描く夢は異世界で卐   作:ルフト

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第一話 プロローグ

俺の名は北川剣人。いたって普通のどこにでも居る高校生。

皆と違う所があるとすれば、ミリオタとゆうことについてだ。

と、言ってもまだ知識は浅くただ好きとゆう所だけで完全なオタクとは言えない。

まあ、そのせいで友達の数が少ないんだけど。でも幼馴染がいるからボッチって訳じゃないぞ。

軍の中でも俺はナチス・ドイツが好きだ。

別にナチスの考えが好きなのでは無く、ただ純粋にドイツの兵器が好きなだけだ。

部屋には80cm列車砲やTiger戦車、他にも様々なプラモデルが並んでいて、壁には鉤十字が書かれているポースターが貼ってある。

俺は毎日それらを見てニヤニヤしていた。

あ、コラそこ、キモいとか言うんじゃない!

これは俺の至福の時なんだ。

何れはヒトラーのように歴史に名を残すのが俺の夢だ。無理だけど。

まぁともかく長たらしい話はあとにして、そろそろ誰かこの現状を説明してくれ。

いったいこれはどういう事なんだ?

俺の目の前には道路に倒れ伏している血だらけの俺の姿があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん・・・ここは・・どこだ?」

 

辺りを見回すと俺は見覚えのない場所にいた。

地面は海で空は青々といている。そんな景色が永遠と続いていた。

 

「やぁやぁ目覚めたんだね」

 

いつの間にか俺の前には一人の青年がいた。

 

「ここは死後の世界で僕は神ってところかな」

 

死後の世界?という事は俺、死んだのか?でも死んだ時の記憶がない。というかこいつ俺の心を読んでいるのか?さっきから説明が的確すぎる。やっぱり神だからか?

 

「君の予想どうり僕は君の心を読んで話していて、君の記憶が無いのは現世に止まってしまっていた君の魂を無理矢理こっちに持って来た事による一時的な記憶喪失に陥っているだけだよ。」

 

じゃあ記憶は戻るのか?

 

「まぁそうなんだけどあまり思い出さない方が良いかもね。結構えぐい死に方してたからね。」

 

え、なにそれ怖い。

 

「で、君は死んじゃってる訳だけど転生する気は無いかい?」

 

転生?そんな事できるのか?

 

「可能だよ。といっても元の世界じゃなく異世界だけどね」

 

異世界?どんな所だろう。危険じゃないのか?

 

「勿論危険さ。だから君には特別な力上げようと思うんだ。きっと君なら喜ぶものだどと思うよ」

 

マジで!?どんな力なんだ。

 

「この力は軍事に関するものを創り出す事が出来るんだ」

 

つまりその力を使えば戦車とか戦艦を作れるということか。

 

「凄いでしょ、この力」

 

ああ、全く驚いたよ。でも何でお前は俺にここまでしてくれるんだ?

 

「別に君だけじゃないよ。何人もの転生者に制限付きの能力を与え、ある使命を託して異世界に送り出してきた。でも殆どの転生者はその使命を忘れ今では好き放題暴れまわっているのさ」

 

まぁそうだよな。今この時代には二次元というまるで楽園のような世界を夢見て、自ら命を絶つような人達がいるくらいだ。そんな時に能力をくれて転生させてくれるという美味しい話が舞い込んで来たら、約束なんて忘れて自由に暴れるに決まってる。俺だってそうするかもしれない。

 

「君の能力は制限を緩めてある。君には夢があるだろ?そんな君だから安心して任せることが出来る」

 

確かに俺の夢はヒトラーのようになること。つまり世界を制覇すること。使命を託すにはうってつけの人だってことか。

でも使命とは何なんだろうか?

 

「僕が転生者達に託している使命とは、最初の転生者を捕らえることなんだ」

 

最初の転生者?どんな奴だろうか。

 

「とんでもない奴だよ。僕が力を制限する切っ掛けになった人物でもある。そいつの力は君の力の上位種でもある。」

 

でも見つかるのか?俺、そいつがどんな奴なのか分からないし、何か特徴は無いのか?

 

「確かに世界は広い。特徴といえば奴はソ連の兵器を好んで使用するようだ」

 

成程。俺とは対照的な訳だ。

 

「さあ、そろそろ準備が完了する。準備はいいかい?」

 

そう言って神はタブレットを差し出してきた。

 

「そのタブレットに作れる兵器を全て入れておいた。強度も抜群だし充電する必要もない。この鞄に入れていくといい」

 

俺はタブレットを受け取り鞄にいれ肩に掛けた。

そして前を見るといつの間にかゲートのような物があった。

 

「そのゲートを潜れば異世界だ。」

 

元の世界に感じる少しの名残惜しさと、新たな世界への期待と共に俺は歩き出した。

 

「これから先きっと大変な事に合うかもしれないけど頑張ってね。」

 

神のその言葉を最後に俺は目をつぶってゲートを潜った。

数秒後目蓋に隙間から光が入るのを確認して目を開けた。

そこはもう異世界だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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