横島忠夫、〇〇〇〇と付き合ったらどうなる?   作:一日三食MEN

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 どうも!R18の吉井明久そっちのけでこれを書いている三MENです!ここから先は三つの注意を了解の上で読んでください。
  1、人間に戻る薬作成の時期が原作より早い事。
  2、前編の前書きにも書いたけど、原作を持ってないので読者の方にとっては流れやキャラの行動に違和感があると思います。
  3、今回で終わりません!決着編を次回書きます!

 では、どうぞ・・・あ!明日は炭治郎君の誕生日ですね!一日早いハッピーバースデイ!なら、明日投稿すればよかったのでは?いやいや、それ狙いのハーメルン作者さんがたくさんいそうだから、前日にしました!

 すいません!注意がもう一つありました!
  今回は残酷な描写があります!


胡蝶しのぶと付き合ったら?後編(鬼滅の刃)

 時はほんの少し遡る・・・忠雄がしのぶに無自覚告白をしたすぐ後、

 『あれは、ただの子供の告白!そう、告白!』

 しのぶは自分の部屋で必死にそう言い聞かせていた。

 『私は十八。忠雄君は十五・・・三つしか違わないけど、それでも炭治郎君に近いんだから!』

 でも、言い聞かせれば聞かせるほど・・・

 『忠雄君って私より年上な気がする雰囲気を持っているわよね。長男だから?う~~ん、もしカナエ姉さんが生きていたとしても更に年上に思えるのよね』

 忠雄の事が気になるようになる。←十八で赤ん坊に転生したのでその分を足せば三十三である。

 『もうちょっと知る必要があるわね。あと疑問なのは、炭治郎君と禰豆子ちゃんとずっと一緒にいたはずなのに、ピートっていう人と鬼の混血した者と仲がいいという情報。炭治郎君は果たしてその人に会ったことがあるのかしら?』

 また、人と(吸血)鬼の混血であるピートの事をよくよく考えると、まるであの二人がいない時によく会っていたかのような話し方。

 『しばらくは距離を置いて情報収集と行きましょう。竈門忠雄をもっとよく調べてから今後の接し方を考えましょう』

 そういった疑問点を出すことで何とか平静を取り戻すことが出来た・・・が、数日後に

 『距離を置くと、決めていたのに!』

 「えっと、こっち・・・です」

 しのぶはある指令を受けることになり、忠雄と二人っきりになってしまった。その指令が、鬼から人間に戻すための薬を作る事であり、禰豆子を人間に戻すことを決めた珠世と共同開発しろというものだった。そして、彼女が住む家の案内を無限列車での戦いで鬼の血を手に入れた忠雄が任命されたのだ。

 

 その頃の炭治郎は別の指令で、音柱・宇随天元といつものかまぼこ組の皆と共に吉原・遊郭へ行き、密偵でもぐりこんだけど連絡が途絶えた宇随の妻(達)の救出と鬼の討伐を受けていたのでいなかった。

 因みにそれを聞いた時、

 

 「なななな!よよよよ、よちばら!にゅうがぐ!!OH!!basutohippuhutomomo!!」

 

 歴史上エロエロな展開がすぐ予想されるこの言葉。もちろん忠雄の頭の中も大大大大ピンクになって、理性崩壊・言語能力障害が生じたのは言うまでもない。その任務から外されて、しのぶとこの任務を受けたので

 「なじゃええええええ!当主ざまああああ!!おでがおでがなじぇにイチャイチャうふふにゃばじょにいげにふぁ「音の呼吸。壱の型・轟」「蟲の呼吸。蜂牙ノ舞・真靡き」ぐええええぎゃああああ!!」

 「お前を連れて行ったら嫁が危険だ・・・ではお館様行ってまいります。お前達行くぞ」

 「「「は、はい」」」

 「うん、気を付けてね」

 「あ~~、死ぬかと思った」

 「(彼を鬼と勘違いするものもいたけど、太陽の下じゃなかったら私も勘違いしそうだよ)」

 自分もいぎだいイイイイ!と言い出したが、二人の柱から技をぶっ放して阻止して館の端っこまで吹っ飛ばされたが、すぐに起き上がった姿に当主もそう思うのは無理もない。と冷や汗を流した・・・実際、自分達の娘達は彼の背中で震えていた。←彼女らは頑丈さより、当主に疑問を投げかけた時の形相に恐怖したと思える。

 『・・・何かむかっとしたわ』

 もちろん、マジ告白されたのに他の女に意識が行く忠雄を見たしのぶは、個人的にむかむかして攻撃したのは読者の皆様も分かっているだろう。

 

 

 

 これが二人っきりの理由である。もうすぐ珠世の家に着くのでそれもなくなるが、

 「「・・・・・・」」

 二人は全然話さない。吉原に行けなかったとはいえ、しのぶと一緒なら我慢も出来たが

 『な、何か話さないと!』

 あのマジ告白をした忠雄は今のような展開になることは、あるはずがないと思っていた・・・正確には、本人がそういう展開があったのに全然理解してなかったという方が正解だろう。

 『今のうちにあのことを聞くべきなのに・・・口が開けない!』

 聞きたいことがあるピートの件や忠雄の正体など・・・でも、やはりマジ告白が彼女の内心を動揺させまくっている為、落ち着かせることで精いっぱいなのだ。

 『『・・・着いちゃった』』

 結局、語ることなく珠世の潜伏先についてしまった。そんな気まずい空気が、

 「よろしくお願いします」

 「はい、鬼の珠世さん。お願いしますね」

 「おい!珠世様を見下すな!」

 「しのぶさん。落ち着いて!」

 鬼の珠世を会った途端、殺伐とした空気になった。正確に言うなら殺意を出しているのはしのぶと愈史郎であり、珠世はしのぶからの殺意を流し、忠雄は愈史郎の怒りを納める為にしのぶを諫めている。しのぶは刀に手すらかけているので、忠雄はひやひやしまくりだ。

