

 これが、二人の見解だ。だが、少し考えればわかるこんな裏の企みは、二人でなくても少し洞察力のあるものならわかるはずだから、二人は更に裏があると思った・・・が、さすがにそれ以上までは腹が黒黒でない彼女等にはわからなかった。

 

 だが、この横島で困惑しているものは他にもいて

 「一体どんな能力を持っているというのよ・・・色仕掛けに簡単に引っかかって飛びかかってきたあの男が」

 某カウンセラーの本職の公安は本部から探るよう言われたり、

 「う~~ん、意外と隙が無いわね・・・美女に弱いと聞いているけど、微妙に違う気がするのは何故かしら?」

 達也と同じ軍にいる藤林は横島がただのエロ少年とは見れなかったりと、横島の名前がいきなり出てきて調査しても四葉の情報操作のおかげかごく普通の魔法科高校に通く学生程度しか出てこない。

 皆はこの情報はもちろんダミーということに気付いているからこそ、余計に困惑して、余計な予想が上書きされる。だが、ダミーの経歴を作ることは間違いではない。何しろ、横島の能力は霊波刀やサイキックソーサーまでなら魔法の一種で片付くが、いろんな現象を作れる文珠はさすがにまずい。

 四葉家はかなり闇の世界に入っている一族でもあるので、彼女らが調べ上げたダミー経歴は他にもまだあり、霊波刀とサイキックソーサーまでの情報も交えた内容のもある。全部がニセでは更に危険度が増すので、半分本当半分嘘が文珠の存在を隠すのにちょうどいいのだ。

 

 

 そんな彼女等や魔法一族の思惑や困惑に気づいてない深雪は、横島との愛を成功させるための作戦を自室の壁にあるテレビの画面にそれぞれ映っている頼れる友人に相談していた。その画面は四つに分かれていて、一つはちゃんと番組が映っていたが、もう三つの画面には三人の女性がそれぞれ映っていた。

 「兄さんとの愛・・・わかる!わかるよ深雪ちゃん!」

 一つの画面には、唯我水希(僕は勉強ができない)が

 「私もお兄ちゃんと結ばれたい!だから、あなたの強い兄への愛はすっごくよく分かります!」

 二つ目の画面には、姫小路秋子(お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ)が、

 「私は弟だよ!私達、同志だよね!キスしたいと思うよね!」

 「「「その通り!」」」

 三つ目の画面には、砂戸静香(えむえむ)が映っていた。何故この三人が映っているのか?それは、深雪を含む四人が

 

 『兄・弟への恋愛・結婚会』

 

 というサイトの常連者で一目見た時から、同志!と思えたらしくこうして連絡を取り合っていた。

 「必ず、あのアマが自分の歳を考えないで婚約者にした忠夫お兄様を取り戻します!」

 「こっちも急に兄さんに何人かの女が寄ってきてるんですよ!ずっと私だけがいればよかったのに!」

 「水希さん!私に至っては一緒に暮らしてるんですよ!・・・せっかく兄さんと二人っきりで誘惑できるチャンスだったのに!」

 「うんうん!大好きで大好きでたまらない太郎ちゃんに迫ってくる女共が増えてるの!しかも、毎朝キスを迫るお母さんも狙っているし!」←自分の事を棚に上げる女

 お互いの状況報告をする・・・姫小路秋子から「混浴」や佐戸静香から「下着で添い寝」とかの言葉が聞こえた時、唯我水希と深雪は「今度やろう」と心で決めた。

 その後、ToLOVEるやゆらぎ荘の幽奈さんレベルなスケベ系のキーワードが聞こえたが、それでも彼女らにとってはまだ決め手が足りなかった。

 「「「「う~~~ん」」」」

 と、考えているとテレビ番組の画面がいきなり変わった。

 

 「お前達!ぬるいぞ!」

 

 その画面には一人の女性が映った。

 「「「「ひ、飛騨怜悧会長!」」」」

 その女性は飛騨怜悧(魔装学園H×H)だった。

 「その寄ってくる女の人数は一桁だろ・・・こっちは二桁だぞ!しかも二桁目の数字が一じゃなく二だ・・・が!心をゲットして、ついに私は弟との子を宿した!」

 「「「「おおおおおおおおお!!!!」」」」

 「お前達!大事なのは勢いだ!策など二の次三の次だ!何も考えずに理性・自制心を捨てて裸で抱き合って意識させろ!二回目は存分に体を触らせて感触を覚えさせろ!そして、三回目で自分無しでは生きられないくらいの肉欲を味あわせて・・・最終的に結ばれろ!」