 「珠世さん。これが血です」

 「ありがとうございます」

 「禰豆子の件・・・お願いします」

 「はい・・・その禰豆子ちゃんのことで一つお話が」

 「え?」

 とにかく話を進める為に鬼の血を渡し妹の事を話に出したが、その禰豆子が彼女の話では日光を近いうち克服して人としての意識も僅かながら目覚めるかもしれない。というものだった。その結論に至ったのが、彼女と舞惨の部下である十二鬼月を調べていくうちにそうなると分かったためである。

 「じゃあ、もしそれになったら」

 「鬼の本能もまだありますが、会話は少しくらいならできるでしょう」

 「・・・」

 忠雄は複雑な気持ちになった。その結論はつまり鬼として強くなると言う意味でもあるので、人間に戻ってほしい彼からすればこれ以上の鬼の力を持たないでほしかった。でも、そのおかげでこれからは薬が完成するまで太陽の下でいられる。

 しのぶはそんな気持ちが分かる忠雄の顔を見て、

 『・・・今は薬を作ることに意識を集中しましょう』

 一時とはいえ珠世=鬼の考えをやめ、薬の方に専念した。だが、それは彼女にとっては好都合だった。

 「忠雄君、いろいろ聞きたいんだけどいいかしら?」

 その理由は、疑問に思っていたことを全部問い質せる時間も出来ると言う事だ。

 「いろいろと聞きたいんだけどいいかしら?」

 「え?あ!もしかして、俺とけっこ「あなたって、何者なの?」・・・スルーですか。何者って言われても、竈門忠雄としか言いようがないですが?」

 「あなたが出会った鬼と人間の子の事、炭治郎君は知らなかったわよ」

 「・・・そっちですか」

 「鬼と、人間の子?」

 「そんな奴がいるわけないだろ」

 これには珠世も興味を引いた。愈史郎もあり得ないと思いながら、興味を持った。まさか調べるとは思わなかったのか、忠雄は苦い顔をした。

 「もう一度聞くわ。あなたは何者なの?」

 「一つ聞きたいことがあります。それに納得のいく答えを出したなら答えます」

 これは中々答えにくい。だから、一つの問いを先にして、

 

 

 「転生というのを信じますか?」

 

 

 真実を話すことを決めた。

 

 

 

 時間が流れ薬の制作も大詰めになったところで、炭治郎から妙な頼みをされた。

 「忠兄。あのお守り(文珠)をもう一個くれないかな?」

 「あ?無くしたのか?」

 「いや、あげたんだ。ほっとけない奴がいて、そいつにあげたんだ」

 「ちょっと待て。あれは気軽にあげていいものじゃないぞ!」

 文珠の効果を知らせてないとはいえ、渡すときは誰にも渡さないよう注意もした。それなのに、あげたのは炭治郎なりの想いがあったのは兄としてわかったがそれでも一言言わないとダメだ。

 その後の話で吉原の任務が終わった後、今までの戦いで刀を折りまくったせいで作ってくれる人がもう作る気はない!と文句を言って来たらしい。何とか頼みに行ったのが、その時に鬼殺隊入隊の最終関門で会った最後の一人・不死川玄弥と会い、日輪刀を持っているが主に鉄砲で戦ってきて倒した鬼を喰らって戦ってきたこと。その鬼喰いを兄・実弥に話して殺されそうになって鬼殺隊をやめろと言われたこと。鬼となった母から守ってくれた兄をまだチビだったころに「人殺し」と言ってしまったことを後悔していて、謝りたいが為にここまで来たことを話してくれたらしい。

 そこまで頑張る彼の後押しをしたいと思った炭治郎は、忠雄との約束を破ってでも文珠をあげたとのことだった。本当は無一郎と甘露寺もいたのだが、不死川兄弟や二体の上弦の鬼の強襲により記憶から薄れてしまいしなかった。←この二人がいたことをしていたら、勝手に勘違いした忠夫の暴走で無一郎は股間に激痛が襲っていただろう。

 それを聞いた忠雄は頭を書きながら、

 「お前らしいよ、ははは」

 「ごめん」

 「そういう事ならいいよ(実弥も素直じゃないな)」

 実弥の行動は戦いに対しては素直だが、それ以外は素直じゃないな。と思いながら、いつも持っていた一つを上げたが、その文珠を小さな袋に入れて紐をつけていつでも首にかけられるようにした。因みに残っていた禰豆子の分も同じようにした。その時に聞いた話によると、珠世の言う通り禰豆子は太陽を克服したらしく言葉も多少だが話せるようになったらしい。

 

 

 そして、その戦いで上弦の鬼を三体も倒したことで舞惨はもうなりふり構わずに襲い掛かってくるかもしれない・・・ましてや、太陽を克服した禰豆子の情報は彼の耳にも入っている可能性が高い上に彼女を喰らって太陽の克服を狙ってくるだろう。その事を予想した当主がしのぶ以外の柱全員に呼び出し、彼の妻・あまねがこれから先の戦いにおける重要な情報を話す。その情報を聞いた柱達は修行に入るが富岡だけは否定したらしい。

 「お前は修行をやらないのか?」

 「俺は、皆とは違う」

 やれやれと思いながら、富岡の家で頭をかく忠雄。

 「(前の俺ならそのままの意味で聞いただろうな)あのさ、大切な存在を失って無力感を感じ続けているのはほどほどにした方がいいぞ」

 「!!・・・何の事だ?」

 「その動揺が証拠だっていうの!大方目の前で救えなかった。守られることしかできなかった。そんな自分が柱達と一緒に稽古は出来ない。そう思っているんじゃないのか?」

 「どこまで知っている!」

 忠雄の指摘に、富岡は自分の過去を知っていると思い込み思わず襟首を掴んだ。

 「お前の過去なんて知るわけないだろ。それが分かった理由は、俺も同じ経験をして同じ無力感を味わったことがあるからだ」

 「あの時の家族が殺された時か?」

 「・・・違う。一番大切にしたい人が死んだ時だ。いいか、今から話すのはある男の取り返しのつかない事をした話だ」

 掴んだ手を離して、そこから先は転生を信じたしのぶや珠世達に話したのと同じ内容だった。

 

 『男は世界を恐怖で落とす組織と戦うことになった。だが、当時は下っ端でそいつらと戦う立場じゃなかったが、敵組織の一人が俺を面白いおもちゃと見たのか連れ去られてしまった。そこでそいつらに対抗する組織のトップから内部の情報をとってこいと言われてい続ける羽目になった』

 『数日後、互いの組織の実力者同士で戦うことになり敵組織の一人が事故で死にそうになったが、思わず男はそいつを助けちまった・・・そこからだ。お互いずっと敵として見ていたのに、そいつは男がいる目的すらわかっていたのに・・・俺と離れたくないと言った』←気持ちが蘇り、男じゃなく俺と言っていることに気付いてない。ここから男じゃなく俺と言う。

 『その時からその一人・・・彼女を女性として見るようになった。しかも、戦いが終わって潜伏していた時に仲間の妹と戦ってまで俺と結ばれることを望んだ。それをしたら舞惨の名を言って殺された鬼のように彼女も同じように死ぬようにされていた・・・でも、それすら承知で結ばれようとした。その二人の話し合いをたまたま聞いた俺は、彼女を救うために親玉を倒す決意をして逃げ出して仲間達のいる組織に戻った』

 

 ここまで聞いているだけでもかなり分からないことだらけだ。

 「待て!竈門炭治郎達とあの家にずっといたはずじゃないのか!」

 「話を聞いていれば理由が分かる」

 だが、忠雄は簡潔にそれだけ言って話を続けた。富岡もしのぶも忠雄のとても辛そうな表情にそれ以上口出しできなかった。

 

 『たった一人の女の為に決意したが、下っ端の俺の言葉をなかなか聞いてくれなかった。俺の上司が使っていた訓練用の施設があったからこっそり使ったら、今まで叩き出せなかった記録を出したようで俺を戦力として認めてくれた。だが、俺と上司が親玉と戦っても向こうはとても強大で、折角の作戦もおじゃんになって、もう倒されるだけ・・・と思った時だ。彼女が俺への愛で親玉を裏切った。その後、いろいろあったが親玉は無事倒して平和を取り戻した。彼女も結ばれても死ぬことはなくなって、俺は彼女と付き合い始めた』←この時、しのぶが薬を入れようとした筒を無意識で握りつぶした。

 『平和な日々が続くと思っていたら・・・親玉が実は生きていた。唯一残った部下の妹と共に、再び世界を恐怖に落とそうとしたため俺と彼女は動いたが・・・彼女は妹と命を懸けた戦いをすることになってしまい、お互い倒そうとした一撃を出した二人の間に割り込んだ俺は妹の攻撃をまともに受けて死にかけたが、俺は生きて彼女が死んだ。ここで言う鬼の力みたいなものだな。彼女は死にそうな俺に、その全てを与えてしまったために生きる力を無くして・・・消えた』

 

 鬼の力みたいなもの、この言葉に二人とも反応したが問いかけはしなかった。この時の忠雄は・・・泣いていたからだ。

 

 『その後、世界を破滅に導く宝玉を手にした俺は親玉に言われた。それを渡してくれるなら、彼女を生き返らせ二人だけの世界を約束しようと。その宝玉の力は使い方次第では、本当に生き返らせることができることを知っていた俺は悩んだ・・・女と世界、どっちを選ぶか』

 『ひたすら悩んだが、後悔するなら親玉を倒した後にすることにした。そう、俺は女を捨てて世界を選んだ。とても辛かった、すごく泣いた、俺の選択は本当に正しかったのか・・・そう考えていたが、彼女からの遺言で何とか前を向くことが出来た』

 『親玉を倒し世界は本当に平和が戻り、いつも通りの生活を送ろうとしたが・・・時がたつにつれて愛した人がいないことの空虚な気持ちが出てきた。その気持ちが大きくなろうとした時にちょっとした事故で死にかけて、気づいたら炭治郎の家の裏に赤ん坊としていた・・・何故俺がこの世界に来たかは俺自身が一番知りたい』

 

 涙を出したときから全く考えないで話していたが、富岡はじっと聞いていた。

 「お前もこんな感じで守られて生き残ってしまったんだろう?立場や状況は違うが、心境は同じだからわかった」

 「・・・守られて生き残ってしまった。死んでしまったあいつ「黙れ」忠雄?」

 「俺は俺らしく生きろ・・・愛した人がこれを望み、俺の生きる力となった。お前は戦い続けて忘れたのか?最初に鬼殺隊に入ろうと決めた時の気持ちを、そしていま生きている意味を」