 「「「「はは~~~!!わかりました!怜悧会長!!」」」」

 その彼女が少し大きいお腹を見せると、四人は一気に気合が入った。

 

 

 こんな言葉を聞いたことがないだろうか?蛙の子は蛙。深雪の(一応)母は深夜で真夜ではないが

 「今日も話を聞いてくださり、ありがとうございます・・・『親子の差がある(自分の)子と結ばれ隊』の皆さん」

 彼女もまた四葉家の自室で深雪と同じことをしていたら、確実にその言葉が出るだろう。真夜もまた相談者は三人の女性と相談していた。

 「真夜さん。どうですか、調子は?私と似た状況ですから」

 一つ目の画面には柚原春夏(to heart2)が

 「ああああ!私はどうして、どうして!静香さんを産んでしまったの!産まなければ、太郎さんは永遠に私だけのモノでしたのにイイイイ!!」

 二つ目には、大絶叫している砂戸智子(えむえむ)が

 「こちらは照れて可愛いですの・・・うふふ♥」

 三つ目は源頼光(FGO)が真夜の応援をしていた。

 「やはり、コスプレは必須でしょうか?」

 「そうですね。私のバニー姿にたか君も鼻血を出して照れてましたし」

 「裸ワイシャツに猫耳と言ったアクセサリーも欲望を高められますよ!」

 「私はセーラー服ですね。中に水着を着て、目の前で脱いで驚かすのもありですよ」

 だが、こっちは約一名は興奮しているが、残り三名は穏やかに話している。自分の敵に勝てる自信があるのか、それとも経験の差なのか。

 「う~~ん、せめて子と結ばれた経験者がいればいいのですが」

 「そうね。私達の言葉はあくまで予想ですし」

 「確かに今言ったコスプレは、全部やったけど太郎ちゃんに効かなかった!」

 「本当にやったのですか・・・でも、それだとどうすれば」

 ライバルは強敵だ。絶対に勝ちたい・・・でも、ただのコスプレや誘惑では逆効果。失敗した砂戸智子の言葉にう~~んとなった。やはり、飛騨怜悧のように経験者の言葉が一番強みになるのだ。

 そこに、

 「皆さん。自信を持ちなさい」

 「あ、あなたは!」

 深雪と同じ展開が起こった。もう一つ出た映像に現れたのは、

 

 「「「「紫苑隊長!」」」」

 

 紫苑(恋姫シリーズ)だった。ここにいる皆の中で、肉体的にも精神的にも母性満載な女性だ。

 「いいですか。年の差を気にしないのであれば、一番大切なのは」

 「「「「大切なのは?」」」」

 「既成事実です!」

 「な、何と!そう言えば、それを忘れていた!」

 「誘惑して向こうから抱かれることばかりで」

 「肝心の責めを忘れてました!」←原作ではせめている砂戸智子。

 「金時はあの虫のせいでできないから・・・息子同然のマスターにしましょう。マシュちゃんに悪い気がするけど、やはり二人目が欲しいです」

 紫苑の言葉に、受け身体勢でいたことに気付いた彼女達。どんどん(性的に)物騒な言葉を出していく。

 

 「既成事実を作るために夜討ち朝駆けです!私はそれを桔梗と毎日やって見事子供を授かることが出来ました!」←璃々の妹という事にしてください。

 

 紫苑の大きいお腹を見て、

 「これです!コスプレなんていりません!」

 「奇襲して、押して押して押しまくれ!これですね!」

 「考えるより動け!ああ、素晴らしい!経験者の重みのある一言ありがとうございます!」

 「やりましょう!待っていてくださいね!マスタ~~~!!」

 こちらもまた、気合が入った。←ここで一つ捕捉を・・・二人がそれぞれ相談したサイトは想い人と血が繋がっていたり、一緒に暮らして義理の関係になっているものとかではない。そういう想いを持った人全員を受け入れているので、この人達は(原作と)違うのでは?というツッコミはご勘弁ください。