 「気持ち、意味」

 「今一度思い返せ。お前を守ったやつは、どんな気持ちで守りたいと思ったのか。そいつがお前に生きてほしいと願った行動を、意思を!どうしてお前は背中を向けるんだ!」

 本来の忠雄はこんなことを言わないし励ましもしない。だが、竈門家を応援してくれた富岡が前を向こうとしない男で、可能性を見せてくれたこいつ自身が一番可能性を見てなかった。それに富岡のこの姿が、もしかしたら愛した人が何も残さなかった時の自分の姿じゃないのか?そう思えた瞬間に口が開いていたのだ。

 

 「俺は愛した人が残してくれたものを死ぬまで受け継いでいく。だが、お前はそのものの思いを受け継ぐつもりがないのか?」

 

 その言葉に富岡は目から涙が出た。死なせた後悔ばかり持ち続けたからこそ、忘れていた親友の願い。

 「その気がないなら鬼殺隊をやめろ。受け継ぐ決意があるなら、どう動けばいいかわかるだろ」

 それを忠雄に教えられた富岡である・・・その後、彼も柱の稽古に参加した。

 

 

 時が遡り、この話を終えた後のしのぶは富岡とは違う反応をした。

 『じゃあ、ピートと言う人と鬼の子はそっちの世界の人ってこと?』

 彼女の方はピートの存在を知っていたので、そっちを聞いた。忠雄は頷くと、

 『この世界の話じゃないのね・・・でも、そんな世界もあるのね』

 『ああ、他にもいろんな奴がいるぞ』

 『全く・・・下らん妄想話だ』

 『ですが、いいお話でした』

 『まだまだあるぞ。今のはあくまで俺の世界で一番でかい事件を言ったに過ぎないが』

 しのぶだけじゃなく珠世も忠雄の話に興味津々だった。愈史郎もくだらないと言いながら、続きが気になるのか話を止めようとしなかった。その日は薬の制作と忠雄の話で盛り上がった・・・忠雄がこの話をしたのは自分を知ってもらうためでもあるが、しのぶの珠世への態度を改めてもらうためでもあった。その日は泊まる事になり、何と忠雄はしのぶと一緒の部屋で寝ることになった。

 『忠雄君』

 『何でしょうか?(う、う、薄着のしのぶさんがががが!)』

 『あの話だけど・・・君は自分の世界に戻ったりできるの?』

 『いや、できないです。というより、戻る気がないですし』

 『そう、でも家族がいるでしょう?(あれ?何でホッとしたの?)』

 『だって、戻ったらクソ親父がしのぶさんを絶対にナンパするし!おかんからもしのぶさんとの関係で問答無用で殺されるし!』

 『・・・ねえ、何で私も行く前提になっているの?』

 『え?あっちの家族に挨拶するためにそういう話をしたんじゃないんですか?』

 話をするうちに、いつも通りの忠雄らしい言葉を出した。ここでいつものしのぶなら、くたばれ糞野郎コースだったが

 

 『・・・(どうして私は悪くないと思ったの!)』

 

 白無垢の自分とともに歩く忠雄の姿が頭の中に思い浮かんだのか、何も言うことが出来なかった。当然忠雄は本気の冗談だったのだが、

 『・・・(うう、顔が見られない!)』

 『ああああ!ご、ごごごご、ごめんなさいいいい!!調子こきましたあああ!(声をかけないくらいひかれてる!)』

 背中を向けた彼女の好き避けを勘違いしてしまった。彼女の顔が真っ赤になっていたことは、夜空の月だけしか知らない。

 

 

 時間を元に戻し、しのぶと忠雄は結局この日以降会ってなかった。その為、しのぶは

 「姉さん?」

 「な、何かしらカナヲちゃん!(なんで毎日忠雄くんとの白無垢姿が思い浮かぶのよ!)」

 会えない気持ちがだんだん胸を焦がしていくのか、忠雄を思い出すだけで妄想が頭の中をよぎってしまう。薬は完成したが、珠世から誰にも言わないように頼まれているので忠雄にも言ってない。カナヲは姉の焦る姿に疑問を持った。

 

 

 

 そして、ついに舞惨が鬼殺隊本部である当主の家を襲撃してきたが、もちろん当主はその事を予測していた。この時まだ忠雄は知らないが、舞惨の標的である禰豆子は人間に戻す薬を飲ませて鱗滝のところに預けていた。

 当主は息子と娘二人を残して、一緒に生涯を終える決意を持った妻と娘二人と共に自爆してしまった。この事態に大急ぎで柱達や炭治郎達に忠雄も集まってくる。そして、炭治郎とは別行動していた忠雄は途中しのぶと合流してやっと着いた時には

 「た、珠世さん!」

 「来ていたのね・・・」

 彼女が命懸けで舞惨に薬を打ち込んでいた。ふと周りを見回すと、愈史郎の姿もあった。

 「何故!」

 「あの人、旦那さんと息子を舞惨に殺されたらしいわ」

 「だからか。禰豆子を抱き締めた時お袋みたいに見えたのは(人?)」

 「その禰豆子ちゃんだけど、薬が完成したから飲ませたわ」

 「・・・ありがとう」

 「・・・」

 しのぶからその話を聞いた時、運悪く舞惨が珠世の頸をとった所だった。とても都合が悪い時に禰豆子が人間に戻る話を聞いたが、目の前にいる舞惨は禰豆子を狙っているしこれから始まる戦いは死んでもおかしくない・・・この時しかなかったのだ。それを理解したから、忠雄は一言だけにしたのだ。