 

 

 二人の大きな(間違った)野望を達成させるために、二人は早速行動を開始した。

 「・・・叔母さま。立場を考えてください」

 「深雪さんこそ、歳を考えたらどうかしら?」

 「「ふふふふふふ・・・」」

 深雪はピンクの薄々ビスチェの姿で、真夜は黒いレースのランジェリー姿で忠夫の部屋の前にいた。

 「私は今日、大きなアドバイスをいただきました!その為にも、失敗は許されません!」

 「奇遇ね。私も素晴らしい助言を聞いたの。達成させるためにも邪魔はいらないわ」

 「おや、四葉真夜ともあろうお方が教えを請う立場に回ったのですか?」

 「深雪さんこそ、達也さんの方に行ったらどうです?ここは私一人で十分ですわ」

 「「・・・((ぎり!))」」

 二人ともこの世のものとは思えないほどの魅了されてもおかしくないほどの美貌とスタイルの持ち主である。二人のその姿が動画に数秒でも出たら、確実に一日で何百万再生は間違いないくらいに男も女も目が惹かれること間違いなし。そんな二人の心を掴んでいる横島の存在を知ったら、確実に本当の戦で使う夜討ち朝駆けで死ぬような目に遭っただろう。

 「どうしても、ひかないと」

 「それはこちらのセリフですわ」

 「(バチバチバチバチ!)」

 そう・・・歯ぎしりをたてて憎むべき敵を前に苛立つ表情を見せても、二人の周りに火花が見えても、深雪の魔法で廊下や壁が凍っても、真夜の周りに漆黒の闇が漏れ出ても、そんな状況でも美しく見える二人。その苛立ちがどんどん高まっていき、ついに

 

 「「なら!先に既成事実を作った方が勝ちです!」」

 

 深雪は負けたくない!という勢い任せの顔で、真夜はうまくいったという顔でこれを言った。ついに二人は、スタイルを使った誘惑と胃袋を手に入れる誘惑という手段で横島を手に入れようとしていたが、両者別々の助言で完全に目の前のこいつから奪い取る!という考え一択となった。

 「「いざ!」」

 部屋に入ったらすぐに両者は裸になるつもりだったのだろう。深雪のビスチェの背中のファスナーは全開だし、真夜のブラもフロントフックタイプで指でちょいと引っかければ外れるようになっている。

 両者共に脱ぐ気満々で扉を開けると・・・

 

 

 

 

 

 「やれやれ、やっぱりきましたね」

 

 

 

 

 

 何と、深夜がいた。格好は色気もない普通の黄色いパジャマで、二人のように欲望満点の野望を持ってこの部屋にいたわけではなさそうだ。

 「な、何でお母さまが!」

 「どうしてかしら?」

 「どうして?それは・・・」

 「ZZZ~~~」

 「忠夫を襲う気のあるあなた達を止めるためよ」

 だが、この二人の頭の中は瞬時に敵と認識して、深雪はびっくりしながら、真夜は威圧感を出しながらいる理由を尋ねたら、平然と深夜は答えた。

 「止めるのなら、母様でも!」

 「止める?それが出来て?」

 「はあ~~、あなた達は全く・・・」

 魔法を出す準備をした二人に、溜息をつく深夜は

 

 「あああああ!ううう、あああ!!る、ルシオラ~~~!!!」

 「こんな彼を襲えるかしら?」

 

 夢で魘されている横島を見せて、逆に二人に訪ねた。

 「え・・・た、忠夫お兄様!」

 「ちょ!ど、どういう事!」

 二人は泣きながら魘される横島を見て慌てて傍に寄った。

 「毎日なのよ。毎日、魘されて、苦しんで・・・泣いて」

 「・・・教えてください!」

 「深夜、知ってることをお願い」

 「・・・いいわ。でも、これはあくまで私が忠夫が魘されている言葉から推測しただけだから、本当の事とは思わないでほしいわ」

 「「((こくり))」」

 愛する男性の苦しみを見て、二人も冷静さを取り戻し事情を多少知っているであろう深夜に聞いた。

 「毎日、このルシオラっていう名前を聞くわ」

 「・・・もしかして、その名前って」

 「忠夫さんが愛する女性の名前?」

 「でしょうね・・・でも、愛するじゃなくて愛したと言った方が正解ね」

 「愛した・・・という事は」

 「もう、い、ない?」

 「懺悔の悲鳴とも言える寝言を「すまない・・・ごめん(ひっく)」・・・多分だけど、ただ死んだのではなく忠夫は彼女を助けられなかった。助けられる手段もあったはずだけど、それを使わなかった」