 鬼殺隊の攻防と珠世の薬の効果のおかげで舞惨は弱体化したが、

 「・・・(ぎりい!)」

 珠世が死んでしまい、隣のしのぶが歯ぎしりを立てた。それを見た忠雄は薬制作の間、一緒にいた時間は無駄ではなかったことを理解した。だから

 『珠世さん・・・ありがとう』

 拳を必死に握って飛び出したい気持ちを我慢しながら、散ってしまった珠世に感謝した。愈史郎がそれ以上に必死に飛び出すのを我慢していたのは彼の為に見てみぬふりをした。

 その後、舞惨の部下の鳴女が鬼殺隊の大半をいきなり出した無限城に皆を落としてしまった。

 「(むにゅ)ああああ!わ、わざとじゃけっしてないんですううう!」

 「・・・後で覚えてなさい」

 その時、隣にいたしのぶと離れないように抱き締めようとしたが、落とされる際に体勢がずれたのか、それとも忠雄の天性のエロ魂なのか・・・何故か背後から抱き締めて、何故か彼女の胸を掴む形で抱きしめてしまった。慌てて謝るが、こればかりは仕方がないと諦めて着地するまでされたままになった。

 『胸を掴むのは許せないけど、不思議とこうされても嫌じゃない気持ち・・・まさか、まさか』

 だが、本心は抱き締められることに嬉しさを覚え、やっと気持ちに気付き始めた。もちろん、着地した時は横島が下でしのぶが上だったのは言うまでもない。

 

 

 

 何とか二人は離れずに済んだ。急いで他の鬼殺隊の皆の無事を確認するために無限城内を移動すると、

 「・・・・・・」

 「し、しのぶさん?」

 ある部屋に入って女性の隠を笑顔で襲う鬼を見た時、驚愕したと同時に怒りに燃えた顔になった。

 「おや?どうしたのかい?そこの女性。辛いのかい?」

 その鬼がキョトンした顔で隠の女性を掴みながらしのぶに聞くと、

 

 

 「辛いも何もあるものか。私の姉を殺したのはお前だな。この羽織に見覚えはないか!」

 

 

 怒りの頂点に立ったのか、自分の着る羽織を見せた。その後、鬼・童磨は花の呼吸を使う女性が着ていたといい、それが姉だ!と更に激怒して刀を抜いてあっという間に童磨の目を貫く。

 「まずい!しのぶさん!落ち着け!」

 「姉が、姉を・・・こんな奴に!」

 しかも、童磨の話と表情で喜怒哀楽の楽以外ない事が分かる。まだ人間時代に建てた宗教の中で神の子と言われた時からの思想を語ると、胸糞悪い自論に忠雄すら怒りに燃えた。それ以上に姉をそんな考えで殺した童磨が助けた隠の女性が死んだ瞬間、またしのぶが動いてしまった。ありったけの蟲の呼吸の技を食らわせ、毒も持ってる限りを食らわせるが

 

 「ごめんね。分解しちゃったよ」

 

 その毒が分解されてしまった。ますます怒りに燃えて冷静さが亡くなった彼女は、童磨を追うようにどんどん部屋の天井に飛んでいく。しかも、奴の技・粉凍りでダメージも深刻なものだがそれすら怒りで気づいてない。

 『これじゃあ、まずい!』

 忠雄も必死に足の裏にサイキックソーサーを展開して、それを踏んだ衝撃の爆発で彼も飛んで追いかける。そして、ついに童磨がしのぶを抱きしめた時慌てて文珠を一つ投げつけた。

 「しのぶさああああん!!!」

 「!!え?」

 しのぶはこの状況で思わずキョトンとした。自分を絞め殺そうとした童磨ではなく、今は忠雄が抱きしめているのだから、

 「よく頑張・・・あれ?」

 後は体の骨と内臓を壊して殺そうとした童磨だが、手ごたえの無さに腕の中を見た。

 

              『脱』

 

 先ずはしのぶを助ける為に抜け出すことに成功した。そして次は、

 「(だああああん!)ぐへら!あ、後は!」

 床に落ちた時に『治』で彼女の体内を完治させた。

 「ど、どう、して」

 「好きな女を助けるのに、理由がいりますか!」

 「す、き?」

 「俺は!あなたが!好きなんです!あの時の言葉は、本気で愛してるんです!」

 「あんな、私を、見ても?」

 「全部、受け止めますよ!全部、守ります!あんなクズに殺されるなんて、黙っていられない!」

 復讐に燃えた姿を見ても、体だけじゃなく心まで受け止めてくれた。このことに気付いて顔を赤らめた瞬間

 

 「・・・姉さん、何してるの?」

 

 必死にしのぶを探していたカナヲがやってきた。そして、

 「あれ~~服だけだ?どうしてなのかな?」

 童磨がしのぶの服を破って、確認してもいなかったのでそのまま床に降りた。ここで一つ、今のしのぶがどういう状態かを説明しよう。彼女は忠雄に抱き締められている。カナヲはぽか~~~んとした顔になって彼女を見ている。そして、童磨は自分の腕の中にいたのは彼女じゃなく彼女の服だった・・・ここから察するに、忠雄の腕の中にいる彼女は、

 

 

 「・・・どうして、裸なの?」

 

 

 ふるぬ~~~~~~~~どと言う訳である。あの『脱』は『脱』出させるための効果だけじゃなく・・・横島らしい『脱』衣の効果もあったようだ。

 「え・・・!!!」

 この数秒後、カナヲ曰く・・・初めて彼女のきゃああああ!!を聞いたとのことだった。

 

 

 

 