 説明の途中で聞こえたその悲鳴とも言える横島の寝言。今までここまで悲しむ横島を二人は見たことがない。起こしたい気持ちもあったが、

 「な、何で使わなかったのですか!」

 「・・・それ相応の事情があった」

 説明を終えたからにすることにした・・・事情も知らないで起こしたら悪い気がしたからだ。

 「真夜の言う通りよ。あくまで寝言からの推測だけど・・・その手段はとても危険なものでもあった。だからすぐに壊す必要もあった。ルシオという女性はそれをするように言って「倒しても・・・後悔しか、結局残らなかった・・・」最終的に手段を壊して危険は排除したけど・・・」

 「救えないまま、死んでしまった。という事ですか?」

 「・・・悔しいけど、裏切られた経験がある私にはわかるわ。本当に・・・辛いものよ。苦しくて、傍にいてほしいのに、誰もいないまま一人っきりになった、あの気持ちは」

 「でも、今は忠夫に救われたから、あなたはここまで明るくなった・・・でも、彼はずっと暗いままなのよ。そんな彼を、あなた達は本当に好きにできるかしら?」

 この推測はかなり当たっている。伊達にこの真夜・深夜姉妹は四葉の主とその姉をやっているだけあって、かなりの確信をもって横島の過去を言い当てた。同時に、口でも文字でも出せないくらいの辛い過去を経験した真夜と彼女を救えなかった深夜は心が苦しくなった。

 

 『忠夫お兄様の事を、もっと知りたいと思ったのに・・・忠夫お兄様を奪おうとする叔母上を目の敵にばかりして、肝心の忠夫お兄様の心を知ろうとしないで、ただただ自分が良ければ。そんな考えになっていた。母様はあの時辛い目に遭ったと言っていたのに・・・いつの間に忘れてしまったの』

 『悔しいけど姉さんの言う通り、自分の事だけしか考えてなかったのは認めないといけないわね。私も深雪さんも反省しないといけないわ・・・私達姉妹の心の闇を晴らしてくれた彼がこんなに救えなかったという闇に捕らわれているのに、愛しているからという理由で好きにするのは逆に苦しめかねないわ』

 

 彼女の説得で二人は反省した・・・が、

 

 『『だから・・・私がその苦しみを晴らしてみせる!』』

 

 恋する女性というのは強いものだ・・・いい意味でも、

 「今日は引き下がります!」

 「対策を練らないといけませんからね!」

 悪い意味でも・・・何かこの後の展開が結局変わらない気もするが、でも少なくとも彼女らの考えに既成事実という認識はなくなったことだけでも良しと言えるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 だけど、二人はそれぞれの部屋(真夜もついに司波家に部屋を勝ち取った)に退散して布団に潜った時に、今後の横島への接し方や自分には何ができるのか。それを考えていると、

 

 『あれ?そう言えば、母様はどうして忠夫お兄様を忠夫って呼んでいたのでしょうか?』

 『そもそも何で魘されていることに気付いていたの?扉も壁も防音で聞こえなかったはず』

 

 深夜が横島を名前で呼び捨てにして、魘されている事にようやく気づいた。そして、嫌な予感がして二人は汗ばんだ下着を脱いで新しい下着に着替えてからパジャマに着替えようとしていた時に気付いたので完全に裸の状態で、部屋に駆け込んだ・・・その途中、二人の足音に疑問を持った達也がオールヌードの二人を見てギョッとしたのも、その達也に全く気付かなかったのは別の話。

 再度、横島の部屋の扉を開けると

 

 「・・・す~~す~~」

 『うふ♥彼をゲットするなら・・・こうやって包み込んであげる愛情が一番なのよ♥二人とも、まだまだ甘いわね~♥』

 

 魘されていたはずの横島が穏やかな顔で寝ている・・・その横島を抱きしめて、胸の谷間に顔を埋めさせて、幸せそうな顔の深夜が横島と同じベッドの中にいた。しかも、ベッドの周りには彼女のパジャマと下着がある・・・つまり、彼女も今オールヌードということになる。

 

 『『くううう!やられた!』』

 

 原作の旦那と離婚してから深夜は、真夜を苦しめた世界を恨んで、憎んで、復讐できる全てを破壊する力を持つ達也を産んだ・・・が、横島が大切な妹を救ってくれた。それは同時に真夜と同様に深夜の憎しみの闇の中から救われたことになる。しかも、横島は重傷だった深夜の命もあの事件で救った。

 実はその時から横島を特別に見ていたが、まだここまでの愛を持ってなかった。持つようになったのは、たまたま寝る前に忘れ物をした横島に部屋まで届けてあげた時に魘されている横島を見て、母性愛から抱きしめてあげたら落ち着いて寝るようになった。

 その日から毎日欠かさず慈しむように抱きしめてあげ続けていたら、

 

 『真夜には悪いけど・・・この子との再婚を考えようかしら?』

 

 母性愛が異性愛に発展したという事だ。つまり、あの部屋にいたのは横島を抱きしめる日課の為にいて、裸だったのは実は二人同様横島と結ばれたい愛情を持っていたからだ。

 そして、深雪と真夜を諭して部屋から追い出したのも・・・早くこうしたかっただけ。何より横島との再婚を考えている彼女にとっては、達也の時のように歪んだ思いで産むのではなく今度こそ本当の愛情をもって産みたい気持ちが強い。

 この二人来る前の昨日までの間に関係があったのか?というツッコミに関して・・・読者のご想像に任せます。

 「母様!」

 「姉さん!」

 「あら?気づかれたのね・・・ふふ、あなた達も参加する?」

 「「え?」」

 自分達を騙した事に怒りを燃やす二人だったが、深夜の提案に思わずキョトンとする。

 「安心なさい。確かに私もあなた達と同じ気持ちを持っていることは認めるけど、独り占めしようとは考えてないわ」

 「ど、どういうことですか!」

 「・・・なるほど、姉さん。あなた狂ってるわね」

 「理解して、既に賛成の意志を示しているあなたも狂っているわ」

 「ど、どういう事なんですか!」

 独り占めをしない。この言葉で真夜は姉の意図を理解した。だけど、深雪は分からないままで混乱していたが、

 「説明なら、ベッドの中でするから・・・さあ、早くきなさい」

 横島と同じベッドの中・・・という誘惑に彼女が勝てるはずがなかった・・・横島が気づかないうちに、決して逃げることのできない蜘蛛の巣に絡められた。

 

 

 

 

 

 その出来事から何か月か経つと、ある人物がある提案を出した。

 

 『十師族限定の多夫多妻』

 

 これから先、ますます少子化が進み十師族だけじゃなく魔法一族自体滅亡の危機に瀕するかもしれない。その為の対抗策で、まずはこれをやってみてはどうか?うまくいくいかないではなくやるべき。もしかしたら、瓢箪から駒でより強くできるかもしれない・・・だった。

 賛成反対は五分五分だったが、試しでやってみる事になった・・・そして、もちろん

 「忠夫。さあ、ず~~っと、抱きしめてあげるから」

 「わ、私達と!こ、こ、子供を!」

 「姉さんに負けないくらいに産んで見せるわ・・・」

 「・・・(どくどくどくどく)」

 「わ、わ、私・・・何でここに!」

 こういう展開になった・・・四葉深夜・真夜と深雪は横島に裸で抱き着き、優しくするようでもう欲望の炎が燃えていた。その三人の真ん中にいる横島はただただ鼻血の海の中心でサムズサインをたてていた。

 その中に、

 『何でお父様はあんな提案をしたのよ~~!!』

 服を着て震えている七草真由美がいた・・・実は十師族多夫多妻の提案は真由美の父親・弘一の提案だった。寝取れという真由美の考えは間違いではなかったがそれは無理と思った彼は、これを提案することで自分の娘も横島の妻になれると思ったのだ。つまり、探ってこいは寝取れという意味と同時に、体を許せるくらいに親しくなれ。という意味だった。そして、恐ろしいことに四葉姉妹はこれを確信レベルで予想していた。横島のベッドで横島に何をしたかわからないが・・・彼女らが話していたのはまさにこれだ。