 「さあ、サイコぱふなゴミにゃろふ!おへがあいへは!」

 数分後、忠雄は童磨の前に立った。

 「カナヲちゃぬ!しのふはんはたにょむじゅ!」

 「・・・言われなくても」

 「ううううう///(ぜ、全部見られた・・・しかも、その状態であんなに抱き締められて、今度は真面目に告白までされた・・・どうすればいいの!)」

 『責任をとってもらうべきね。よかったわね~~。し、の、ぶ♪』

 「か、カナエ姉さん!!」

 「?何を言っているの姉さん」

 忠雄に全てを見られ真剣な愛の告白をされた。ちょっと順番が逆に気もするが、復讐より羞恥の方が上回ったのか姉・カナエの幻にそんなことを言われて思わず名を叫んでしまった。いつもと違って昔みたいに感情を出す姿にキョトンとするカナヲ。

 「ふ~~む、見苦しいけど美味しいものは後の方がいいしね。それより・・・」

 「なんヴゃ!」

 彼女らを一度見てニヤリとする童磨。その鬼から、

 

 

 「顔が青あざだらけの上に下着一枚姿じゃしまらないよ」

 

 

 ニヤニヤ顔でそんなツッコミをされて、

 「おめへのへいらろうがああああ!!(口の中がいってええええ!)」

 全力のツッコミをした・・・全裸しのぶの悲鳴の後、顔しか見てなかった忠雄が彼女の体の方に視線を向ける。そこには甘露寺みたいに胸を見せる服ではないから見えないはずの谷間が見えた瞬間、しのぶとカナヲの顔面限定の集中攻撃が始まった。

 その後、忠雄の着ていた服をしのぶに着せて斬られた遺品の姉の羽織がすぐ傍にあったのでそれも渡してかっこつけたが・・・目の部分は青あざだらけで頬がパンパンに膨れ上がって口内炎が出来てそうな顔になっていた。パンツ一枚の上、さっきから話が変なのはその為である。

 だけど、顔を叩くとあら不思議!顔が元に戻った!それを見て、童磨が

 「何だ。君も鬼だったのか」

 「違うわああああああ!」

 何て反応は仕方のない事である。その後、やっと落ち着いたしのぶは自分が戦う!と言ったが、

 「まあまあ、ここはかっこつけな俺のわがままを聞いてください」

 と言ってカナヲに抑えさせて、忠雄が前に出た。その後、忠雄と童磨の戦いが始まった。

 「散り蓮華」

 「は!この程度、美神さんの銃弾の雨に比べたらへでもねえ!」

 「冬ざれ氷柱」

 「こんなもの、美神さんのマジ殺しの一撃に比べたら、どってことねえ!」

 「結晶ノ御子」

 「こんなものは、これでやれば大したことねえ!」

 氷の花びらをたやすく避け、氷柱の雨も上手くかわし、氷の童磨人形を『爆』で全滅させた・・・美神よりマシと考えているのはあくまで忠雄だからである。

 「君の情報はなかったね」

 「鬼殺隊しか目がいかなかったからだろ!!」

 その言葉と共に霊波刀を出して斬りかかるが鉄扇に防がれる。その後、近接技も出されたり凍らされたりもしたが、

 「煩悩全開イイイイ!!」

 で、何とかなっている。それを見ているカナヲは

 「何で死なないの?やはり、鬼?」

 横島の人知を超えた避け方と耐久力にやはり鬼?と思っていた。一方、しのぶは

 「・・・本当に、私」

 自分の為にここまでやる男に会ったことのない・・・自分の醜い復讐の顔すら受け入れると言った忠雄に胸の高鳴りがどんどん高くなる。体が熱くなる。顔も熱くなる・・・もう認めるしかなかった。忠雄に愛を持っていることに。←今一度書こう。忠雄はパンツだけである。

 そんな忠雄は、

 『まずいな・・・あれを出すしかないのか?』

 戦況の悪さを理解していた。歪みまくったこの童磨もさすがは上弦の鬼の一体なだけあって、

 「もう、飽きたな。疲れただろ、介抱してあげるよ」

 技を破っても、こっちからの攻撃は阻止されている。どうにか、あれを出すために一瞬のスキが出いればいいのだが、悔しいが見せてくれない。精神的に追い詰められそうになった時、

 

 「伊之助様のお通りじゃあああ!!」

 

 何と伊之助が入り込んできて、そのまま童磨に斬りかかっていったが、すぐにはね返し逆に攻撃を喰らって、更に猪の面が外れ顔を見た時、

 「あっれ~~。見覚えあるな、君の顔。あ、そうだ、歌が上手い女性がいたな・・・君の母親だ。君を抱いてよく歌っていたな~~。でも頭悪くてね~~。食べちゃったんだよね~~」

 母親譲りの顔を見て、邪悪な顔で笑って言ってのけた童磨。それを聞き絶句して辛うじて覚えていた母親の笑顔と温もりを思い出し、死んでいる隠の女性達を見て・・・一気に豹変した伊之助。

 「ここに・・・俺の母親を、仲間を、殺した鬼が、目の前にいるなんてなあああ!」

 そして、さっきのしのぶのように怒りに燃え、

 

 

 「てめえに地獄がねえなら!この俺が作ってやるアアア!!」

 

 

 両手の刀に全力を込めて獣の呼吸の技を叩きこんだ。童磨が急に現れた伊之助の方に意識が言ったおかげで、隙が見えたので一気に間合いに詰め込んで、

 「伊之助の言う通りだ!てめえの地獄は俺達で作ってやらあああああ!」

 光り輝く霊波刀を童磨に刺した。

 「この程度の刀じゃ・・・!」

 ニヤつく童磨の顔つきが変わった。実はこの霊波刀には一つの工夫があり、文珠を二つも仕込んでいたのだ。それが、

 

           『鬼』『滅』

 

 忠雄の言うあれの正体である。

 「見やがれ!これが、横島忠夫流の鬼滅の刃だ!!」

 忠雄の狙いは、この文珠の効果で鬼の童磨を滅することだ。直接投げては避けられるし何より効果の範囲外に移動されては意味がないので、一番効果的なのがこれだった。これで童磨は数分もしないうちに消え去る・・・と思ったが、

 「何かやったのかな?君は」

 何故かまだ生きていた。驚く忠雄は鉄扇で殺そうとしたのを避けて離れてしまった。その時に霊波刀が消えて文珠も効果がなくなり、壊れてしまった。

 「(どうして?何故?)」

 「君が一番厄介だ」

 腹立たしい笑顔しかしない童磨の顔が若干だが、歪んでいた。怒りに燃えている伊之助は気づいてないが忠雄は焦っていることに気付いた。

 「霧氷・睡蓮菩薩」

 大技の氷の仏像を出してきた。その大きさと攻撃に苦戦する伊之助に協力するためにしのぶとカナヲも参戦した。そこに、

 「もう一度聞く。君は何をやったのかな?」

 童磨はその仏像に皆を任せるのではなく、何と自分は忠雄に鉄扇で右の肩に攻撃を仕掛けた。高みの見物をすると思っていた童磨らしくない動きだった。

 「・・・なるほど、そういう事か!」

 忠雄は左手で童磨の鉄扇を持つ右手を掴んだ時に理由が分かった。鬼なら右肩に攻撃を仕掛けた時点で、右腕を斬り落としているはずなのに出来ていない・・・それでわかったことは、あの鬼滅の刃は童磨の存在を消したのではなく鬼の力を滅したのだ。氷仏像はおそらく残っていた最後の鬼の力で出したものだろう。存在が消せなかったのは、文珠二個でも出来ないくらい強大だったという事だ。

 今の童磨は体は鬼のままだが、その力はほとんどなくなったいう事だ。何かやったのかな?と言ったのは、挑発でもなんでもなく急激に鬼の力が消えていった焦りだったのだ。右手を掴んだ時に妙に違和感があったので、霊視をして鬼の力が全然残ってない事が分かったので気付いた。

 気づいてニヤリとした忠雄に、

 「せっかく皆を幸せにする力をなくすなんて」

 「は!おまえしか幸せにならねえだろ!下種なお前なんぞ幸せになる資格がねえってことだ!」

 「初めてだよ・・・幸せにしない死を与えるのは」

 「(ずぶ)ぐ、くく!!」

 童磨は恐らく人間時代も含めて初めてだろう・・・怒りの感情を持ったのは。だが、彼はその感情を理解できないだろう。何しろ、その感情を理解する思考が全くないのだから。だが・・・鬼の力はなくなったが、鬼の体からくる殺意を持った攻撃を阻止することはできなかった。三人が氷仏像を破壊した瞬間、

 

 「うおおおおあああああああ!!(どさ!)」

 

 忠雄の悲鳴が響いた・・・慌てて彼の方を向くと、

 「これで出せない(だん!ぐしゃああ!)」

 「ぐ、く、ううう」

 「た、た、忠雄おおおおおお!!!」

 童磨に踏みつけられたあるものを見たしのぶが、名を呼び捨てで叫んだ・・・すぐに、彼女は忠雄の傍に行こうとしたが、

 「(フルフル・・・)」

 忠雄がそれを拒否して、顔を童磨に向けた。三人共すぐに意図が分かり、

 「童磨・・・俺らの幸せを教えてやる(ぼたぼた)」

 「理解できないね。死んで苦しみから解放されて永遠に僕と一緒になることが幸せなのに、どうしてそれを否定して苦しむことを選ぶの?」

 「俺も理解できないぜ。その結論になった狂ったおまえの思考がな(ぼたぼた)」

 「「「どおおおおまああああああ!!」」」

 「その苦しみをずっと抱え、必死に耐え抜いた先にある小さな幸せの為に頑張るのが人間だ!お前のような屑にそれが分かるわけがない!そして、今俺らはその幸せを掴もうとしている!覚えなくてもいいから聞け!俺らの幸せは!(ぼたぼた)」

 忠雄は全力で右手を掴んで、話を聞かせて童磨を動けないようにした。そこに、

 

 

 「おめえみたいな鬼がいない世界を生きることだ!」

 「「「地獄に堕ちろ!糞野郎!!」」」

 

 

 三人の攻撃が童磨の頸に入った。見事というくらい、三人の刃が交わることがなく斬った。

 「よかったな。最後の最後でお前は本当の善行ができたぜ。それに、やっとお前はさっき自分で言ったことを自分自身で味わえる時が来たんだ・・・感謝しろよ、童磨。やっと死ねたんだ」

 忠雄は堕ちていく童磨の頭を見下して

 「でも、残念だったな。お前は幸せになれねえ!俺らが作った地獄に堕ちていけ!」

 「うおおおお!!ざまああみやがれええええ!」

 伊之助に足蹴にされて、童磨が滅んだ・・・ついにしのぶとカナヲは姉の仇をとり、伊之助は母の仇をとったが、

 「忠雄!忠雄!忠雄!」

 しのぶは忠雄の方で頭が一杯だった。だが、無理もない・・・何故なら

 