 何故なら、四葉は十師族で一番大きな力を持っていると言っても過言ではない。七草弘一は一番上に立ちたい考えを持っているなら、今回の婚約で未知数の力を持っている横島に必ず娘・真由美を利用すると踏んでいた。今のところ、七草は四葉に一歩後退しているが、この提案をして横島の婚約者になるという名目を手に入れれば、四葉と同等の立場を手に入れられる。と考えた。更に、女に弱いと噂される横島が真由美になびいて子でも産めば一気に立場は上になれる。

 この野望とも言える考えを持っている弘一の行動を、この姉妹は予想した。伊達に、師族会議で火花を散らし合う間なのでそういった心理は読めた。二人もこの提案は頭の中にあったが、敢えて弘一にさせたのは彼が横島忠夫を情報でしか知らないからだ。横島は女に弱いから娘との肉体関係が期待できる。

 だが、横島は本来そういうのを好まないことは一緒に住んでいる三人と、達也や葉山くらいしか知らない。つまり、恥ずかしがる彼女とそういう関係など結べるはずがない。可能性はゼロじゃないがそういう関係になるには時間がかかりそうだから、その前に自分達がやって孕んでしまえば真由美は諦めてくれるはず・・・そうすれば弘一は失敗で終わってしまう。妊娠した後の会議でそれをネタに出来るし、提案者の彼がその後どんな行動に出ようとも、むしろ被害は弘一に行って自分達にはいかない。

 『わ、わ、私には、無理よおおおお!!』

 現にこの後、真由美でも目を引くくらいの三人の恐ろしいほどの美貌のヌードとそれを全部横島に見せつけて抱かれる姿が、まるで底なし沼に誘導されている気がして恐ろしくなって逃げた。それを聞いた弘一は難しい顔をしたが四葉の深雪の次期当主発表と達也が実は四葉で彼女との婚約が発表された時に、横島から達也にターゲットを変えたのは別の話。

 

 

 

 それを確信したからこそ、彼女らは甘んじて彼の提案にのったのだ。お互いを狂っていると言って笑ったのは、横島を手に入れる為・・・ただそれだけの為にここまでの考えを持ち、そのための案を他人に実行させて自分が批判されることのない立場に立っていることと、それに賛成したことにだ。

 ただ、これは四葉以外の十師族に対して有効というだけであって、一つだけミスもあった。

 「深雪さんが惚れる理由が分かっちゃった・・・からこそ、惚れちゃったと言えるわね」

 四葉内ではいくら自分達が睨ませても全員には効かないということだ・・・津久葉夕歌や

 「ガーディアンとして、女として、傍にいます」

 ガーディアンとしての職務を今も全うしている桜井穂波が横島の嫁候補に参戦した。←原作の沖縄侵攻は攻撃を達也が防御を横島がやって、彼女は深夜の傍にいて生きているという設定。

 

 「全く・・・私だけの忠夫さんだったのに」

 

 今、真夜は四葉本家で横島の写真と彼の周りを侍るライバルの写真を見ながら紅茶を飲んでいる。

 「もうすぐ大晦日。深雪さんへの当主譲りもそろそろ・・・その頃でいいかしらね」

 カレンダーは十二月。四葉の皆が集まる日もついに明日。何がいいのかというと、

 

 

 

 

 「私と忠夫さんの子供の報告は」

 

 

 

 

 だが、真夜は知らない・・・・・・姉もまた、その日に同じ報告をする気だということに。

 




 どうでした?ちょい出のキャラ達は?自分の中であれが適任と思いました。そして、真ヒロインが深夜さんに見えた終わりは!


 次回は・・・ダイの大冒険熱が収まらないので、横島忠夫君とそれを語り合いたいと思います!超番外編です!


 その次ですが、ドラゴンボールにします!ヒロインは、ゲームで人造人間21号というのが出ましたよね?そのキャラで行こうと思います!これが終わったら、第三回争奪戦をやります!

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