 「右腕が、右腕が・・・ああああ!」

 

 しのぶ、いや三人が床にあるものを見た。それは忠雄の右腕・・・この戦いで彼は右腕を失ってしまった。しかも、作り置きしておいた文珠もあと一個あったが、まだ舞惨が残っているのでできるなら治療に使いたくない。何より、童磨が霊波刀を出させないために踏みつけてぐしゃぐしゃにしてしまったため、くっつけて文珠で元通りが出来ない。←童磨は忠雄の情報がない為、右腕さえなければ大丈夫と思った。

 さっきまで流れ落ちた血を止血して急いで手当てをしてくれるしのぶは

 「何で・・・どうしてここまで!」

 「好きな女の為なら、腕の一本位・・・命を懸けても守れなかったあの時よりましだ」

 「・・・忠雄///」

 膝枕をさせた忠雄の顔に大粒の涙を落とした。その後ろ姿を見たカナヲは、

 

 『姉さんが死ぬこと前提のあの作戦を聞いた時、とても辛かったです。とても悲しかったです。やめてほしいとずっと思い続けました。だって・・・私は、私は姉さんと一緒に家に帰りたかっただけなんです。童磨は死んだ。姉さんは生きている。後は舞惨だけ・・・それが終われば、一緒に帰れる。一緒に・・・う、うう、ううううう』

 

 安堵の気持ちが大きくなり、彼女もまた涙を落とした。そして・・・伊之助もまた亡き母を想ってか、皆しばらくその場を動かなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして、もうこの戦場で一か所、しのぶ・カナヲと同じ家族の絆があった。

 「玄弥ああああああ!!死ぬなあああ!」

 「に、兄ちゃん」

 必死に叫ぶ実弥の姿と、鬼のように消えかけていく玄弥の姿があった。鬼を食ってきたためその力が彼の中に侵食してしまい・・・致命傷を負ったため起こってしまっている。

 「何でだよ!何で、何で体が鬼みたいに消えようとするんだ!!」

 「兄ちゃん・・・やっぱり優しいな。ごめんね、あの時、兄ちゃんを責めて・・・ごめん」

 「そんなことはどうでもいい!!」

 「実弥・・・」

 彼らは鬼の中で最も強大な敵である上弦の第壱・黒死牟を斬り終え勝ったばかりだった。だが、柱が三人と玄弥の四対一だったのに・・・柱の一人で最も若い時透無一郎が死に至ってしまい、玄弥も体が真っ二つになって死のうとしていた。実弥と共にかろうじて生き残った悲鳴嶼も、もらい泣きして辛そうな顔をしている。

 「嫌だああああ!俺より先に死ぬなああああ!!」

 「俺も、同じ気持ちだから・・・辛い思いを、した・・・兄ちゃんに、幸せに・・・なって、ほ、しい。俺の・・・兄ちゃんは、この世で・・・一番、やさ、しい・・・人、だ、から」

 ついに玄弥の体部分がなくなり、顔だけになった。

 

 

 

 「あああ!!頼む、頼む神様!どうか、どうか!弟を連れて行かないでくれ!お願いだああああ!!」

 

 

 

 必死に叫んで弟の玄弥の顔を掴む実弥。ボロボロに涙をながす・・・その大粒の一滴が、

 

 

               ポタ

 

 

 あるもの・・・玄弥が炭治郎からもらった文珠に当たった。その瞬間、その文珠が輝いた。

 「!!な、何だ!」

 「いったい何が!」

 思わず出た光に目をつぶる二人。そして、光が無くなり目を開けた時・・・

 「「・・・・・・・・・」」

 二人は絶句とした。何故なら、もう顔も半分近く無くなっていたはずの玄弥が、

 

 

 

          「・・・す~~」

 

 

 顔どころか体も全部元に戻っていたのだから。これは文珠が必死に死なないでほしい実弥の願いの涙に『蘇』となって彼を蘇らせたからだ。しかも、鬼を喰っていた彼の体は今は完全に人間に戻っていた。あと数秒で散ってしまう玄弥の命がまるで嘘だったかのように、彼は寝ていた。

 「こ、こんなことが・・・」

 文珠の存在と効果を知っているのは、柱の中でも富岡としのぶしか知らないのだ。仮に知っていたとしても、ここまでの効果があるなんて考えられない。まるで神が本当に実弥の願いを受け入れてくれたとしか思えない現象に悲鳴嶼は言葉を失う。

 「・・・」

 実弥は思わず玄弥の頭を撫でる。

 「むにゃ・・・兄ちゃん」

 そんな寝言を言う玄弥を見て

 

 「・・・寝るのが好きって言ったよな。永遠に寝るのまで好きになるんじゃねえよ!」

 

 止まらない涙を出しながら笑顔になったが、

 「行くぞ、不死川・・・舞惨を倒すまで終わりではない」

 悲鳴嶼の言うとおりであり、まだ最後の敵を倒さないといけない。まだまだ玄弥とたくさん話し合いたいことだってあるだろうが、それは全てを終わらせてからでないといけない。その為にも・・・

 

 

 「ああ。玄弥の為にも・・・絶対に斬る!!」

 

 

 涙を止めた実弥は立ち上がった。この場にやってきたかろうじて生き残っていた隠に玄弥を任せて二人は前を進んだ。

 




 しのぶさんと玄弥君を救済しました。何故、玄弥君も?と思いますが、自分もリアルで弟の立場なので彼の気持ちに感情移入したためです。何より、この兄弟のところはマジで涙を出しながら書きました。


 では、次回決着編・・・と書いてますが終わりに出来たらいいな!
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